芍薬 甘草 湯 生理 痛。 芍薬甘草湯

漢方薬局あさ|世田谷桜上水駅徒歩2分|女性薬剤師による健康相談薬局

芍薬 甘草 湯 生理 痛

月経痛(生理痛)・月経困難症について 生理(月経)の際に生じる腹痛などの諸症状が、治療が必要なほど重いものを月経困難症といいます。 強い生理痛(月経痛)のために日常活動が困難になり、学校や仕事などに行けないといった状態です。 酷い痛みと同時に吐き気をもよおし、手足が氷のように冷たくなって冷や汗をかくという方もいます。 また月経痛の他にも、腰痛や頭痛・倦怠感・下痢・精神的な不安定さ(イライラや不安感、抑うつ状態)などを伴う方もいます。 ただしあくまで症状を取るだけの対症療法であることや、連用すると痛み止めの副作用(胃痛など)が起こりやすくなることから、このような治療に疑問を抱いている方も多いようです。 その点漢方薬は根本治療に近く、月経痛を生じにくい体質へと導いていくことが可能です。 また月経痛以外にも身体に備わる不快な症状を同時に消していける傾向があるため、多くの医療機関で漢方薬を処方することが一般化されてきました。 事実、医療機関でもあくまで補助的な治療として漢方薬を処方している所が多く、実際にそう患者様にも説明していると思います。 しかし結論から申し上げますと、漢方薬は比較的短期で月経痛をかなりのところまで改善することが可能です。 少なくとも、やや重さは残るものの痛み止めを飲むほどではない、という程度までには軽減することができます。 ただし注意していただきたいのは、どのような漢方薬でもただ飲めばそうなるのかというと、それは違います。 その方の状態に合った、適切な漢方薬を服用できている、ということが絶対条件になります。 確かにこれらの処方は月経痛に有効です。 ただしそれぞれに「使い方」があります。 詳しくは下で述べますが、これらの処方を何の工夫もなく一律的に使用しているだけでは漢方薬の薬能を充分に引き出すことができません。 例えば、桂枝茯苓丸のエキス顆粒剤を服用しても月経痛が治らなかった方に、同じ桂枝茯苓丸でも煎じ薬や工夫を加えたエキス顆粒剤を服用していただくと月経痛がピタリと止む、ということが現実として起こるのが漢方治療です。 適切な処方が選択されていて、かつ分量が的確で、痛みを止めるための工夫がちゃんと施されているかどうか、そういった「使い方」のコツを心得ている治療が行われなければ、漢方薬は効かない仕組みになっています。 器質性月経困難症の原因疾患にはやなどがありますが、これらは別の項で説明していますので、そちらをご参照ください。 月経痛に対しても高い効果がある。 今日では婦人科領域全般に対して用いる名方として、冷え性で浮腫みやすく、色白で貧血傾向のある者に広く用いられるようになった。 これは本方の適応者を示す有名な解説である。 しかし実際には付け加えなければいけない点が多い。 まず本方の特徴は当帰・川芎という薬対で血行を促すという点にあるが、色白の人で当帰・川芎を使うと顔がのぼせて頭痛などを起こす者がいる。 芍薬を増量するか、苓桂朮甘湯などの桂枝・甘草剤を合方する必要がある。 またここでいう貧血とは一種の仮性貧血のような状態である。 血色素が減少していたり食欲無く栄養状態が悪いために起こっている真の貧血ではない。 本方でいうところの貧血傾向とは、血管の緊張度が強く、末端に血液が行き届いていないような状態を指している。 真に貧血の傾向があり、消化吸収の力も弱いというような者に本方を用いると、胃もたれを起こしたり、返って具合を悪くさせることもある。 本方には体形が細く色白で貧血という比較的体の弱い人に使うイメージがあるが、適応の本質はそこではなく、虚が明らかな者に使用するべきではない。 華岡青洲は呉茱萸を加えて用いていた。 その時々で訴える症状が色々と変化する者に適応する、と解説されていることが多い。 確かにそのような傾向はあるが、実際の臨床においてはこのような曖昧な目標は決め手にならない。 逍遥散は元来、一種の消耗性の発熱性疾患に用いられていた。 身体に緊張・興奮の状態が継続し、それにより体力を消耗して自律神経の乱れがいつまでも解除されないような病態である。 本方は血の消耗を回復することで興奮を落ち着け、緊張を去るという薬能を持つ。 その本質は胃腸薬であり、芍薬・甘草・生姜・茯苓・白朮が核となり、柴胡を加えることで骨格が完成する。 月経前に浮腫み、興奮してイライラしやすく、夜間に手足がほてる者。 緊張すると胃腸を壊す者。 胃腸の弱りは血の不足を招く。 よって鉄欠乏性貧血などを伴う者もいる。 加味逍遥散は本方に牡丹皮・山梔子の血熱を冷ます生薬を加えたもの。 空間的に中心に位置する胃腸の弱りは空間外部に血行を停滞させる。 特に頭部の煩熱が強く、のぼせイライラが強いものは加味逍遥散である。 ただし逍遥散にも涼血の配慮がある。 ある意味で加味逍遥散は逍遥散の適応範囲を狭めた処方であり、あくまで逍遥散の方が使い勝手が良い。 「瘀血(おけつ)」を去る薬方として月経痛に頻用されるが、実は効果を発現するためにはコツがいる処方である。 まず第一に、そもそも桂枝茯苓丸には痛みを止める配慮が弱い。 したがって本方を月経痛に運用する場合には痛み止めへの配慮が必要になる。 まず必要になるのが甘草。 芍薬・甘草の薬対を作ることで子宮筋の緊張を緩和する。 