花より男子 二次小説 キラキラ。 【マンガ】「花より男子」二次小説人気があるブログ9個総まとめ!

花より男子二次小説司一筋『時差恋愛4』感想

花より男子 二次小説 キラキラ

壊れた太陽届かない花-前編- キラキラと輝くシャンデリアの下は、欲望と見栄で固められた空間 俺も含め男はタキシードで身を固め、女はきらびやかなドレスで身を固める はっ、慣れた世界とはいえ、裏の顔を持つ奴らは吐き気がする程嫌気がさす 煌めくドレスの裾は綺麗な蝶々の様でも中身は毒を持つ蛾 甘い蜜を持つ花を探し歩いている。 まぁ、俺はそんな軽い女に引っかかる事は無いけど、外聞は一応大事だから その女たちが求める甘い蜜を持つ花になってやる。 替えられない事実は確実に肩にのしかかって居るのだ 西門総二郎 そう、西門家の跡継ぎの俺。 正確には兄が居るのだが... 今の所俺が最有力 ただの総二郎でなくて西門家の総二郎 だから俺は西門総二郎を演じる 上辺だけの笑顔に上辺だけの綺麗な言葉 自分でやってて気分が悪くなってくる、だけどそれが俺の鎧。 始まってそんなに経ってないのに珍しく人酔いを覚える自身の体に苦笑した。 むせ返る香水とワインの香りから逃げテラスに身を寄せる 幸い誰もおらず少し肌寒い空気の中汚れた空気の空に浮かぶ星を見上げた ふと目線を下げると其処には白、ピンク、ブルーの勿忘草がふんわりと 儚げだが、綺麗に植わっている 「.... 私を忘れないで.... はっ、牧野にぴったりだな....。 」 司が刺されて牧野に関する事だけ記憶喪失という 牧野にとっても仲間にとっても痛ましく虚しい日からずいぶんと経つ 健気に頑張ってる牧野を余所に司はあの海とかという女と付き合ってる 何をどうはき違えたのか、その女もただのパンピーな女なのに 司は牧野の事を玉の輿を狙う女とか、事あるごとに罵っている。 最初の頃はまだ元気も笑顔も一応あった。 だけど、最近見せる姿はいつ見ても痛々しい。 無理をしているであろう笑顔にはどう見ても翳りが見えるし 何しろ牧野らしい覇気は何処にも見当たらない 類が支えてなんだかやっと立っているという状態の牧野に 励まし続けた俺たちもなんだか声をかけるのが辛くなって来た。 今日は桜子の誕生日だ。 だが困った事にあきらと類のとこの取引先の 息子の婚約パーティが重なった。 あきら、類は仕方なくそちらに出て それから桜子の誕生日パーティをしようと言う事に決定した。 そのパーティだがそこまで大きくない会社のパーティだったし 俺は別に出る必要も無かったのだが、あきら、類のとこは 出てこいという事だったので俺も一緒に出る事にした まだ高校生のガキが出ても仕方ないパーティなのに。 まぁそんな俺たちが出るくらいだから大したものでは無いらしい。 要するに親無しのパーティに慣れてこいという練習舞台の様だ 今更そんなの別にいらないのに 同じのホテル上層部の部屋が取ってある。 最初はそこで女だけでパーティをして、その後俺たちが合流する 最初はそういう計画だった。 立食の簡単なパーティといえど いつ帰れるか解らないパーティなので女三人を置いて 俺たちだけ行こうとしてたが、大河原と桜子が恋愛ハンターの魂が疼く! と言うので結局みんなで出る事にしたのだ。 牧野はやっぱり最後まで、着るものがないし場違いだから、あたしはいい! と言って反対したのだが、そんな牧野に用意周到にも大河原がドレスを贈った。 類は面白くなさそげにしたが大河原の贈ったドレスが意外とセンスがよく 牧野に似合いそうだったのか、滅多に見れない天使の微笑を浮かべた その微笑みは類の気持ちを嫌という程俺に感じさせる 磨けば光る、ドレスを着た牧野は世辞抜きで綺麗だった。 淡いピンクのビスチェタイプのドレスは腰から下のラインがアシンメトリーの オーガンジーでそれが幾重にも重なって出来ていて、動く度綺麗に翻る 華奢な牧野が着ているとどこか妖精の様にも見えた そんな華奢な肢体から放たれる雰囲気はどこかアンニュイで 牧野の独特な覇気が見えないからこそか庇護欲を酷く掻き立てる 類は表情には出さなかったものの確実にそう思っているだろうし、隣にいた あきらも少し息を呑んだのを感じた。 