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東海オンエア 放送事故 シャボン玉

自宅敷地内に精神障がい者を閉じ込める私宅監置は、戦後、本土では禁止されても沖縄では22年も長く続いていた。 当時の名護市の保健所職員、波照間島の国民学校生らの証言を通して何が行われていたのかを生々しく伝える。 優 秀 拝啓・大隊長様~大学生が届ける沖縄戦の手紙 北海道放送 取材・構成・報告 竹村研人、企画・制作 眞鍋康志、ナレーション 村井裕子、音効 西岡俊明 沖縄戦には多くの北海道出身者が兵士として加わり、戦死者は北海道関係者だけで1万人を超える。 部隊799人の大半を失った元陸軍大尉・伊東孝一大隊長は終戦直後、部下たちがどのように戦死したかを伝える手紙を遺族に書き、遺族からは356通の返信が寄せられた。 その存在を知った大学生たちが遺族からの返信を親族に戻す活動に取り組んでいる。 それぞれの語りを通して「戦争の体験者にはなれないが、証言者にはなれる」とのメッセージが、静かではあるが力強く伝わってくる秀作である。 優 秀 ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」 ニッポン放送 プロデューサー 上村貢聖、ディレクター 森田耕次、構成 桜林美佐、ナレーション 上柳昌彦 東日本大震災の取材を進める中で出会った、視覚障害のある小椋汐里さん(当時中学1年)は東北学院大学の英文科2年生となり、通訳や英語教師を目指して勉学に励んでいる。 自分の将来を夢見て積極的に活動している小椋さんが、社会の中でどのように道を切り開き、生きてきたかを伝える。 長期間の取材を通じて培った相互の信頼感が音声から伝わり、本人の魅力や前向きな人生観を表現することに成功している。 今後の取り組みも期待がつながる。 優 秀 YBSラジオスペシャル「サティアンの記憶~オウム真理教が残した平成の傷痕」 山梨放送 ナレーション 海野紀恵、制作 内田孝輝、乙黒 敦 旧上九一色村富士ケ嶺にオウム真理教が進出したのは平成元年のことで、サティアンは千人以上の信者が出入りする教団の拠点となった。 住民とのトラブルも相次ぐ中、化学兵器が製造され、ついには地下鉄サリン事件を引き起こした。 教団がいた証を後世に残そうと動き出した住民や元県警幹部などを取材し、自社に残る音源とともに当時を振り返る。 優 秀 「おかか達とかぞえ歌」~日本初の反米基地闘争~ 北陸放送 ディレクター 沼田憲和、ナレーション 原田幸子、音声 山崎正敬 米軍から武器・弾薬の大量発注を受けた日本政府は、弾薬の性能を確認するための試射場を内灘村に建設しようとしたが、村民は「漁業の場を失うと生活が成り立たない」として断固拒否した。 男性のほとんどが出稼ぎに出かける同村では「おかか」と言われる主婦が「内灘かぞえ歌」を支えに座り込みを続け、やがて全国的な闘争に発展していく。 当時の音源から、方言はよくわからなくても、その時代が持つ空気感や緊張感が生々しく伝わってくる。 女性の力強さと男性の頼りなさの対比も、番組の魅力となっている。 優 秀 ネットワーク1・17スペシャル~伝えるために必要なこと 毎日放送 プロデューサー 亘佐和子、ディレクター 新川和賀子、スタジオキャスター 千葉 猛、現場キャスター 野村朋未 阪神・淡路大震災の追悼式の準備が進む芦屋市立精道小学校とスタジオを中継で結び、学校現場での震災を語り継ぐ取り組みを伝える。 精道小の震災学習は、人命救助にあたった消防士や子どもを亡くした保護者から話を聞く授業や、亡くなった児童がどんな性格でどんな夢を持っていたかを自分の言葉で発表する「語り継ぐ会」など多岐にわたっている。 優 秀 新里カオリのうららか日曜日~被爆72年 「戦後」はいつまで続くのか~ 中国放送 プロデューサー 笠間英紀、ディレクター 猪野竜平、村山太一、立分美有 広島市の平和公園は原爆が投下されるまでは中島本町というにぎわいのある街で、ここには輝く命の営み・日常があった。 原爆はこの街から何を奪っていったのか。 当時、住んでいた人から、公園を歩きながら話を聞いた。 さらに、今を生きる私たちが「戦争をどう捉え、どう伝えていくのか」をゲストと語り合う。 原爆投下は現地の人にどう見えていたかを独特の語りで表現するなど、言葉によってリスナーそれぞれがイメージすることに成功している。 ラジオならではの報道番組である。 〔ラジオ教養番組〕 最優秀 ラジオと童謡と~「サッちゃん」の阪田寛夫が残したもの 朝日放送ラジオ プロデューサー 橋本祐子、出演 橋詰優子、古川昌希、大中 恩 童謡「サッちゃん」の作詞者であり、芥川賞作家として知られる阪田寛夫は、かつて朝日放送に在籍し、ラジオ番組『ABCこどもの歌』を企画・制作していた。 近年、発掘された当時の音源と、縁のある人たちの証言などから、晩年まで童謡の普及活動に力を注いだ阪田の姿を浮かび上がらせ、その原動力と、伝えたかったものに迫る。 貴重な音源を巧みに交えた構成であり、さまざまな分野で活躍した阪田の根底に流れているものは「音」へのこだわりであったことを伝える優れた評伝である。 優 秀 あなたと見た風景~目の見えない初江さんと歩いて~ 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 夏目浩光、構成 小山田文泰、出演 内田初江 40年にわたり放送しているラジオ番組『耳の新聞』は、視覚障害者が企画・構成・出演を担当。 30年以上パーソナリティを務めてきた内田初江さんは、記憶力が落ちて番組の構成が難しくなり、このほど引退を決めた。 内田さんの暮らしに寄り添い、視覚障害者の日常と老後を優しい目線で穏やかに描いた。 視覚障害者の暮らしが健常者にも豊かなイメージとして伝わるとともに、その中で老いを感じるとはどういうことかを静かに印象づける秀作である。 優 秀 鳴門第九アジア初演100周年記念企画『歓喜の歌が響く街~第九の里・徳島県鳴門市の奇跡』 エフエム東京 プロデューサー 増山麗央、構成 北阪昌人、演出 黒川美沙子、演出補 伊藤慎太郎 1918年に第1次大戦のドイツ人捕虜によってアジア初の「第九」が現在の鳴門市で演奏されてから100年。 史実やインタビューに基づき、ドキュメンタリーとドラマを組み合わせて、東京から転校してきた少年と実在の女性・高橋春枝さんを中心に今と昔を紐解く。 地元の歴史を踏まえ、鳴門市の子どもたちが「第九」を奏で続けることで何を学び、何を得ようとしているのかを通して、平和の尊さを伝える良作である。 優 秀 YBSラジオFM開局記念特別番組 ナチュラルクワイエットを求めて 山梨放送 出演 小久保隆、ナレーション 海野紀恵、企画 石川 治、構成・演出 大久保達朗 北杜市武川町を拠点に活動する環境音楽家・小久保隆さんは、人工音が全くない自然の音だけの状態「ナチュラルクワイエット」を集めて構築した作品を発表している。 小久保さんの生い立ちやキャリアを振り返りながら、普段聞き過ごしている音の世界と魅力を伝えるとともに、世界中から集めたナチュラルクワイエットによる音楽作品を紹介する。 ラジオにふさわしいテーマであるとともに、音の素材が素晴らしく、無駄のない編集と相まって完成度が高い番組である。 優 秀 夢と感動をありがとう! 燃える男、星野仙一~最後のメッセージ~ CBCラジオ プロデューサー・ディレクター 藤塚卓洋、パーソナリティ 久野 誠、鷲塚美知代 2018年1月に亡くなった星野仙一さんのプロ野球人生は波乱万丈。 17年間で3チームを4度のリーグ優勝に導くなど数々の偉業を当時の実況音声や秘蔵のインタビュー音源を交えて紹介する。 全編にわたるメッセージやコメントから教訓が伝わる。 生放送の緊迫感がありながら自然な構成で、追悼番組として出演者が聞く人の思いに寄り添っていることを感じさせる。 優 秀 こどもは島の宝物~平郡東小学校の6年間~ 山口放送 プロデューサー 木下周三、ディレクター 花野秀明、ナレーター 中村衣里 松川洵子さんは6年前、神奈川県からIターンしてきた両親とともに過疎の島、柳井市の平郡島にやってきた。 彼女の入学で小学校が再開され、当時、たった一人の小学生としてマスコミでも紹介された。 少女の6年間の成長と、彼女を見守る島の人々の姿を追った。 子どもたちを宝のように優しく包む大人たちの姿とともに、彼女の入学から卒業までの6年間、大切な人との別れ、新たな出会いの中で成長していく子どもたちを描いている。 人々の声を丁寧に拾い集め、教育とは何かを問いかけている秀作である。 優 秀 今、子供たちに伝えたいしまくとぅば~言葉に平和への思いを乗せて~ ラジオ沖縄 出演 宮城葉子、取材・編集・ナレーション 杉原 愛 いまは継承の重要性が認識されている沖縄方言「しまくとぅば」だが、100年ほど前には教育現場で標準語使用が強制され、戦時中には方言禁止令が出されていた。 若者の方言離れが進む中、しまくとぅばを若い世代に伝える宮城葉子さんの活動を通して、沖縄方言を学ぶことの意味と教育現場の取り組みを伝える。 しまくとぅばの歴史をたどることで、沖縄が歴史の中で翻弄される姿を浮かび上がらせ、失われた歴史を取り戻そうとする強い意志が感動を呼び起こす。 〔ラジオエンターテインメント番組〕 最優秀 Let the Good Times Roll!! レコードや音楽情報が貴重だった時代を知る先人たちが、福岡で「めんたいロック」と呼ばれたバンドや、地域の音楽ブランディングに成功した40年前の地元の音楽シーンを語り合う。 ロックに対するピュアな思いが心地よく伝わり、音楽とラジオは時代と文化を作り出すメディアであることを再認識させる。 地域の音楽史をまとめた貴重な番組で、地方都市の再生や文化へのヒントも散りばめられている。 優 秀 永六輔の見た青森 ~ラジオドラマ「雪どけ」をめぐって~ 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 齊藤 暢、ナレーター 田村啓美、ドラマ演出 渡辺英彦 2016年に亡くなった永六輔が20代前半の頃に、ラジオ青森(現・青森放送)に持ち込んだラジオドラマの脚本「雪どけ」を60年の時を経てドラマ化。 永が青森を題材にした理由や今まで日の目を見ることがなかった訳を、当時を知る人々の証言をもとに考えた。 永の青森への想いや、人々との交友関係がうかがえる地元局ならではの作品。 ラジオドラマの間に解説をはさみ、集団就職のあった昭和30年代の若者の不安や東京への憧れなど、当時の雰囲気を良く表現している。 優 秀 JET STREAM 50th Anniversary Special エフエム東京 プロデューサー 高橋智彦、演出 氏家 徹、林 久美、演出補 山下未央 2017年7月3日に放送開始から50年を迎えた「JET STREAM」。 歴代のパーソナリティの音源や、番組のファンであった手塚治虫氏のコメントなどとともに世界の移ろいを特別番組で振り返った。 スタジオからの生演奏も交え、音楽と世界を旅することの魅力を届けた。 音楽のかけ方やナレーションなどが繊細で丁寧に演出された番組。 50年の間に変化した日本人の海外への想いや旅情も表現し、聞き手を魅了させる。 優 秀 ~CRTワイドFM化記念 POPfREAK スペシャル~「再現!究極のアナログ音(サウンド)」 栃木放送 プロデューサー兼ディレクター 川島育郎、構成 下田太郎、出演 アロハ丸山、竹内孝幸 1980年代中盤以降、音楽の再生はCDが主流となり、姿を消しつつあるアナログのLPレコードたち。 レコードの音質の良さを見直そうと、ワイドFM放送開始を機に、レーザーターンテーブルでレコードを再生したアナログ音を追求する特別番組を企画した。 マニアックなテーマながらも、出演者のこだわりや音楽を伝えることへの熱意が、レコードを知らない世代も惹きつける。 ワイドFMを聴いてみようという気にさせる力も備えた作品である。 優 秀 歌うはたのし!こんな居場所もいいですね… 北陸放送 ディレクター 内潟堅太郎、ナレーション 竹村りゑ、 音声 山崎正敬、清水 護 金沢市で月1回開かれる金沢うたごえの会は、かつて日本の都市部に数多く存在した歌声喫茶を模したシルバー世代の交流の場。 月に1度、歌いたいと思った曲をみんなで声を合わせて歌っている。 緩くて暖かい交流の場から聞こえる歌声に耳を傾けた。 参加者の人生と照らし合わせた構成や演出が優れており、歌とインタビューの繰り返しを通して、シルバー世代の一人一人の姿を浮き上がらせた。 地域に根差した番組で、人々に寄り添うラジオの果たすべき役割も体現している。 「栞」 FM802 DJ 落合健太郎、加藤真樹子、ディレクター 塚越隆史、岡井絵美 毎年春に新たな生活を迎えるリスナーたちに向け、FM802が音楽で春と出会いを演出するキャンペーンの特別番組。 キャンペーンソングに参加するアーティストが、音楽への思いや曲作りへのアプローチをたっぷりと語った。 DJがアーティストの持ち味を引き出しており、楽曲を作ることへの熱い思いが溢れた番組。 リズムやテンポの良さが、世代を超えた出演者とリスナーの共感を作り出している。 優 秀 遠くて近い国ポルトガル ~しほどんとFADOとサウダーデ~ 広島エフエム放送 プロデューサー 屋形英貴、ナビゲーター 近藤志保、ディレクター 森島隆宏、音声 神崎修平 番組パーソナリティのしほどんこと近藤志保がポルトガルを探訪。 日本との共通点や違いを見つけながら、ポルトガルの民族歌謡である「FADO」を通し、独特の国民感情「サウダーデ」を探った。 街歩き的な現地の紹介にとどまらず、ミニドラマを散りばめるなど丁寧に作りこんでいる。 リスナーにFADOへの興味を喚起させるなど、音楽エンターテインメントとして楽しめる番組である。 〔ラジオ生ワイド番組〕 最優秀 午後はとことん よろず屋ラジオ「許せない! 特殊詐欺 絶対にだまされないぞ スペシャル!」 福井放送 プロデューサー 稲木 聡、ディレクター・パーソナリティ 岩本和弘、パーソナリティ 阿部真由美、ディレクター 橋本芳紀 月~金/12時~16時の放送。 曜日代わりのパーソナリティが、社会問題から趣味、子育てまで幅広いジャンルの中からテーマを一つ選択。 電話やメール、SNSを使い、リスナーとの双方向のやり取りで掘り下げていく。 今回は特殊詐欺について、実際に発生した還付金詐欺での電話音声なども放送しながらその手口や対処法を考えた。 多彩な角度から検証されており、映像の無いラジオだからこそ臨場感が伝わってくる。 クイズや警察官の出演も交え、リスナーを飽きさせない構成が優れている。 優 秀 GO!GO!らじ丸 八ちゃんのWA-HO! 民謡のど自慢 春場所 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 皆川 歩、パーソナリティ 黒石八郎、アナウンサー 筋野裕子 月~金/11時55分~16時の放送。 毎週木曜日は民謡をリスナーと一緒に練習して発表するコーナー「民謡ジェネレーション」を放送。 