ソマティック エクスペリエンス。 ソマティックエクスペリエンスでトラウマを解放

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ソマティック エクスペリエンス

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 1月7日月曜日が仕事はじめ。 研究所でのカウンセリング面接、久しぶりに事業場でのストレスマネジメント研修、外部機関でのカウンセリング、今年最初のスタッフ会議など、月~土曜日まであっという間の一週間でした。 そして今日は一年ぶりに浅井咲子先生を大阪にお招きしての「解放のフィジオロジー講座・スーパーアドバンスクラス」。 今回のテーマは症候群。 偏頭痛、過敏性大腸症候群、自己免疫疾患、慢性疲労、疼痛など神経系の調整不全を調整するハンズオンを学びます。 初日の今日、今までの復習から今回のテーマまで、愛着との関連についても学びながら、とても充実した一日となりました。 明日の二日目も、とても楽しみにしています。 今年最初のお花。 年末蕾だった菊が立派に開花! 早いもので、7月も半ばを過ぎました。 この連休の16・17日と、大阪市内にてハンズオン講座でした。 昨年に引き続き、今年も浅井咲子先生(アートオブセラピー主宰)にお越しいただき「」を大阪でスタートしました。 今回は全5日間の最初の2日。 研究所のスタッフ2名とSE(ソマティックエクスペリエンス)つながりの臨床家の皆さまと一緒に、和気あいあいとした雰囲気のなか、充実した学びの二日間を過ごすことができました。 参加者の皆さまの満足の様子も伝わり、私もとても嬉しく、皆で一緒に学べる喜びを感じました。 今回の実習は、腎臓と脳幹へのハンズオン(手で触れる)。 ストレスやトラウマが神経系に与える影響、神経系の調整不全の状態から自己調整を取り戻していくために、まずは「安全」の感覚と関わっている腎臓、脳幹に働きかけることを学びました。 私は昨年も受講しましたが、繰り返し学ぶことで、ようやく頭(知識)と身体(感覚 )と臨床経験がつながって、「ああそうか」と腑に落ちて理解ができてきました。 講座の最後は、アタッチメントの要素、タイプと、タイプ別にハンズオンでどうアプローチしていくかについてのご講義。 ここはまだまだ理解不足ですが、学びと経験を積みながら、カウンセリングの場をより「安全」に提供できるよう、取り組んでいければと思います。 生理学からの理解、とても興味深いです。 人が生きているってこういうことなんだ・・と実感します。 次回は8月、とても楽しみにしています。 今日は、東京より浅井咲子先生にお越しいただき、トラウマへのソマッティク・アプローチを学ぶワークショップを開催しました。 午前中はソマティック・エクスペリエンシング(以下、SE)イントロ・ワークショップ。 SEプレゼンターであり、SEトレーニングで多数のアシスタントを務めてこられた浅井咲子先生から、SEの基礎となっているトラウマの心理・生理学的な基礎理論と方法を、ビデオの映像も交えながら、とてもわかりやすくお話いただきました。 研究所のスタッフも参加しましたが、皆で一緒にSEやポリヴェーガル理論を学べ、とても有意義な時間でした。 日常を離れて、リラックスしてくつろぎながら充実した学びの時間を持つことができて、有り難く思います。 また頑張ろう~というエネルギーももらいました。 口コミでご参加くださった皆様からも、居心地よく学ぶことができた等、嬉しい感想を聞かせて頂きました。 ご参加くださった皆さま、大阪までお越しくださった咲子先生、ありがとうございました! 準備や片付けまで力をかしてくれたスタッフにも感謝。 さて、ワークショップが終わり、後片付けが終わった後は、来週日曜日から始まる「女性のためのセルフケアグループ」の打ち合わせをしました。 このグループは、トラウマの影響に対してアートセラピーの手法を使ってセルフケアに役立ててもらおうというものですが、自己調整を学んでいただけるようSE的なスキルも紹介しています。 その一つとして、イメージと身体感覚(フェルトセンス)をつなぎ、「今、ここ」につながれるように、工夫しています。 まだ現在参加者受付中ですので、関心のある方はお気軽にお問い合わせください! 咲子先生ありがとうございました! あっという間にクリスマスも終わり、今年もあと5日となりました。 25・26日の二日間は、さん講師によるハンズオン・アドバンスクラス講習会を開催しました。 このアドバンスクラスは、今年の6~7月に開催したハンズオン講習会で(前回の様子は)、アドバンスクラスをぜひ!!という参加者の皆様のご要望により実現しました。 