健気な牧野がこのピンク勿忘草に重なる。 指の腹 でそっと撫でると隣のテラスから声がした。 「離してっ!」 苦痛を堪えたかの様な女の声がする 距離は近いものの厚いカーテンが阻んで何も見えない 「離してよ、何なの?!」 牧野の声だ はっとして隣のテラスに耳を向ける。 「なんでお前がこんなとこに居るんだよ!お前みたいな貧乏人が 来るとこじゃねーだろ?そんなに金持ちの男と付き合いてーのか?」 司だ。 なんでこんな所に!さっきまで居なかった筈。 今回の桜子のパーティにだって最初はみんな司も誘おうかと 言ったのだ、だが、司を誘うともれなく海がついて来るじゃないですか! と桜子が指摘して心底嫌そうな表情をし、ソレは断固として拒否します と桜子は力説した。 牧野は牧野でお人好しなので、別にいいじゃないと 言うのだが、桜子は嫌悪感を隠そうともせず否定するので、 F4でもない主役に嫌な顔をさせてまでパーティに海付きの司を呼ぶのは どうかと思い、今回は、司を誘うのを見送ろうという事に決定したのだ 「何よ、あんたにそんな事言われる覚えはないっ!! 望み通り帰ってあげるから離しなさいよ!」 「おー誓え、んで、二度と俺たちF4にも近づくな!」 横柄な物言いは確かに牧野と出会う以前の司のものだ。 だが、たとえ記憶が無くなったとはいえそんな事を言う事は許せない 昔だったら、違う女だったら別に構いはしない、だけど相手は牧野だ お前が家を捨てていいと思っていた程求めた女。 そして俺たちF4を変えた女で今ではかけがえの無い親友ともいえる いくら司が親友であってもそんな事を牧野に言う資格は無い その司の一言で俺の中の何かが切れた気がする。 牧野を悲しませる奴は許さない!! そう強く胸の内で別の俺が叫んだ 隣のテラスへ行こうと思って足を踏み出した瞬間 「牧野がここにいるのは俺が誘ったから。 言いたい事はそれだけ?」 感情を押し殺した、だけどぞっとする程冷たい声が聞こえた 思わずその冷たい声音に足が止まる。 花沢類っ!」 「類?... ぁんだよ、邪魔すんな、この女につきまとわれてるんだろ? 今、文句いってやってんだから」 「... 言いたい事はそれだけ?」 「なんだよ、... 物騒な顔すんなよ。 」 「ね、戻りなよ、あの女が待ってるよ」 「あの女って... 」 「あの女はあの女でしょ、司が付き合ってる女。 」 「あいつには海って.. 」 食い下がる司を遮り類は淡々と言葉を並べた。 「どうでもいい。 司だって牧野の事この女とかいうんだから 俺の事をあれこれ言う資格は無い。 戻ればって言うのが聞こえなかった? それに.... 前にいったよね?牧野を侮辱するのは許さないって いくら司でもこれ以上言うと俺、今度こそ司を殴るよ 早くあの恥知らずな女のとこに戻ったら?あの女、司の事探したよ」 淡々と語る類はいつもの類の様でいつもの類でない 押し殺した声はどこまでも背筋が凍るような冷たさだ 前に牧野を侮辱して司を殴ろうとして牧野が庇い牧野を殴ったことを かなり根に持っているらしい 「ちょっと!... 花沢類っ!、やめてった.... 」 「... ぁんだと....?? 」 司の怒気を含んだ声に俺の足は動く事を知らないように動かない 「海の事を悪く言うのは類であろうと許さねー。 」 「ちょ!花沢類!どうみょう... っ」 牧野の声と風を切る音と鈍い音が続いて聞こえた 其の後に陶器が割れる音と類の悲痛な声 殴ったか殴られたかしたのは司か類かどっちかな筈だと思った なのになぜ類の悲痛な声が聞こえるんだ? やっと俺の足は動く事を思い出したみたいで。 急いで隣のテラスに駆け寄る。 