パーソナリティの黒石八郎が講師を務め、課題曲を決めてアシスタントのアナウンサーに歌い方を指南。 木曜日が祝日の回はリスナ ーと電話をつなぎ、覚えた民謡を歌ってもらう「民謡のど自慢」を開催する。 中継先と現場とのコミュニケーションが生ワイドならではで、民謡が人々に根付いている青森の地域性を感じさせる。 参加者を緊張から解きほぐし、楽しませる進行が光る。 優 秀 伊集院光とらじおと TBSラジオ プロデューサー 池田卓生、ディレクター 鳥井泰伸、高野光司、構成 長島祐尚 月~木/8時30分~11時の放送。 伊集院光が生活に必要な情報や企画コーナー、ゲストトークで平日の午前を盛り上げる。 人気コーナーのひとつが、リスナーの思い出の味を調査する「俺の5つ星」。 リスナーの心に残るレストランや食堂のメニューを教えてもらい、そのお店が今どうなっているかを調査する。 パーソナリティのラジオへの愛やスタッフとの信頼関係が伝わり、楽しい時間を共有させる。 調査にも力が入っており、聞き応えのある話題を凝縮している。 優 秀 近藤丈靖の独占ごきげんアワー「ものもらいの呼び方」 新潟放送 パーソナリティ 近藤丈靖、表 佳世、ディレクター 佐藤智也、プロデューサー 吉井秀之 月~木/6時54分~11時50分の放送。 メインパーソナリティの近藤丈靖アナウンサーが曜日ごとの女性アシスタントとともに日々の地域情報だけでなく、街からの中継や新潟弁コーナーなどで新潟の午前を沸かせる。 毎年夏は自由研究に悩む子供たちにヒントを与え ようと特集を企画。 2017年は各地で異なる「ものもらい」の呼称を調査した。 好奇心を持ってリスナーとともに新しいことを調べていく構成が番組に厚みを持たせている。 企画次第でまだまだラジオが双方向性を発揮する可能性を感じさせる。 優 秀 かめばかむほど亀井希生です! 毎日放送 プロデューサー 大月 勇、ディレクター 山口 茜、出演者 亀井希生、森田まりこ 土曜日/6時~8時の放送。 メインパーソナリティの亀井希生アナウンサーが解説する週間ニュースコーナーや、森田まりこが紹介するよしもと新喜劇の楽屋話などを届ける。 テレビでも「よしもと新喜劇」を放送する同社ならではのステーションイメージを活かした番組構成で大阪の情報を発信する。 シンプルに伝える情報と、ピックアップして深掘りする話題の強弱が優れている。 喜怒哀楽を交えながら身近な話題をリスナーと共有している。 優 秀 大窪シゲキの9ジラジ 広島エフエム放送 プロデューサー 屋形英貴、ディレクター 竹下香織、市川拓弥、DJ 大窪シゲキ 月~木/20時~22時の放送。 広島の10代に寄り添い「誰もひとりにさせない」ことを目指し、パーソナリティの大窪シゲキがリスナーの居場所を提供する。 番組スタッフも若手が中心。 学校訪問などさまざまな企画で若いリスナーと交流を深める。 パーソナリティの人柄や声が魅力的で、リスナーに本気でぶつかっていく姿勢に惹きつけられる。 ウェブやSNSを駆使するなど、若者とのコミュニケーションが意欲的である。 優 秀 FMKパンゲア! エフエム熊本 プロデューサー 池上大介、ディレクター 井澤雄介、出演 MEG、英太郎 月~木/11時30分~14時34分の放送。 日替わりのパーソナリティがそれぞれの独自性を活かした企画で番組を進行する。 今回は放送日の前日に行われた熊本でのマラソン大会が話題の中心。 パーソナリティのMEGと英太郎の掛け合いで楽しい雰囲気を作り上げた。 出演者の話題に対する即応力が高く秀逸。 テンポの良い構成やジングルなどへの遊び心にもディレクターの手腕を感じさせる。 〔テレビ報道番組〕 最優秀 メ~テレドキュメント 葬られた危機~イラク日報問題の原点~ 名古屋テレビ放送 プロデューサー 村瀬史憲、ディレクター 依田恵美子、撮影 矢野健一郎、編集 鈴木建晴 湾岸戦争で米国の支援要請を受けて日本政府が最初に派遣したのは民間船。 米軍の指示で危険な海域に入り、ミサイル攻撃を受け、情報開示請求で得られた船長の報告書は「ここは戦場だ」と記す。 しかし外務省は事実を隠蔽し、中東貢献船を派遣する間に政府は自衛隊派遣の検討を重ね、ペルシャ湾に掃海部隊を派遣。 自衛隊の初の海外派遣となった。 当時のトップ官僚のインタビューが自衛隊の海外派遣を支えてきた虚偽と隠蔽の原点を明らかにし、政府の姿勢、対応に現在への連続性を感じさせる点が出色である。 優 秀 庁舎は語る~大槌町 あの時なにがあったか~ IBC岩手放送 取材・構成・ナレーション 江幡平三郎、取材 木下義則、撮影 相澤雄仁、編集 鈴木 操 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の旧役場庁舎は、解体か保存かで揺れている。 高台の中央公民館に設置するはずの災害対策本部が役場前の駐車場に設営され、大津波警報の発表後も避難情報が発信されず、町長を含む職員28人がこの場で犠牲となったからだ。 原因と責任の所在はどこにあるのか。 災禍を繰り返さぬために何をすべきか。 対立の構図から多くの問題を提起し、何ができるかを考えさせる秀作である。 戦前・戦中は検閲で報じられなかった新聞社の「不許可写真」や南京攻略戦に従軍した兵士の肉声や陣中日記を検証し、失われた歴史の真実に迫る。 そして南京事件を否定する根拠とされている「自衛発砲説」を記事にした記者に取材する。 「自衛発砲説」の原点を解き明かして前作への批判に応える構成は見事であり、歴史修正主義に正面から向き合う姿勢が称賛に値する。 優 秀 Aの衝撃~コメ王国の正体~ 新潟放送 プロデューサー 丹羽 崇、取材構成 坂井悠紀、撮影編集 上田哲也、ナレーション 高坂元己 2017年産の魚沼コシヒカリが食味ランキングで定位置の特Aランクから陥落、関係者の間にかつてない衝撃が走る一方で、販売店や専門家からは、背景に産地の驕りがあると厳しい指摘が相次いだ。 減反廃止という国の大きな政策転換によって米の生産も自由競争時代を迎える中、産地には脱コシヒカリの動きが表面化するなど大きな影響を及ぼしている。 コメ戦国時代の現状と課題を多角的に検証し、「コメ王国」の地元・新潟県に向けて今後の米づくりの在り方を考えさせる秀作である。 優 秀 ザ・ドキュメント ふたつの正義 検証・揺さぶられっ子症候群 関西テレビ放送 プロデューサー 萩原 守、ディレクター 上田大輔、撮影 平田周次、編集 片野正徳 乳幼児が激しく揺さぶられて脳が損傷を受ける「揺さぶられっ子症候群」(通称SBS)は、日本では虐待を疑われて親が逮捕・起訴される事件が相次ぐが、海外では医学的根拠が乏しいとされる。 SBSを疑われた母親の裁判に密着しながら、冤罪の危機感を抱く弁護士らと、虐待をなくすため尽力してきた医師の、双方の正義が交錯する現状を映し出す。 立場の異なる人々を丹念に取材するとともに、医療にかかわる司法の問題点を明らかにし、論点を分かりやすく整理している点が秀逸である。 二人は劇団を結成し、岡田さんは看板俳優として老いや認知症をテーマに毎年、新作公演を続けている。 魅力あふれる主人公に密着し、その日常を通して、より良い老いとは何か、人の生きがいとは何かを伝える秀れた人間ドキュメンタリーである。 優 秀 菜の花の沖縄日記 沖縄テレビ放送 プロデューサー 末吉教彦、山里孫存、ディレクター 平良いずみ、撮影・編集 大城茂昭 石川県から那覇市のフリースクールにやってきた坂本菜の花さん(15歳)は、併設された夜間中学のお年寄りとの交流を通して、沖縄では70年余り前の戦争が続いていることを肌で感じ、基地の島で起こる事件・事故と、対照的に穏やかな学校での時間を故郷の新聞にコラム「菜の花の沖縄日記」として連載し続けた。 主人公の真っ直ぐな視線を通して描かれる沖縄の米軍基地問題が新鮮な印象を与えるとともに、日常と隣り合わせであることを再認識させる秀作である。 〔テレビ教養番組〕 最優秀 拉致と言えなくて ~寺越さん母子の55年~ テレビ金沢 プロデューサー 金本進一、ディレクター 岡本達生、撮影・編集 白澤友朗、構成 日笠昭彦 寺越友枝さんの長男、武志さんは1963年に日本海で行方不明となった後、北朝鮮で生存が確認されたが、拉致被害者として認定されていない。 友枝さんは、息子の帰国を求めて精力的な活動を続ける一方、やがて拉致被害者家族連絡会と距離を置き、「拉致」という言葉も使わなくなった。 時代に翻弄されてきた親子の切実な状況や思いを伝える。 長年の継続取材を通じて得られた独自映像や証言は記録資料としても貴重である。 友枝さんの息子を想う悲痛な心情が画面からひしひしと伝わり、胸を打たれる。 優 秀 大ナスカ~古代ロマンに迫る山形大学の挑戦~ テレビユー山形 プロデューサー 佐藤義亀、ディレクター 丹野 智、カメラマン 高橋賢一郎、ドローン 加藤祐一 南米ペルー、ナスカの荒涼とした大地に描かれた地上絵はいまだ多くの謎に包まれている。 現在、謎の解明に最も近い研究者と言われているのが山形大学の坂井正人教授。 ペルー政府が現地への長期立ち入り調査を世界で唯一認めている研究チームを率いる坂井教授の調査研究に密着し、地上絵の謎に迫る。 坂井教授の穏やかな口調のなかに研究への情熱がにじみ出ている。 地上絵を描いた当時の人々の世界観がわかりやすく解説され、知的好奇心をかき立てられる。 優 秀 ノンフィクションW シャルルの幻想の島~日本の祝祭とフランス人写真家~ WOWOW プロデューサー 古谷秀樹、 眞山香織、監督・撮影・編集 長谷川歩 欧州の祝祭に登場する獣人や魔物を撮影した作品で世界的な評価を確立したフランス人写真家シャルル・フレジェが、1年以上にわたって日本全国を巡り、日本の祝祭に現れる神々や妖怪を撮影した。 時には独自の世界観を押し付けて現地の住民と軋轢を生むシャルルの旅に密着し、日本の伝統のあり方や深淵に迫る。 ナレーションが一切ない演出とカメラワークにより、自分がその場に立っているかのような臨場感を味わえる。 伝統を守ることの意味をあらためて考えさせられる。 優 秀 天空の頂に 槍ヶ岳 山小屋100年物語 長野朝日放送 プロデューサー 郡司勝己、ディレクター 山口哲顧、企画 藤井 学、撮影 沖山穂貴 北アルプスの名峰、槍ヶ岳の山頂近くで多くの登山者に愛されてきた「槍ヶ岳山荘」。 100年前に穂苅三寿雄さんが始めた山小屋を、二代目の貞雄さん、三代目の康治さんが受け継いでいる。 そして2017年4月、康治さんの四男、大輔さんが大手携帯電話会社を辞め、山小屋の仕事を始めた。 大輔さんの奮闘と四代が受け継ぐ槍ヶ岳への思いに迫る。 高山の厳しい環境のなかでの長期にわたる丹念な取材が光る。 槍ヶ岳の壮大な自然を堪能できる美しい映像も圧巻である。 優 秀 ブータンが愛した日本人 向井理が見た、幸せの国のキセキ 読売テレビ放送 チーフプロデューサー 萩原 大、演出・プロデューサー 小林計洋、アシスタントプロデューサー 瀬戸 優、アシスタントディレクター 石川 彬 海外技術協力事業団の専門家としてブータンに派遣され、28年間にわたって支援活動に従事した西岡京治さんは、当時最貧国だった同国の農業の近代化に大きく貢献し、国王から「最高に優れた人」との称号を与えられた。 向井理が現地を訪れ、西岡さんの足跡を辿るとともに、「幸せの国」と呼ばれる現地の文化と人々の生活を伝える。 向井さんが現地の人々との触れ合いを通じて、西岡さんの功績をうまく引き出している。 あまり馴染みがないブータンの文化や人々の日常を知ることができるのも魅力である。 優 秀 つながる@萩大島船団丸 山口放送 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 田村康夫、撮影 都濃政也、山本宏幸 日本海に浮かぶ山口県萩市大島のまき網船団「萩大島船団丸」。 漁獲量の減少や魚価の低迷など漁業を取り巻く厳しい状況のなか、新たな取り組みを次々と進めている。 鍵となるのは消費者との「つながり」。 新しい漁業のかたちを模索する漁師たちの奮闘を追う。 スマートフォンによる鮮魚の「直販」や漁業のスタディツアーなど、従来のやり方にとらわれない姿勢は、地場産業の活性化に頭を悩ませる他の地域や産業の参考になる。 優 秀 どーんと鹿児島 「お日さまに照らされて」~私とふるさとの先輩たち~ 南日本放送 プロデューサー 豊倉真奈美 ディレクター・カメラマン・ナレーター ジェフリー・アイリッシュ、編集 武藤 久、美術 芥川さやか 20年前に鹿児島県に移り住んだジェフリー・アイリッシュさんが薩摩半島の農村に暮らす80代から90代の男女5人の日常を映し出す。 どう生きるか、他者とどう接するか、自分の体とどう対話するか。 先輩たちの話に耳を傾け、その生き方を見つめる。 人生の先輩に丹念に向き合い、飾り気のない表情や言葉を引き出している。 地域コミュニティのつながりの温かみを感じさせるローカル局ならではの作品である。 〔テレビエンターテインメント番組〕 最優秀 北斎ミステリー 幕末美術秘話 もう一人の北斎を追え! 日本BS放送 エグゼクティブプロデューサー 小野寺徹、プロデューサー 長嶌有香、本木敦子、ディレクター 木村竜太 圧倒的な画力と色彩感覚を誇った天才絵師、葛飾北斎。 彼の作品には、鎖国時代にかかわらず西洋美術の技法を取り入れた痕跡がある。 北斎が残した多くの謎を紐解いていくと、北斎の娘、葛飾応為に行き着くが、彼女の肉筆画はわずか数点しか残されていない。 北斎と応為の作品を科学的に検証し、謎めいた応為の実像と父娘の絆に迫る。 国内外の専門家に丹念に取材し、北斎父娘の作品に新たな解釈を示した意欲作であり、見ているものの知的好奇心をかき立てる上質なエンターテインメントである。 優 秀 うっちゃれ!相撲女子 青森放送 ディレクター 山本邦人、工藤美緒子、撮影 藤林国仁、音声 奈良豪人 かつて高校日本一に輝いたことがある名門、五所川原商業高校相撲部は、2014年に部員がゼロとなり休部の危機に陥る。 そこに相撲経験がない一年生男子二人と女子マネージャー、佳奈さんが入部。 佳奈さんは部員を支えつつ、自分も強くなりたいと自らまわしを締め、稽古に参加し始める。 仲間、監督や家族に励まされながら成長する彼らの姿を描く。 人間同士の絆の大切さ、目標に向かって努力することの重要性が伝わってくる。 取材対象と信頼関係を築き、ありのままの表情や言葉を引き出している。 優 秀 SBSスペシャル 罠師~片桐邦雄・ジビエの極意~ 静岡放送 撮影・構成・演出 柏木秀晃、撮影 三島乾児、エグゼクティブプロデューサー 小川 満 ジビエ料理を看板に掲げて45年にわたり割烹「竹染」を営む片桐邦雄さん。 春は天竜川に船を出し、秋冬は野山を巡って鹿や猪を追いかける。 獲物の捕獲から解体、調理まですべての工程を自分でこなす彼は、銃を使わず、手作りの罠を仕掛け、生きたまま素手で捕獲する。 片桐さんに密着し、自然への敬意と鮮やかな技、ジビエ料理の極意に迫る。 自然の恵みを最高に美味しい状態でいただこうとする料理人の矜持に感銘させられる。 命がけの罠猟の様子が迫力ある映像で描かれ、現場の緊迫感が伝わってくる。 