外科の臨床医から、感染症研究 医学部卒業後は、短期間臨床現場で外科医をしていました。 多くの患者を診ている中で、予防的なことに取り組む方が医療の効率は良いのではと思うようになり、大学院に入り直してAIDSなどの感染症全般を研究するようになりました。 結核、マラリアと並ぶ世界三大感染症のAIDSは完治する病ではありませんが、早期に治療を開始すれば平均余命は余り変わらなくなりました。 しかし、1980~1990年代にかけてはAIDSは死の病で、当時は年に数回、 アフリカやアジア各地に足を運んでおりました。 HIV(AIDSウイルス)は感染経路が限られているので必要以上に感染を恐れる必要はありませんが、結核と水痘(水ぼうそう)、麻疹(はしか)、レジオネラ症の4種の感染症は、遠くまで細かい飛沫に付いた病原体が飛ぶ(空気感染)ので予防が難しい点があります。 インフルエンザといっても様々な種類がある インフルエンザは呼吸器を主体とするウイルス感染症の一つですが、冬期に流行するいわゆる季節性のインフルエンザの致命率は0. しかし1997年に香港で流行しアジアに拡がった鳥インフルエンザは、発病した人の60%以上が亡くなるほど致命率が高いものでした。 歴史的にみると、これまで一つの災害で最も多くの人が亡くなったのは第二次大戦で、死亡者はおよそ6千万人です。 次に亡くなった人の数が多いのが、1918年から1919年にかけて流行したスペイン風邪で、実態は当時の新型インフルエンザです。 世界で4千万人くらいの方が亡くなっています。 日本でも九州や中国地方などで鳥インフルエンザが発生すると、宇宙服のような防護服を身につけた人たちが夜を徹して、消毒剤とともに鳥の死骸を埋めています。 それはこういった大きな負の歴史の経験があるからです。 感染症はオールオアナッシング 感染力の強さの指標は、例えば血液を介する感染症の場合、病院等での針刺し事故で、どのくらいの量の血液によって感染が成立するかで測ります。 HIV(AIDSウイルス)よりも感染力が強いのが、B型肝炎やC型肝炎です。 HIVが針刺し事故で感染する確率は、わずか0. しかし、感染症はオールオアナッシングなので、感染した人にとっては100%の出来事になります。 HIVの針刺し事故に遭った人は、曝露状況や女性の場合の妊娠の可能性などを総合的に検討して、事故後2時間以内に感染予防薬を飲む必要があります。 日本でも、AIDS患者報告数は年々増えていて、その主な原因は男性同性間の性的接触によるものです。 健康マネジメント研究科で教えていること 健康マネジメント研究科では、感染症学、国際保健などの公衆衛生に関する授業を担当しています。 現在の日本では死因のトップが悪性新生物(がん)で、心臓病、肺炎、脳血管疾患と続きますが、発展途上国を含む国際保健となると感染症と母子保健に関わる疾患が死因の2大トップになります。 子どもが小さいうちに亡くなる理由は様々ですが、一番の原因は栄養不足と感染症です。 第二次大戦直後の日本もそのような状況でしたが、その後の高度経済成長期で国全体が豊かになり、国民の寿命は飛躍的に伸びました。 「病気をするなら日本」という言葉がある 日本には健康保険の国民皆保険の制度があって、すべての国民は何らかの健康保険に加入しています。 先進国の中でもこの様なに素晴らしい保険制度がある国は他にはありません。 そのため「病気をするなら日本」という言葉があるほどです。 高額医療でも、後から費用のかなりの部分が戻ってきます。 しかし、例えばHIVに感染すると高額の薬を一生飲み続けなければならず、生涯医療費は1億円に達するという試算もあります。 ちなみに、最も医療費がかかると試算されている病気は血友病と手術を伴う心臓病です。 心臓の手術は人工血管、人工弁、人工心肺等の使用や術後管理に費用がかかります。 病気を総合的に見ると、予防に費用をかけた方が結果として支出が少なくなり、財政的にも好結果が得られるという報告が多数あります。 感染症の位置づけは、社会と共に変わっていく 歴史を振り返ってみると、感染症は社会と共にその位置づけが変わってきています。 例えば、ハンセン病は人から人への感染力はほとんどないのに、外見上の問題や当時の社会背景から患者は強制的に隔離されていました。 最近では、再び結核や脚気など栄養失調が関係する病気が増えてきています。 結核はほとんどの場合投薬で完治するので、社会の捉え方が変わりましたが、1950年までは日本人の死因の第1位の疾患でした。 もともと微生物は、そのほとんどが人間には無害であり、味噌、醤油、お酒、ヨーグルト、納豆などの発酵食品は微生物の力を借りて作られています。 私たち医師が研究の対象にしているのは病気の原因となる病原微生物ですが、すべての微生物の中で、人間や動物に害を与える存在は数%以下と推定されています。 調べてみると今の初等・中等教育ではそういった基礎知識をあまり教えていないようです。 感染症は、病原微生物と人間、または動物とのパワーバランスによるものとも考えられます。 日本が比較的少ない医療費で、これだけの長寿国になっていることは、目に触れられない部分も含め医療関係者の努力が大きいと思います。 自分の健康を守るためには、一人ひとりが様々な疾病について正しい知識を持つ必要があります。 私が教えているのは自分の健康を守るための手段であり、予防について世界の人々の能力の差を少なくしていくことを目標にしています。