ほんの20秒程度なのに長く感じる時間 陶器の割れる物音を聞きつけたのか軽く人垣が出来ている 「ちょっとすみません」 それを押しのけて隣のテラスに飛び込んだ 其処には無惨にも勿忘草の鉢植えがひっくり返っていて その横に倒れ込んでいる牧野を起こしかける類が居た 司はテラスの端に居て外あきの扉の開け放たれた角度より外に居るので 内側からは丁度死角になっていて牧野と類の二人以外の誰か居るとは解らない 状況から見て今度は司が牧野を殴ったらしい.... 「何やってんだよ。 」 「.... 総二郎.... 牧野気分悪くて倒れたみたい... 先に上に行くから.... 後、適当によろしく。 」 「花沢類っ... 」 類は何か言いかけた牧野に自分のジャケットを脱ぎ 上から体にかけて黙らせた 俺は普段通りの口調でそれに答える 「... おう、任せとけって」 ぼそぼそっと牧野の耳元で何かを呟くとそのまま牧野を抱き上げた 牧野は少しの拒否を示したものの大人しく類に従い身を預ける その光景に胸にちくっと棘が刺さったような痛みを感じた。 「すみません、気分が悪くなったみたいで、お騒がせしました。 」 得意の笑顔を浮かべて人垣を追い払う 類はあきらの所に行き何か少し会話した後そのまま会場を後にした。 其の後を大河原、桜子が追って行くのが見えた。 あきらはそのまま今日の主賓の所にでも行ったのだろう。 ざわめきと共に人垣が無くなって行く 誰もこっちを見ていないのを確かめてから司に顔を向けた。 何してんだよ司。 」 溜め息をついて司を見た。 「なぁ、お前も類と同じなのか?」 司が真面目な顔をして聞いてくる。 「はぁ?」 「あの女庇うのかって聞いてんだ。 」 ぶっきらぼうな聞き方は相変わらずだ 「なぁ、司、前にも言ったと思うけど、牧野は俺達の大事な仲間だ そしてお前にとっても大事な奴だ、記憶を無くしてるのは解ってるけど.... あいつに酷い事を言って許せる程俺たちもお人好しじゃねー。 」 「なんだよ、あの女が俺たちの友情より大事なのか?」 司はいつになく突っかかってくる 「.... そんな事聞くなよ、ただ牧野もお前にとって大事な存在。 今のお前がなんと言おうとも、これはぜってー間違いねぇ事実だ 後で後悔してもしらねーぜ、いくら記憶を無くしてるからっていっても 俺たちは散々お前に言った、お前にとって牧野は大事な存在だって。 今回で二度目だけど三度目は無いと思え。 」 「後悔ってなんだよ、結局のとこお前も俺達の友情よりあの女を選ぶんだな?」 司は射るように俺を睨みつける 「何度も言わせるなよ。 俺は何も変わってねー、ただお前が忘れちまったんだ 俺は牧野を選んでる訳でもねー、お前が大事じゃなければこうやって此処に 留まってねぇ、お前は大事なダチだ。 」 「だったら!」 「聞けよ、お前は大事なダチだけど牧野も大事なダチ... だ」 自分でいってなんだか胸に刺さるものを感じたが無視して言葉を続ける 「お前がこの言葉を無視してこれからも牧野に突っかかる態度を続けるなら.... 俺はもう知らねー、でもって、もう何にも言わねーわ。 好きにしろ。 だけど其のときはお前との友情もそこまでだ。 これは類には勿論の事だろうし、 きっとあきらも同じ事を思ってる筈だ。 司、お前が何にそんなに苛立ってるのか... それは知らねーけど。 けどそれをあいつに当てつけるのはやめろ」... 大体想像出来るけどって言うのは胸の奥にしまっておいた 司は何か考え込んでる様で探るように俺を睨みつけてくる。 「俺はなに... 」 司が何かを言いかけた時に場に似合わない緊張感の無い声が響いた 「あ!司。 こんな所にいたんだね〜〜。 探したんだよ〜?」 「お、おう.... 」 「海お腹へった。 何か食べに行こう?」 「そうか、何がいいんだ?」 司の腕に自身の腕を絡ませ身をすり寄せる。 司はこっちを見ながらも返事を返す メス猫... しかも泥棒猫 そんな単語が脳裏を横切る 桜子や類ではないがこの女を見てたら嫌悪感がどっと胸に押し寄せるのを覚える 女の子には優しくがモットーの俺が笑える。 行けよ司、もう二度忠告した。 さっきも言ったけど次はねぇ。 時間は.. ある、ちょっと頭冷やして考えろ。 