優 秀 KNBスペシャル クロスロード 北日本放送 企画・構成 上野 透、撮影・編集 村下幸生、制作統括 桐谷真吾、守護真一 2014年1月の全国高校サッカー選手権大会で県勢初の全国制覇を果たした富山第一高校。 歓喜の瞬間から4年たった現在、優勝メンバーはそれぞれ人生で大きな岐路に立っている。 もがき苦しみながら歩みを進めている3人の若者の交錯する心情と人生を追う。 4年前の大会で活躍した選手だけでなく、控え選手からも大会当時の気持ちや現在の想いを丁寧に聞き出し、深みのある内容となっている。 優 秀 〇〇発東京行き 2018春 関西テレビ放送 演出・プロデューサー 泉 雄介、ディレクター 友岡伸介、出演者 陣内智則、秋野暢子 JR大阪駅のバスターミナルから東京に向かう高速バスを待つ人に声をかけ、特別な想いを抱いて上京する人々に同行。 途中で上京への想いを聞き出しながら、東京で起きる悲喜交々の人間ドラマを伝える。 スタジオでは、現在は東京で活躍する地方出身の出演者たちが自身の上京当時の想いを重ねながら、それぞれの上京物語を温かく見守る。 高速バスで上京する一般人に密着するという着想と粘り強い取材が秀逸である。 笑いあり感動ありの人間ドラマがありのままに描かれ、ストーリーに引き込まれる。 優 秀 元就。 放送300回を記念した特別番組では、1997年のNHK大河ドラマ「毛利元就」で元就役を演じた歌舞伎役者、中村芝翫さんが息子の福之助さんと一緒に毛利家の本拠地である吉田町を巡り、地元の人々と触れ合う。 中村さんの飾らない人柄と地元住民の温かさが相まって、見ているものの心を和ませる。 中村親子が地元の小学生に交じり「元就劇」を演じるラストの場面が印象的である。 沿岸部で配った光馬君は、楽しそうに遊ぶ被災者の姿を目にし、下ばかり見ていた自分に気付く。 その後、福岡の大学に進学した光馬君は、番組の企画に応募し、被災者のビデオメッセージを携えてハルナさんと対面する。 シャボン玉を通じて「上を向く」ことの大切さが伝わってくる。 被災地の復興と光馬君の心の成長が丁寧に描かれ、誰もが共感できる感動的な物語となっている。 〔テレビドラマ番組〕 最優秀 過保護のカホコ 日本テレビ放送網 プロデュース 大平 太、田上リサ、演出 南雲聖一、日暮 謙、脚本 遊川和彦 大学4年で就活真っ只中のカホコは、両親の愛情を一身に受け、ママに車で駅まで送迎してもらい、パスモのチャージもパパがしてくれる超温室育ち。 そこに、彼女とは正反対の境遇で育った麦野初が現れ、カホコの温室のような生活を全否定するところから物語は始まる。 初に見守られながら、仲良しに見えた親戚一家のさまざまな問題を、持ち前のパワーと純粋な心で解決していくカホコ。 「他人のために何かをしたい!」というカホコの愛の力は、次第に周りの人たちをも幸せの輪で包んでいく。 視聴者を笑わせつつ、心に引っかかる何かを残す脚本の力が圧倒的である。 優 秀 新春ドラマスペシャル「娘の結婚」 テレビ東京 監督 松本佳奈、脚本 水橋文美江、チーフプロデューサー 中川順平、プロデューサー 阿部真士、近見哲平 百貨店勤務の國枝孝彦は娘の実希と2人暮らし。 妻・佳実が突然亡くなった後、男手ひとつで娘を育ててきた。 そんな娘に微妙な変化が訪れていることに気づく孝彦は、実希から「会ってほしい人がいるの」と言われる。 婚約者はかつて住んでいたマンションの隣人の息子である古市真で、その母親の景子はトラブルメーカーだったらしい。 不安を募らせる孝彦は、迷いながらも古市家を訪ねるのだった。 近くて遠い父娘の距離感を丁寧に描いている。 分かりやすさとは一線を画しつつ、人物の感情に寄り添った演出が、優れたホームドラマを作り出している。 優 秀 連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~ WOWOW プロデューサー 岡野真紀子、永井麗子、脚本 戸田山雅司、監督 若松節朗、村谷嘉則 警視庁捜査二課情報係の偏屈な刑事・木崎は、情報収集のために足しげく通う元国会議員の事務所で、外務省のノンキャリア職員に贈収賄容疑があることを知る。 折しも九州沖縄サミットの開催が決まり、外務省に法外な予算が付く時期だった。 国家が絡む難しい問題に切り込みドラマ化した制作陣の志の高さが画面から伝わってくる。 社会派ドラマというだけでなく、優れたエンターテインメント作品にもなっている。 優 秀 スペシャルドラマ 父、ノブナガ。 CBCテレビ プロデューサー・演出 堀場正仁、脚本 土橋章宏、音楽 辻 陽、撮影 佐多賀剛、編集 藤村芳美 岐阜市に住む、ごく普通のサラリーマン小田一夫は妻と高校生の娘、認知症が始まりだした母との4人家族。 家庭でも職場でも存在感はあまりない。 一夫の会社では巨大ショッピングモール建設を受注できるかどうかの正念場であり、その大切な接待にピンチヒッターで同席することになった一夫は、鵜飼の席で誤って川に落ちてしまう。 これをきっかけに織田信長の魂が一夫に憑依し、そこからビジネスマンとしての快進撃が始まる。 信長の判断・行動が現代社会においても違和感がなく、楽しいドラマに仕上がっている。 岐阜の魅力をさりげなく描いている点にも好感が持てる。 優 秀 天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~ 読売テレビ放送 チーフプロデューサー 岡本浩一、プロデューサー 汐口武史、霜田一寿、伊賀宣子、脚本 林 誠人 日本が世界に誇る大阪生まれの天才数学者・岡潔とその妻・みちの人生を描く。 数学に熱中する若き潔に惹かれ、結婚するみちだが、潔が自身の研究に没頭するあまり、家計は火の車である。 潔は世界の難問である「ハルトークスの逆問題」に立ち向かい、紆余曲折を経て論文を完成させる。 初めは数学界からは全く評価されない論文であったが、みちの必死の訴えをきっかけに、ついに潔は世界に認められるのだった。 天才数学者を演じる佐々木蔵之介の演技が圧巻である。 美術・セットなど、その時代を正確に再現しようとする制作者の意気込みも伝わってくる。 優 秀 福岡恋愛白書13 キミの世界の向こう側 九州朝日放送 ゼネラルプロデューサー 坂井 剛、企画・プロデュース 古川純大、プロデューサー 近藤あゆみ、監督 二宮 崇、脚本 川﨑いづみ 大学生の蒼太はたまたま訪れた図書館でそばを通り過ぎた律に一目惚れしてしまう。 律のことが頭から離れない蒼太は再び図書館へ。 律と話すため蒼太はノートで友達になってくださいと書き込むが、「ナンパはお断り」とそっけなく文字を返す律。 それでも食い下がる蒼太に今度は「私は耳が聞こえない」と書き込むが、蒼太は「なんで耳が聞こえないと無理なん」とまっすぐな瞳で律を見つめる。 そんな蒼太に律はだんだん惹かれていく。 若者の恋愛を丁寧に描こうとする制作者の思いが、瑞々しい映像を通して表現されている。 登場人物の自然な演技もドラマの質を上げている。 付き合ってはいけない男の「3B」が「バイトをしないバンドマン」「ビッグになるまで待っててというバンドマン」「お金に興味ないというバンドマン」と知り、「絶対ヤダー」と答える女性。 現代の若者らしい口調の会話で笑いを誘いつつ、押しつけがましくならないように音楽著作権の重要性を示した。 音楽を無料で聞くのは当たり前と考える若いリスナーにお金は大切というメッセージをリアルに伝えている。 商品名の「おすだけ」に対して、人間の血を吸うのは「メスだけ」という洒落をきかした掛け合いの中に「ワンプッシュで効き目長時間」「蚊への効き目24時間」などのコメントをテンポよく織り込んでいく。 シンプルかつユーモラスなやり取りで商品名やその特徴を効果的に伝え、リスナーの購買意欲をじわりと刺激する。 見当たらない部下がどこにいったのかと上司が聞くと、プールや公園、スーパー銭湯と部下が答える。 激怒するのかと思いきや、「みんな、よく働くな」と上司が嬉しそうに言う。 部下は遊びにいったのではなく、それぞれの仕事場に向かったというオチ。 さまざまな施設のメンテナンスを行っていることをオフィス内の会話を通じてシンプルに理解させるシナリオが巧みで、広告としての機能性が評価された。 彼氏が「なんで?」と聞くと、「車だと前ばかり見ているから」と言う彼女。 カップルの日常を切り取ったような甘い空気感がリアルに表現され、リスナーの共感を誘う。 車では味わえない、大切な人と向き合うことのできる電車旅の魅力を彼女の一言で簡潔に表現。 自動車が中心の生活に一石を投じる、チャレンジ精神を感じる作品に仕上がっている。 家を出ていこうとする息子だが、扉が開かない。 父親が「さっさと出ていけ」と続けるのだが全く開かない扉。 「出ていけるものなら出ていってみろ」と笑う父親と、「くっそー」と涙声になる息子。 「おいしくなって新発売」 と商品がリニューアルしたことをストレートに知らせつつ、「こういうCMよくあるけど、こういうCM聞いたら思うの」「そんなのびしろあったんかい!」という自虐的な歌詞が続く。 「のびしろ」というフレーズの耳ざわりがよく、楽しく覚えやすい歌でつい口ずさみたくなるシンプルな曲調が印象的。 親しみやすさの中にも批評性が感じられる作品である。 「おとう〇んとおかあ〇んと、〇んにんで〇ぬきでおうどんを食べました。 〇すがのおいし〇でした」。 何を言っているのか分かりづらいところが逆に、リスナーの注意をひきつける。 音のメディアであるラジオで一風変わった切り口に挑戦した佳作である。 締めくくりの「〇いこう~!」が、「行こう~!」と解釈できるのも面白い。 うっかり勘違いに笑いがこみ上げてしまう2人の様子に、リスナーも幸せな気分に包まれる。 「かわいいメタリックローズ色もある」という商品への興味も喚起。 シンプルで面白く、かつ訴求点もしっかりと盛り込み、完成度の高い作品に仕上がった。 そこに「パサパサ」という驚きの訴求コメントが。 背景には、食糧不足の時代に「栄養価が高く、日持ちするように」という先代の思いがあった。 一見ネガティブな特徴を逆に肯定的に見せた点が痛快。 製造者の愛情を感じさせる背景説明や、親しみやすい価格訴求も相まって、企業や商品の魅力を的確に捉え、うまく引き出した。 雨の降る音が実は天ぷらを揚げる音だったり、カメラのシャッター音が実は巻き尺が戻る音だったりするのは想定の範囲内かもしれないが、ナレーターの女性が合成音声だったことが最後に明かされる。 ラジオの特性を生かした音による構成が見事。 BtoB向けのサービスをうまく訴求し、ラジオCMの可能性をあらためて感じさせる。 優 秀 G. 残念な内容を「夏の冬眠」に例えることで楽しいネタに変えた。 「およそ5分後のCMが今年最後の放送」というメッセージが名残惜しさとともに、番組を支えるスポンサーの存在を身近に感じさせる。 リスナーと番組だけでなく、その先にあるリスナーとスポンサーとの関係を大切にした、ラジオらしいユニークな試みである。 挑戦心溢れる取り組みでリスナーに強い警鐘を鳴らし、特に被害が集中する高齢層のリスナーが多いラジオのCM枠で放送した意義は大きい。 部長がやたらとカタカナ横文字を連発する。 「サスティナブル」「レガシー」「アジェンダ」などの単語を並べて得意げに部下に説教するが、どうやら3日ほどハワイに行っただけらしい。 「外国かぶれ」と皮膚の「かぶれ」を掛けて薬局のイメージを印象付けることに成功。 畳みかけるようなやり取りでリスナーを「なにわ」の世界に引き込んだ後、大阪で愛される商品のイメージにしっかりと結び付けた。 ところが聞こえてくるのは「お金がない」「ボロい」「人手がない」「狭い」とネガティブなワード。 しかしそれを逆手に、生き物が身近に感じられる水族館だとポジティブに見せる発想が秀逸。 飼育員の熱意やアイディアが伝わるシナリオも素晴らしい。 そんな避難時の混雑を緩和しようと考案されたのが「平泳ぎ避難」。 「1平方メートルに1. 8人以上が入ると人の渋滞が起こる」という専門家の話とともに、通常避難と平泳ぎ避難の比較実験を見せることで、分かりやすく解説。 避難法という難しいテーマだが、平泳ぎ避難の有用性を視聴者に強く印象付け、認知度向上に大きく寄与している点が評価された。 お客さんは口を揃えて「伸びてます」「すごく伸びきっています」とにこやかに話す。 何のことかと思いきや「いらっしゃいーー」と元気な声で、語尾をこれでもかと伸ばす声が聞こえる。 伸びていたのはご主人の掛け声。 その魅力的な人柄が作品全面から溢れ出しており、どこか心が安らぐ。 CMを見た誰しもに会いにいってみたい、食べにいってみたいと行動させる喚起力を感じた。 家から娘が巣立つ姿を前撮りの記念撮影の中で残したいと始めたのが「もうひとつの結婚式」。 自宅で撮る写真ならではの温かい雰囲気が感じられ、家族のストーリーが垣間見える。 写真のスライドショーを中心に展開される演出に、写真事務所らしくシャッターで家族の想いを伝えようとする姿勢が表れている。 「家から嫁ぐを大事にしたい」というメッセージも新規性があり、心地よい余韻が残るCMである。 出会うはずのなかった3人が鉢合わせたのは、名古屋市役所本庁舎内だったという予想外の展開。 一見すると異なる場所で撮られたようなこれらのシーンが、実はすべて市役所内で撮影されていたことが明かされる。 映画の宣伝のようなドラマチックな演出で名古屋市役所の魅力を表現しており、訴求効果は抜群。 役者の道を諦め、芸人になり、脱いで剥がして壊した先に未来があると語りながら服を脱いでいくアキラ100%と、解体作業風景がシンクロする演出のタイミングが絶妙で視聴者の笑いを誘う。 「ミスが許されない」解体業の仕事を「ミスが許されない」芸人で表現した、ユーモラスでアグレッシブな作品である。 孵化した子ガメは月明かりを頼りに海へと向かうが、街灯を月明かりと勘違いして集落に迷い込み命を落とす事故が多々あった。 そこで街灯の色をウミガメが認識できない赤に変えたことで事故はなくなったという。 「見にくくなったが人間は注意すれば良い」と話す住民の言葉が、日々便利になっていく現代社会についてあらためて考えさせる。 技術部門 最優秀 画像認識AI技術を用いた番組制作支援 日本テレビ放送網 研究・開発担当者 佐藤 誠、神崎正斗、鈴木寿晃、篠田貴之 独自技術を搭載した画像認識AIにより、箱根駅伝をはじめとするロードレース中継の撮影映像からリアルタイムかつ高精度に選手を識別し、レース展開のメタデータを自動的に生成してCG表示などを行う番組制作支援システムを開発・実用化した。 これにより、スポーツ中継の省力化を図りつつ、ラップタイムCGによる制作支援やインターネット同時配信等を想定した自動CG表示を実現するとともに、テレビ番組全般への画像認識AIの活用方策を示し、テレビ制作技術の高度化と効率化に大きく貢献した。 優 秀 字幕付きCMファイリング支援・オンエア監視システムの開発 札幌テレビ放送 研究・開発担当者 近藤定紀、星野 隆 字幕付きCMのファイリング作業において、HD/SD/携帯字幕の相互比較、字幕テキストの正確性チェック、規格不適合時の分かりやすい表示をそれぞれ行うとともに、オンエア監視時に自動比較を行う業務支援システムを開発・実用化した。 