トラウマの影響から自己調整とレジリエンスを取り戻していくために、トラウマの生理学的理解を基礎に、神経系、内分泌系、免疫系にハンズオン(触れること)でアプローチする方法を学ぶこのクラスは、本当に興味深く、身体への知的好奇心、探求心も刺激され、とても満足いく時間でした。 また少人数で学ぶクラスのため、和気あいあいとした雰囲気のなか、質問したいことがいつでも何でも聞くことができるのも有り難かったです。 この日、自分自身がでタッチを受けられることも楽しみにしていましたが、タッチはとても心地よく、すぐにストンと寝入ってしまいました。 起きた時はスッキリ。 毎晩、腎臓へのタッチを自分でしながら寝ていますが、やはり人にしてもらうと違います。 タッチでしか感じられない身体感覚や変化はとても興味深いです。 昼休みなど参加者の皆さまとのお喋りも楽しく、一緒に学ぶ仲間がいることを有り難く思いました。 遠方より大阪までお越し下さり、惜しみなく教えて下さった咲子先生、オフィスを貸してくださったHさん(今回は研究所が面接使用中のため)、参加者の皆さまにも感謝です。 また来年も学べることを楽しみにしています。 25日の帰り、クリスマスケーキをホールで奮発 昨日・今日と、この土日は研究所にてハンズオン講習会。 今日で5日間の全プログラムを終えました! とても穏やかに落ち着いて、安心できる雰囲気のなか学びを深めることができ、講師の浅井咲子先生にも、参加者の皆さまにも、感謝、感謝の気持ちでした。 ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)をもとに構築された自己調整のためのタッチは、腎臓、脳幹、消化器からスタートして(初日の様子は)、縦隔、肝臓へ。 そして今回は内分泌系、免疫系への働きかけを学びました。 甲状腺、膵臓、下垂体、松果体、脾臓、胆のう、胃、胸腺、下垂体・・など、こんなにいろんな器官、ホルモンが働いていて、ストレスの影響を受けたり、ストレスに対処してくれているのだと思い、すごいな~と身体に感謝の気持ちになりました。 実習では、セラピスト役とクライエント役とを交代して練習しあうので、自分自身もタッチをしてもらうことができますが、いつも、これがまたとても興味深い体験です。 今回も、二日前には過覚醒モードだったのが、タッチをしてもらってすぐに落ち着き、今日はさらに「いい感じ」になりました(言葉で表現するのは難しいですが)。 次回のアドバンスコース開催も決まり、今から楽しみです。 まずは自分自身の自己調整のために、自分のセルフケアとしてタッチを使っていきたいと思いますし、また機会あるごとにセルフケアの方法としてお伝えしていけるといいなと思います。 真夏日が続いていますので、皆さまもお身体ご自愛くださいませ。 三台のベットが活躍、ありがとう! 今日は一日、自己調整について学ぶ講習会。 東京より(SE認定プラクティショナー&グループコンサルタント&プレゼンター)にお越しいただき、「解放のフィジオロジー」と題して、生理学を理論的基盤にした自己調整とレジリエンス(回復力)のためのハンズオンについて学びました。 この講習会は全5日で、参加者はSEトレーニングでご一緒した皆さまを含めて6名。 場所は女性ライフサイクル研究所にて。 今日はその第一日目でしたが、和やかな雰囲気のなか、咲子さんのとてもわかりやすい講義と実習とで、あっという間に時間が過ぎました。 今日のテーマ、腎臓へのワークでは、ハンズオンをしてもらうと、すぐに休息モードに入り、ストンと眠ってしまいました。 昨年を学んでから、寝るときには腎臓に手を当てていますが、自分でするのと、人にしてもらうのとでは全然違うな~と実感。 目覚めた後はすっきりして、「今、ここにいる」感じ。 それは「今、この空間にいる」と「空間にいる自分」=「世界の中にいる自分」が感じられて、「落ち着くとは、そうそう・・こういうことだよね」と久しぶりの感覚と気づきに、嬉しく思いました。 もっと落ち着いたトーンで生活できるように心がけたいものです。 ストレスを受けた身体が次の日には回復できるよう、神経系の楽な活性と弛緩のリズムが感じられるように・・。 もてる知識や経験を惜しみなく教えて下さった咲子さん、すてきなSE仲間の皆さま、一緒に会場のお手伝いをしてくれたスタッフに感謝です。 次回の講習会は二週間後。 楽しみにしています! 三年間、ゴールデンウィークとシルバーウィークはトレーニングでしたが今回は最終回。 最終日の今日、皆さまの修了式にはじーんと感慨深い気持ちになりました。 三年間、私も共に時間を過ごさせて頂き感謝の気持ちです。 今日は私の誕生日。 三年間、アシスタント仲間に祝ってもらえて幸せな誕生日でした。 振り返ればSE ソマティック・エクスペリエンス トレーニングに初めて参加してから早7年。 あっという間に月日が流れました。 