原南陽は本方に甘草と生姜とを加え「甲字湯」と名付けて運用している。 その他、香附子や大黄などを適宜配合する場合もあれば、鎮痛作用のある他剤に合方して用いる場合も多い。 もともと本方は流産時の出血多量や、胎児死亡、後産の出ない場合や止まらない場合に、腹中に止まる「癥瘕(ちょうか:かたまり)」を下す薬として作られた。 つまり本来は痛み止めではない点、そして一時的に生じた病態に適応する薬方である点(体質治療を目的とはしていない点)は知っておく必要がある。 本方適応者の体質として「体力があり中間証から実証の体質者で、足がひえてのぼせ、イライラして気逆の傾向がある者」などと説明されることが多いものの、習熟した漢方家であるほど、これをそのまま鵜呑みにして運用しない。 体質治療に応用するならば、本方にそれなりの配慮を行う必要がある。 単剤で用いるよりは駆瘀血剤として他剤と合方されることが多い。 その実は桂枝湯を内包し、血を復して血流を促し、冷えに対する身体の過緊張状態を緩和させる薬方である。 強力な痛みを生じる月経困難症に用いられる。 適応した時の鎮痛効果は非常に高く、一服にて痛みを消失させる場合も多い。 月経時に足先から下腹部まで急激に冷え、冷気が下半身を伝って下腹部に内攻し、激しい痛みと同時に身体が緊張状態に陥り、胃痛や吐き気・下痢、頭痛にまで諸症状が波及する気配のある者。 呉茱萸・生姜を除いたものを当帰四逆湯というが、これも痛み止めとして有効である。 ただし内攻する気配のある者は呉茱萸・生姜が必要。 その名の通り、下腹部の経脈を温める方剤。 浅田宗伯はその運用の目標を「胞門(ほうもん:子宮部)虚寒」と提示している。 下腹部を温めるという点では当帰芍薬散に近い。 ただし彼方は茯苓・蒼朮・沢瀉などの利水薬をもって浮腫みを取る薬能を持ち、本方は人参・甘草・麦門冬・阿膠などの滋潤薬を内包し「血燥」ともいえる乾燥状態に潤いを持たせる薬能を持つ。 口唇乾燥し、夜間に手足煩熱し、皮膚乾燥して荒れやすく、上半身のぼせるも腰から下は冷え、月経前に下腹部が張ってガス腹になる者。 月経困難症のみならず、無月経・月経前緊張症・不妊症などに広く応用される。 月経血に血塊が混ざるようなら桂枝茯苓丸を合方し、それでも血が快く下らない者は桃核承気湯を合方する。 その他下痢傾向が強い者は茯苓・白朮を、月経前のイライラが強いものには柴胡をといった加減が行われる。 「下法(げほう:大便の通じを促すことで鬱血を去る手法)」によって瘀血を駆逐する点が特徴。 桂枝茯苓丸に比べてその作用は強い。 適応する症状も実に幅広く、鼻血や不正出血などの出血症状や、月経痛や腰痛・頭痛などの痛み、打撲による内出血などに応用される。 また下法は血行循環を促すと同時に、身体の興奮状態を沈静化させる薬能も持つ。 故に狂(きょう)の如くと言われる精神症状や、不眠などにも応用される。 月経前に便秘し、便は乾燥気味で、のぼせてイライラし、月経時に血の塊が排出されると痛みが緩和するという者。 桃核承気湯が適応するのぼせは、のぼせっぱなし、である。 もともとは感染症において急激に発生した瘀血を、迅速に瀉下し揮発する目的で作られたもの。 したがってやや急性的に生じたものに適応する。 より陳旧化した瘀血には通導散を用いる。 当帰芍薬散や桂枝茯苓丸・桃核承気湯などでも止まらない月経痛にしばしば著効する。 通常、強い駆瘀血(化瘀)作用は大黄などの下剤を用いて「下法」を行うことで実現させるが、本方は下法を用いず、延胡索や牛膝などの鎮痛薬をもってそれを実現させているところに最大の特徴がある。 子宮筋腫や子宮内膜症などに運用の場が多い。 鎮痛薬としての効能のみならず、その高い駆瘀血性から長服すれば瘀血を生じにくい体質へと導く薬能も持つ。 瘀血の迅速な消退を主眼としているため、排出を緩和させる甘草は入っていない。 過多月経にて貧血が介在している場合には、人参・甘草剤などを合方することがある。 骨盤内臓器の充血を去る目的で月経痛や冷え性・腰痛など、産後に関わらず広く応用される。 平素より下半身が冷え、膀胱炎や痔を患いやすく、時として気持ちを病み不安定になりやすい者。 多種類の生薬にて構成される処方ではあるが、その基本骨格を理解すれば様々な疾患に応用することができる。 同じく産後、特に分娩後の下腹部痛に用いられる方剤に生化湯がある。 芎帰調血飲第一加減を一等切れ味するどくしたような処方で、頓服的な痛み止めとして月経痛に運用できる。 浅田宗伯は月経痛で痛みが耐え難い者は、桃仁を去って用いると解説している。 本方は腰回りが冷えて痛むものに頻用されるが、腰回りに付着した寒湿を去ることで血行を促す薬方。 その結果、通常の活血剤では取れない月経痛が改善することがある。 腰から足にかけて水の中に入っているように冷えを感じ、冷えると如実に尿が近くなるという者。 同じく利水の薬能を持つ苓桂朮甘湯や温胆湯でも月経痛が改善されることがある。 吉益東洞の『薬徴』を校註し『重校薬徴』を著した尾台榕堂は、本書の中で水と血との同一性を示唆している。 「水と血とは素と類を同うするなり。 唯赤きときは則ち之を血と謂い、白きときは則ち水というのみ。 着眼すべき指摘である。 通常は胃もたれや胃痛などの消化器系の疾患に応用されることが多い。 月経痛に対しても効果があり、湯本求真は体質改善薬としてこれらの方剤に当帰芍薬散や桂枝茯苓丸を加えて用いた。 