大きいオスは、メスをひとりじめしようとして、メスの首をチョキンと切ってしまう場合があります。 大きいオスは闘争心が強く、メスのうばい合いになることがあるので、なるべく別々に飼育したほうが良いようです。 メスはまとめて飼育しても、ケンカはおきません。 コクワガタは一年を通じて室温で飼育ができます。 春~秋は飼育ケースの中に飼育マットやおがくずマットをひき、とまり木と昆虫ゼリーを置きます。 保管は暗くて静かな場所に置きます。 晩秋~早春の間は冬眠をしますので、飼育ケースの中にマットを深め入れます。 つかまる為の木と、いつ目ざめても良いように昆虫ゼリーを置いておきます。 冬眠セットの作り方についてはのページに詳しく書いてあります。 気温が下がってきて、寒くなってくると自然に冬眠の準備を始め、春になるとマットや材の影からノコノコと出てきます。 一年を通しての飼育で一番大切なことは、常にマットの湿り気を保つことです。 特に冬眠中は忘れがちですから、一月に一回は確認をして、湿り気をあたえてください。 コクワガタの飼育はあまり手がかかりません。 飼育マットの湿り気と、昆虫ゼリーを忘れなければ、寿命以外で死ぬことはほとんどありません。 幼虫飼育 添加材の入った発酵マットを、ギュッツと握っても水がたれないぐらいまで水を加え、よくかき混ぜます。 加湿した発酵マットを、200ml~500ml程度の飼育容器に入れ、何回かに分けスリコギを使って固めに詰め込みます。 詰めたマットの中心に幼虫が入る大きさの穴を掘り、穴の中にスプーンを使って幼虫を頭から入れます。 幼虫が潜ったら、フタをして空気穴をいくつか開けておけば、メスの幼虫の場合は、途中発酵マットの交換をしなくても羽化させることができます。 オスの幼虫の場合は、投入してから3ヶ月を目安にマットの発酵交換をします。 2回目は800ml~1000mlの容器を使い、発酵マットを新しく詰めかえます。 幼虫を新しい容器に移すときは、移す前に幼虫のまわりにあった古いマットを少しだけ入れてあげると、新しい場所に移動しても幼虫が落ち着くことができます。 発酵マット交換は幼虫が孵化した時期にもよりますが、冬のあいだは冬眠をしていてマットを食べません。 ですから冬眠中はマット交換の必要もありません。 大きく成虫を羽化させたい場合は、2回目のマット交換は必ず必要です。 コクワガタは菌糸瓶でも飼育ができますが、発酵マットよりも費用が多くかかります。 特にコクワガタに思い入れがある方、菌糸瓶を使ってみたい方、おこずかいに余裕のある方以外にはおすすめしません。 菌糸瓶に関する詳しい情報はのページに詳しく書いてあります。 産卵セット 小型~中型飼育ケース、よく発酵した無添加の発酵マット、クヌギ又はコナラの産卵木を用意します。 発酵マットに水を入れてよくかき混ぜます。 水の量はギュッツと握っても水がたれない程度です。 飼育ケースの底から5センチぐらいの高さまで、スリコギを使って固く突き固めます。 水を入れたバケツの中に産卵木を半日、浮き上がらないようにおもりをのせて水をしみ込ませます。 半日たったら産卵木を取り出して2~3時間、陽の当たらない場所でほします。 産卵木の皮をむきます。 水を含んだ木の皮はマイナスドライバーなどを使うとかんたんにむくことができます。 皮をむいた産卵木を固く突き固めたマットの上におきます。 産卵木がマットから少し出るぐらいまで、発酵マットを産卵木のまわりに詰め、手で軽く押し固めます。 木の皮(成虫がつかまるのに必要)と昆虫ゼリーを発酵マットの上に置きます。 交尾の終わったコクワガタのメスを1匹だけ入れてフタをします。 暗くて静かで温度変化の少ない場所に保管します。 