羅生門 季節。 羅生門のあらすじと内容解説|心理解釈や意味も|芥川龍之介|テスト出題傾向

羅生門/芥川龍之介【あらすじ・簡単な要約・読書感想文・解説】

羅生門 季節

概説 [ ] タイトルの由来はにあるののである。 門の方は羅 城門であるが、羅城門は近代まで羅生門と表記されることが多く先行作品である観世信光の謡曲もタイトルは「羅 生門」になっている。 あらすじ [ ] 背景は。 や()などのが打ち続き、都は衰微していた。 ある暮れ方、荒廃したの下で若いが途方に暮れていた。 下人は数日前、仕えていた主人からされた。 生活の糧を得る術も無い彼は、いっそこのままになろうかと思いつめるが、どうしても「勇気」が出ない。 そんな折、羅生門の2階に人の気配を感じた彼は、興味を覚えて上へ昇ってみた。 の上には身寄りの無いがいくつも捨てられていたが、その中に灯りが灯っている。 がを灯しながら、若い女の遺体からを引き抜いているのである。 老婆の行為に激しい怒りを燃やした下人はを抜き、老婆に襲いかかった。 老婆は、抜いた髪でを作って売ろうとしていた、と自身の行いを説明する。 さらに彼女はこう続ける。 「抜いた髪で鬘を作ることは、悪いことだろう。 だが、それは自分が生きるための仕方の無い行いだ。 ここにいるも、は同じようなことをしていたのだ。 今自分が髪を抜いたこの女も、生前にのをだと偽って売り歩いていた。 それは、生きるために仕方が無く行った悪だ。 だから自分が髪を抜いたとて、この女は許すであろう。 髪を抜く老婆に正義の心から怒りを燃やしていた下人だったが、老婆の言葉を聞いて勇気が生まれる。 そして老婆を組み伏せて着物をはぎ取るや「己(おれ)もそうしなければ、をする体なのだ。 」と言い残し、漆黒の闇の中へ消えていった。 下人の行方は、誰も知らない。 解説 [ ] 在学中の無名作家時代である(4年)に雑誌『帝国文学』へ発表された。 同年には『』に処女作短編「老年」を発表しており、翌大正5年には同時期に構想した「」を同誌に発表している。 (大正6年)5月には「鼻」「芋粥」の短編とともに阿蘭陀書房から第1短編集『羅生門』として出版、(大正11年)にから出版された選集『沙羅の花』にも収録されている。 最後の結びの一文はたびたび変更されている。 上述『帝国文学』の初出では「下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。 」になっており、第1短編集『羅生門』では「下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。 」となり 、初出から二年半たって短篇集『鼻』(1918年大正7年7月 春陽堂 )収録時に改稿され、現在のように「下人の行方は、誰も知らない」となった。 なお、による映画『』(1950年)は、1922年(大正11年)に発表した短編小説『』(1922年)を原作としているが、本作から舞台背景、着物をはぎ取るエピソード(映画では赤ん坊から)を取り入れている。 2007年には「」シリーズ()から『偸盗』と『藪の中』を収録して漫画化されているが、下人は『藪の中』の多襄丸と、老婆は『偸盗』の猪熊のお婆と同一人物という設定になっている。 テレビドラマ [ ] 本作を原作とするが、の『』()で放送された。 出演:、、、、、、• 脚本: 前番組 番組名 次番組.