これらの合方は月経痛のみならず、月経前症候群や無月経など、総括的な治療手段として婦人科系に広く運用される。 血を益し筋の緊張を和らげて腹痛を止める小建中湯と、腹中を温めて内臓の血行を促し腹痛を止める理中湯とは、両者ともに非常に相性の良い組み合わせである。 「虚労(きょろう)」と呼ばれる一種の疲労状態に適応する。 平素より緊張すると腹痛・下痢を起こす傾向があり、腹は冷えるが手足のひらはほてるという者。 月経前の気持ちの不安定さを月経後に引きずり、出血中に気持ちが落ち込むという者。 月経と伴に腹痛を伴う下痢を起こす者。 当帰芍薬散や当帰四逆加呉茱萸生姜湯にて効果のない月経痛において、考えるべき手段の一つである。 小建中湯に当帰を加えたもの。 出典の『金匱要略』では産後の疲労状態に伴う腹痛への適応を提示している。 腹に刺すような痛みや絞るような痛みがあり、痛みが腰や背にまで及ぶ者。 血を充実させ、血行を促すというのが本方の主眼であり、いくら活血薬を使っても痛みが引かないという者は、まず本方のような補剤をもって血の力から回復させなければならない。 これに黄耆を加えたものを帰耆建中湯という。 江戸時代の外科医、花岡青洲によって作られた処方で、膿瘍自潰後の肉芽の新生を早め、外科手術後の傷跡や全身状態を回復させる目的で使用していた。 血行を促し、身体を温める薬能をもって、この方剤もまた月経痛に応用する。 血の弱さを持つものは、傷が治りにくく、体力が回復しにくい。 故に月経血がいつまでもダラダラと続いて止まず、出血中に疲労感が強く、すぐに体がだるくなる。 当帰・黄耆は二味で補血湯(当帰補血湯)という。 気血両者を充実させて血行を促すことから、月経痛を止める手段の一つとして知っておくべき方剤である。 食欲が無いか、もしくはあっても少食で貧血の傾向がある者。 月経血の量が少なく2・3日で終了するか、もしくは少量の出血をダラダラと長引かせる者。 出血中に疲労感が強く、さらに食欲がなくなる者。 こういった傾向を持つ方の月経痛は胃気(消化吸収能力)を回復しなければ血が増さず、痛みが取れない。 虚の段階としては当帰建中湯や補中益気湯などに近い。 食欲不振が主なら本方を、疲労が主なら補中益気湯を、「虚労」の流れに属するならば当帰建中湯をそれぞれ専用する。 こむら返り(足のつり)に用いる代表方剤であるが、痛み止めとして月経痛にも運用される。 芍薬・甘草の2味で構成されるシンプルな処方であるが、漢方薬は構成生薬が少ないほど切れ味が良い(効き目が早い)傾向があり、本方も頓服薬としても充分に薬能を発揮する。 また効き目が早い分、適応の是非も判断しやすい。 すなわち、もしこの処方にて月経痛が軽くならないようであれば、いくら連用しても効かない。 他方剤の適応を考えるべきである。 筋肉の緊張を緩和することが本方の薬能ではあるが、本質的な薬能は「陰を復す」ことにある。 急激に発生した血行障害に対して、身体が過剰な緊張・興奮状態を発動する病態に著効し、芍薬甘草湯のように筋肉の緊張を緩和する薬能とは一線を画すものである。 このような病態が発動する根本には冷えがあり、特に足首が冷えると訴える者が多い。 激烈な痛みと同時に吐き気をもよおす者。 痛みとともに下痢をする者もいる。 冷えの根本は消化管にあることが多い。 急激に発動する痛みの波を早期に終息させるような鎮痛効果を持つため、痛みが発生する前から服用していた方が効きが良い。 特に胃が冷えて痛むという者に用いられる。 桂枝や良姜、延胡索などの血行を促し痛みを止める薬能をもった生薬が配合されていることから、胃痛のみならず、月経痛にも応用することができる。 ただし、やはりメインは胃部の痛みであり、月経痛に対して積極的に使用するような薬ではない。 胃調の冷えと子宮部の冷えとが相関するという点に関しては一考するべきである。 この方のみならず、建理湯や呉茱萸湯なども消化管を温める薬であると同時に、月経痛を止める薬でもある。 常日頃から冷飲食によって胃腸を冷やしている者は、月経痛を発生しやすい。 安中散:「構成」 桂皮 けいひ :延胡索 えんごさく :牡蛎 ぼれい :茴香 ういきょう : 甘草 かんぞう :縮砂 しゅくしゃ :良姜 りょうきょう : 臨床の実際 漢方薬運用の実際 月経痛は漢方治療の基本の一つです。 現在ではその有効性が認められ、多くの医療機関で処方されるようなりました。 そして漢方処方の使い方を説明する上で良く取り上げられるのが「気・血・水」という概念です。 色々な本やサイトで説明されていることですので、ここでは詳細な説明は省きますが、非常にわかりやすく、説明しやすい概念であるとは言えます。 これが実際の臨床における現実だと思います。 現代でいうところの「気・血・水」の概念は、江戸時代に吉益南涯(よしますなんがい)が提示したものが基になっています。 南涯の父・吉益東洞(よしますとうどう)の万病一毒説を受け、それをより弟子たちが納得しやすく、漢方を学びやすくするために改変したものだと言われています。 つまりある意味では、治療のための概念というより、説明のための概念です。 より多くの方の月経痛を、より再現性高く改善していくためには、もう少し現実的な考え方で対応する必要があります。 月経周期中の分泌期に子宮内膜で作られるプロスタグランジンという物質が、子宮筋層を収縮したり血管を収縮させて筋層への血流を減少させるために痛みが発生します。 