コクワガタの産卵は産卵木の中、産卵木と固く突き固めたマット発酵との堺に卵を多く産みます。 約1ケ月ぐらいで卵や幼虫が飼育ケースの周りに見えてきますので、メスの成虫を取り出してください。 セット後1ヶ月ぐらいだと、まだ卵ばかりで幼虫の姿は見られないかもしれません。 卵をうまく孵化をさせるにはのページに詳しく書いてあります。 卵全てを幼虫になってから取り出したい時は、産卵セットから産卵木を取り出して、産卵木を割らないでビニール袋の中に入れます。 乾燥しないように飼育ケースの中などに保管して1ヶ月待ちます。 産卵木を割ると、ほとんどの卵が孵化して幼虫になって出てきます。 産卵木から取り出した幼虫は、とりあえず1匹づつ別の容器にいれます。 産卵セットで使った古い発酵マットをプリンカップに入れて、その中でしばらく育てます。 プリンカップは、とりあえずの飼育場所ですから、入れてから1ヶ月以内には別の大きな容器に引越しさせます。 産卵セットで使うマットは、栄養が少ない無添加発酵マットです。 栄養が少ない理由は、添加剤が入っていないので、孵化したばかりの幼虫でも安全に食べることができます。 添加剤の入った発酵マットは栄養はありますが、生まれたばかりの幼虫にはうまく消化できません。 幼虫が2令を過ぎるとうまく消化できるようになるので、栄養のある添加剤入り発酵マットを食べさせます。 添加剤は小麦粉、フスマなどの穀物類が多く、入れることにより、大きな幼虫=大きな成虫になります。 幼虫が成長するのは3令の中期位迄で、それより後には成長しません。 3令の中期位迄にどれだけ幼虫を大きくするか、それが大きい成虫を育てるポイントなのです。 つまり大きな幼虫からは大きな成虫が羽化するということです。
次の幼虫羽化時の注意 クワガタ幼虫羽化時の注意 クワガタの幼虫飼育も終盤。 冬を越して暖かくなる春先にかけてクワガタ幼虫は 蛹(さなぎ)になる 個体が多く、その後羽化してクワガタの成虫となります。 蛹の状態は一番デリケートな期間です。 少しの振動でも蛹が傷ついてしまうと羽化せずに死亡してしまう事もあります。 蛹の取り扱いには細心の注意を払いましょう。 また蛹室に異常がある場合も 羽化に失敗( 羽化不全)してしまい、最悪の場合死亡してしまうケースもあります。 そういう場合は 飼育容器の向きを変えたり、 露天掘りや、 人工蛹室を使用し無事に羽化できるよう手伝ってあげましょう。 クワガタの蛹はすごくデリケート!絶対安静が鉄則!! 皆さんは蛹の中身はどうなっているかご存知でしょうか。 魚の白身みたいなのが詰まってる?カチカチの何かが詰まってる? いえいえ、簡単に言うと初期の頃の 蛹の中身はドロドロとした液状と言ってもいいでしょう。 時間が経過するにつれてクワガタ成虫の器官が再形成されると言われています。 蛹化直後で半透明の蛹は、時間が経過するとクリーム色に、目が形成され黒くなり始め、羽化直前になると体や足が茶色く色付いてくるので分かり易いのではないでしょうか。 蛹の期間は大体2週間~3週間ほど。 管理温度や個体の大きさによって蛹の期間が長くなる事もあります。 色も茶色に クワガタの蛹の初期は、風船にドロドロした液体が入っていると例えると分かり易いでしょうか。 その風船に穴が開くとどうなるでしょう?高い所から落とすとどうなりますか? 想像されると大体お分かりだと思います。 蛹が傷つくと、そこから体液が流れ出してしまい、 かなりの確率で死亡するといってもいいでしょう。 「蛹が傷ついても無事に羽化した!」という人は運が良かっただけです。 特に 蛹化直後で蛹の色が半透明の時は、少しの振動でも凹んでしまったり、傷ついて死亡してしまう可能性があるので注意しましょう。 