今回のトレーニングでは講師の先生の「好奇心をもって」「探究心をもって」の話からスタートしましたが、身体への好奇心は尽きません。 またこれからも好奇心、探究心をもって、学び続けていければいいなと思います。 人生は旅のようなもの、一つの終着点は次のスタート地点。 この道に続く次の旅路を楽しみにしたいと思います。 昼休み、芝生の上から空を見上げて・・。 今日からまた新しい週が始まりました。 この13・14日の土・日曜日は、東京で開催された「発達トラウマ」と「愛着障害」についてのワークショップにいってきました。 講師は、SEタッチセラピストのステファン・テレール心理学博士で、発達トラウマとアタッチメントの講義、デモンストレーションを通してのSEタッチの実技や解説など、とても充実した二日間でした。 テレール氏には、SEタッチスキル・トレーニングに参加した際にお世話になりましたが、今回初めてお話を聞かせて頂き、大変感銘を受けました。 特に、発達トラウマをご専門とされていますが、ご自身は独身でありながら二人の子どもを養子として育てておられます。 「夜は仕事はしません」など、家族(子ども)との生活を大事にした働き方をされているエピソードに、子どもとのアタッチメント(愛着)の絆を本当に大切にされていることが伝わってきました。 温かい雰囲気のなか、貴重な学びをさせて頂き、心から感謝の気持ちでした。 私も、SEタッチスキルを学んだ仲間とともにアシスタントを務めさせていただきましたが、さらにSEタッチの学びを深めていければと思いました。 大人の方にはSEタッチを提供させて頂いていますが、今後、子どもさんや、親子さんにも役立てていけるように・・またテレール先生から学べる機会が実現すればなと思います。 テレール先生の言葉で一番心に残っているのは、「一番大事なのはアチューンメント」。 同調し、波長を合わせること。 数年前、ボストン・トラウマセンターでの研修においても、アタッチメント(愛着)の回復のために「アチューンメント」はキーワードであったことを思い出しました。 SEタッチに限らず、アチューンメントを大切に意識して、臨床に取り組んでいきたいと改めて思いました。 さて、SEタッチではありませんが、大人と子どもとの愛着の絆を強めることを目的に、子どもと波長を合わせるコミュニケーションのポイントを、CAREプログラムという形で伝えていければと取り組んでいます。 関心がある方は、こちらも合せてご覧いただければ嬉しいです! お食事会場から。 東京駅って広い! 今朝は気持ちのいい爽やかなお天気。 今日で神戸・SE上級トレーニングも5日目。 アシスタントを務めていますが、明日の最終日まで残すところあと二日となりました。 上級トレーニングのテーマは、身体システムのコヒーレンス 一貫性、調和、協働 の回復。 複雑なトラウマの有機体全体への影響を理解して、症候群 シンドローム のような複雑なトラウマ 性ストレス症状、生理システムに効果的に働きかけるSEアプローチを学んでいます。 神戸トレーニングの前は、4日間のSEタッチスキル・トレーニングに参加しましたが、合せて二週間という長いお休みをいただきました。 学べば学ぶほど、身体ってすごいと、興味関心はつきません。 全体性の回復のたに身体の声をもっと聴きとれるようになりたいと思いました。 自分自身が経験し、学んだことは、また現場に持ち帰って、来談くださる皆様に還元していければと思います。 もちろん、家族や女性ライフサイクル研究所のスタッフ、友だちなど、周囲の人々にも伝えていければいいなと思います。 あと二日の時間、よい時間となりますように。 皆さまもよい休日をお過ごしください。 今朝の神戸の空、すがすがしい朝です。 お仕事のお休みをいただいて、トラウマセラピストのためのタッチスキルトレーニング Touch Skills Trainings for Trauma Therapists に参加しています。 ロサンゼルスで開催されているソマティック・エクスペリエンス (SE)のアドバンスコースの一つです。 講師のキャシー・ケインは30年以上の経験からこのタッチスキルを創り上げられたと言います。 それをこうして学ばせて頂けるなんて、なんて有り難いことかと思います。 講義、実習ととても興味深く奥が深いですが、もっともっと練習と経験が必要なことを痛感します。 少しずつでも学び続けていければ・・という思いを新たにしました。 明日はあっという間に最終日、夜中にこちらを発ちます。 すっかりお世話になっているSEタッチを学んでいる仲間、私が休み中も研究所でいつも通りに仕事をしているスタッフ 、応援してくれている家族に感謝しながら、最後の日を充実させたいと思います。 午後5時半帰り道。 夕日をバックにまるで影絵のような風景でした 1.