これにより、字幕付きCMの正確な運用にかかる業務負担を軽減して今後の普及を推進し、テレビ送出業務の発展に貢献した。 優 秀 追っかけ編集システム『FOX』の開発 TBSテレビ 研究・開発担当者 内田 慎 共有ストレージを使用しないシンプルな機器構成に独自開発したソフトウェアを組み合わせ、大型スポーツ番組などの生放送に耐える安定性と高いパフォーマンスを兼ね備えた、安価で使いやすい追っかけ編集システムを開発・実用化した。 これにより、ますます高まる即時編集・即時オンエアのニーズに的確に応え、テレビ編集業務の発展に貢献した。 優 秀 ハイブリッドキャストビデオコンテンツマネージメントシステムの開発 フジテレビジョン 研究・開発担当者 伊藤正史 放送とインターネット配信を連携できるハイブリッドキャストにおいて、国内初の「アドレッサブルTV」や「4K HDR」への対応を実現し、これらを全国各地域で運用可能とするコンテンツマネージメントシステムを開発・実用化した。 これにより、ハイブリッドキャストの運用のハードルを著しく下げるとともに、環境整備を強力に推進し、放送サービスの高度化に貢献した。 優 秀 シングルボードコンピュータとクラウドデータベースを用いたネットワーク型タリー伝送装置の開発 朝日放送テレビ 研究・開発担当者 荒木 優 汎用のシングルボードコンピュータとクラウド上のリアルタイムデータベースを使用し、既存の携帯電話網を利用したインターネット回線により、中継現場のワイヤレスカメラに向けてタリー伝送を行うシステムを開発・実用化した。 これにより、簡易なセッティングによる安定したタリー伝送を実現し、テレビ制作技術の効率化に貢献した。 優 秀 Fドロップ補正機能の開発 読売テレビ放送 研究・開発担当者 菊地 健、窪内 誠 ズームレンズの高倍率端で急激に光量が低下する「Fドロップ」現象に対し、レンズの特性を3つのパラメータで数値化することで、カメラ側のゲイン調整を自動的に行う補正機能を開発・実用化した。 これにより、演出の自由度を損なうことなくVEの負担が軽減され、本機能はカメラメーカーの標準装備となり、テレビ制作技術の効率化と高度化に貢献した。 優 秀 データベース不要! ファイルベース化におけるMAMの自社開発 愛媛朝日テレビ 研究・開発担当者 黒河 純 放送素材のファイルやメタデータを管理し、送出やアーカイブと連携するMAM(Media Asset Management)を、データベースを使用せず、ディレクトリー構造で管理する方法で開発・実用化した。 これにより、地方局のニーズにあわせたファイルベース化、テープレス化を実現し、テレビ放送業務の効率化に貢献した。 特別表彰部門 〔青少年向け番組〕 最優秀 やまがたZIP!スペシャル ~光で元気を! 産調ガールズが行く~ 山形放送 プロデューサー 山内正俊、ディレクター 荒木重弥、ナレーション 青山友紀、編集 伊藤憲吾 山形市立商業高校の産業調査部は、全国高等学校生徒商業研究発表大会の全国大会に4年連続で出場し、平成29年には「人口増大計画~ビジネスは人がいなくてできますか?~」の発表で大会最優秀賞、文部科学大臣賞、産業教育中央会長賞を受賞した。 番組では、後輩たちが全国2連覇に向けて奔走する姿を描いた。 地域の問題を地域の若者たちが自ら考え解決に取り組む姿は、大人たちにも感じ入るものを与える。 番組でそうした機会を提供したことは地方局の大事な仕事の成果として高く評価できる。 優 秀 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM シーズン2 パラリンピックに舞い降りた最強の不死鳥:ベアトリーチェ・ヴィオ WOWOW ナビゲーター&ナレーター 西島秀俊、エグゼクティブプロデューサー 口垣内徹、チーフプロデューサー 太田慎也、プロデューサー 泉 理絵 WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)の共同プロジェクトによる大型ドキュメンタリーシリーズ。 そのシーズン2より、イタリアの車いすフェンシング金メダリストのベアトリーチェ・ヴィオ(愛称ベベ)が主人公。 11歳で重い髄膜炎を患い四肢を切断した彼女の強さと、彼女が思い描く未来を見つめる。 主人公の飾らない真っすぐな姿が強く印象に残り、夢を持つことと夢に向かって努力することの大切さを青少年たちに伝えている。 2年後の東京オリンピック・パラリンピックに世界中のアスリートを迎える日本中の人々にも、さまざまなメッセージを強く語りかけてくる。 優 秀 ザ・ドキュメント マリアとフクシマ 関西テレビ放送 プロデューサー 萩原 守、ディレクター 宮田輝美、撮影 登島 努、編集 赤井修二 チェルノブイリ原発事故で胎児被爆したマリアは、幼少時から原因不明の症状に苦しみ、大人になってから原発事故の影響であると聞かされる。 甲状腺を取り除いた後も、原因を知って苦しむ母を思い、家族に迷惑をかけたといつも自分を責めてきた。 来日したマリアと、福島に留まった絵本作家や福島から京都に避難している親子らとの触れ合いを通じて、原発事故の消えない痛みと親子の絆を描く。 登場人物の様々に散らばったそれぞれの思いをうまくまとめている。 子どもたちに身近な出来事が世界とどのように繋がっているかを理解してもらい、福島の苦しみを自分たちのこととしていくことの大切さを伝えている。 優 秀 熱血テレビスペシャル のんちゃんの島の学校 山口放送 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 花野秀明、撮影 金子麻史、ナレーター 高松綾香 山口県柳井市の沖合20キロに位置する平郡島は人口400人に満たない過疎の島。 のんちゃんこと松川洵子さんは6年前、神奈川県からIターンしてきた両親とともにこの島にやってきた。 閉校していた島の小学校はのんちゃんのために再開。 この春、その後入学した5人の在校生に送られて卒業した洵子さんの成長と、島の学校の6年間の記録。 のんちゃんが生きる力を獲得していく過程が画面から伝わってくる。 地域の問題を肩に力を入れずに伝えており、登場する人々と取材者が、のんちゃんの成長を自分の子供の成長の様に見つめる、温かい眼差しが感じられる。 優 秀 げなパネ! 自転車女子旅立ちの春スペシャル 長崎放送 プロデューサー 斉藤礼子、ディレクター 岩本 彩、撮影 宮下康弘、ナレーター 村山仁志 長崎県立鹿町工業高校自転車競技部に所属する二人の女子部員の1年間に密着し、短いコーナーでは紹介できなかった二人の奮闘と成長を、その後の二人の動静と気になる進路を含めて、卒業記念のスペシャル版にまとめた。 頑張る二人の姿は努力することの尊さを共感をもって伝え、視るものに勇気を与える。 ライバルであり友人でもある二人の微妙な関係を、年頃の女子の悩みなども織り交ぜ等身大の姿でうまく描いており、男性社会のなかで奮闘する女性の気持ちや悩みも想像させる。 〔放送と公共性〕 最優秀 化学物質過敏症~理解されない病に苦しむ患者たちを伝える6年間の放送活動~ テレビ金沢 実施責任者 金本進一、辻本昌平、中崎清栄 テレビ金沢は、化学物質過敏症の患者たちと真摯に向き合い、彼らの存在を6年間伝えている。 患者たちは柔軟剤や芳香剤、食品添加物など身の回りにある化学物質に過敏に反応し、体調を崩してしまう。 しかし国民の多くは病名すら知らず、患者たちは人々から理解を得られない苦しみとも闘っている。 病気を広く伝えるため、取材先の系列局にも呼びかけて各地の患者と支援者を取材。 さらに、個別の問い合わせにも対応し、患者や家族が情報を得る窓口になっている。 粘り強い取材を通じて、化学物質過敏症を特殊な病ではなく社会問題として伝えてきたこと、また、石川県を離れ系列局と共同取材を進めたことなどが公共性を重視した活動として高く評価された。 優 秀 視覚障害についての啓発活動とラジオ ~目が見えないパーソナリティたちの40年~ 青森放送 実施責任者 山本鷹賀春 青森放送は、視覚障害者とともに障害への理解を深めるための啓発活動に取り組んだ。 目の見えないパーソナリティが視覚障害者に必要な情報を考えて、企画、取材、収録、編集すべてを行う番組を、40年間放送した。 さらに、番組とのタイアップキャンペーンで得た募金で青森県内に多くの音響式信号機が設置されるなど、活動は多岐にわたる。 音声メディアの特性を活かし、音に頼って生活する視覚障害者に情報を届けるというラジオの役割を果たしている。 当事者ならではの視点で番組を作り続けたパーソナリティとそれを支え続けた放送局の姿勢が評価された。 筋電義手は高額なうえ、訓練施設は国内に3か所しかなく、訓練には医療保険が適用されない。 報道番組に限らず、寄付を求めるPRスポットの制作やドキュメンタリーの全国放送を通して、筋電義手の必要性と普及を広く社会に訴えた。 多くの子どもたちに筋電義手を届けるため、記者が問題を謙虚に追い続けることで社内体制が整えられ、全国ネットの番組で放送されるなど、系列局全体にも取り組みが広がりを見せていることと、医療保険制度を変えたいという記者の高い志が評価された。 優 秀 手話が語る福祉~聴覚障害者と歩んだ25年~ 岡山放送 実施責任者 小山幸三 岡山放送は、25年にわたり聴覚障害者とともに手話の普及に取り組んできた。 聴覚障害者と定期的に会議を行い、放送に適した手話を研究。 月に1回、聴覚障害者によるニュース企画「手話が語る福祉」を放送し、アナウンサーが手話を使いながら原稿を読む。 さらに、手話解説付き朗読会や手話講座の開催など、活動の幅を広げている。 「手話は言語である」という信念のもと、聴覚障害者が出演するニュース企画を放送し続け、歴代11人の担当アナウンサーらが自ら手話を覚えて、よりわかりやすい表現を研究しながら情報を伝えてきた活動の継続性が評価された。 優 秀 弾除け神社の奉納写真 33年の返還と放送活動 山口放送 実施責任者 松嶋 浩、佐々木聰 山口放送は、戦時中神社に奉納された写真を家族に返す取り組みを取材し続けている。 より多くの写真が返還されるよう、神社の取り組みを33年間にわたって放送。 写真の裏に書かれた住所を訪ねる取材により、実際に取材班が写真を返還することもあった。 現在はウェブサイトでの情報発信やラジオキャンペーンなど、多角的な活動を行っている。 取材と放送が写真の返還先を探す取り組みとなったこと、写真の存在を多くの人に知ってほしいという思いから、他の放送局の番組やインターネットなど多くの媒体に返還活動が取りあげられるよう努めたことが評価された。 Copyright JBA The Japan Commercial Broadcasters Association all rights reserved.

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東海オンエア虫眼鏡のWiki風プロフィール• 名前:虫眼鏡• 旧名義:ざわくん• 本名:金澤太紀(かなざわ だいき)• 性別:男性• 年齢:27歳(2019年10月13日現在)• 生年月日:1992年9月29日• 血液型:A型• 身長:157cm• メンバーカラー:茶色• 出身地:愛知県岡崎市• 公式Twitter:• 「YouTuberの言うことなのだからどうせ自称なのだろう」と思いきや、そうではありません。 虫眼鏡さんは出身高校を「 岡崎北高等学校」と明かしています。 全国の中でも3桁台に入るくらいの高校で、決して単なる「YouTuberの方便」というわけではありません。 高校時代の成績は動画内でも公開されており、かなりの好成績を記録していたことも判明しています。 ちなみに、虫眼鏡さんが進学した学科は「普通科」です。 そんな高校を卒業した虫眼鏡さんが進学した大学は「 愛知教育大学」です。 このことは虫眼鏡さんが執筆した著書「東海オンエアの動画が6. 4倍楽しくなる本」に記述されています。 詳しい学科についてですが、Twitter上にて 愛知教育大学にて教育学部・理科専攻だったと語っています。 5~57. 5で、難関だと言われています。 愛知教育大学は小学校の教師を教育する大学だと言われています。 そこを卒業した虫眼鏡さんは、その例に漏れず教師として社会に出ました。 ですが、その後てつやさんの動画を手伝っているうちに「YouTuberの方が面白い」として、教師を辞職。 東海オンエアの正式メンバーとして顔出しで動画内に出演するようになりました。 ですが、この彼女とも2019年7月に破局しています。 それでも 虫眼鏡さん本人曰く「先のある別れ方」であるとして、復縁の可能性も示唆されています。 ちなみに、虫眼鏡さんの初恋は高校生の頃で、同じ吹奏楽部に所属していた女性「ゆか」さんだったそうです。 東海オンエア虫眼鏡の病気は白血病?怪我をした過去も 虫眼鏡さんに過去降りかかった病気や怪我について記述します。 動画内で骨折事件 虫眼鏡さんは 2018年2月23日の動画内にて着地に失敗、腕を折るという怪我を負ったことを明らかにしています。 この動画のラストの方で、メンバーの「てつや」さんが股間を露出しているのですが、 モザイク処理を忘れ、うっかりポロリしてしまっていたことがあるのだそうです。 当然、2019年10月13日現在視聴できる当該動画は修正版であり、 目を凝らしてもてつやさんの陰部を見ることは出来ません。 二度目が2016年9月25日に公開された「めちゃくちゃ真剣に粘土であれ作ってみた」という動画です。 当該動画に出演していた 「しばゆー」さんが一瞬カメラに向けて局部を露出しているシーンがあったのです。 2019年現在当該動画は削除されて視聴不可能となっています。 ファンからの反応 東海オンエアは過去に二度も局部を露出してしまった動画を公開してしまっていたことがあります。 なので、今回は意図的に出したものではないと言えど、何らかのクレームが来ている…かと思いきや、 コメント欄は全く荒れていません。 最早「流石東海オンエア」といった風合いであり、ファンは気にした様子の欠片も見せていません。 一瞬アカウントBANが心配になりますが、2019年10月13日現在もアカウント自体は視聴可能な上、東海オンエアメンバーからも何も言われていないことを考えると、アカウントBANは逃れているようです。 まとめ 東海オンエアのメンバーの一人であり、東海オンエアの頭脳とも呼ばれる「虫眼鏡」さんは• 東海オンエアにちょっと遅れて合流したメンバーであり、旧名義は「ざわくん」であった• 高偏差値の難関高校・大学に進学していた過去があり、東海オンエアに顔出し出演する前は小学校教師であった• 明かされているだけでも彼女は3人いた• 2019年10月13日までに三度の骨折を経験している他、小学六年生の時に白血病も経験している• 2019年10月10日の動画内にて局部がうっかりポロリしてしまい、東海オンエアでは3人目の局部露出者となる とのことです。 東海オンエアでは最年長である虫眼鏡さん。 今後も体に気を付けて活動を続けてほしいですね!.

