窪田順生 [ノンフィクションライター] くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。 これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。 企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事象の背後にある「情報戦」を読み解く。 その手口の横暴さに日本中が激怒した「あおり運転カップル」。 しかし、なんの関係もない女性を「クロ認定」してネット上でボコボコにするという「正義のリンチ」もまた、許される行為ではない Photo:JIJI またしても、「正義のリンチ」によって、なんの罪もない人がボコボコにされる、という理不尽な事件が起きてしまった。 全国民を敵に回した、といっても過言ではない「あおり運転カップル」のうちの「ガラケー女」こと、喜本奈津子容疑者と間違えられてしまった女性経営者が、本名と顔写真を拡散されてSNSやネット上で凄まじい誹謗中傷を受けたのである。 なぜこんな「デマ被害」が起きてしまったのかというと、暴行現場をガラケーで撮影していた喜本容疑者がかけていたサングラスや服装と、この女性がインスタグラムで披露していたファッションがよく似ていたこと。 そして、宮崎文夫容疑者が、女性のインスタグラムをフォローをしていたからだ。 「え?たったそれだけ?」と驚く方も多いかもしれないが、ほとばしる正義感と拡散を呼びかける行動力で、社会に害をなす者をスカッと成敗する、いわゆる「ネット自警団」が行っている「有罪認定」とは、だいたいこんなレベルなのだ。 例えば、東名高速の「あおり死亡事故」の犯人の実家としてネット上で吊るし上げられ、「息子を出せ」「今すぐそっちに行くぞ」なんて脅迫電話までかかってきた建設会社は、たまたま犯人の居住地に近くて、経営者が犯人と同姓というだけ。 要するに、自分たちが「正義」だという絶対的な思い込みがあるので、なんとなくそれらしい状況証拠さえ揃えば絞首刑送りにしちまえ、という、中世の魔女狩りのような、かなりアバウトなジャッジなのである。 なんて話を聞くと、背筋が冷たくなってくる企業のリスク担当者も多いかもしれない。 実はこのようなデマを真に受けた「正義のリンチ」は、企業がターゲットとされるケースも多いからだ。
次の茨城県守谷市の常磐自動車道でのあおり運転殴打事件で、傷害容疑で逮捕された宮崎文夫容疑者(43)の車に同乗していた交際相手の喜本(きもと)奈津子容疑者(51)=犯人隠避容疑などで逮捕=と間違われ、インターネット上で名指しで誹謗(ひぼう)中傷された女性が23日、東京都内で会見し、「名前と写真が拡散され、精神的にも平常に戻れていない」と訴えた。 女性の代理人の小沢一仁弁護士によると、ツイッターやインスタグラムなどに「自首して」「あなたも指名手配されてますよ?」といった内容が書き込まれたといい、虚偽情報の発信元などを特定した上で、発信、拡散した人を対象に損害賠償を求め、名誉毀損(きそん)罪での刑事告訴も検討する。 都内で会社を経営する女性は会見で「朝起きたら犯罪者扱いされていた。 友人からのメールで、ネット上に自分の名前と顔がさらされていると知った。 まさか自分の身にこんなことが起こるなんて想像したことがなかった」と語った。 虚偽情報が出回ったのは、宮崎容疑者が全国に指名手配された翌日の今月17日早朝。 朝から女性が経営する会社あての電話が相次ぐようになり、転送設定をしていた女性の電話が鳴りやまなくなったという。 女性は「実際にこういうことが起こり、火のない所にも煙は立つと思った。 手軽に情報を発信できる時代だが、何かあったときに責任を取ることができるか考えてSNS(会員制交流サイト)で発信してもらいたい」と強調した。 女性と面識のない宮崎容疑者が女性の写真共有アプリ「インスタグラム」のアカウントをフォローしていたことや、喜本容疑者の事件時の服装などが女性が過去に着用していたものと似ていたことなどから誤認されたとみられているが、虚偽情報を最初に投稿したとみられる人物のアカウントは既に削除されていた。 小沢弁護士は「アカウントを消したからといって責任が消えるわけではない」と指摘。 「最初に情報を公表した人だけでなく、リツイート(転載)した人も含めて法的責任を追及し、先例となる裁判例を取得したい」と話した。
次の煽り運転ガラケー女の特定情報! 今回のガラケー女性の特定情報のきっかけは、Twitter上で宮崎文夫容疑者の指名手配の画像と並び、「ガラケー女」とされる女性が特定したとして、名前や顔が映った画像が流れたことでした。 その後その女性のTwitterやInstagramなどから会社名が追跡、あっと言う間に女性のアカウントが炎上となったのです。 流れとしてはレコーダーに撮影された時の画像と、特定されたの画像が似ていると勝手に同乗者であると思われた結果でした。 宮崎文夫容疑者とガラケー女。 顔写ってたんやな。 スポンサーリンク 特定されたガラケー女はデマ?SNSの声は? 今回のガラケー女特定される情報は、不鮮明な画像から判断し顔立ち・服装などが似ていただけ判断であり、情報の出所もはっきりされていません。 つまり確実な根拠はどこにもないということです。 煽り運転の同乗ガラケー女の実名出回ってますが、間違いっぽいよなぁ。 元SE、インスタする、などの人が何故ガラケーなのかがふちに落ちない。 名誉棄損で捕まる。 確かに今の時代高齢者ではないのにガラケーを持っているのは非常に珍しいことで、特定したくなるのもわかりますが、もし間違いだったらことがことだけに名誉毀損で訴えられますね。 ここで感じたのはやはりネットの力は怖い!一度拡散されたなら、それを見てしまった人の中には真実でなくても信じる人もいるので、安易な投稿は出来ないですよね。 スポンサーリンク 本人知人も否定でデマ濃厚! 「ガラケー女と」して特定された本人はインスタのStoriesで、 たくさんの人から電話とメールが来てます。 起きたら犯罪者扱いされててびっくりですが完全に事実と異なりますので無視してください。 全く身に覚えがないので困ってます。 と投稿、特定情報を否定されていました。 またFacebookのアカウントには、知人や友人らから心配のコメントがあったそうです。 すでに警察には相談を持ちかけているとのことでした。 現在までの状況としては批判のみならず嫌がらせの書き込みも殺到!アカウントの方は非公開されているようです。 たしか宮崎文夫容疑者がニュースで名前が公開されるまでは、ネットで全く別人の名前が犯人として上がってましたよね。 ネット社会と言われてますが、情報の全てが真実とは限らないということです。 スポンサーリンク まとめ 今回は「煽り運転ガラケー女の特定情報はガセ?本人知人も否定でデマ濃厚!」について書いて来ました。 何となく似てたで犯人扱いされたらたまんないですよね。 これだけの騒ぎになった事件の共犯として個人情報が流れてしまったら、もう人間不信になりそうです。 前文でも書きましたがネットは怖くて、間違った情報でも拡散するのは時間が入りません。 情報を提供する側も受けて側も正しい情報か?間違った情報か?を冷静に判断することを忘れないようにしましょう。
次の