マルス 石膏。 石膏デッサン#11 マルス後編

鉛筆・石膏デッサン『マルス』

マルス 石膏

これを画面と見立て、その 奥に石膏像を囲む空間を想像する。 その空間の中に、石膏像が 立体として存在するイメージを膨らませる。 そして、一枚の絵と しての構想をしっかりと練る。 構想を確認するためのスケッチをし、 構図、明暗の配分、鉛筆の調子の組立を検討しておく。 描き始め は、石膏像の頭頂部から顔の中央を通って、首、胸の谷間を 経て台に到る動きを読み、その流れが画面のどの辺りを通るのか 見定める。 頭部の位置をにらみながら、像の下部を用紙に描きしるす。 細かな所はすっ飛ばし、大きなポイント間の比例と角度を推量しつつ描く。 2 1. 5時間経過 石膏像を画面の長方形枠と同時に見ると、像の輪郭と枠によって 囲まれた背景の図形がよく理解できる。 これを手がかりにすると 石膏像の形が捉えやすくなる。 少し作業的には面倒だが、思い きって背景を描くことで、その捉え方を意識的に活用する。 背景を 描くことはさらに石膏像と背景の力関係を読む訓練にもなる。 例えば、像の輪郭近くの明部は背景との対比が強く、暗部は弱く 見えるという風に。 背景を描かない場合も、この力関係を石膏像側 の描写を通じて作り出すと、余白部分が空間化して見えてくる。 単純に暗部を黒くすることは、この関係が崩れてしまうことになる。 3 3時間経過 石膏像を面で囲まれた立体として捉えると、各々の面は方向や 位置を異にし、隣接する面には境界が現れる(稜線)。 光を受け て各面は稜線を境に明度差が生じる。 デッサンは、画面上で像の プロポーションが的確に計測できれば、それをもとに石膏像の面 の明度差を真似ることによって印象の似た一枚の絵が仕上がる。 ただしこの場合、単なる濃淡の差だけでは、例えば新聞の写真 欄のように立体感の乏しいものになってしまう。 そこで、デッサン は画用紙(支持体)と鉛筆(素材)の合体によってトーン(調子)の 差を造りだし、それらの響き合いによって実在感をめざすことになる。 4 6時間経過 完成 調子の差とは、支持体に素材がしるした(タッチ)痕跡が、めざし た石膏像の実在性に寄与した度合いと言えます。 微妙に凸凹し た画用紙にどの硬さの鉛筆で、どんな表情の跡形を残すのか、 鋭く引いたり、粗密をつけたり、軽くのせたり、ガリガリと荒らしたり、 重ねたり、こすったり、そんなタッチの差が石膏像の明暗のみ ならず面の方向や位置を用紙上に具体化させることとなります。 デッサンは立体を平面に造形する学習であると同時に、 はじめに打ち立てた、自作の構想の確認にも大いに役立つでしょう。 5時間. 簡易編集. 音声無し)を2,200円(送料・消費税込み)でお届けします。 ご希望の場合はをご利用下さい。