後に記述する「 容器の向きを変える」「 露天掘り」「 人工蛹室」は、 蛹になった初期で色が半透明の時期に実行するのは大変危険です。 最低でも目が形成されて黒くなり始める時期に。 できれば外骨格が形成されて、ある程度色付き始めたら慎重に実行しましょう。 前蛹の頃(蛹になる前。 体を真っ直ぐに近い体勢にして、幼虫のアゴや足が動かなくなる状態)に実行する事も可能ですが、個人的には蛹の頃に実行する事が多いです。 また、クワガタの蛹は 振動などに敏感に反応し、暴れるように寝返りを打ちます。 無駄な寝返りで体力を消耗させてしまうと、体力が無くなってしまい羽化に失敗してしまう可能性もあると考えます。 人工蛹室などの対策をする場合は、その後 安静にして体力を消耗させないようにしましょう。 蛹から無事にクワガタを羽化させるには クワガタの幼虫は、蛹になる前に糞やマットで周りを固め 蛹室(ようしつ・ 蛹になる為の部屋) を作ります。 また 蛹室は容器側面・底面に接した場所へ作る個体が多く見られます。 幼虫自身が作った蛹室で羽化させるのが一番良いとされる事が多いですが、容器を使用して幼虫を飼育する場合、十分な広さの蛹室を作れない事があります。 蛹室が狭すぎたり容器の底に面した場所(ビン底)に作ってしまった場合、羽化に失敗(羽化不全)してしまう可能性も出てきます。 「蛹化に失敗した」という個体はあまり経験がありません。 多少狭くても無事に蛹になる事は多い印象を受けます。 蛹室が完成し前蛹になった幼虫 蛹にはなれても、無事に羽化してくれないと困ります。 容器側面で クワガタの蛹が確認できる場合は ・蛹室内に異常はないか ・蛹室の広さや蛹室の作られた場所は十分か ・寝返りが正常にできているか を見極めて無事にクワガタの成虫を羽化させましょう。 また 容器中央で蛹になっている可能性がある場合、当然目で見て確認する事はできません。 そういう場合は、 ・同じような環境で育った他の幼虫達が全員羽化した後、慎重に掘り出して確認する ・夏の終わり~秋頃に慎重に掘り出して確認する このどちらかがまだ安全だと個人的には思います。 にも記載したように、暖かくなってくる春先に掘り出すと色々面倒な事があります。 エサの劣化などで「どうしても蛹室や蛹の状況が心配」という場合は蛹になる頃を予測して掘り出し、 確認しましょう。 こういう場合も、目視確認できる他の幼虫や蛹がいると、蛹になる頃が大体予測できます。 蛹室に異常はない?蛹室の場所や広さは十分?寝返りは正常にできている? 先ほども書きましたが、蛹室の広さが不十分でも、正常な蛹になる事は多い印象を受けます。 しかし、 無事羽化するとなると話は変わってきます。 クワガタの蛹は、成虫が首を曲げた状態の形状をしており、無事に羽化するには、 最終的に頭とアゴを前に出す必要があります。 特にオスのクワガタの場合は、蛹室が狭すぎると頭を上げる事ができずに羽化不全を起こす可能性もあります。 菌糸ビン飼育の場合、蛹室内部にキノコが生えてしまうという事もあり羽化の妨げになります。 また羽化する時には、ほとんどの蛹が 仰向けの状態から寝返りを打ち、うつ伏せの体勢へ移行します。 寝返りを打てないような蛹室の広さだと、仰向けのまま羽化が始まってしまい、上手く羽を広げられずに重度の羽化不全を起こす可能性が高いです。 寝返りが上手く打てていない場合は致命的となり得るので、良く観察しておきましょう。 特に クワガタのオスの蛹は立派なアゴがある為、寝返りが下手な個体もいます。 メスのクワガタよりも羽化不全を起こしやすいと言えるのでしっかり見極めましょう。 人工蛹室で羽化したオオクワガタの動画を以前撮影したので、蛹の動きを確認しておきましょう。 