俺が言えるのは此処までだ。 」 司は何か言いたそうだがこれ以上耐えられない 「じゃぁな」 俺はそう言って手で二人を追い払い背を向けた。 後に残ったのは割れて散らばっている勿忘草の鉢。 健気に咲いてたピンクの小さな花は無惨にも床と他の鉢に散らばっていた ブルーの勿忘草の鉢植えの上に被さっている。 ブルーの勿忘草も可哀想に 混ざり合うピンクとブルーのその光景にふとさっきの類と牧野の姿が浮かぶ。 牧野はベイビーピンクのドレス、類はベイビーブルーのタキシード。 ピンクの勿忘草が牧野ならブルーの勿忘草は類だ 私をわすれないで..... 牧野は司にあたしを忘れないでと 類は牧野に俺が居るのをわすれないでと それぞれのベクトルは違う方向を向いている、だがひた向きに人を思う そんな二人の想いが溢れてくるようで胸が痛んだ ふと目の端に白の勿忘草が目に入り気付いたら手が伸びて摘み それを重なり合ったブルーとピンクと勿忘草の中に落としていた 「... 何馬鹿な事してんだろ.... 俺」 自分の行為に苦笑して其の後いつもの表情に戻す。 悪戯な恋の神は遊ぶのが大好きなご様子 「はーっ...... 叶わねーのに今更気付かせんなよ....。 」 俺はこんなにも自分の気持ちに鈍感だったのか?.... 牧野の鈍感がうつったか....。 ぐるぐる混乱する自分の持て余す感情に戸惑い暫くそのまま 散らばる勿忘草を見つめたまま立ち尽くしていた.

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花より男子

花より男子 二次小説 キラキラ

壊れた太陽届かない花-前編- キラキラと輝くシャンデリアの下は、欲望と見栄で固められた空間 俺も含め男はタキシードで身を固め、女はきらびやかなドレスで身を固める はっ、慣れた世界とはいえ、裏の顔を持つ奴らは吐き気がする程嫌気がさす 煌めくドレスの裾は綺麗な蝶々の様でも中身は毒を持つ蛾 甘い蜜を持つ花を探し歩いている。 まぁ、俺はそんな軽い女に引っかかる事は無いけど、外聞は一応大事だから その女たちが求める甘い蜜を持つ花になってやる。 替えられない事実は確実に肩にのしかかって居るのだ 西門総二郎 そう、西門家の跡継ぎの俺。 正確には兄が居るのだが... 今の所俺が最有力 ただの総二郎でなくて西門家の総二郎 だから俺は西門総二郎を演じる 上辺だけの笑顔に上辺だけの綺麗な言葉 自分でやってて気分が悪くなってくる、だけどそれが俺の鎧。 始まってそんなに経ってないのに珍しく人酔いを覚える自身の体に苦笑した。 むせ返る香水とワインの香りから逃げテラスに身を寄せる 幸い誰もおらず少し肌寒い空気の中汚れた空気の空に浮かぶ星を見上げた ふと目線を下げると其処には白、ピンク、ブルーの勿忘草がふんわりと 儚げだが、綺麗に植わっている 「.... 私を忘れないで.... はっ、牧野にぴったりだな....。 」 司が刺されて牧野に関する事だけ記憶喪失という 牧野にとっても仲間にとっても痛ましく虚しい日からずいぶんと経つ 健気に頑張ってる牧野を余所に司はあの海とかという女と付き合ってる 何をどうはき違えたのか、その女もただのパンピーな女なのに 司は牧野の事を玉の輿を狙う女とか、事あるごとに罵っている。 最初の頃はまだ元気も笑顔も一応あった。 だけど、最近見せる姿はいつ見ても痛々しい。 無理をしているであろう笑顔にはどう見ても翳りが見えるし 何しろ牧野らしい覇気は何処にも見当たらない 類が支えてなんだかやっと立っているという状態の牧野に 励まし続けた俺たちもなんだか声をかけるのが辛くなって来た。 今日は桜子の誕生日だ。 だが困った事にあきらと類のとこの取引先の 息子の婚約パーティが重なった。 あきら、類は仕方なくそちらに出て それから桜子の誕生日パーティをしようと言う事に決定した。 