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鉛筆・石膏デッサン『マルス』

マルス 石膏

この写真の手前の並び、そのままだな(笑) そうなんです。 なんと 石膏像がテーマなんですって。 そんな美大絡みの面白い企画に手羽が関係しないでどうする。 よーし、美大愛好家として、勝手に 過去の出題から今年美大受験に出そうな石膏像を本気で当ててやるっ!! てのが今日の趣旨でございます。 美大受験生と石膏像は切っても切れない関係です。 美術予備校に行って初めて描いたモチーフは石膏像・・って人はまだ多いんじゃないかしら。 手羽も石膏像で、ヘルメスだったのを覚えてるし、先生から「ん。 手羽、現役で美大合格しちゃうんじゃないの?」と初めて褒められたのがミケランジョロなのも、ムサビ油絵学科の1次鉛筆デッサン(当時は1次足切りがあった)はマルスのド正面3列目(石膏描くには最悪の場所)で泣きながら描いたのも一生忘れません。 これがなぜかいまだにはっきり覚えてるから不思議なもんで。 自分の好きな「推し石膏像」もみんなあって、手羽はアリアスです。 「この時代にまだ石膏像を描かせるのか?そんな前時代的な美術教育のやり方が(以下略)」という意見ももちろんあるんですが、構図・量感・質感・運動感・形のとり方・光を手っ取り早く学ぶには、なんだかんだわかりやすいモチーフですからね。 初期トレーニングとして石膏像は外せないんじゃないかとは思ってます。 ただ、国公立さんは石膏デッサンが定番ですが、ムサビ入試で石膏像はこの10年出てないし(「静物の中の一つ」というケースはあったかな?)、タマビは昔から出してない。 デッサンで単な基礎力を見るだけじゃなく、構成力や想像力も出題意図に入ってきてるので、私立美大全体では石膏を出さない傾向へ進んでるように感じています。 大学全体で必ず石膏像を出してるのは、東京では東京藝大さんぐらいじゃないかしら。 てなわけで、 藝大の日本画・彫刻・工芸・デザインの過去問題から出題石膏を調べてみました。 (油画も石膏が出てるかもしれないけどわからず・・) *デザイン科入試は去年から石膏デッサンor構成デッサンの選択制になっています。 入試で出るような石膏像はそんな種類がないので、こう見ると各学科だいたい4,5年周期で回ってるのがわかります。 また、平成26年度は工芸とデザインがブルータスかぶりしてるけど、基本的には同じ年に同じ石膏像は出てません。 同じ年に出題しちゃうと大量の石膏像が必要になってくるんで、そのあたりは調整されてるのかもしれません。 「藝大試験で一番出題されてるのはマルス」と聞いたことがあるけど、この5年では1回ぐらいなんですね。 あ、「聖ゲオルギウス」と「ジョルジョ」は同じかな? てなことを踏まえて、今年の藝大入試は 日本画はブルータス、彫刻は奴隷、工芸はジョルジョ、デザインはマルスと手羽予想を立ててみました。 さて当たるか。 で、美大実技入試はチェックしてるけど、今までノーチェックだったのが日藝の演劇学科。 は「鉛筆による石膏デッサン(2時間)」があるんですね。 知らなかった・・。 で、調べてみると(1期・2期です) H25 パルテノンヴィーナス・ホーマー H26 ホーマー・アリアス H27 不明 H28 アリアス・パルテノンヴィーナス という出題。 平成27年度入試だけがどうしてもわからなかった・・。 ヴィーナス、ホーマー、アリアスの組み合わせみたいなんで、順当にいけば今年は第1期がパルテノンヴィーナス、第2期がホーマーってところかな。 ただ、ここからが本題なんですが。 さっきは「私立美大全体では」と書いたけど、学科単位でみると実はそうじゃない動きもあります。 まず、 東京造形大学・彫刻は2016年入試から石膏デッサン+塑造に変わりました。 これまで「東京造形の彫刻入試」といえば女性ヌードモデルで、手羽も東京造形さんを受験する直前に対策で一枚だけ女性ヌードを描きました(田舎の画塾だったもんで)。 ま、現役受験生が多くを占める現状だと女性ヌードモデルは出題が難しくなったかもしれませんね。 で、去年の出題は聖ジョルジョ(藝大の彫刻とたまたま同じだなあ)。 ってことは傾向としてブルータスの「量感!」みたいなものではなさそうだから、今年はモリエールあたりと手羽予想。 そして、今年から変わるのが ムサビ彫刻学科です。 (デッサンは鉛筆または木炭です) ムービング以前はレリーフ石膏像が数回出題されたこともあるんで、「彫刻学科の石膏像出題が初めて」というわけではないんだけどね。 ちなみに「ムービングポーズ」とは、通常だとモデルさんはじっと静止してるけど、ずっと動いてる状態なのがムービングです。 手羽の時は静止モデルだったんで、今の受験生はよく動いてるモデルさんを描けるなあ、と感心してます(笑) うーん、初年度の今年は何が出るんだろ。 流れ的なものだとジョルジョあたりかしら?運動感もはっきりしてるし(入試関係者以外は全く何が出るかわからないので書けるんですw) ・・・まさか石膏像がずっと動いてるとか・・ムービング石膏とか・・・・ムサビ彫刻はありえそうだから怖い・・。 以上、てなわけで入試が終わった後にどれくらい当たったか比べてみます、の手羽がお送りいたしました。 明日は「皆さんの卒展を紹介します!」をやるので、宣伝してほしい人は今日中に連絡くださいませ。

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S

マルス 石膏

9日間のGW連休明けの木炭デッサンはマルスだった。 なんとなくなのだが、石膏像マルス、私はいつも阿部寛に見えてしまう。 (阿部寛さんファンの方、不愉快だったらごめんなさい。 でも、私にはいつも阿部さんに見えてしまうのだ。 ) 石膏像マルス テルマエ・ロマエの主人公、ルシウス役の彼を何故か思い浮かべてしまうのだ。 テルマエ・ロマエは、現代日本にタイムスリップした古代ローマ人の建築技師が、日本の風呂文化にカルチャーショックを受け、騒動を起こすコメディ漫画が原作となっていて、映画化されている。 『ノンノ』モデル時代の阿部寛をオンタイムで憧れていた世代なのだが、その若い時の面影を何故か思い出してしまう。 高い鼻と唇のせいだろうか? 並べてみると阿部さんの方が『男らしく』見えてしまう。 戦の神様の像よりもたくましく見えてしまうとは、それだけ美しい肉体を阿部さんは形作っているわけだ。 脱帽ものだ。 そんな私の戸惑いには関係なく、娘はマルスはマルスとして捉えているらしい。 マルスはマールスともよばれ、ローマ神話における戦と農耕の神である。 以前『パーシージャクソン』シリーズにはまっていたのだが、その本の中でアレスは力強くゴツク、精力的な『オッサン』として描かれている。 どうもそのイメージが先行してしまっていたので、初めて石膏像のマルスを見た時には、その弱々しさに驚いた。 (ローマ神話のマルスはギリシャ神話ではアレスで、性質がちょっと違うのだが、混同してしまっていたのだ。 ) もっと、なんていうかな…『北斗の拳』みたいな筋骨隆々のたくましい肉体を勝手に想像してしまっていた。 こちらの石膏像のマルス、 原作はパリのルーブル美術館に収蔵された『ボルゲーゼのマルス』である。 ローマ神話上でのマルスは、勇敢な戦士、青年の理想像として慕われ、崇拝された重要な神だ。 柔らかそうな質の良さそうな筋肉を身にまとった若者。 連休明けだったせいか、画力の低さのためか、つるっとした若い肉体が描きにくかったためかはわからないが、描くのに苦労したらしい。 石膏像デッサンは、基礎中の基礎のボトムアップを図るのに最適な題材と言われている。 美学生はたくましいイケメンとこれからも付き合わなければならないのだ。

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