という具合に、頭を上げると同時にアゴも前に出します。 その為、 オスのクワガタは蛹室の高さが足りない場合も上手く頭とアゴを前に出すことができずに羽化不全になる可能性が出てきます。 という順序です。 (動画は参照) 飼育容器の底面( ビン底)に蛹室を作ってしまった場合も、水分過多や羽化の際に蛹が出す水分がビン底に溜まってしまい羽化不全を起こしたり、ツルツルの容器のせいで、お尻を動かしても壁に引っかからない為、上手く寝返りが打てず羽化に失敗してしまう。 という事もあります。 軽度の羽化不全では、 「羽が開いたままになってしまう」 ( 羽パカ・ 羽バカと呼ばれています。 個人的には羽がパカッと開いてしまう。 という意味で羽パカと呼んでいます。 羽がバカ(馬鹿)になってしまう。 という意味で羽バカという人も多いです。 ) 「アゴがずれている」「体や羽にシワ・凹みが見られる(ディンプル)」などの症状が挙げられます。 重度の羽化不全の場合は、 「羽化の際に蛹の皮を上手く脱げずに死亡してしまう」 「羽が全く閉じれずグチャグチャになってしまう(重度の羽パカ)」 「頭・アゴを前に出す事ができずにそのまま固まってしまう」などの症状が挙げられます。 残念ながら出血が多かった為、その後死亡しています。 (参照) このような羽化不全を防ぐ為に、 飼育容器の向きを変えたり、 露天掘りや 人工蛹室といった方法で羽化の手助けをしてあげましょう。 蛹室の広さも十分!ビン底にも蛹室を作っていないし異常もない!寝返りも正常に打てている! という場合は、飼育容器の向きを変えたり、露天掘りや人工蛹室に移す必要はありません。 クワガタが羽化するまで振動を与えず、安静にして無事羽化する事を祈りましょう。 また、重度の羽化不全の場合は、死亡してしまったり寿命が短くなる事がありますが、 軽度の羽化不全は問題なく飼育できる個体がほとんどです。 軽度の羽化不全が起きたからといって捨てたり逃がしたりしないこと! そういう人は累代飼育する資格はありません。 重度の羽化不全でも生きているうちはしっかり面倒みてあげましょう。 最後まで飼育してあげる事も責任です。 飼育容器の向きを変える この方法はクワガタ幼虫が 蛹室を容器の底面(ビン底)に接した場所に作ってしまった場合に有効な方法です。 容器の向きを横向きにしたり、容器を裏返す事で、容器の底に水が溜まらないようにしたり、上手く寝返りが打てるようにします。 容器を裏返したり、横向きに変える 容器側面に蛹室を作った場合でも、ツルツルの容器の為に上手く寝返りが打てない事もあるので、状況を見て向きを変えても良いでしょう。 個人的には ビン底+容器の側面(飼育容器のカド)に作ってしまった場合は人工蛹室に移す事が多いです。 メスの場合は比較的羽化に成功する印象があるので状況を見て考えます。 できれば 幼虫がビン底に蛹室を作りそうな気配がしたら向きを変えて、十分な広さの蛹室を作れるよう誘導してあげましょう。 すでに蛹となっている場合は、ゆっくりと容器の向きを変えて蛹が寝返りを打てるか確認してみましょう。 蛹の初期の頃に向きを変えるのは危険です。 蛹になる前、もしくはある程度蛹が色付き始めたら慎重に実行するようにしましょう。 露天掘り 露天掘りは、 蛹室内の水分が多すぎる場合(水分過多)・蛹室の高さが足りない場合などに有効な方法です。 菌糸ビン飼育の際に蛹室内でキノコが生えてしまった場合も、露天掘りにしてキノコを取り除く事もできます。 また蛹の状態を直接確認したい場合にも使用される事があります。 蛹室の高さが足りない場合にも有効 温度変化が激しい場所に保管すると、蛹室内で結露(水滴)が発生し水分過多に陥ることがあります。 