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自宅敷地内に精神障がい者を閉じ込める私宅監置は、戦後、本土では禁止されても沖縄では22年も長く続いていた。 当時の名護市の保健所職員、波照間島の国民学校生らの証言を通して何が行われていたのかを生々しく伝える。 優 秀 拝啓・大隊長様~大学生が届ける沖縄戦の手紙 北海道放送 取材・構成・報告 竹村研人、企画・制作 眞鍋康志、ナレーション 村井裕子、音効 西岡俊明 沖縄戦には多くの北海道出身者が兵士として加わり、戦死者は北海道関係者だけで1万人を超える。 部隊799人の大半を失った元陸軍大尉・伊東孝一大隊長は終戦直後、部下たちがどのように戦死したかを伝える手紙を遺族に書き、遺族からは356通の返信が寄せられた。 その存在を知った大学生たちが遺族からの返信を親族に戻す活動に取り組んでいる。 それぞれの語りを通して「戦争の体験者にはなれないが、証言者にはなれる」とのメッセージが、静かではあるが力強く伝わってくる秀作である。 優 秀 ニッポン放送報道スペシャル「My Dream」 ニッポン放送 プロデューサー 上村貢聖、ディレクター 森田耕次、構成 桜林美佐、ナレーション 上柳昌彦 東日本大震災の取材を進める中で出会った、視覚障害のある小椋汐里さん(当時中学1年)は東北学院大学の英文科2年生となり、通訳や英語教師を目指して勉学に励んでいる。 自分の将来を夢見て積極的に活動している小椋さんが、社会の中でどのように道を切り開き、生きてきたかを伝える。 長期間の取材を通じて培った相互の信頼感が音声から伝わり、本人の魅力や前向きな人生観を表現することに成功している。 今後の取り組みも期待がつながる。 優 秀 YBSラジオスペシャル「サティアンの記憶~オウム真理教が残した平成の傷痕」 山梨放送 ナレーション 海野紀恵、制作 内田孝輝、乙黒 敦 旧上九一色村富士ケ嶺にオウム真理教が進出したのは平成元年のことで、サティアンは千人以上の信者が出入りする教団の拠点となった。 住民とのトラブルも相次ぐ中、化学兵器が製造され、ついには地下鉄サリン事件を引き起こした。 教団がいた証を後世に残そうと動き出した住民や元県警幹部などを取材し、自社に残る音源とともに当時を振り返る。 優 秀 「おかか達とかぞえ歌」~日本初の反米基地闘争~ 北陸放送 ディレクター 沼田憲和、ナレーション 原田幸子、音声 山崎正敬 米軍から武器・弾薬の大量発注を受けた日本政府は、弾薬の性能を確認するための試射場を内灘村に建設しようとしたが、村民は「漁業の場を失うと生活が成り立たない」として断固拒否した。 男性のほとんどが出稼ぎに出かける同村では「おかか」と言われる主婦が「内灘かぞえ歌」を支えに座り込みを続け、やがて全国的な闘争に発展していく。 当時の音源から、方言はよくわからなくても、その時代が持つ空気感や緊張感が生々しく伝わってくる。 女性の力強さと男性の頼りなさの対比も、番組の魅力となっている。 優 秀 ネットワーク1・17スペシャル~伝えるために必要なこと 毎日放送 プロデューサー 亘佐和子、ディレクター 新川和賀子、スタジオキャスター 千葉 猛、現場キャスター 野村朋未 阪神・淡路大震災の追悼式の準備が進む芦屋市立精道小学校とスタジオを中継で結び、学校現場での震災を語り継ぐ取り組みを伝える。 精道小の震災学習は、人命救助にあたった消防士や子どもを亡くした保護者から話を聞く授業や、亡くなった児童がどんな性格でどんな夢を持っていたかを自分の言葉で発表する「語り継ぐ会」など多岐にわたっている。 優 秀 新里カオリのうららか日曜日~被爆72年 「戦後」はいつまで続くのか~ 中国放送 プロデューサー 笠間英紀、ディレクター 猪野竜平、村山太一、立分美有 広島市の平和公園は原爆が投下されるまでは中島本町というにぎわいのある街で、ここには輝く命の営み・日常があった。 原爆はこの街から何を奪っていったのか。 当時、住んでいた人から、公園を歩きながら話を聞いた。 さらに、今を生きる私たちが「戦争をどう捉え、どう伝えていくのか」をゲストと語り合う。 原爆投下は現地の人にどう見えていたかを独特の語りで表現するなど、言葉によってリスナーそれぞれがイメージすることに成功している。 ラジオならではの報道番組である。 〔ラジオ教養番組〕 最優秀 ラジオと童謡と~「サッちゃん」の阪田寛夫が残したもの 朝日放送ラジオ プロデューサー 橋本祐子、出演 橋詰優子、古川昌希、大中 恩 童謡「サッちゃん」の作詞者であり、芥川賞作家として知られる阪田寛夫は、かつて朝日放送に在籍し、ラジオ番組『ABCこどもの歌』を企画・制作していた。 近年、発掘された当時の音源と、縁のある人たちの証言などから、晩年まで童謡の普及活動に力を注いだ阪田の姿を浮かび上がらせ、その原動力と、伝えたかったものに迫る。 貴重な音源を巧みに交えた構成であり、さまざまな分野で活躍した阪田の根底に流れているものは「音」へのこだわりであったことを伝える優れた評伝である。 優 秀 あなたと見た風景~目の見えない初江さんと歩いて~ 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 夏目浩光、構成 小山田文泰、出演 内田初江 40年にわたり放送しているラジオ番組『耳の新聞』は、視覚障害者が企画・構成・出演を担当。 30年以上パーソナリティを務めてきた内田初江さんは、記憶力が落ちて番組の構成が難しくなり、このほど引退を決めた。 内田さんの暮らしに寄り添い、視覚障害者の日常と老後を優しい目線で穏やかに描いた。 視覚障害者の暮らしが健常者にも豊かなイメージとして伝わるとともに、その中で老いを感じるとはどういうことかを静かに印象づける秀作である。 優 秀 鳴門第九アジア初演100周年記念企画『歓喜の歌が響く街~第九の里・徳島県鳴門市の奇跡』 エフエム東京 プロデューサー 増山麗央、構成 北阪昌人、演出 黒川美沙子、演出補 伊藤慎太郎 1918年に第1次大戦のドイツ人捕虜によってアジア初の「第九」が現在の鳴門市で演奏されてから100年。 史実やインタビューに基づき、ドキュメンタリーとドラマを組み合わせて、東京から転校してきた少年と実在の女性・高橋春枝さんを中心に今と昔を紐解く。 地元の歴史を踏まえ、鳴門市の子どもたちが「第九」を奏で続けることで何を学び、何を得ようとしているのかを通して、平和の尊さを伝える良作である。 優 秀 YBSラジオFM開局記念特別番組 ナチュラルクワイエットを求めて 山梨放送 出演 小久保隆、ナレーション 海野紀恵、企画 石川 治、構成・演出 大久保達朗 北杜市武川町を拠点に活動する環境音楽家・小久保隆さんは、人工音が全くない自然の音だけの状態「ナチュラルクワイエット」を集めて構築した作品を発表している。 小久保さんの生い立ちやキャリアを振り返りながら、普段聞き過ごしている音の世界と魅力を伝えるとともに、世界中から集めたナチュラルクワイエットによる音楽作品を紹介する。 ラジオにふさわしいテーマであるとともに、音の素材が素晴らしく、無駄のない編集と相まって完成度が高い番組である。 優 秀 夢と感動をありがとう! 燃える男、星野仙一~最後のメッセージ~ CBCラジオ プロデューサー・ディレクター 藤塚卓洋、パーソナリティ 久野 誠、鷲塚美知代 2018年1月に亡くなった星野仙一さんのプロ野球人生は波乱万丈。 17年間で3チームを4度のリーグ優勝に導くなど数々の偉業を当時の実況音声や秘蔵のインタビュー音源を交えて紹介する。 全編にわたるメッセージやコメントから教訓が伝わる。 生放送の緊迫感がありながら自然な構成で、追悼番組として出演者が聞く人の思いに寄り添っていることを感じさせる。 優 秀 こどもは島の宝物~平郡東小学校の6年間~ 山口放送 プロデューサー 木下周三、ディレクター 花野秀明、ナレーター 中村衣里 松川洵子さんは6年前、神奈川県からIターンしてきた両親とともに過疎の島、柳井市の平郡島にやってきた。 彼女の入学で小学校が再開され、当時、たった一人の小学生としてマスコミでも紹介された。 少女の6年間の成長と、彼女を見守る島の人々の姿を追った。 子どもたちを宝のように優しく包む大人たちの姿とともに、彼女の入学から卒業までの6年間、大切な人との別れ、新たな出会いの中で成長していく子どもたちを描いている。 人々の声を丁寧に拾い集め、教育とは何かを問いかけている秀作である。 優 秀 今、子供たちに伝えたいしまくとぅば~言葉に平和への思いを乗せて~ ラジオ沖縄 出演 宮城葉子、取材・編集・ナレーション 杉原 愛 いまは継承の重要性が認識されている沖縄方言「しまくとぅば」だが、100年ほど前には教育現場で標準語使用が強制され、戦時中には方言禁止令が出されていた。 若者の方言離れが進む中、しまくとぅばを若い世代に伝える宮城葉子さんの活動を通して、沖縄方言を学ぶことの意味と教育現場の取り組みを伝える。 しまくとぅばの歴史をたどることで、沖縄が歴史の中で翻弄される姿を浮かび上がらせ、失われた歴史を取り戻そうとする強い意志が感動を呼び起こす。 〔ラジオエンターテインメント番組〕 最優秀 Let the Good Times Roll!! レコードや音楽情報が貴重だった時代を知る先人たちが、福岡で「めんたいロック」と呼ばれたバンドや、地域の音楽ブランディングに成功した40年前の地元の音楽シーンを語り合う。 ロックに対するピュアな思いが心地よく伝わり、音楽とラジオは時代と文化を作り出すメディアであることを再認識させる。 地域の音楽史をまとめた貴重な番組で、地方都市の再生や文化へのヒントも散りばめられている。 優 秀 永六輔の見た青森 ~ラジオドラマ「雪どけ」をめぐって~ 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 齊藤 暢、ナレーター 田村啓美、ドラマ演出 渡辺英彦 2016年に亡くなった永六輔が20代前半の頃に、ラジオ青森(現・青森放送)に持ち込んだラジオドラマの脚本「雪どけ」を60年の時を経てドラマ化。 永が青森を題材にした理由や今まで日の目を見ることがなかった訳を、当時を知る人々の証言をもとに考えた。 永の青森への想いや、人々との交友関係がうかがえる地元局ならではの作品。 ラジオドラマの間に解説をはさみ、集団就職のあった昭和30年代の若者の不安や東京への憧れなど、当時の雰囲気を良く表現している。 優 秀 JET STREAM 50th Anniversary Special エフエム東京 プロデューサー 高橋智彦、演出 氏家 徹、林 久美、演出補 山下未央 2017年7月3日に放送開始から50年を迎えた「JET STREAM」。 歴代のパーソナリティの音源や、番組のファンであった手塚治虫氏のコメントなどとともに世界の移ろいを特別番組で振り返った。 スタジオからの生演奏も交え、音楽と世界を旅することの魅力を届けた。 音楽のかけ方やナレーションなどが繊細で丁寧に演出された番組。 50年の間に変化した日本人の海外への想いや旅情も表現し、聞き手を魅了させる。 優 秀 ~CRTワイドFM化記念 POPfREAK スペシャル~「再現!究極のアナログ音(サウンド)」 栃木放送 プロデューサー兼ディレクター 川島育郎、構成 下田太郎、出演 アロハ丸山、竹内孝幸 1980年代中盤以降、音楽の再生はCDが主流となり、姿を消しつつあるアナログのLPレコードたち。 レコードの音質の良さを見直そうと、ワイドFM放送開始を機に、レーザーターンテーブルでレコードを再生したアナログ音を追求する特別番組を企画した。 マニアックなテーマながらも、出演者のこだわりや音楽を伝えることへの熱意が、レコードを知らない世代も惹きつける。 ワイドFMを聴いてみようという気にさせる力も備えた作品である。 優 秀 歌うはたのし!こんな居場所もいいですね… 北陸放送 ディレクター 内潟堅太郎、ナレーション 竹村りゑ、 音声 山崎正敬、清水 護 金沢市で月1回開かれる金沢うたごえの会は、かつて日本の都市部に数多く存在した歌声喫茶を模したシルバー世代の交流の場。 月に1度、歌いたいと思った曲をみんなで声を合わせて歌っている。 緩くて暖かい交流の場から聞こえる歌声に耳を傾けた。 参加者の人生と照らし合わせた構成や演出が優れており、歌とインタビューの繰り返しを通して、シルバー世代の一人一人の姿を浮き上がらせた。 地域に根差した番組で、人々に寄り添うラジオの果たすべき役割も体現している。 「栞」 FM802 DJ 落合健太郎、加藤真樹子、ディレクター 塚越隆史、岡井絵美 毎年春に新たな生活を迎えるリスナーたちに向け、FM802が音楽で春と出会いを演出するキャンペーンの特別番組。 キャンペーンソングに参加するアーティストが、音楽への思いや曲作りへのアプローチをたっぷりと語った。 DJがアーティストの持ち味を引き出しており、楽曲を作ることへの熱い思いが溢れた番組。 リズムやテンポの良さが、世代を超えた出演者とリスナーの共感を作り出している。 優 秀 遠くて近い国ポルトガル ~しほどんとFADOとサウダーデ~ 広島エフエム放送 プロデューサー 屋形英貴、ナビゲーター 近藤志保、ディレクター 森島隆宏、音声 神崎修平 番組パーソナリティのしほどんこと近藤志保がポルトガルを探訪。 日本との共通点や違いを見つけながら、ポルトガルの民族歌謡である「FADO」を通し、独特の国民感情「サウダーデ」を探った。 街歩き的な現地の紹介にとどまらず、ミニドラマを散りばめるなど丁寧に作りこんでいる。 リスナーにFADOへの興味を喚起させるなど、音楽エンターテインメントとして楽しめる番組である。 〔ラジオ生ワイド番組〕 最優秀 午後はとことん よろず屋ラジオ「許せない! 特殊詐欺 絶対にだまされないぞ スペシャル!」 福井放送 プロデューサー 稲木 聡、ディレクター・パーソナリティ 岩本和弘、パーソナリティ 阿部真由美、ディレクター 橋本芳紀 月~金/12時~16時の放送。 