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解説付きでよくわかる、羅生門のあらすじ

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カメラマン宮川一夫が凄い! スポンサーリンク イタリアのヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞や、アメリカのアカデミー特別賞を受賞するなど、日本映画が初めて国際的に認められた記念すべき作品である。 この受賞はまだ米軍占領下であり、国際的な自信を失っていた日本人に現代では想像もつかないぐらいの希望と光明を与えた。 これ以降、黒澤作品並びに日本映画が世界で評価されていき、日本映画界も黄金期に入っていった。 ストーリーは、芥川龍之介の2つの短編小説「羅生門」と「籔の中」が元になっている。 物語の本筋は「籔の中」のほうで、これを新鋭の橋本忍と黒澤で脚本化した。 黒澤映画の常連脚本家、 橋本忍の登場である。 橋本忍は佐伯清の弟子としてサラリーマンをしながら脚本の勉強をしていた。 橋本は芥川龍之介の短編小説「籔の中」を脚色した作品を執筆しており、それを佐伯に見せたところ、かねてから友人であった黒澤明の手に渡り、黒澤がこれを次回作として取り上げたという橋本の出世作でもある。 冒頭の雨のシーンはモノクロカメラで迫力のある雨の映像をとるために、水に墨を混ぜてホースで降らせたという。 スポンサーリンク この作品はテーマと脚本で栄冠を勝ち取ったとされますが、モノクロの映像の美しさはそれに勝るとも劣らない価値でしょう。 かなり昔の作品であるにも関わらず、こんなにも映像が綺麗なのか、とため息がでる画がいくつもありました。 黒澤明とともにこの作品で世界的カメラマンとなった 宮川一夫の腕によるものと解釈をせざるをえません。 当時は絶対にタブーであった太陽にレンズを向けるというロックなことをやっていたり。 この作品のテーマは一言でいうと 「事実は1つだが、真実はいくつもある」ということでしょう。 とてもとても深いテーマです。 ひとつに事実に対して、関わった人の数だけ真実があるんですよね。 事実と真実は根本的に違う次元で存在し合っているということを個人的には感じる作品でした。 スポンサーリンク かんたんなあらすじ 平安時代。 羅生門で下人が雨宿りをしている。 そこには杣売りと旅法師も雨宿りをしており、なにか深刻な表情で話しあっている。 下人は退屈しのぎにその2人の話に入っていく。 その話は3日前に起こった、ある殺人事件について。 それはそれは、世にも奇妙な事件についてだった… 企画:本木荘二郎 製作:箕浦甚吾 脚本:黒澤明 橋本忍 原作:芥川龍之介「籔の中」 撮影:宮川一夫 美術:松山崇 照明:岡本健一 音楽:早坂文雄 助監督:加藤泰 若林光夫 田中徳三 出演:三船敏郎 京マチ子 森雅之 志村喬 千秋実 加東大介 上田吉二郎 『羅生門』各サイトレビューまとめ Yahoo! 映画 4. 12点 評価件数 416件 ・ 数学の証明問題のような凝縮された表現 ・芥川龍之介の「藪の中」と「羅生門」をベースにした作品。 ・人間のエゴイズムの醜さ ・鬼も逃げ出す人間の恐ろしさ ・黒澤明の日本人離れしたダイナミックな演出 ・この世の災いよりも恐ろしいものは人の心だ ・3人の人間の心理描写が凄まじく複雑 ・名声に違わぬ作品 ・微妙。 セリフが聞き取りにくい ・「真実が沢山ある。 com 3. 6点 25人 ・「人間」を描く。 ・人の心は不可解なもの ・何を喋っているのか聞き取れなかった。 ・食い違う証言、真実は藪の中。 人間とは何なのか。 ・黒澤映画初心者に ・白黒だけど、なんとなく色を感じる ・黒沢作品は落ち込むだけでは終わらない ・艶あり、凄みありと圧巻的な演技を披露する京マチ子。 ・何度見ても三船敏郎さん志村喬さんはかっこいい。 ・語り口、動と静のコントラスト、そのギラギラさ加減。 ・一つの事件を複数の視点で追ういわゆる『羅生門スタイル』の元祖 ・音楽も美術もそれに従うように骨太な印象。 アマゾンレビュー 4. 2点 24件のカスタマーレビュー ・黒澤明監督が「世界のクロサワ」たる所以の作品 ・迫力のある表現が素晴らしい ・今もまったく色褪せない傑作! ・黒沢映画の中でも特にお薦め ・俳優陣の鬼気迫る演技が素晴らしいのですが、特に京マチ子が傑出してます。 ・若き日の三船敏郎と京マチ子が出演 ・安易なヒューマニズムか、実存的ヒューマニズムか ・何たる衝撃、何たる人間描写。 『羅生門』は、アマゾンプライム会員なら無料で見れます。

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芥川龍之介『羅生門』を徹底解説!|下人はどこへ行ったのか?