さらに ビン底付近の場合は、羽化の際に排出される水分や、温度差で生じた水滴などがマットに吸収されにくいため底に溜まってしまい、羽化不全を起こす可能性もあります。 菌糸ビン飼育の場合も、菌糸が水と二酸化炭素を排出するため蛹室内の水分が多くなってしまう事があるので注意しましょう。 蛹室の天井を取り除き、露天掘りにすることで蒸発した水分を上に逃がし、水が溜まる状況を改善する場合に使用されます。 また、蛹室の高さが足りない時も天井を取り除く事で高さを確保できます。 クワガタのオスが羽化する際、頭・アゴを上げる時に天井に引っかかり羽化不全を起こす可能性がある場合も有効と言えるでしょう。 露天掘りの注意事項として、 マットの塊が蛹室内に入ってしまったり、蛹の足の間に入り込んでしまう事があります。 できればピンセットなどで全て取り除きましょう。 ただし、 蛹の足の間に入ったマットは無理に取ろうとすると傷つけてしまう恐れがあるので、無理には取らなようにしましょう。 蛹が寝返りを打った際に自然に取れるのを待つか、息を少し吹きかけ飛ばせるようなら吹き飛ばしましょう。 こういう面倒なことは避けたいので、個人的にはここまでいくと人工蛹室に移してしまう事が多いです。 蛹室まで掘り進める事になる為、かなりの振動を伴います。 蛹の初期の頃の露天掘りは危険。 ある程度蛹が色付き始めたら慎重に実行しましょう。 人工蛹室は、 蛹室の広さが足りない・蛹室内の状態が良くない(雑菌の増殖・キノコの発生) ・水分過多・寝返りが上手く打てていないなど様々な場合に有効な方法です。 個人的には容器の向きを変えたり、露天掘りを使用するより、手っ取り早く人工蛹室に移した方が良いんじゃないかとも思ったりします。 ヒラタクワガタを5世代ほど累代飼育していた時も、ノコギリクワガタ・オオクワガタの羽化の際も人工蛹室に移した事がありますが、今のところ人工蛹室を使って羽化不全を起こした経験はありません。 湿らせたティッシュや新聞紙を重ねて固めたり、スポンジなどで人工の蛹室を製作し、その中に蛹を移して羽化させます。 蛹を人工蛹室に移す際は細心の注意を払いましょう。 蛹の大きさに合わせて、人工蛹室を作製します。 初めて人工蛹室を作る場合は、なかなか上手く作れないかも知れませんが、無事羽化させるには非常に有効な方法なので、数をこなして上手く作れるようにしましょう。 作るのが面倒な方は、人工蛹室の商品も販売されていますので、そちらを購入してもいいでしょう。 スタイロフォームを削って作ってみたり と言っても難しく考える必要はありません。 慣れれば10分も掛からずに作製できます。 結構適当に作っても、無事羽化してくれています。 タイミングがよければ貴重な羽化のシーンも間近で観察できるので、一度はジックリと観察してみるのも良いものです。 ・スポンジの人工蛹室作製は ・トイレットペーパーの芯+ティッシュでの人工蛹室作製は ・スタイロ&トイレットペーパーでの人工蛹室作製は参照。 個人的にはスタイロ&トイレットペーパーの人工蛹室が気に入っています。 スポンジの人工蛹室はスポンジの 素材によってはお尻が引っ掛かりすぎて上手く寝返りが打てない場合があるので寝返り具合を良く確認しておきましょう。 以下、私が人工蛹室を作る時に気をつけている事を記述しておきます。 ・人工蛹室の形は、楕円形・もしくは縦長の卵型。 頭・アゴの長さも計算に入れて作製する。 ・ 少しだけ傾斜をつけてあげる。 (頭の部分が上に来るように) ・適当な容器の中に作り、 適度な湿度を保つ ・蛹の寝返り具合の確認( 最低でも蛹が寝返りで真横を向けるくらいに) ・湿らせたティッシュや新聞紙を固めて作製する場合、 お尻の周囲は頑丈に作る。 