そのパーティだがそこまで大きくない会社のパーティだったし 俺は別に出る必要も無かったのだが、あきら、類のとこは 出てこいという事だったので俺も一緒に出る事にした まだ高校生のガキが出ても仕方ないパーティなのに。 まぁそんな俺たちが出るくらいだから大したものでは無いらしい。 要するに親無しのパーティに慣れてこいという練習舞台の様だ 今更そんなの別にいらないのに 同じのホテル上層部の部屋が取ってある。 最初はそこで女だけでパーティをして、その後俺たちが合流する 最初はそういう計画だった。 立食の簡単なパーティといえど いつ帰れるか解らないパーティなので女三人を置いて 俺たちだけ行こうとしてたが、大河原と桜子が恋愛ハンターの魂が疼く! と言うので結局みんなで出る事にしたのだ。 牧野はやっぱり最後まで、着るものがないし場違いだから、あたしはいい! と言って反対したのだが、そんな牧野に用意周到にも大河原がドレスを贈った。 類は面白くなさそげにしたが大河原の贈ったドレスが意外とセンスがよく 牧野に似合いそうだったのか、滅多に見れない天使の微笑を浮かべた その微笑みは類の気持ちを嫌という程俺に感じさせる 磨けば光る、ドレスを着た牧野は世辞抜きで綺麗だった。 淡いピンクのビスチェタイプのドレスは腰から下のラインがアシンメトリーの オーガンジーでそれが幾重にも重なって出来ていて、動く度綺麗に翻る 華奢な牧野が着ているとどこか妖精の様にも見えた そんな華奢な肢体から放たれる雰囲気はどこかアンニュイで 牧野の独特な覇気が見えないからこそか庇護欲を酷く掻き立てる 類は表情には出さなかったものの確実にそう思っているだろうし、隣にいた あきらも少し息を呑んだのを感じた。 健気な牧野がこのピンク勿忘草に重なる。 指の腹 でそっと撫でると隣のテラスから声がした。 「離してっ!」 苦痛を堪えたかの様な女の声がする 距離は近いものの厚いカーテンが阻んで何も見えない 「離してよ、何なの?!」 牧野の声だ はっとして隣のテラスに耳を向ける。 「なんでお前がこんなとこに居るんだよ!お前みたいな貧乏人が 来るとこじゃねーだろ?そんなに金持ちの男と付き合いてーのか?」 司だ。 なんでこんな所に!さっきまで居なかった筈。 今回の桜子のパーティにだって最初はみんな司も誘おうかと 言ったのだ、だが、司を誘うともれなく海がついて来るじゃないですか! と桜子が指摘して心底嫌そうな表情をし、ソレは断固として拒否します と桜子は力説した。 牧野は牧野でお人好しなので、別にいいじゃないと 言うのだが、桜子は嫌悪感を隠そうともせず否定するので、 F4でもない主役に嫌な顔をさせてまでパーティに海付きの司を呼ぶのは どうかと思い、今回は、司を誘うのを見送ろうという事に決定したのだ 「何よ、あんたにそんな事言われる覚えはないっ!! 望み通り帰ってあげるから離しなさいよ!」 「おー誓え、んで、二度と俺たちF4にも近づくな!」 横柄な物言いは確かに牧野と出会う以前の司のものだ。 だが、たとえ記憶が無くなったとはいえそんな事を言う事は許せない 昔だったら、違う女だったら別に構いはしない、だけど相手は牧野だ お前が家を捨てていいと思っていた程求めた女。 そして俺たちF4を変えた女で今ではかけがえの無い親友ともいえる いくら司が親友であってもそんな事を牧野に言う資格は無い その司の一言で俺の中の何かが切れた気がする。 牧野を悲しませる奴は許さない!! そう強く胸の内で別の俺が叫んだ 隣のテラスへ行こうと思って足を踏み出した瞬間 「牧野がここにいるのは俺が誘ったから。 言いたい事はそれだけ?」 感情を押し殺した、だけどぞっとする程冷たい声が聞こえた 思わずその冷たい声音に足が止まる。 花沢類っ!」 「類?... ぁんだよ、邪魔すんな、この女につきまとわれてるんだろ? 今、文句いってやってんだから」 「... 言いたい事はそれだけ?」 「なんだよ、... 物騒な顔すんなよ。 」 「ね、戻りなよ、あの女が待ってるよ」 「あの女って... 」 「あの女はあの女でしょ、司が付き合ってる女。 」 「あいつには海って.. 