もともと子宮回りの血行が悪い方では、月経時の子宮収縮や虚血が強く起こってしまいます。 これが激しい痛みを起こしてしまう原因です。 すなわち月経痛の改善は「いかに下腹部の血行を良くするか」ということがすべてです。 月経時にお腹にカイロを貼ると痛みが楽になるのは、温めることで血行が良くなるからです。 血行障害というと、東洋医学では「血行障害=瘀血(おけつ)」とすぐに説明されてしまいますがそれは誤りです。 「瘀血」は駆瘀血薬(桃仁・大黄・虻虫・水蛭など)によって改善する病態です。 血行を促す薬物はこれら駆瘀血薬だけではありません。 活血薬に属する桂枝や川芎・当帰、理気薬に属する紫蘇葉・香附子・木香、こういった生薬も血行を促す薬物です。 さらに蒼朮や白朮・茯苓といった利水薬・去湿薬でさえ、結局は血行を促す薬物だと私は思っています。 下腹部の血行循環を促すには、大きく分けて三通りの方法を考えます。 当帰・川芎(芎帰剤)を使うか、呉茱萸を使うか、桂枝湯類(桂枝・芍薬・甘草を基本としたもの)を使うか。 それぞれ下腹部の血行を促す薬物ですが、その促し方が違います。 また駆瘀血剤を用いるべきかどうかを同時に検討する。 これくらいシンプルに捉えた方が、運用に無駄がありません。 そしてこれらに一見属していないように見える大柴胡湯や逍遥散、六君子湯合補血湯といった処方も、あくまでこれらの派生であって、そういう捉え方ができるようになれば、運用の幅も広がっていきます。 もし「気・血・水」という概念で、実際に効果的な運用を展開するのであれば、まず「気」の概念を明確に定義するべきです。 東洋医学では何々と言われているなどという曖昧な解釈ではなく、せめて臨床的にはこう考えると効果的である、という所まで解釈を深めるべきだと思います。 漢方医学は現実に目の前にある事象に対応するための医学です。 曖昧なものを曖昧にせず、その中にどれだけ効果的なものを求めることができるか。 こういう作業が如実に治療成績に反映されてくるのが漢方です。 関連する記事 当薬局へのお問い合わせ 当薬局ではご来局の上でご相談をお受けしております。 下記「ご相談の流れ」をご参照ください。 ご予約の際、漢方薬や病に関するご質問などがありましたら、お気兼ねなくお問い合わせください。 また体調のためにお越しになれない方や、遠方にてお越しになれない方のために、電話やメールでのご相談をお受けしております。 下記「遠方相談受付」よりお問い合わせください。

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芍薬 甘草 湯 生理 痛

『』 大塚敬節 矢数道明 清水藤太郎共著 南山堂刊 芍薬甘草湯 しゃくやくかんぞうとう 本方は急迫性の筋肉の攣急を目標に、頓服として用いる方剤で、四肢の筋肉ばかりでなく、腹直筋その他の筋肉の攣急にも用いられる。 本方は芍薬と甘草の二味からなり、筋肉の急迫性攣急を治する効がある。 本方は以上の目標に従って、四肢の筋痛、腎石・胆石等からくる急迫性腹痛などに用いられる。 また排尿痛の激しいものにも用いることがある。 多くは頓服として一時の急を凌ぐために便利な方剤である。 『漢方精撰百八方』 70.〔芍薬甘草湯〕(しゃくやくかんぞうとう) 〔出典〕傷寒論 〔処方〕芍薬、甘草各3. 0 〔目標〕自覚的 身体諸処が劇しく痛み、腰脚がひきつり痛む。 他覚的 脈 やや軟に近いが、ときには緊。 舌 苔なく、多くは湿潤。 腹 腹力はやや軟で、両腹直筋がつよく緊張して、あたかも二本の棒を、臍をはさんで平行にたてたような感を呈する。 〔かんどころ〕脚はひきつり、腹筋すじばり、あちこち痛んでがまんが出来ない。 〔応用〕 1.諸種の疼痛の激甚な場合 2.小児の腹痛又は夜啼症 3.諸種の神経痛で、腹直筋の緊張のつよいもの 4.胆石、腎石等で疼痛の激しい場合 5.泌尿器、生殖器疾患で下付苦痛の激しい場合 〔治験〕本方は諸種の疼痛を、頓挫的に緩解させるはたらきがつよい。 随意筋、不随意筋の別なく、その痙攣による疼痛をゆるめる作用は、予想以上のものがある。 その痛みが激甚ならば激甚なるほど、本方は即座に奏効する。 本方に膠飴を加味して、より効を増すことがあり、また手足に寒冷を覚えたり、悪寒の加わったりする場合には、附子を加えてとして与えて、一層効果的である場合がある。 二十三才の男子。 猛烈な腰の痛みで、家中を転げ廻っているから、至急往診してほしいとの訴え。 行ってみると、なるほど、泣き叫ばんばかりの様相で輾転反側している。 両腹直筋はピンと緊張して、二本の竹の棒を立てたようである。 あらかじめ用意していった本方を煎じ与えて五分、嘘のように痛みはおさまり、静かになった。 あと一週間分を服して完治した。 三才の女児。 疳がつよくて、何事にも反抗し、かつ夜は突然にとび起きて啼きわめく。 本方を与えること二週間で正常状態に復した。 藤平 健 『』 東丈夫・村上光太郎著 東洋経済新報社 刊 芍薬甘草湯 しゃくやくかんぞうとう 傷寒論 一 腎臓結石、排尿痛その他の泌尿器系疾患。 『 《資料》よりよい漢方治療のために 増補改訂版 重要漢方処方解説口訣集』 中日漢方研究会 34.芍薬甘草湯 傷寒論 芍薬4. 0~8. 0 甘草4. 0~8. 