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ソマティック・エクスペリエンス一覧

ソマティック エクスペリエンス

こちらの方が 分かりやすくまとまっています。 よろしければ、下記ボタンより、そちらの説明ページをご覧ください。 今期の内容は、 性的トラウマや、 子どもの時の育児放棄、 虐待などによるトラウマ、小さい時に親を亡くしたなどの 喪失体験によるトラウマ、あるいは、 自動車事故など高衝撃によるトラウマなど、まさに、カウンセリング現場で関わることが少なくない内容をメインとしています。 上のようなトラウマがあると、 次のような症状や生きづらさを抱えてしまうことがあります。 ・人や異性との付き合いを避ける ・対人関係をうまく取れない ・自信や自尊心が極端に低い ・見捨てられることへの恐怖 ・うつ、不安障害 ・原因不明の心身不調、身体の痛み、不具合 ・すぐカッとなる、何かに過剰反応する ・無気力、無力感 これらは、もしかしたら トラウマを原因とする、「神経系のシステム不全」から来ているのかも知れません。 SE(ソマティック・エクスペリエンス)では、様々なトラウマ症状がおきる原因を、以下のように考えます。 (詳しく説明すると、もっと複雑で難しいので、とりあえず概要だけ。 (^^;)) トラウマになるような衝撃的体験をした時、人は、その恐怖や避けられない外部の力から、 身体や本能(神経系システム)が、 本来起こすべき自然な反応(例えば、逃げる、防御する、叫ぶ、戦うなど)を、 「妨げられてしまう」ことがある。 妨げられることで、 「未完了になってしまった反応」や、 「その時身体の内部に作り出された圧倒的エネルギー」が、神経系システムの中に 「閉じ込められて」しまって、それで 「システム不全」を起こしている状態が、トラウマ症状が起きている状態であると。 SEでは、その「未完了の反応」や「未解放のエネルギー」を、 少しずつ安全に解放させることで、システム不全を起こしている神経系のシステムを、より 柔軟で安定した状態に回復させていく。 そのことで、その人が本来持っている 自己調整力がしっかり機能し、現在困っている トラウマ症状や心身の不具合が改善していく。 ・・・うーん、でもこの説明でも、イマイチ分かりづらいですよね・・・。 (^^;) SEって、神経生理学その他で、かなりしっかり体系付けられている療法なんですけど、身体の仕組みや反応、システムに関わることなので、かなり深いというか、 これを一言で説明しにくいのが、本当にやっかい - -; だと思います・・・。 まるで、水泳の泳ぎ方を、口だけで説明している感じです・・・。 そこで、 1つのイメージしやすい例として、今回の札幌トレーニング中の、 私の練習セッション体験談をご紹介します! 自分でもかなり面白い体験で、 「未完了を完了させるって、こういうことか~!」と、結構腹に落ちたんですよね。 (自分の体験談なら、守秘義務に抵触しませんし。 ) 今回は長くなったので、体験談記事は次の記事で。 投稿者:•