無事に羽化できました 人工蛹室の素材は、ある程度水分を吸収できるようなものを使用しましょう。 スタイロフォームなど水分を吸収できない素材を使う場合、湿らせたティッシュや新聞紙で蛹室内を囲んで湿度を保ちます。 容器にもフタをして空気穴を開け、湿度管理をしましょう。 過度の加湿もNGですが、過度の乾燥もNGなので適度な湿度を保ちましょう。 また、「どうしてもうつ伏せで羽化させたい・寝返りが下手で不安」という場合は、 羽化直前にうつ伏せへ誘導させるという方法もあります。 羽化直前には、脚やツメをピクピクと動かし始めます。 さらに、蛹の皮がお尻の先に寄り始めれば羽化直前です。 そうなると1日~2日で羽化が始まります。 その時に慎重にうつ伏せへ誘導させるという方法です。 羽化の際、脚もある程度動かせるようになるので、蛹が横向きに自力で寝返りが打てるならば、特に気にする必要は無いとは思います。 蛹室まで掘り進める事になる為、かなりの振動を伴います。 蛹の初期の頃に人工蛹室へ移すのは危険。 ある程度蛹が色付き始めたら慎重に実行しましょう。 また、人工蛹室に移す際も蛹が暴れる為、十分注意が必要。 大きめのスプーンやレンゲに乗せ、蛹を落とさないように注意しながら容器の縁を滑らせるように移動させ、慎重に人工蛹室へ移しましょう。 クワガタが無事羽化したら? クワガタが蛹から無事羽化する事ができたらひとまずは安心です。 ただし、 羽化したクワガタの成虫は体を固めるのに時間が掛かります。 またもあるため、羽化後すぐにエサを食べる事はありません。 しばらくは触らず蛹室の中で安静にしてあげましょう。 個人的には 羽化後1ヶ月くらいは触らずに安静にします。 活動し始めるまで取り出さずに、蛹室・人工蛹室の中で放置でも構いません。 早めに成虫を取り出す場合は飼育ケースにマットを入れ、潜らせてあげましょう。 成虫が活発に活動しはじめたら、エサを入れて様子を見ると良いでしょう。 成熟する前に触りすぎると、体力を消耗してしまい寿命が短くなってしまう可能性もありますので注意しましょう。 羽化した季節や管理温度、個体により羽化後約1年間はエサを食べないクワガタもいます。 無理やり起こして無理やりエサを食べさせる必要はありません。 ||| 幼虫羽化時の注意 スポンサードリンク.
次の今回はコクワガタの飼育についてです。 コクワガタといえば皆さん、何だかんだいっても 日常において最も見る機会が多いクワガタなんじゃないでしょうか。 今回はそんな身近なクワガタ、コクワガタの飼育についてです。 コクワガタの基本情報 コクワガタってどんなクワガタ コクワガタとは、その名前でいいますと 「小さいクワガタムシ」という意味での和名です。 その名の通り、国内に生息するクワガタの中では決して大きい種類ではありません。 (コクワガタより小さいクワガタもいます) 生息地域はほぼ日本全土で、比較的至る所で目にする事ができます。 また飛翔性も高く、地方では網戸にたかっている光景などもよく見られます。 とある昆虫の専門家の方から以前聞いた事のある話では、 コクワガタは戦闘を好まずに逃げの一手で生き延び、 結果、多くの地域で生息が可能なのだという説もあるようです。 日本の南方の島には、その島の名前のついた亜種も生息しております。 この比較的というのは、 同じドルクス属のオオクワガタやヒラタクワガタなどに比べた場合の事です。 その寿命ですが、ドルクス属という事もあり越冬もしますので、 長ければ3年くらい生きる場合もあるようです。 オオクワガタやヒラタクワガタ等と比べて特徴的なのが大アゴの形状で、 前者は丸みがあるのに対し、コクワガタはどちらかというと直線的に伸びている事です。 