漢方でいう筋の拘攣,拘急,攣急などを対象に鎮痙鎮痛剤として繁用されているもので,平滑筋(内蔵筋)や横紋筋(骨句筋)の異常緊張に伴う急迫性の痛みを緩和させる。 したがって単に鎮痛作用だけでなく,筋または筋群の痛みを発作性収縮に著効がある。 なお筋の異常緊張により痛みを伴う場合,,,,,など多くの処方に本方を構成する芍薬甘草湯が配合されている。 胆嚢炎,胆石症などで胸脇部痛や胃痙攣痛があって,で痛みがとれないとき本方を加える。 大柴胡湯が適応する肝臓疾患や胃腸病で,痛みを愁訴するものに,本方を合方する。 が対象になる胃炎,胃拡張などで心窩部の直腹筋が時々拘攣して,痛みを訴えるものに頓用する。 神経痛,関節炎,筋肉リウマチなどで麻杏薏甘湯だけで,痛みが好転しない場合本方を加味する。 適応証の膀胱炎,尿道炎,腎臓結石,尿道結石などに単味で痛みがとれないとき,本方を頓用せしめる。 パーキンソン氏病で脳血管動脈硬化が認められ,が対象になる症状と,筋硬直と運動障害を目安に本方を投与すると,奇効を奏す識ことがある。 また半夏厚朴湯に本方を合方して応用することもある。 急性胃腸カタルや腹部内蔵の発作性痛みに,本方を頓服的に用いると速効効果がある。 海水浴や水浴中に起こりやすい下肢の痙攣に本方を服用させると著効がある。 〈 漢方処方応用の実際〉 山田 光胤先生 急激におこった筋肉の拘攣による症状(痛み)に頓服として用いる。 拘攣か骨格筋におきれば,四肢,手足の攣急性疼痛となり,消化管の滑平筋におきれば,胃腸の痙攣性激痛となる。 腹証は,両側の腹直筋が攣急していることが多いがこれのないこともある。 〈〉 大塚,矢数,清水 三先生 本方は急迫性の筋肉の攣急を目標に,頓服として用いる方剤で,四肢の筋肉ばかりでなく,腹直筋その他の筋肉の攣急にも用いられる。 本方は芍薬と甘草の二味からなり,筋肉の急迫性攣急を治する効がある。 本方は以上の目標に従って,四肢の筋痛,腎石・胆石等からくる急迫性腹痛などに用いられる。 また排尿痛の激しいものにも用いることがある。 多くは頓服として一時の急を凌ぐために便利な方剤である。 〈 漢方処方解説〉 矢数 道明先生 本方は急迫性の激しい筋肉の攣急と疼痛が主目標で,多くは腹直筋の攣急を現わす。 本方は表裏ともに作用し,四肢腹部腰背の筋攣急ばかりでなく,胃痙攣や胆石症,腎石疝痛等裏の急迫性疼痛にもよく奏効し,その疼痛は筋肉局所のみの症状であることが多い。 局所の筋肉が堅く,強く収縮し,痙攣を起こしているものによいので,多くの場合,腹直筋の攣急をともなっている。 しかし腹壁の弛緩しているものでも腹底のどこかにひっぱりのあるものに用いてよいことがある。 〈 日本東洋医学会誌〉第3回第1号 細野 先生等 身体の筋肉の攣急は,ただに躯幹や四肢の筋肉の如き表在性のものに止まらず,体内に深在する滑平筋臓器,殊に胃腸,気管,胆嚢,輸胆管,輸尿管等々の滑平筋性管状臓器における攣急さえも広く応用して卓効があると考えられる。 筋肉の痙攣であれば,骨骸筋,或は滑平筋の如何をとわず,中枢性と末梢性とを問わず,よく鎮静的作用を現わすものである。 」 〈 医学心悟〉 芍薬甘草湯,腹痛を止むこと神の如く。 〈 勿誤方函口訣〉 浅田 宗伯先生 此の方は脚攣急を治するが主なれども,諸家腹痛及び脚気両足,或は膝頭痛んで屈伸すべからざる者,其他諸急痛に運用す。 又釣藤,羚羊を加えて驚癇の勁急(激しい痙攣のこと)を治す。 又松心(松のひでといって油脂成分の多いところ)を加へて,淋痛甚しく,昼夜号泣する者を治す。 又梅毒諸薬を服して羸劣骨節,なお痛み,攻下すべからざる者,松心を加えて効あり,或は虎脛骨を加ふるも佳なりと云う。 〈 漢方入門講座〉 竜野 一雄先生 運用 1. 筋肉痙攣 古方家的に言えば芍薬,筋の拘攣を緩め,甘草,急迫を治す。 故に筋つり痛むものに用いると言う所だが,些か蛇虫を加えたい。 芍薬甘草湯はひとり筋拘攣を治すのみならず下肢運動麻痺にも用いるから筋拘攣では割切れない。 芍薬甘草湯の証は傷寒論太陽病上篇に出ている。 「傷寒脉浮,自汗出で小便数,心煩,微悪寒,脚攣急するに,反って桂枝銀を与へ其表を攻んと欲するはこれ誤なり。 之を得れば便ち厥し,咽中乾き煩躁吐逆せんとするものはを作りて之を与え,以て其の陽を復す。 若し厥癒え足温かなるものは更に芍薬甘草湯を作り之を与ふれば其脚即ち伸ぶ。 」(中略) 筋肉には血が多く含まれており,筋も血も陰に属する脚も亦上肢に対しては陰である。 特に脚といった所に意味があり,伸びたまま縮まないのは陽だし,曲ったまま伸びないのは陰で,陰が勝っている状態である。 陰の部の腹が痛む時はこごみ,背が痛いときは身を反して背に力を入れることを考えれば類推できよう。 芍薬の気味は苦平になっている。 苦は血に行き,芍薬は陰血を益す。 血虚を治し筋の攣縮を緩め弛緩を補力する所以である。 甘草の気味は甘平,甘は緩め補う。 急迫を緩和し,弛緩を補力する所以である。 芍薬の血,甘草の気相俟って血虚による脚筋拘攣を治し,陰気を補ってここにはじめて陰陽の調和を図ることができる。 芍薬甘草湯は臨床上腹痛などにも用いる。 すると表裏の関連をどう説明すべきかが問題になってくるが,漢方的には芍薬は脾血を益す。 苦は火,脾は土,火土を生ずるの相生を以て説明するのは,この場合些か機械的でしっくりしない。 脾は四肢を主り,脾虚せば四肢伸びずして攣縮くるに至る。 