」 食い下がる司を遮り類は淡々と言葉を並べた。 「どうでもいい。 司だって牧野の事この女とかいうんだから 俺の事をあれこれ言う資格は無い。 戻ればって言うのが聞こえなかった? それに.... 前にいったよね?牧野を侮辱するのは許さないって いくら司でもこれ以上言うと俺、今度こそ司を殴るよ 早くあの恥知らずな女のとこに戻ったら?あの女、司の事探したよ」 淡々と語る類はいつもの類の様でいつもの類でない 押し殺した声はどこまでも背筋が凍るような冷たさだ 前に牧野を侮辱して司を殴ろうとして牧野が庇い牧野を殴ったことを かなり根に持っているらしい 「ちょっと!... 花沢類っ!、やめてった.... 」 「... ぁんだと....?? 」 司の怒気を含んだ声に俺の足は動く事を知らないように動かない 「海の事を悪く言うのは類であろうと許さねー。 」 「ちょ!花沢類!どうみょう... っ」 牧野の声と風を切る音と鈍い音が続いて聞こえた 其の後に陶器が割れる音と類の悲痛な声 殴ったか殴られたかしたのは司か類かどっちかな筈だと思った なのになぜ類の悲痛な声が聞こえるんだ? やっと俺の足は動く事を思い出したみたいで。 急いで隣のテラスに駆け寄る。 ほんの20秒程度なのに長く感じる時間 陶器の割れる物音を聞きつけたのか軽く人垣が出来ている 「ちょっとすみません」 それを押しのけて隣のテラスに飛び込んだ 其処には無惨にも勿忘草の鉢植えがひっくり返っていて その横に倒れ込んでいる牧野を起こしかける類が居た 司はテラスの端に居て外あきの扉の開け放たれた角度より外に居るので 内側からは丁度死角になっていて牧野と類の二人以外の誰か居るとは解らない 状況から見て今度は司が牧野を殴ったらしい.... 「何やってんだよ。 」 「.... 総二郎.... 牧野気分悪くて倒れたみたい... 先に上に行くから.... 後、適当によろしく。 」 「花沢類っ... 」 類は何か言いかけた牧野に自分のジャケットを脱ぎ 上から体にかけて黙らせた 俺は普段通りの口調でそれに答える 「... おう、任せとけって」 ぼそぼそっと牧野の耳元で何かを呟くとそのまま牧野を抱き上げた 牧野は少しの拒否を示したものの大人しく類に従い身を預ける その光景に胸にちくっと棘が刺さったような痛みを感じた。 「すみません、気分が悪くなったみたいで、お騒がせしました。 」 得意の笑顔を浮かべて人垣を追い払う 類はあきらの所に行き何か少し会話した後そのまま会場を後にした。 其の後を大河原、桜子が追って行くのが見えた。 あきらはそのまま今日の主賓の所にでも行ったのだろう。 ざわめきと共に人垣が無くなって行く 誰もこっちを見ていないのを確かめてから司に顔を向けた。 何してんだよ司。 」 溜め息をついて司を見た。 「なぁ、お前も類と同じなのか?」 司が真面目な顔をして聞いてくる。 「はぁ?」 「あの女庇うのかって聞いてんだ。 」 ぶっきらぼうな聞き方は相変わらずだ 「なぁ、司、前にも言ったと思うけど、牧野は俺達の大事な仲間だ そしてお前にとっても大事な奴だ、記憶を無くしてるのは解ってるけど.... あいつに酷い事を言って許せる程俺たちもお人好しじゃねー。 」 「なんだよ、あの女が俺たちの友情より大事なのか?」 司はいつになく突っかかってくる 「.... そんな事聞くなよ、ただ牧野もお前にとって大事な存在。 今のお前がなんと言おうとも、これはぜってー間違いねぇ事実だ 後で後悔してもしらねーぜ、いくら記憶を無くしてるからっていっても 俺たちは散々お前に言った、お前にとって牧野は大事な存在だって。 今回で二度目だけど三度目は無いと思え。 」 「後悔ってなんだよ、結局のとこお前も俺達の友情よりあの女を選ぶんだな?」 司は射るように俺を睨みつける 「何度も言わせるなよ。 俺は何も変わってねー、ただお前が忘れちまったんだ 俺は牧野を選んでる訳でもねー、お前が大事じゃなければこうやって此処に 留まってねぇ、お前は大事なダチだ。 