次のオープンキャンパスに行くときの服装は、 制服?私服?• 制服でも私服でもOK! 自分の動きやすい服装を選ぼう。 ただし訪問先に不快感を与えるような服装は 避けるように気をつけよう。 オープンキャンパスの持ち物は?• 筆記用具やメモ帳、学校の連絡先、 地図や路線図など事前に準備をしっかりしよう。 また携帯電話などは持って行ってもOKだけど、 授業や説明を聞くときはマナーモードにするか 電源を切ることを忘れずに!• オープンキャンパスのチェックポイントは?• 進学や施設・設備、雰囲気や学ぶ内容、 取得できる資格や卒業後の進路など、 参加するオープンキャンパスが 「なんだか楽しいだけだった」なんてことに ならないように、見学のポイントを押さえておこう。 オープンキャンパスは一人でいっていいの? 親と行ってもいいの?• 約7割の人が友達と行っているみたいだけど、 保護者と一緒に参加している人も 年々増加しているみたい。 保護者にとっても、どんな学校かはやっぱり 気になるところ。 他の人は誰と行ったかチェックしてみよう。 オープンキャンパスがわかる!おすすめの記事特集.
次の湘南鎌倉医療大学(仮称)看護学部 自分で考える能力を養うカリキュラム。 地域医療に貢献できる看護師を目指す 2020年4月の開学に向け、準備が進む湘南鎌倉医療大学(仮称)は、深い知識と高い技術を兼ね備え、人としての品格も備えた、質の高い看護師の育成を目指します。 本学は母体となるの「生命(いのち)だけは平等だ」という理念のもと、「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療・ケアを受けられる社会を構築する」ため、常に努力を続ける医療人を育成すべく、グループワークなどを積極的に取り入れ、自分で考える能力を養うカリキュラムを設置。 1年次から4年次まで、学年ごとに段階的な実習科目も設置され、講義や演習で得た知識や技術などの看護実践能力を存分に発揮することも目指します。 — 静岡徳洲会病院 看護部 しずとくかんご) shizutokukango 4年次必修「災害看護」「島嶼(しょ)看護」 災害看護では災害医療救護活動や国際医療協力を通じ、世界中の人々がより良い医療を受けられるように活動。 日常では体験できない経験のほか、知識や技術を学ぶことにより、看護の幅を広げることができます。 病院・訪問看護・介護施設などが島全体で一つに完結する島嶼看護では、住民との密接な関係構築も体験。 現地(奄美大島群島)における、島嶼生活の体験学習も予定されています。 最新設備を備えた新キャンパス。 実習先へのアクセスも良好 新キャンパスは、豊かな自然に囲まれた4階建ての建物。 基礎、母性・小児、成人・老年、公衆衛生・在宅看護、精神など最新設備の演習室はもとより、図書室や食堂なども完備しています。 周辺には、 湘南鎌倉総合病院をはじめとした、徳洲会グループの施設も数多く立地。 実習施設は大学から1時間以内という、アクセスの良さも魅力的です。 (写真)湘南鎌倉総合病院 就職支援 看護師としての活躍フィールドは、総合病院、クリニック、診療所をはじめさまざま。 加えて、大学院への進学も視野に入れることが可能です。 また、主な実習先となるのは、全国に立地する、本学の母体・徳洲会グループの病院や施設です。 グループの幅広いネットワークを生かし、希望に合わせた就職先も選択できます。 立地を生かし、鎌倉の文化と歴史を学ぶ 古都・鎌倉に開学予定の本学。 1年次にはその立地を生かしたカリキュラム「鎌倉の文化と歴史」が必修となっています。 カリキュラムでは鎌倉の成り立ちをはじめ、この地で活躍した先人たちの人間像や生活像を知り、鎌倉の歴史と文化への理解を深めるのみならず、広く日本人の生活様式や、物事の考え方などの基礎も学びます。 看護師としての仕事には、人間としての基礎的な能力が不可欠。 その能力を身につけるためにも、役立つ内容となっています。 (写真)極楽寺駅 取得できる資格 ・看護師国家試験受験資格 ・保健師国家試験受験資格(選択制) 少人数ならではのサポート体制でキャンパスライフも充実 本校では、大学祭などの学校行事をはじめクラブ・サークル活動など、学生が積極的にさまざまな活動に取り組めるようなサポート体制を整えていきます。 第一期生となる100名の学生は、学校づくりに最初から参加できることも大きなメリットに。 卒業後にも役に立つ、かけがえのない体験をすることができます。
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