表裏の相互関係である。 芍薬甘草湯は臨床的には次のようなことに応用される。 1.熱病発汗過多により脚攣急するもの,条文の通りである。 2.下肢痙攣,その原因が脚気であろうと,捻挫,筋肉リウマチ,関節炎などであろうと,末梢神経性,中枢神経性,症候性等を問わずに急劇に起ったものに有効である。 慢性でも劇甚なものには対症療法として用いるべきである。 その際他に例えば発熱悪風の如き何等かの特徴のある症状を伴っていれば別の処方を選ぶべきで,芍薬甘草湯は専ら局所症状だけのものと思えばほぼ誤りはない。 私の乏しい経験では上肢に起ったものはなく,皆下肢ばかりだったが,上肢でも勿論有効であろう。 (中略) 3.局所的な筋肉のトーヌス低下,主に下肢の無力症で,脚弱と称し歩行困難のもの,矢張り局所所見があるだけのものに使う。 若し他に所見があれば,八味丸,桂枝加附子湯などである。 4.気管支喘息で呼吸困難のため筋肉に力を篭めているもの,敢て喘息ばかりに限らず咳の劇しいもの,痛みのはげしいもの,小便が出ないでいきんでいるものなどに芍薬甘草湯を使うと一時の急を救うことが出来るから意を以って応用の機会をひろげてみるようにする。 私は嘗て肺結核で劇しく咳込み如何ともし難きものに,咳をするとき四肢背筋にあらん限りの力を籠めているのに目を付け本方を用いた所,咳も緩解した経験を持っている。 甘草は急迫を治すとて古人も嘔逆,淋病で痛み,小便が出ないもの,脱肛,痔発作などに使っているが,甘草には副腎皮質ホルモン促進的の薬理作用があるから,汎適応症候群の見方から見ると正に急迫症状を呈する抗ショック期に甘草が有効であることが考えられる。 運用2. 腹痛 芍薬甘草湯は表のみならず裏にも働き,痙攣,疼痛を緩和する。 就中腹痛で代表的なのは胃痙攣や胆石痛などの急劇な疼痛であって,原因不明の一過性腹痛や重大な器質性変化なき胃痙攣などは本方が治ってしまうことが多い。 その他一定の器質性変化がある病気でも鎮痛剤として対症療法的に用いて効果を期待することが出来る。 例えば蛔虫,小児の原習不明の腹痛,急性虫垂炎,胃潰瘍などに使った例がある。 但し内臓の穿孔,腸閉塞症,膵臓壊死などはたとえ本方で一時の急を救ったにせよ原病に対する適切な療法を怠っては取返しがつかぬことになる。 芍薬甘草湯を使うべきは腹痛は腹筋が強く収縮していて,疼痛も劇しい。 鈍痛,慢性の腹痛,腹壁弛緩せるもの,他に著明の症状を伴っているものなどには効かない。 〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。 〕 (2)次の診断を受けた人 心臓病 2.症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないこと 相談すること 1.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること (1)医師の治療を受けている人。 (2)妊婦又は妊娠していると思われる人。 (3)高齢者。 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。 〕 (4)次の症状のある人。 むくみ 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以 上)含有する製剤に記載すること。 〕 (5)次の診断を受けた人。 高血圧、腎臓病 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以 上)含有する製剤に記載すること。 〕 2.服用後、次の症状があらわれた場合は直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤 師又は登録販売者に相談すること まれに下記の重篤な症状が起こることがある。 その場合は直ちに医師の診療を受けること。 症状の名称 症状 間質性肺炎 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空せき、発熱等がみられ、これらが急にあらわれたり、持続したりする。 偽アルドステロン症、ミオパチー1) 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。 うっ血性心不全、 心室頻拍 全身のだるさ、動悸、息切れ、胸部の不快感、胸が痛む、めまい、失神等があらわれる。 肝機能障害 発熱、かゆみ、発疹、黄疸 皮膚や白目が黄色くなる 、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。 〔1)は、1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。 〕 3.5~6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬 剤師又は登録販売者に相談すること 〔用法及び用量に関連する注意として、用法及び用量の項目に続けて以下を記載すること。 〕 (1)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。 〔小児の用法及び用量がある場合に記載すること。 