曜日代わりのパーソナリティが、社会問題から趣味、子育てまで幅広いジャンルの中からテーマを一つ選択。 電話やメール、SNSを使い、リスナーとの双方向のやり取りで掘り下げていく。 今回は特殊詐欺について、実際に発生した還付金詐欺での電話音声なども放送しながらその手口や対処法を考えた。 多彩な角度から検証されており、映像の無いラジオだからこそ臨場感が伝わってくる。 クイズや警察官の出演も交え、リスナーを飽きさせない構成が優れている。 優 秀 GO!GO!らじ丸 八ちゃんのWA-HO! 民謡のど自慢 春場所 青森放送 プロデューサー 山本鷹賀春、ディレクター 皆川 歩、パーソナリティ 黒石八郎、アナウンサー 筋野裕子 月~金/11時55分~16時の放送。 毎週木曜日は民謡をリスナーと一緒に練習して発表するコーナー「民謡ジェネレーション」を放送。 パーソナリティの黒石八郎が講師を務め、課題曲を決めてアシスタントのアナウンサーに歌い方を指南。 木曜日が祝日の回はリスナ ーと電話をつなぎ、覚えた民謡を歌ってもらう「民謡のど自慢」を開催する。 中継先と現場とのコミュニケーションが生ワイドならではで、民謡が人々に根付いている青森の地域性を感じさせる。 参加者を緊張から解きほぐし、楽しませる進行が光る。 優 秀 伊集院光とらじおと TBSラジオ プロデューサー 池田卓生、ディレクター 鳥井泰伸、高野光司、構成 長島祐尚 月~木/8時30分~11時の放送。 伊集院光が生活に必要な情報や企画コーナー、ゲストトークで平日の午前を盛り上げる。 人気コーナーのひとつが、リスナーの思い出の味を調査する「俺の5つ星」。 リスナーの心に残るレストランや食堂のメニューを教えてもらい、そのお店が今どうなっているかを調査する。 パーソナリティのラジオへの愛やスタッフとの信頼関係が伝わり、楽しい時間を共有させる。 調査にも力が入っており、聞き応えのある話題を凝縮している。 優 秀 近藤丈靖の独占ごきげんアワー「ものもらいの呼び方」 新潟放送 パーソナリティ 近藤丈靖、表 佳世、ディレクター 佐藤智也、プロデューサー 吉井秀之 月~木/6時54分~11時50分の放送。 メインパーソナリティの近藤丈靖アナウンサーが曜日ごとの女性アシスタントとともに日々の地域情報だけでなく、街からの中継や新潟弁コーナーなどで新潟の午前を沸かせる。 毎年夏は自由研究に悩む子供たちにヒントを与え ようと特集を企画。 2017年は各地で異なる「ものもらい」の呼称を調査した。 好奇心を持ってリスナーとともに新しいことを調べていく構成が番組に厚みを持たせている。 企画次第でまだまだラジオが双方向性を発揮する可能性を感じさせる。 優 秀 かめばかむほど亀井希生です! 毎日放送 プロデューサー 大月 勇、ディレクター 山口 茜、出演者 亀井希生、森田まりこ 土曜日/6時~8時の放送。 メインパーソナリティの亀井希生アナウンサーが解説する週間ニュースコーナーや、森田まりこが紹介するよしもと新喜劇の楽屋話などを届ける。 テレビでも「よしもと新喜劇」を放送する同社ならではのステーションイメージを活かした番組構成で大阪の情報を発信する。 シンプルに伝える情報と、ピックアップして深掘りする話題の強弱が優れている。 喜怒哀楽を交えながら身近な話題をリスナーと共有している。 優 秀 大窪シゲキの9ジラジ 広島エフエム放送 プロデューサー 屋形英貴、ディレクター 竹下香織、市川拓弥、DJ 大窪シゲキ 月~木/20時~22時の放送。 広島の10代に寄り添い「誰もひとりにさせない」ことを目指し、パーソナリティの大窪シゲキがリスナーの居場所を提供する。 番組スタッフも若手が中心。 学校訪問などさまざまな企画で若いリスナーと交流を深める。 パーソナリティの人柄や声が魅力的で、リスナーに本気でぶつかっていく姿勢に惹きつけられる。 ウェブやSNSを駆使するなど、若者とのコミュニケーションが意欲的である。 優 秀 FMKパンゲア! エフエム熊本 プロデューサー 池上大介、ディレクター 井澤雄介、出演 MEG、英太郎 月~木/11時30分~14時34分の放送。 日替わりのパーソナリティがそれぞれの独自性を活かした企画で番組を進行する。 今回は放送日の前日に行われた熊本でのマラソン大会が話題の中心。 パーソナリティのMEGと英太郎の掛け合いで楽しい雰囲気を作り上げた。 出演者の話題に対する即応力が高く秀逸。 テンポの良い構成やジングルなどへの遊び心にもディレクターの手腕を感じさせる。 〔テレビ報道番組〕 最優秀 メ~テレドキュメント 葬られた危機~イラク日報問題の原点~ 名古屋テレビ放送 プロデューサー 村瀬史憲、ディレクター 依田恵美子、撮影 矢野健一郎、編集 鈴木建晴 湾岸戦争で米国の支援要請を受けて日本政府が最初に派遣したのは民間船。 米軍の指示で危険な海域に入り、ミサイル攻撃を受け、情報開示請求で得られた船長の報告書は「ここは戦場だ」と記す。 しかし外務省は事実を隠蔽し、中東貢献船を派遣する間に政府は自衛隊派遣の検討を重ね、ペルシャ湾に掃海部隊を派遣。 自衛隊の初の海外派遣となった。 当時のトップ官僚のインタビューが自衛隊の海外派遣を支えてきた虚偽と隠蔽の原点を明らかにし、政府の姿勢、対応に現在への連続性を感じさせる点が出色である。 優 秀 庁舎は語る~大槌町 あの時なにがあったか~ IBC岩手放送 取材・構成・ナレーション 江幡平三郎、取材 木下義則、撮影 相澤雄仁、編集 鈴木 操 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の旧役場庁舎は、解体か保存かで揺れている。 高台の中央公民館に設置するはずの災害対策本部が役場前の駐車場に設営され、大津波警報の発表後も避難情報が発信されず、町長を含む職員28人がこの場で犠牲となったからだ。 原因と責任の所在はどこにあるのか。 災禍を繰り返さぬために何をすべきか。 対立の構図から多くの問題を提起し、何ができるかを考えさせる秀作である。 戦前・戦中は検閲で報じられなかった新聞社の「不許可写真」や南京攻略戦に従軍した兵士の肉声や陣中日記を検証し、失われた歴史の真実に迫る。 そして南京事件を否定する根拠とされている「自衛発砲説」を記事にした記者に取材する。 「自衛発砲説」の原点を解き明かして前作への批判に応える構成は見事であり、歴史修正主義に正面から向き合う姿勢が称賛に値する。 優 秀 Aの衝撃~コメ王国の正体~ 新潟放送 プロデューサー 丹羽 崇、取材構成 坂井悠紀、撮影編集 上田哲也、ナレーション 高坂元己 2017年産の魚沼コシヒカリが食味ランキングで定位置の特Aランクから陥落、関係者の間にかつてない衝撃が走る一方で、販売店や専門家からは、背景に産地の驕りがあると厳しい指摘が相次いだ。 減反廃止という国の大きな政策転換によって米の生産も自由競争時代を迎える中、産地には脱コシヒカリの動きが表面化するなど大きな影響を及ぼしている。 コメ戦国時代の現状と課題を多角的に検証し、「コメ王国」の地元・新潟県に向けて今後の米づくりの在り方を考えさせる秀作である。 優 秀 ザ・ドキュメント ふたつの正義 検証・揺さぶられっ子症候群 関西テレビ放送 プロデューサー 萩原 守、ディレクター 上田大輔、撮影 平田周次、編集 片野正徳 乳幼児が激しく揺さぶられて脳が損傷を受ける「揺さぶられっ子症候群」(通称SBS)は、日本では虐待を疑われて親が逮捕・起訴される事件が相次ぐが、海外では医学的根拠が乏しいとされる。 SBSを疑われた母親の裁判に密着しながら、冤罪の危機感を抱く弁護士らと、虐待をなくすため尽力してきた医師の、双方の正義が交錯する現状を映し出す。 立場の異なる人々を丹念に取材するとともに、医療にかかわる司法の問題点を明らかにし、論点を分かりやすく整理している点が秀逸である。 二人は劇団を結成し、岡田さんは看板俳優として老いや認知症をテーマに毎年、新作公演を続けている。 魅力あふれる主人公に密着し、その日常を通して、より良い老いとは何か、人の生きがいとは何かを伝える秀れた人間ドキュメンタリーである。 優 秀 菜の花の沖縄日記 沖縄テレビ放送 プロデューサー 末吉教彦、山里孫存、ディレクター 平良いずみ、撮影・編集 大城茂昭 石川県から那覇市のフリースクールにやってきた坂本菜の花さん(15歳)は、併設された夜間中学のお年寄りとの交流を通して、沖縄では70年余り前の戦争が続いていることを肌で感じ、基地の島で起こる事件・事故と、対照的に穏やかな学校での時間を故郷の新聞にコラム「菜の花の沖縄日記」として連載し続けた。 主人公の真っ直ぐな視線を通して描かれる沖縄の米軍基地問題が新鮮な印象を与えるとともに、日常と隣り合わせであることを再認識させる秀作である。 〔テレビ教養番組〕 最優秀 拉致と言えなくて ~寺越さん母子の55年~ テレビ金沢 プロデューサー 金本進一、ディレクター 岡本達生、撮影・編集 白澤友朗、構成 日笠昭彦 寺越友枝さんの長男、武志さんは1963年に日本海で行方不明となった後、北朝鮮で生存が確認されたが、拉致被害者として認定されていない。 友枝さんは、息子の帰国を求めて精力的な活動を続ける一方、やがて拉致被害者家族連絡会と距離を置き、「拉致」という言葉も使わなくなった。 時代に翻弄されてきた親子の切実な状況や思いを伝える。 長年の継続取材を通じて得られた独自映像や証言は記録資料としても貴重である。 友枝さんの息子を想う悲痛な心情が画面からひしひしと伝わり、胸を打たれる。 優 秀 大ナスカ~古代ロマンに迫る山形大学の挑戦~ テレビユー山形 プロデューサー 佐藤義亀、ディレクター 丹野 智、カメラマン 高橋賢一郎、ドローン 加藤祐一 南米ペルー、ナスカの荒涼とした大地に描かれた地上絵はいまだ多くの謎に包まれている。 現在、謎の解明に最も近い研究者と言われているのが山形大学の坂井正人教授。 ペルー政府が現地への長期立ち入り調査を世界で唯一認めている研究チームを率いる坂井教授の調査研究に密着し、地上絵の謎に迫る。 坂井教授の穏やかな口調のなかに研究への情熱がにじみ出ている。 地上絵を描いた当時の人々の世界観がわかりやすく解説され、知的好奇心をかき立てられる。 優 秀 ノンフィクションW シャルルの幻想の島~日本の祝祭とフランス人写真家~ WOWOW プロデューサー 古谷秀樹、 眞山香織、監督・撮影・編集 長谷川歩 欧州の祝祭に登場する獣人や魔物を撮影した作品で世界的な評価を確立したフランス人写真家シャルル・フレジェが、1年以上にわたって日本全国を巡り、日本の祝祭に現れる神々や妖怪を撮影した。 時には独自の世界観を押し付けて現地の住民と軋轢を生むシャルルの旅に密着し、日本の伝統のあり方や深淵に迫る。 ナレーションが一切ない演出とカメラワークにより、自分がその場に立っているかのような臨場感を味わえる。 伝統を守ることの意味をあらためて考えさせられる。 優 秀 天空の頂に 槍ヶ岳 山小屋100年物語 長野朝日放送 プロデューサー 郡司勝己、ディレクター 山口哲顧、企画 藤井 学、撮影 沖山穂貴 北アルプスの名峰、槍ヶ岳の山頂近くで多くの登山者に愛されてきた「槍ヶ岳山荘」。 100年前に穂苅三寿雄さんが始めた山小屋を、二代目の貞雄さん、三代目の康治さんが受け継いでいる。 そして2017年4月、康治さんの四男、大輔さんが大手携帯電話会社を辞め、山小屋の仕事を始めた。 大輔さんの奮闘と四代が受け継ぐ槍ヶ岳への思いに迫る。 高山の厳しい環境のなかでの長期にわたる丹念な取材が光る。 槍ヶ岳の壮大な自然を堪能できる美しい映像も圧巻である。 優 秀 ブータンが愛した日本人 向井理が見た、幸せの国のキセキ 読売テレビ放送 チーフプロデューサー 萩原 大、演出・プロデューサー 小林計洋、アシスタントプロデューサー 瀬戸 優、アシスタントディレクター 石川 彬 海外技術協力事業団の専門家としてブータンに派遣され、28年間にわたって支援活動に従事した西岡京治さんは、当時最貧国だった同国の農業の近代化に大きく貢献し、国王から「最高に優れた人」との称号を与えられた。 向井理が現地を訪れ、西岡さんの足跡を辿るとともに、「幸せの国」と呼ばれる現地の文化と人々の生活を伝える。 向井さんが現地の人々との触れ合いを通じて、西岡さんの功績をうまく引き出している。 あまり馴染みがないブータンの文化や人々の日常を知ることができるのも魅力である。 優 秀 つながる@萩大島船団丸 山口放送 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 田村康夫、撮影 都濃政也、山本宏幸 日本海に浮かぶ山口県萩市大島のまき網船団「萩大島船団丸」。 漁獲量の減少や魚価の低迷など漁業を取り巻く厳しい状況のなか、新たな取り組みを次々と進めている。 鍵となるのは消費者との「つながり」。 新しい漁業のかたちを模索する漁師たちの奮闘を追う。 スマートフォンによる鮮魚の「直販」や漁業のスタディツアーなど、従来のやり方にとらわれない姿勢は、地場産業の活性化に頭を悩ませる他の地域や産業の参考になる。 優 秀 どーんと鹿児島 「お日さまに照らされて」~私とふるさとの先輩たち~ 南日本放送 プロデューサー 豊倉真奈美 ディレクター・カメラマン・ナレーター ジェフリー・アイリッシュ、編集 武藤 久、美術 芥川さやか 20年前に鹿児島県に移り住んだジェフリー・アイリッシュさんが薩摩半島の農村に暮らす80代から90代の男女5人の日常を映し出す。 どう生きるか、他者とどう接するか、自分の体とどう対話するか。 先輩たちの話に耳を傾け、その生き方を見つめる。 人生の先輩に丹念に向き合い、飾り気のない表情や言葉を引き出している。 地域コミュニティのつながりの温かみを感じさせるローカル局ならではの作品である。 〔テレビエンターテインメント番組〕 最優秀 北斎ミステリー 幕末美術秘話 もう一人の北斎を追え! 