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スポンサーリンク 羅生門の簡単なあらすじ 仕事を首になった下人が、このまま餓死するか盗人になるかと悩み途方に暮れていたところ、死なないためにしかたなくやるのだと、自分の悪事を正当化する老婆を見て、それならば自分も死なないためにこうするのだと、老婆の着物を奪い去って逃げ去る話です。 羅生門の詳しいあらすじ 都にある羅生門の下で、ある下人が雨宿りをしていました。 この2、3年、天変地異が続いた都は荒廃しきっており、死人を捨てる場所と化してしまった羅生門に、男のほかに人の姿はありません。 下人は数日前に仕事を首になって行くあてもなく、雨の中、明日の暮らしをどうしようかと考えていました。 生きるために手段を選ばないのなら、盗人になるしかありませんが、その選択をする勇気はなく、雨を眺めながらとりとめもなく考え事をしているのでした。 やがて日が落ち、下人は今夜寝る場所を探すため、羅生門の上の楼に登ろうとします。 しかし、はしごを登りかけたところで、誰もいないと思っていた楼の上に、火が動いているのを見つけました。 こんなところにいるのは普通の人間ではないと恐怖した下人は、見つからないように楼の様子を伺います。 すると、そこにいたのは老婆で、楼内に打ち捨てられた死骸の髪の毛を1本ずつ抜いているのでした。 その様子を見ているうちに、下人の心からは恐怖がなくなり、老婆の行いに対する憎悪が湧いてきます。 悪を許せないという正義心に駆られた下人は、楼の上へ飛び上がり、老婆へ刃物を突きつけました。 何をしていたのかと問い詰めると、老婆は、抜いた髪をかつらにしようと思ったと答えます。 平凡な答えに下人が失望していると、老婆はさらに言い募りました。 ここに捨てられている死人は、みな相応の悪事を働いたものばかりである。 しかし、それは餓死しないために仕方なくやったことなので、自分は悪いことだとは思わない。 自分も餓死したくないので、仕方なく死人の髪を抜くようなことをしているのだ。 そうして老婆の言い分を聞いた下人の心に、ある変化が起きます。 老婆の話を聞き終えると、下人は、これも餓死しないために仕方なくやるのだと言って老婆の着物を奪い取り、はしごを駆け下りて逃げ去りました。 しばらく後、蹴倒された老婆が起き上がってはしごの下を覗くも、そこには夜の闇が広がるばかり。 下人の行方は誰にも知れないのでした。 場面:楼の上で死人の髪を抜く老婆を発見し、刃物を突きつけて問いただす• 下人の心理描写:この男の悪を憎む心は、老婆の床に挿した松の木片きぎれのように、勢いよく燃え上り出していた 死人の亡骸を荒らすという老婆の行為を見た下人は、「あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して(原文より)」来ます。 刃物を手に老婆に迫った時の下人は「饑死をするか盗人になるかと云う問題を、改めて持出したら、恐らく下人は、何の未練もなく、饑死を選んだ事であろう(原文より)」というくらい、正義の心に燃えていました。 盗人になるか、餓死するかという選択で揺れていた下人ですが、老婆の卑しい行いを見て、とっさに正しい行いに目覚めたわけです。 しかし、下人の正義心は長くは続かず… 次の場面で、熱く燃えていた心は冷めてしまいます。 先ほどまでの悪を憎む心が冷めてしまう• 場面:老婆に刃物を突きつける• 下人の心理描写:明白にこの老婆の生死が、全然、自分の意志に支配されていると云う事を意識した。 そうしてこの意識は、今までけわしく燃えていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった 楼に上がった下人は刃物を手に老婆に迫ります。 老婆は抗がったものの勝負にならず、簡単にねじ伏せることができました。 圧倒的優位に立った下人の心に、ある変化が起きます。 燃え上がっていた正義心はすっかり冷め、「後あとに残ったのは、ただ、ある仕事をして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足とがあるばかり(原文より)」でした。 態度を和らげ、老婆に何をしていたのかと問う下人。 老婆から返ってきた返事が、下人の心にさらなる変化をもたらします。 盗人になる• 場面:老婆の話を聞く• 下人の心理描写:下人の心には、ある勇気が生まれて来た。 それは、さっき門の下で、この男には欠けていた勇気である 老婆は、羅生門の上で死人の髪を抜いていた理由を次のように語ります。 