〕 (2)〔小児の用法がある場合、剤形により、次に該当する場合には、そのいずれかを記載すること。 〕 1)3歳以上の幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。 〔5歳未満の幼児の用法がある錠剤・丸剤の場合に記載すること。 〕 2)幼児に服用させる場合には、薬剤がのどにつかえることのないよう、よく注意すること。 〔3歳未満の用法及び用量を有する丸剤の場合に記載すること。 〕 3)1歳未満の乳児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。 〔カプセル剤及び錠剤・丸剤以外の製剤の場合に記載すること。 なお、生後3ヵ月未満の用法がある製剤の場合、「生後3ヵ月未満の乳児」をしてはいけないことに記載し、用法及び用量欄には記載しないこと。 〕 保管及び取扱い上の注意 (1)直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること。 〔( )内は必要とする場合に記載すること。 〕 (2)小児の手の届かない所に保管すること。 (3)他の容器に入れ替えないこと。 (誤用の原因になったり品質が変わる。 ) 〔容器等の個々に至適表示がなされていて、誤用のおそれのない場合には記載しなくてもよい。 〕 【外部の容器又は外部の被包に記載すべき事項】 注意 1.次の人は服用しないこと (1)生後3ヵ月未満の乳児。 〔生後3ヵ月未満の用法がある製剤に記載すること。 〕 (2)次の診断を受けた人 心臓病 2.次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること (1)医師の治療を受けている人。 (2)妊婦又は妊娠していると思われる人。 (3)高齢者。 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。 〕 (4)次の症状のある人。 むくみ 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以上)含有する製剤に記載すること。 〕 (5)次の診断を受けた人。 高血圧、腎臓病 〔1日最大配合量が甘草として1g以上(エキス剤については原生薬に換算して1g以 321 上)含有する製剤に記載すること。 服用が適さない場合があるので、服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談すること 〔2. を記載すること。 〕 3.服用に際しては、説明文書をよく読むこと 4.直射日光の当たらない(湿気の少ない)涼しい所に(密栓して)保管すること 〔( )内は必要とする場合に記載すること。 〕 医療用漢方製剤 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 1. アルドステロン症の患者 2. ミオパシーのある患者 3. 低カリウム血症のある患者 [1~3:これらの疾患及び症状が悪化するおそれがある。 ] 【使用上の注意】 1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 高齢者(「5. 高齢者への投与」の項参照) 2.重要な基本的注意 (1)本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投 与すること。 なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善 が認められない場合には、継続投与を避けること。 (2)本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧 値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止する こと。 (3)他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意する こと。 3.相互作用 併用注意(併用に注意すること) 4.副作用 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実 施していないため、発現頻度は不明である。 (1)重大な副作用 1)間質性肺炎:咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等があら われた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、 胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の 投与等の適切な処置を行うこと。 