」 「だったら!」 「聞けよ、お前は大事なダチだけど牧野も大事なダチ... だ」 自分でいってなんだか胸に刺さるものを感じたが無視して言葉を続ける 「お前がこの言葉を無視してこれからも牧野に突っかかる態度を続けるなら.... 俺はもう知らねー、でもって、もう何にも言わねーわ。 好きにしろ。 だけど其のときはお前との友情もそこまでだ。 これは類には勿論の事だろうし、 きっとあきらも同じ事を思ってる筈だ。 司、お前が何にそんなに苛立ってるのか... それは知らねーけど。 けどそれをあいつに当てつけるのはやめろ」... 大体想像出来るけどって言うのは胸の奥にしまっておいた 司は何か考え込んでる様で探るように俺を睨みつけてくる。 「俺はなに... 」 司が何かを言いかけた時に場に似合わない緊張感の無い声が響いた 「あ!司。 こんな所にいたんだね〜〜。 探したんだよ〜?」 「お、おう.... 」 「海お腹へった。 何か食べに行こう?」 「そうか、何がいいんだ?」 司の腕に自身の腕を絡ませ身をすり寄せる。 司はこっちを見ながらも返事を返す メス猫... しかも泥棒猫 そんな単語が脳裏を横切る 桜子や類ではないがこの女を見てたら嫌悪感がどっと胸に押し寄せるのを覚える 女の子には優しくがモットーの俺が笑える。 行けよ司、もう二度忠告した。 さっきも言ったけど次はねぇ。 時間は.. ある、ちょっと頭冷やして考えろ。 俺が言えるのは此処までだ。 」 司は何か言いたそうだがこれ以上耐えられない 「じゃぁな」 俺はそう言って手で二人を追い払い背を向けた。 後に残ったのは割れて散らばっている勿忘草の鉢。 健気に咲いてたピンクの小さな花は無惨にも床と他の鉢に散らばっていた ブルーの勿忘草の鉢植えの上に被さっている。 ブルーの勿忘草も可哀想に 混ざり合うピンクとブルーのその光景にふとさっきの類と牧野の姿が浮かぶ。 牧野はベイビーピンクのドレス、類はベイビーブルーのタキシード。 ピンクの勿忘草が牧野ならブルーの勿忘草は類だ 私をわすれないで..... 牧野は司にあたしを忘れないでと 類は牧野に俺が居るのをわすれないでと それぞれのベクトルは違う方向を向いている、だがひた向きに人を思う そんな二人の想いが溢れてくるようで胸が痛んだ ふと目の端に白の勿忘草が目に入り気付いたら手が伸びて摘み それを重なり合ったブルーとピンクと勿忘草の中に落としていた 「... 何馬鹿な事してんだろ.... 俺」 自分の行為に苦笑して其の後いつもの表情に戻す。 悪戯な恋の神は遊ぶのが大好きなご様子 「はーっ...... 叶わねーのに今更気付かせんなよ....。 」 俺はこんなにも自分の気持ちに鈍感だったのか?.... 牧野の鈍感がうつったか....。 ぐるぐる混乱する自分の持て余す感情に戸惑い暫くそのまま 散らばる勿忘草を見つめたまま立ち尽くしていた.

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花より男子 二次小説 キラキラ

「社長、新しいアルバイトのスタッフについての報告書が届いております。 」 「うん、ありがと。 目を通しておくよ。 」 「前任者と同じ国立K大ですし、人事担当からは問題ないと聞いております。 」 「わかった。 」 秘書からの報告をうける類。 通常、花沢物産ではアルバイトは採用していないため、念のため採用前に、素行調査をしていた。 母つくしは、高校卒業しに就職し、現在独立しを営む。 母、息子の2人暮らし。 国立K大学、部1年在学中。 母、佐伯つくし、、、、?? つくし、、、。 牧野? つくしという名前は、そうそうない。 高校卒業後に、就職、、、 そうなのか? 本当に牧野なのか? 一通り報告書を確認すると、秘書に追加調査を依頼するように指示をした。 ponypo1980.

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