日本BS放送 エグゼクティブプロデューサー 小野寺徹、プロデューサー 長嶌有香、本木敦子、ディレクター 木村竜太 圧倒的な画力と色彩感覚を誇った天才絵師、葛飾北斎。 彼の作品には、鎖国時代にかかわらず西洋美術の技法を取り入れた痕跡がある。 北斎が残した多くの謎を紐解いていくと、北斎の娘、葛飾応為に行き着くが、彼女の肉筆画はわずか数点しか残されていない。 北斎と応為の作品を科学的に検証し、謎めいた応為の実像と父娘の絆に迫る。 国内外の専門家に丹念に取材し、北斎父娘の作品に新たな解釈を示した意欲作であり、見ているものの知的好奇心をかき立てる上質なエンターテインメントである。 優 秀 うっちゃれ!相撲女子 青森放送 ディレクター 山本邦人、工藤美緒子、撮影 藤林国仁、音声 奈良豪人 かつて高校日本一に輝いたことがある名門、五所川原商業高校相撲部は、2014年に部員がゼロとなり休部の危機に陥る。 そこに相撲経験がない一年生男子二人と女子マネージャー、佳奈さんが入部。 佳奈さんは部員を支えつつ、自分も強くなりたいと自らまわしを締め、稽古に参加し始める。 仲間、監督や家族に励まされながら成長する彼らの姿を描く。 人間同士の絆の大切さ、目標に向かって努力することの重要性が伝わってくる。 取材対象と信頼関係を築き、ありのままの表情や言葉を引き出している。 優 秀 SBSスペシャル 罠師~片桐邦雄・ジビエの極意~ 静岡放送 撮影・構成・演出 柏木秀晃、撮影 三島乾児、エグゼクティブプロデューサー 小川 満 ジビエ料理を看板に掲げて45年にわたり割烹「竹染」を営む片桐邦雄さん。 春は天竜川に船を出し、秋冬は野山を巡って鹿や猪を追いかける。 獲物の捕獲から解体、調理まですべての工程を自分でこなす彼は、銃を使わず、手作りの罠を仕掛け、生きたまま素手で捕獲する。 片桐さんに密着し、自然への敬意と鮮やかな技、ジビエ料理の極意に迫る。 自然の恵みを最高に美味しい状態でいただこうとする料理人の矜持に感銘させられる。 命がけの罠猟の様子が迫力ある映像で描かれ、現場の緊迫感が伝わってくる。 優 秀 KNBスペシャル クロスロード 北日本放送 企画・構成 上野 透、撮影・編集 村下幸生、制作統括 桐谷真吾、守護真一 2014年1月の全国高校サッカー選手権大会で県勢初の全国制覇を果たした富山第一高校。 歓喜の瞬間から4年たった現在、優勝メンバーはそれぞれ人生で大きな岐路に立っている。 もがき苦しみながら歩みを進めている3人の若者の交錯する心情と人生を追う。 4年前の大会で活躍した選手だけでなく、控え選手からも大会当時の気持ちや現在の想いを丁寧に聞き出し、深みのある内容となっている。 優 秀 〇〇発東京行き 2018春 関西テレビ放送 演出・プロデューサー 泉 雄介、ディレクター 友岡伸介、出演者 陣内智則、秋野暢子 JR大阪駅のバスターミナルから東京に向かう高速バスを待つ人に声をかけ、特別な想いを抱いて上京する人々に同行。 途中で上京への想いを聞き出しながら、東京で起きる悲喜交々の人間ドラマを伝える。 スタジオでは、現在は東京で活躍する地方出身の出演者たちが自身の上京当時の想いを重ねながら、それぞれの上京物語を温かく見守る。 高速バスで上京する一般人に密着するという着想と粘り強い取材が秀逸である。 笑いあり感動ありの人間ドラマがありのままに描かれ、ストーリーに引き込まれる。 優 秀 元就。 放送300回を記念した特別番組では、1997年のNHK大河ドラマ「毛利元就」で元就役を演じた歌舞伎役者、中村芝翫さんが息子の福之助さんと一緒に毛利家の本拠地である吉田町を巡り、地元の人々と触れ合う。 中村さんの飾らない人柄と地元住民の温かさが相まって、見ているものの心を和ませる。 中村親子が地元の小学生に交じり「元就劇」を演じるラストの場面が印象的である。 沿岸部で配った光馬君は、楽しそうに遊ぶ被災者の姿を目にし、下ばかり見ていた自分に気付く。 その後、福岡の大学に進学した光馬君は、番組の企画に応募し、被災者のビデオメッセージを携えてハルナさんと対面する。 シャボン玉を通じて「上を向く」ことの大切さが伝わってくる。 被災地の復興と光馬君の心の成長が丁寧に描かれ、誰もが共感できる感動的な物語となっている。 〔テレビドラマ番組〕 最優秀 過保護のカホコ 日本テレビ放送網 プロデュース 大平 太、田上リサ、演出 南雲聖一、日暮 謙、脚本 遊川和彦 大学4年で就活真っ只中のカホコは、両親の愛情を一身に受け、ママに車で駅まで送迎してもらい、パスモのチャージもパパがしてくれる超温室育ち。 そこに、彼女とは正反対の境遇で育った麦野初が現れ、カホコの温室のような生活を全否定するところから物語は始まる。 初に見守られながら、仲良しに見えた親戚一家のさまざまな問題を、持ち前のパワーと純粋な心で解決していくカホコ。 「他人のために何かをしたい!」というカホコの愛の力は、次第に周りの人たちをも幸せの輪で包んでいく。 視聴者を笑わせつつ、心に引っかかる何かを残す脚本の力が圧倒的である。 優 秀 新春ドラマスペシャル「娘の結婚」 テレビ東京 監督 松本佳奈、脚本 水橋文美江、チーフプロデューサー 中川順平、プロデューサー 阿部真士、近見哲平 百貨店勤務の國枝孝彦は娘の実希と2人暮らし。 妻・佳実が突然亡くなった後、男手ひとつで娘を育ててきた。 そんな娘に微妙な変化が訪れていることに気づく孝彦は、実希から「会ってほしい人がいるの」と言われる。 婚約者はかつて住んでいたマンションの隣人の息子である古市真で、その母親の景子はトラブルメーカーだったらしい。 不安を募らせる孝彦は、迷いながらも古市家を訪ねるのだった。 近くて遠い父娘の距離感を丁寧に描いている。 分かりやすさとは一線を画しつつ、人物の感情に寄り添った演出が、優れたホームドラマを作り出している。 優 秀 連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~ WOWOW プロデューサー 岡野真紀子、永井麗子、脚本 戸田山雅司、監督 若松節朗、村谷嘉則 警視庁捜査二課情報係の偏屈な刑事・木崎は、情報収集のために足しげく通う元国会議員の事務所で、外務省のノンキャリア職員に贈収賄容疑があることを知る。 折しも九州沖縄サミットの開催が決まり、外務省に法外な予算が付く時期だった。 国家が絡む難しい問題に切り込みドラマ化した制作陣の志の高さが画面から伝わってくる。 社会派ドラマというだけでなく、優れたエンターテインメント作品にもなっている。 優 秀 スペシャルドラマ 父、ノブナガ。 CBCテレビ プロデューサー・演出 堀場正仁、脚本 土橋章宏、音楽 辻 陽、撮影 佐多賀剛、編集 藤村芳美 岐阜市に住む、ごく普通のサラリーマン小田一夫は妻と高校生の娘、認知症が始まりだした母との4人家族。 家庭でも職場でも存在感はあまりない。 一夫の会社では巨大ショッピングモール建設を受注できるかどうかの正念場であり、その大切な接待にピンチヒッターで同席することになった一夫は、鵜飼の席で誤って川に落ちてしまう。 これをきっかけに織田信長の魂が一夫に憑依し、そこからビジネスマンとしての快進撃が始まる。 信長の判断・行動が現代社会においても違和感がなく、楽しいドラマに仕上がっている。 岐阜の魅力をさりげなく描いている点にも好感が持てる。 優 秀 天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~ 読売テレビ放送 チーフプロデューサー 岡本浩一、プロデューサー 汐口武史、霜田一寿、伊賀宣子、脚本 林 誠人 日本が世界に誇る大阪生まれの天才数学者・岡潔とその妻・みちの人生を描く。 数学に熱中する若き潔に惹かれ、結婚するみちだが、潔が自身の研究に没頭するあまり、家計は火の車である。 潔は世界の難問である「ハルトークスの逆問題」に立ち向かい、紆余曲折を経て論文を完成させる。 初めは数学界からは全く評価されない論文であったが、みちの必死の訴えをきっかけに、ついに潔は世界に認められるのだった。 天才数学者を演じる佐々木蔵之介の演技が圧巻である。 美術・セットなど、その時代を正確に再現しようとする制作者の意気込みも伝わってくる。 優 秀 福岡恋愛白書13 キミの世界の向こう側 九州朝日放送 ゼネラルプロデューサー 坂井 剛、企画・プロデュース 古川純大、プロデューサー 近藤あゆみ、監督 二宮 崇、脚本 川﨑いづみ 大学生の蒼太はたまたま訪れた図書館でそばを通り過ぎた律に一目惚れしてしまう。 律のことが頭から離れない蒼太は再び図書館へ。 律と話すため蒼太はノートで友達になってくださいと書き込むが、「ナンパはお断り」とそっけなく文字を返す律。 それでも食い下がる蒼太に今度は「私は耳が聞こえない」と書き込むが、蒼太は「なんで耳が聞こえないと無理なん」とまっすぐな瞳で律を見つめる。 そんな蒼太に律はだんだん惹かれていく。 若者の恋愛を丁寧に描こうとする制作者の思いが、瑞々しい映像を通して表現されている。 登場人物の自然な演技もドラマの質を上げている。 付き合ってはいけない男の「3B」が「バイトをしないバンドマン」「ビッグになるまで待っててというバンドマン」「お金に興味ないというバンドマン」と知り、「絶対ヤダー」と答える女性。 現代の若者らしい口調の会話で笑いを誘いつつ、押しつけがましくならないように音楽著作権の重要性を示した。 音楽を無料で聞くのは当たり前と考える若いリスナーにお金は大切というメッセージをリアルに伝えている。 商品名の「おすだけ」に対して、人間の血を吸うのは「メスだけ」という洒落をきかした掛け合いの中に「ワンプッシュで効き目長時間」「蚊への効き目24時間」などのコメントをテンポよく織り込んでいく。 シンプルかつユーモラスなやり取りで商品名やその特徴を効果的に伝え、リスナーの購買意欲をじわりと刺激する。 見当たらない部下がどこにいったのかと上司が聞くと、プールや公園、スーパー銭湯と部下が答える。 激怒するのかと思いきや、「みんな、よく働くな」と上司が嬉しそうに言う。 部下は遊びにいったのではなく、それぞれの仕事場に向かったというオチ。 さまざまな施設のメンテナンスを行っていることをオフィス内の会話を通じてシンプルに理解させるシナリオが巧みで、広告としての機能性が評価された。 彼氏が「なんで?」と聞くと、「車だと前ばかり見ているから」と言う彼女。 カップルの日常を切り取ったような甘い空気感がリアルに表現され、リスナーの共感を誘う。 車では味わえない、大切な人と向き合うことのできる電車旅の魅力を彼女の一言で簡潔に表現。 自動車が中心の生活に一石を投じる、チャレンジ精神を感じる作品に仕上がっている。 家を出ていこうとする息子だが、扉が開かない。 父親が「さっさと出ていけ」と続けるのだが全く開かない扉。 「出ていけるものなら出ていってみろ」と笑う父親と、「くっそー」と涙声になる息子。 「おいしくなって新発売」 と商品がリニューアルしたことをストレートに知らせつつ、「こういうCMよくあるけど、こういうCM聞いたら思うの」「そんなのびしろあったんかい!」という自虐的な歌詞が続く。 「のびしろ」というフレーズの耳ざわりがよく、楽しく覚えやすい歌でつい口ずさみたくなるシンプルな曲調が印象的。 親しみやすさの中にも批評性が感じられる作品である。 「おとう〇んとおかあ〇んと、〇んにんで〇ぬきでおうどんを食べました。 〇すがのおいし〇でした」。 何を言っているのか分かりづらいところが逆に、リスナーの注意をひきつける。 音のメディアであるラジオで一風変わった切り口に挑戦した佳作である。 締めくくりの「〇いこう~!」が、「行こう~!」と解釈できるのも面白い。 うっかり勘違いに笑いがこみ上げてしまう2人の様子に、リスナーも幸せな気分に包まれる。 「かわいいメタリックローズ色もある」という商品への興味も喚起。 シンプルで面白く、かつ訴求点もしっかりと盛り込み、完成度の高い作品に仕上がった。 そこに「パサパサ」という驚きの訴求コメントが。 背景には、食糧不足の時代に「栄養価が高く、日持ちするように」という先代の思いがあった。 一見ネガティブな特徴を逆に肯定的に見せた点が痛快。 製造者の愛情を感じさせる背景説明や、親しみやすい価格訴求も相まって、企業や商品の魅力を的確に捉え、うまく引き出した。 雨の降る音が実は天ぷらを揚げる音だったり、カメラのシャッター音が実は巻き尺が戻る音だったりするのは想定の範囲内かもしれないが、ナレーターの女性が合成音声だったことが最後に明かされる。 ラジオの特性を生かした音による構成が見事。 BtoB向けのサービスをうまく訴求し、ラジオCMの可能性をあらためて感じさせる。 優 秀 G. 残念な内容を「夏の冬眠」に例えることで楽しいネタに変えた。 「およそ5分後のCMが今年最後の放送」というメッセージが名残惜しさとともに、番組を支えるスポンサーの存在を身近に感じさせる。 リスナーと番組だけでなく、その先にあるリスナーとスポンサーとの関係を大切にした、ラジオらしいユニークな試みである。 挑戦心溢れる取り組みでリスナーに強い警鐘を鳴らし、特に被害が集中する高齢層のリスナーが多いラジオのCM枠で放送した意義は大きい。 部長がやたらとカタカナ横文字を連発する。 「サスティナブル」「レガシー」「アジェンダ」などの単語を並べて得意げに部下に説教するが、どうやら3日ほどハワイに行っただけらしい。 「外国かぶれ」と皮膚の「かぶれ」を掛けて薬局のイメージを印象付けることに成功。 畳みかけるようなやり取りでリスナーを「なにわ」の世界に引き込んだ後、大阪で愛される商品のイメージにしっかりと結び付けた。 ところが聞こえてくるのは「お金がない」「ボロい」「人手がない」「狭い」とネガティブなワード。 しかしそれを逆手に、生き物が身近に感じられる水族館だとポジティブに見せる発想が秀逸。 飼育員の熱意やアイディアが伝わるシナリオも素晴らしい。 そんな避難時の混雑を緩和しようと考案されたのが「平泳ぎ避難」。 「1平方メートルに1. 8人以上が入ると人の渋滞が起こる」という専門家の話とともに、通常避難と平泳ぎ避難の比較実験を見せることで、分かりやすく解説。 