2)偽アルドステロン症:低カリウム血症、血圧上昇、ナトリ ウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン 症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測 定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止 し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 3)うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointes を含む):うっ血性心不全、心室細動、心室頻拍 (Torsades de Pointes を含む)があらわれることがあるの で、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、動悸、 息切れ、倦怠感、めまい、失神等の異常が認められた場合 には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 4)ミオパシー:低カリウム血症の結果として、ミオパシー、 横紋筋融解症があらわれることがあるので、脱力感、筋力 低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿 中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、 カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。 5.高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注 意すること。 6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は 妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性 を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 7.小児等への投与 小児等に対する安全性は確立していない。 [使用経験が少ない] ・夜啼き 生後百日くらい、夜半に泣き出す ・芍甘湯 しゃっかんとう と略称されることもある。

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芍薬甘草湯の効能・効果

芍薬 甘草 湯 生理 痛

芍薬(しゃくやく) 芍薬は漢方処方で最もよく配合される生薬の一つで、主として筋肉の硬直、腹痛、腹部膨満感、頭痛、血滞などに広く処方されています。 主成分のモノテルペン配糖体ペオニフロリンには鎮痛、鎮静作用の他、末梢血管拡張、血流増加促進作用、抗アレルギー、ストレス性潰瘍の抑制、記憶学習障害改善、血小板凝集抑制などの作用が有ります。 その他、非糖体ペオニフロリゲノンには筋弛緩作用が認められています。 甘草(かんぞう) 甘草は漢方治療で緩和、解毒を目的として、いろいろな症状に応用されますが、主として去痰、鎮咳、鎮痛、鎮痙、消炎などです。 有効成分のグリチルリチンには、痰を薄めて排除する作用があり、体内で分解するとグリチルレチン酸となって咳を止めます。 その他、グリチルリチンには多種多様の薬理効果が有り、消炎、抗潰瘍、抗アレルギー作用の他、免疫活性や、肝細胞膜の安定化、肝保護作用、肝障害抑制作用などが明らかにされています。 有効成分イソリクイリチンおよびイソリクイリチゲニンは糖尿病合併症の眼病治療薬として、また胃酸分泌抑制作用もあり胃潰瘍の治療薬として期待されています。 甘草はあまり長期服用しますと、低カリウム血症、血圧上昇、浮腫、体重増加などの副作用が現れることがあるので、注意を要します。 女性の月経不順、更年期障害などに用いられます。 下腹部に抵抗・圧迫感のある「お血」(ドロドロ血液)や、便秘、頭痛、のぼせ、不眠などがみられる場合に有効です。 女性の月経困難症や更年期障害などに用いられます。 下腹部に抵抗・圧迫感のある「お血」(ドロドロ血液)、頭痛、のぼせ、めまい、便秘、足腰の冷えなどがある場合に有効です。 体力に関係なく、月経痛の痛み止めとして用いられます。 中間証• 「お血」(ドロドロ血液)のある女性の月経不順や月経痛、婦人科疾患に用いられます。 血行不良、足腰の冷え、のぼせ、方こり、頭痛、動悸、イライラがある場合に有効です。 女性の月経不順、更年期障害、血の道症などに用いられます。 のぼせ、皮膚の乾き、出血傾向のある方に有効です。 女性の月経不順・困難や更年期障害などに用いられます。 口渇、下腹部の冷えと痛み、おりもの、下痢、頭痛、腰痛、肩こりなどがある場合に使用します。 胃腸障害のない女性の性器出血、月経過多など下半身の出血に用いられます。 女性の月経不順、更年期障害、貧血などに用いられます。 足腰の冷え、貧血、疲労感、血色不良、下腹部痛、頭重感、肩こりなどがある場合に使用します。 体力に関係なく、月経痛の痛み止めとして用いられます。 スポンサードリンク 漢方薬は、自分の証に合ったものをお選び下さい。 「証」とは体力、体質、症状などから患者さんの状態を総合的に観察した診断結果のことです。 実証は生理機能が高まった状態を意味して、外見は健康そうに見えます。 虚証は体力がなく、生理機能が衰え、抵抗力も低下した状態を意味します。 中間証は実証または虚証のどちらも偏らず、それぞれの特徴を半分ずつもつ場合を意味します。 「証」の判定はご利用ください。 スポンサードリンク.

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