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浅井咲子先生による2日間で学ぶ神経シミュレーション

ソマティック エクスペリエンス

ソマティックエクスペリエンシングは、ピーター・ラヴィーン博士の開発した最新のトラウマ・ケアの治療法です。 この治療法は、トラウマ治療のなかでは安全で効果のある療法です。 以下の2点からトラウマの成り立ちについて考察しています。 1.野生動物は日常的に捕食動物からの攻撃にさらされているのに、人間のようなトラウマを受けて苦しむ事がない。 2.トラウマの原因に関わらず、トラウマによって人間が苦しむ症状はほぼ同じである(不眠、フラッシュバック、パニック障害など)。 これらの点から研究を進めた結果、トラウマは個々の出来事の問題ではなく、それらの出来事に対して神経系がいかに反応するかという問題である、という結論を導き出しました。 ピーター・ラヴィーン博士の開発した治療法は、人間が本来の動物と同じ様に持っている「身体感覚」を主に使った、まったく新しいタイプのトラウマの治療メソッドです。 ここでは、神経系がトラウマによって抱えた過剰なエネルギーを少しずつゆっくりと解放させていくことを目指します。 ソマティック・エクスペリエンシングでは、激しい恐怖状態などのトラウマ反応に対処する際、セラピストに九つの基本構成要素を提供している。 トラウマと「再交渉」し変容させるためのこの基本手段は、直接的でも、厳格でも、単方向性でもない。 治療セッションでは、この九つのステップはむしろ互いに絡まり合って依存しており、繰り返しどのような順序で用いても良い。 しかし、この心理生物学的過程の基盤を堅固なものにするには、ステップ1,2,3を最初に順番通りに実施する必要がある。 1)相対的に安全な環境を確立する。 2)感覚を初めて探索し受容することを援助する。 3)「ペンデュレーション」およびコンテインメントを確立する。 これは、生得的なリズムの力である。 4)安定性、レジリエンス、組織化を増進するために、タイトレーションを用いる。 タイトレーションとは、再トラウマ化を避けるため、生きるか死ぬかという状態から生じる覚醒の感覚や他の困難な感覚に対して、最少の「滴」を落とすかのようにきわめて注意深く触れることを指す。 5)崩壊や無力感といった受動的反応を、能動的でエンパワメントされた防衛反応に置き換えることによって、修正体験を与える。 6)恐怖と無力感という条件づけされた関係を、(通常は短時間だがこの場合不適応な)生物学的不動反応から分離または「アンカップル」する。 7)生命維持活動のために動員された膨大な生存エネルギーを「放出」し再分配することをおだやかに促し、また高次の脳機能を支えるためにそのエネルギーを自由にして、過覚醒状態を解消する。 8)自己調整を用いて「動的平衡」およびリラックスした注意状態を回復する。 9)今ここにいることに注意を向け、環境に接触し、社会的つながりを再確立する。 外傷体験により、恐怖に凍りついた状態にある人が、セラピーのセッションのなかで能動的に生物学的不動状態に入ってもらい、トラウマによる原始的な防衛反応を解除していきます。 人は生物学的不動状態に入ることを恐れるので、まずは、安心できる記憶や望ましい記憶を思い出してもらって、身体の中の安心できる感覚を見つけていくことから始めます。 ピーター・ラヴィーン博士は、トラウマの克服の最も効果的な方略は、恐怖に向かって進むこと、不動状態そのものに接すること、起こりうる不快感に関連する種々の感覚・質感・イメージ・思考を、それがどのようなものであれ、意識的に探索することであると述べています。 今までの心理療法は、身体に重点を置かずに、対話を中心にしてトラウマの文脈を扱ってきました。 そのため、トラウマを負って、無感覚、無感情な人に対しては、心の深い部分を扱えずに、表層的な関係で終わっていました。 しかし、身体内部に働きかけるアプローチを使うと、身体も心もものすごく反応するようになり、身体が震えて、全身が熱くなり、涙が溢れ出て、真の変容が生じます。 人は身体を震わし、鳥肌を立てると、身体の中に閉じ込めていたエネルギーを放出することができます。 筋肉や脊髄、扁桃体に滞っていたエネルギーが抜けていくと、身体の状態が一瞬で変わって、様々な症状が解消されます。 ただし、複雑にトラウマがある人は、日常生活のなかで凍りついていくために、身体の中にエネルギーが蓄積されて、また元の状態に戻ってしまいます。 治療はゆっくり時間をかけて、何度もセッションを行う必要があります。 ソマティックエクスペリエンスは、凍りつきや虚脱のトラウマ、解離症状がある人、原因不明の身体症状がある人に最も有効な方法です。 感受性が高い人や瞑想に興味がある人に向いており、子ども向きの治療法でもあります。 ただし、自分の身体と向き合うことに意味が感じられない人には向かない治療法です。 治療では、トラウマティックな状態に自らを持って行って、不動状態を体験しつくします。 全身が縮こまり、固まった部分の感覚に一瞬でも触れていけば、身体が拡がっていきます。 そして、身体内部から安心感を得て、神経システムが平衡状態になります。 身体の内側が変化すれば、トラウマティックな脳も改善されていきます。 ピーター・ラヴィーン『身体に閉じ込められたトラウマ』(池島良子、西村もゆ子、福井義一、牧野有可里 訳 )星和書店 ピーター・ラヴィーン『心と身体をつなぐトラウマ・セラピー』(藤原千枝子 訳 )雲母書房 トラウマケア専門こころのえ相談室 論考 井上陽平.

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