避難法という難しいテーマだが、平泳ぎ避難の有用性を視聴者に強く印象付け、認知度向上に大きく寄与している点が評価された。 お客さんは口を揃えて「伸びてます」「すごく伸びきっています」とにこやかに話す。 何のことかと思いきや「いらっしゃいーー」と元気な声で、語尾をこれでもかと伸ばす声が聞こえる。 伸びていたのはご主人の掛け声。 その魅力的な人柄が作品全面から溢れ出しており、どこか心が安らぐ。 CMを見た誰しもに会いにいってみたい、食べにいってみたいと行動させる喚起力を感じた。 家から娘が巣立つ姿を前撮りの記念撮影の中で残したいと始めたのが「もうひとつの結婚式」。 自宅で撮る写真ならではの温かい雰囲気が感じられ、家族のストーリーが垣間見える。 写真のスライドショーを中心に展開される演出に、写真事務所らしくシャッターで家族の想いを伝えようとする姿勢が表れている。 「家から嫁ぐを大事にしたい」というメッセージも新規性があり、心地よい余韻が残るCMである。 出会うはずのなかった3人が鉢合わせたのは、名古屋市役所本庁舎内だったという予想外の展開。 一見すると異なる場所で撮られたようなこれらのシーンが、実はすべて市役所内で撮影されていたことが明かされる。 映画の宣伝のようなドラマチックな演出で名古屋市役所の魅力を表現しており、訴求効果は抜群。 役者の道を諦め、芸人になり、脱いで剥がして壊した先に未来があると語りながら服を脱いでいくアキラ100%と、解体作業風景がシンクロする演出のタイミングが絶妙で視聴者の笑いを誘う。 「ミスが許されない」解体業の仕事を「ミスが許されない」芸人で表現した、ユーモラスでアグレッシブな作品である。 孵化した子ガメは月明かりを頼りに海へと向かうが、街灯を月明かりと勘違いして集落に迷い込み命を落とす事故が多々あった。 そこで街灯の色をウミガメが認識できない赤に変えたことで事故はなくなったという。 「見にくくなったが人間は注意すれば良い」と話す住民の言葉が、日々便利になっていく現代社会についてあらためて考えさせる。 技術部門 最優秀 画像認識AI技術を用いた番組制作支援 日本テレビ放送網 研究・開発担当者 佐藤 誠、神崎正斗、鈴木寿晃、篠田貴之 独自技術を搭載した画像認識AIにより、箱根駅伝をはじめとするロードレース中継の撮影映像からリアルタイムかつ高精度に選手を識別し、レース展開のメタデータを自動的に生成してCG表示などを行う番組制作支援システムを開発・実用化した。 これにより、スポーツ中継の省力化を図りつつ、ラップタイムCGによる制作支援やインターネット同時配信等を想定した自動CG表示を実現するとともに、テレビ番組全般への画像認識AIの活用方策を示し、テレビ制作技術の高度化と効率化に大きく貢献した。 優 秀 字幕付きCMファイリング支援・オンエア監視システムの開発 札幌テレビ放送 研究・開発担当者 近藤定紀、星野 隆 字幕付きCMのファイリング作業において、HD/SD/携帯字幕の相互比較、字幕テキストの正確性チェック、規格不適合時の分かりやすい表示をそれぞれ行うとともに、オンエア監視時に自動比較を行う業務支援システムを開発・実用化した。 これにより、字幕付きCMの正確な運用にかかる業務負担を軽減して今後の普及を推進し、テレビ送出業務の発展に貢献した。 優 秀 追っかけ編集システム『FOX』の開発 TBSテレビ 研究・開発担当者 内田 慎 共有ストレージを使用しないシンプルな機器構成に独自開発したソフトウェアを組み合わせ、大型スポーツ番組などの生放送に耐える安定性と高いパフォーマンスを兼ね備えた、安価で使いやすい追っかけ編集システムを開発・実用化した。 これにより、ますます高まる即時編集・即時オンエアのニーズに的確に応え、テレビ編集業務の発展に貢献した。 優 秀 ハイブリッドキャストビデオコンテンツマネージメントシステムの開発 フジテレビジョン 研究・開発担当者 伊藤正史 放送とインターネット配信を連携できるハイブリッドキャストにおいて、国内初の「アドレッサブルTV」や「4K HDR」への対応を実現し、これらを全国各地域で運用可能とするコンテンツマネージメントシステムを開発・実用化した。 これにより、ハイブリッドキャストの運用のハードルを著しく下げるとともに、環境整備を強力に推進し、放送サービスの高度化に貢献した。 優 秀 シングルボードコンピュータとクラウドデータベースを用いたネットワーク型タリー伝送装置の開発 朝日放送テレビ 研究・開発担当者 荒木 優 汎用のシングルボードコンピュータとクラウド上のリアルタイムデータベースを使用し、既存の携帯電話網を利用したインターネット回線により、中継現場のワイヤレスカメラに向けてタリー伝送を行うシステムを開発・実用化した。 これにより、簡易なセッティングによる安定したタリー伝送を実現し、テレビ制作技術の効率化に貢献した。 優 秀 Fドロップ補正機能の開発 読売テレビ放送 研究・開発担当者 菊地 健、窪内 誠 ズームレンズの高倍率端で急激に光量が低下する「Fドロップ」現象に対し、レンズの特性を3つのパラメータで数値化することで、カメラ側のゲイン調整を自動的に行う補正機能を開発・実用化した。 これにより、演出の自由度を損なうことなくVEの負担が軽減され、本機能はカメラメーカーの標準装備となり、テレビ制作技術の効率化と高度化に貢献した。 優 秀 データベース不要! ファイルベース化におけるMAMの自社開発 愛媛朝日テレビ 研究・開発担当者 黒河 純 放送素材のファイルやメタデータを管理し、送出やアーカイブと連携するMAM(Media Asset Management)を、データベースを使用せず、ディレクトリー構造で管理する方法で開発・実用化した。 これにより、地方局のニーズにあわせたファイルベース化、テープレス化を実現し、テレビ放送業務の効率化に貢献した。 特別表彰部門 〔青少年向け番組〕 最優秀 やまがたZIP!スペシャル ~光で元気を! 産調ガールズが行く~ 山形放送 プロデューサー 山内正俊、ディレクター 荒木重弥、ナレーション 青山友紀、編集 伊藤憲吾 山形市立商業高校の産業調査部は、全国高等学校生徒商業研究発表大会の全国大会に4年連続で出場し、平成29年には「人口増大計画~ビジネスは人がいなくてできますか?~」の発表で大会最優秀賞、文部科学大臣賞、産業教育中央会長賞を受賞した。 番組では、後輩たちが全国2連覇に向けて奔走する姿を描いた。 地域の問題を地域の若者たちが自ら考え解決に取り組む姿は、大人たちにも感じ入るものを与える。 番組でそうした機会を提供したことは地方局の大事な仕事の成果として高く評価できる。 優 秀 パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM シーズン2 パラリンピックに舞い降りた最強の不死鳥:ベアトリーチェ・ヴィオ WOWOW ナビゲーター&ナレーター 西島秀俊、エグゼクティブプロデューサー 口垣内徹、チーフプロデューサー 太田慎也、プロデューサー 泉 理絵 WOWOWと国際パラリンピック委員会(IPC)の共同プロジェクトによる大型ドキュメンタリーシリーズ。 そのシーズン2より、イタリアの車いすフェンシング金メダリストのベアトリーチェ・ヴィオ(愛称ベベ)が主人公。 11歳で重い髄膜炎を患い四肢を切断した彼女の強さと、彼女が思い描く未来を見つめる。 主人公の飾らない真っすぐな姿が強く印象に残り、夢を持つことと夢に向かって努力することの大切さを青少年たちに伝えている。 2年後の東京オリンピック・パラリンピックに世界中のアスリートを迎える日本中の人々にも、さまざまなメッセージを強く語りかけてくる。 優 秀 ザ・ドキュメント マリアとフクシマ 関西テレビ放送 プロデューサー 萩原 守、ディレクター 宮田輝美、撮影 登島 努、編集 赤井修二 チェルノブイリ原発事故で胎児被爆したマリアは、幼少時から原因不明の症状に苦しみ、大人になってから原発事故の影響であると聞かされる。 甲状腺を取り除いた後も、原因を知って苦しむ母を思い、家族に迷惑をかけたといつも自分を責めてきた。 来日したマリアと、福島に留まった絵本作家や福島から京都に避難している親子らとの触れ合いを通じて、原発事故の消えない痛みと親子の絆を描く。 登場人物の様々に散らばったそれぞれの思いをうまくまとめている。 子どもたちに身近な出来事が世界とどのように繋がっているかを理解してもらい、福島の苦しみを自分たちのこととしていくことの大切さを伝えている。 優 秀 熱血テレビスペシャル のんちゃんの島の学校 山口放送 プロデューサー 佐々木聰、ディレクター 花野秀明、撮影 金子麻史、ナレーター 高松綾香 山口県柳井市の沖合20キロに位置する平郡島は人口400人に満たない過疎の島。 のんちゃんこと松川洵子さんは6年前、神奈川県からIターンしてきた両親とともにこの島にやってきた。 閉校していた島の小学校はのんちゃんのために再開。 この春、その後入学した5人の在校生に送られて卒業した洵子さんの成長と、島の学校の6年間の記録。 のんちゃんが生きる力を獲得していく過程が画面から伝わってくる。 地域の問題を肩に力を入れずに伝えており、登場する人々と取材者が、のんちゃんの成長を自分の子供の成長の様に見つめる、温かい眼差しが感じられる。 優 秀 げなパネ! 自転車女子旅立ちの春スペシャル 長崎放送 プロデューサー 斉藤礼子、ディレクター 岩本 彩、撮影 宮下康弘、ナレーター 村山仁志 長崎県立鹿町工業高校自転車競技部に所属する二人の女子部員の1年間に密着し、短いコーナーでは紹介できなかった二人の奮闘と成長を、その後の二人の動静と気になる進路を含めて、卒業記念のスペシャル版にまとめた。 頑張る二人の姿は努力することの尊さを共感をもって伝え、視るものに勇気を与える。 ライバルであり友人でもある二人の微妙な関係を、年頃の女子の悩みなども織り交ぜ等身大の姿でうまく描いており、男性社会のなかで奮闘する女性の気持ちや悩みも想像させる。 〔放送と公共性〕 最優秀 化学物質過敏症~理解されない病に苦しむ患者たちを伝える6年間の放送活動~ テレビ金沢 実施責任者 金本進一、辻本昌平、中崎清栄 テレビ金沢は、化学物質過敏症の患者たちと真摯に向き合い、彼らの存在を6年間伝えている。 患者たちは柔軟剤や芳香剤、食品添加物など身の回りにある化学物質に過敏に反応し、体調を崩してしまう。 しかし国民の多くは病名すら知らず、患者たちは人々から理解を得られない苦しみとも闘っている。 病気を広く伝えるため、取材先の系列局にも呼びかけて各地の患者と支援者を取材。 さらに、個別の問い合わせにも対応し、患者や家族が情報を得る窓口になっている。 粘り強い取材を通じて、化学物質過敏症を特殊な病ではなく社会問題として伝えてきたこと、また、石川県を離れ系列局と共同取材を進めたことなどが公共性を重視した活動として高く評価された。 優 秀 視覚障害についての啓発活動とラジオ ~目が見えないパーソナリティたちの40年~ 青森放送 実施責任者 山本鷹賀春 青森放送は、視覚障害者とともに障害への理解を深めるための啓発活動に取り組んだ。 目の見えないパーソナリティが視覚障害者に必要な情報を考えて、企画、取材、収録、編集すべてを行う番組を、40年間放送した。 さらに、番組とのタイアップキャンペーンで得た募金で青森県内に多くの音響式信号機が設置されるなど、活動は多岐にわたる。 音声メディアの特性を活かし、音に頼って生活する視覚障害者に情報を届けるというラジオの役割を果たしている。 当事者ならではの視点で番組を作り続けたパーソナリティとそれを支え続けた放送局の姿勢が評価された。 筋電義手は高額なうえ、訓練施設は国内に3か所しかなく、訓練には医療保険が適用されない。 報道番組に限らず、寄付を求めるPRスポットの制作やドキュメンタリーの全国放送を通して、筋電義手の必要性と普及を広く社会に訴えた。 多くの子どもたちに筋電義手を届けるため、記者が問題を謙虚に追い続けることで社内体制が整えられ、全国ネットの番組で放送されるなど、系列局全体にも取り組みが広がりを見せていることと、医療保険制度を変えたいという記者の高い志が評価された。 優 秀 手話が語る福祉~聴覚障害者と歩んだ25年~ 岡山放送 実施責任者 小山幸三 岡山放送は、25年にわたり聴覚障害者とともに手話の普及に取り組んできた。 聴覚障害者と定期的に会議を行い、放送に適した手話を研究。 月に1回、聴覚障害者によるニュース企画「手話が語る福祉」を放送し、アナウンサーが手話を使いながら原稿を読む。 さらに、手話解説付き朗読会や手話講座の開催など、活動の幅を広げている。 「手話は言語である」という信念のもと、聴覚障害者が出演するニュース企画を放送し続け、歴代11人の担当アナウンサーらが自ら手話を覚えて、よりわかりやすい表現を研究しながら情報を伝えてきた活動の継続性が評価された。 優 秀 弾除け神社の奉納写真 33年の返還と放送活動 山口放送 実施責任者 松嶋 浩、佐々木聰 山口放送は、戦時中神社に奉納された写真を家族に返す取り組みを取材し続けている。 より多くの写真が返還されるよう、神社の取り組みを33年間にわたって放送。 写真の裏に書かれた住所を訪ねる取材により、実際に取材班が写真を返還することもあった。 現在はウェブサイトでの情報発信やラジオキャンペーンなど、多角的な活動を行っている。 取材と放送が写真の返還先を探す取り組みとなったこと、写真の存在を多くの人に知ってほしいという思いから、他の放送局の番組やインターネットなど多くの媒体に返還活動が取りあげられるよう努めたことが評価された。 Copyright JBA The Japan Commercial Broadcasters Association all rights reserved.

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