髪を抜くことは悪いことかもしれないが、ここにいる死人は、それくらいされて当然の悪人ばかりである。 自分が髪を抜いているこの女は、干した蛇を干し魚と偽って売っていた。 しかし、悪人だとて、それをしなければ餓死してしまうのだから、しょうがない。 よって、彼らがしたことも、今自分がしている髪を抜くという行為も、悪いことではない。 自分が髪を抜いたこの女も、きっと理解してくれるだろう。 この老婆の言い分を聞いているうちに、下人の心には、ある「勇気」が湧いてきます。 それは、物語冒頭では決心がつかなかった、「盗人になる」という勇気。 悪いことかもしれないが、生きるためにするのだから仕方がない、という老婆の理屈を聞いた下人は、それをそっくりそのまま、自分と老婆にも当てはめたのです。 そして、「では、己おれが引剥ひはぎをしようと恨むまいな。 己もそうしなければ、饑死をする体なのだ。 (原文より)」と言って、老婆の着物を奪って逃げ去ります。 こうして、物語冒頭で盗人になるか迷っていた下人は、途中で正義の心に燃えるも、最後は盗人になってしまいました。 羅生門の物語が伝えていることは? 偽物の商品を売っていた死人の女。 女から髪を抜いて売ろうとした老婆。 老婆から着物を奪った下人。 羅生門が、下人の行動を通じて伝えようとしているメッセージは何でしょうか? 少なくとも、老婆や下人が言うように、「生きるためなら悪いことをしても許される」ということではないのは確かです。 作中で彼らが見せた「生きるために罪を犯す」という行為について、その是非を問うているのではないでしょうか。 物語の解釈は人それぞれですが、ひとつの解釈として「善悪や正義とは絶対的なものではなく、立場や状況によって姿を変えるものである」ということが言えます。 下人にとって、物語の途中までは、「人のものを奪う」ことは悪であり、「人のものを奪う奴を懲らしめる」ことが善であり正義でした。 しかし、老婆の話によって、「自分が生き延びる」ことが善になり、そのためならば、人のものを奪うことも許される、という考えに変わります。 下人にとっての「人のものを奪う」という行為の意味が、物語の最初と最後では、まったく違ったものになっているのです。 正義の反対は悪ではなく、もうひとつの正義である。 絶対的な善悪は存在しない。 そんな中で、何を選択し、どのように生きていくのが正解なのか。 生きるための悪は許されるのか。 羅生門の物語は、下人の行動を通じて、それらを読み手に問うているのではないでしょうか。 また、別の視点から見ると、「人の心は移ろいやすく、正当な理由を与えてやれば、悪行すら犯す」という見方もすることができます。 悪びれることなく、生きるために悪事を犯す老婆。 その姿を見て、ならば自分もこうするのが正しいのだと、盗人行為に走る下人。 それは弱さや愚かさなのか、あるいは逞しさなのか。 あなたは、彼らの姿から何を感じたでしょうか…? 興味を持った人は、一度原文も読んでみてくださいね。 月額980円でテスト対策から受験対策まで。 学び放題のオンライン塾「スタディサプリ」 塾に入るか迷っているけれど、費用や通う手間を考えるとなかなか決められない…。 そんなご家庭におすすめなのが、 月額たった980円で学び放題のオンライン塾「スタディサプリ」。 そんなに安くて大丈夫なの?と思うかもしれませんが、運営元があのリクルートと聞けば、大手だからこそできた低価格だと納得できるのではないでしょうか。 スタディサプリの提供範囲は、小学生・中学生・高校生・大学受験まで。 何度でも見直せる一流講師の動画授業• 無料でダウンロードできる授業テキスト• 勉強するごとにポイントが貯まる、楽しいゲームシステム• 自動で採点してくれるオンラインドリル• 1人1人に合わせた学習プランを自動で作る学習計画機能• 定期テスト対策• 高校受験対策・大学受験対策 980円の月額に、これらすべてが含まれています。 進研ゼミ中学講座の基本料金が月額6578円、Z会が5600円で、受験対策などは別途費用であることを考えると、980円という価格は革新的な安さ。 スタディサプリには14日間の無料お試し期間があるので、入会してから「やっぱり使わなかった」という心配もありません。 「学校の勉強だけでは、テストや受験が不安…」と感じていたら、ぜひこのお試し期間を利用して、スタディサプリのオンライン学習を体験してみてください。

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