全体感でいいますと体のバランスは良く、大きくない点を除けば そのディテールはとてもカッコいいクワガタです。 コクワガタの基本情報 まとめ 1 名前の由来は小さいクワガタ(和名) 2 ほぼ日本全土で生息している 3 黒い色のものが多く、ドルクス属のなかではスリムな体型をしている 4 大アゴはやや直線的に伸びている 5 3年くらい生きる事もある コクワガタのブリードに挑戦 さていよいよ本格的なブリード開始となります。 産卵から羽化までの流れでご説明します。 この場合も他のクワガタ同様に、成熟ができているかどうかを確認してからの同居となります。 成熟したか否かの目安は、後食(ゼリー等のエサを食べ始める)を開始してから3カ月以上が経過しているかどうかの確認で良いと思います。 産卵セットは以下の通りです。 産卵材を水につけて加水します。 (10秒程度) 軽く日陰干しをします。 産卵材を入れる 隙間にマットを敷きつめる(固く詰める) 産卵材が隠れるまでマットをふんわりかぶせて、転倒防止材とゼリーを入れる コクワガタの産卵セットのポイントは産卵材を使用する事です。 一般的にはコクワガタは材に産卵すると言われており、飼育下でもそれが普通となっております。 お手軽に産卵をさせたい場合には菌床ブロックがオススメです。 同居させるセットは飼育ケースSサイズに底面から2~3cmほどのハスクチップを敷き、を入れておきます。 これでOKです。 割り出しと幼虫飼育の開始 無事に産卵が完了したかどうかを実際に中身を調べる事を割り出しといいます。 割り出しを行い幼虫を取り出して個別飼育を開始します。 割り出しを行う時の目安としましては、材の朽ち具合で判断します。 材がボロボロになっていれば幼虫が採れる可能性が高いので割り出しを行っても大丈夫ですが、 まだ材の中に卵の状態のものもある可能性もありますので、その場合は取り扱いには充分注意をして下さい。 割り出しのやり方ですが、大きめのタライやシートなどの上にケース内のマットや産卵材を撒けます。 そして中にいる幼虫や、時に卵などを拾い集めます。 見つけた幼虫たちは個別にて飼育をします。 もし割り出し時に産卵材の中に卵があった場合は撒けたマットの中にもう一度戻して孵化してから飼育を開始しましょう。 産卵材の割り出しの時に、手で割る事が難しい場合はマイナスドライバー等を使って材を崩していく方も多いです。 その時の注意点としましてはもちろん、 幼虫を傷付けない事です。 割り出しの様子 産卵材から幼虫が見えています 割り出した幼虫の個別飼育ですが、最初はプリンカップでの飼育で充分OKです。 ですが、手間のかからない飼育方法としましては、割り出し後いきなり菌糸ビンに投入する方法です。 オススメはです。 いきなり菌糸ビンに投入する場合の幼虫は、上記の割り出し時にすでに幼虫になっていたものです。 割り出し時にまだ卵の状態で、やっと孵化したようなごく小さな幼虫には、菌糸はなるべく使用しないでください。 孵化したての幼虫は産卵に使用したマットにてしばらく飼育を行い、ある程度の大きさ(3cm程度)になりましたら菌糸にて飼育をします。 この温度帯で飼育を行いますと、約8カ月~10カ月程度で羽化します。 もちろん温度管理なしの常温飼育も可能ですが、羽化までの期間はこれ以上に長くなります。 菌糸ビン サナギになったら 幼虫飼育を行って数カ月、やがてサナギになる時が来ます。 ビンの側面からその様子が見れる時もあります。 サナギになる時は普段と比べて幼虫のエサを食べるスピードが落ちてきます。 菌糸の減り具合が落ちてきましたら、もうそろそろかなと思っても良いと思います。 サナギになり始めましたらなるべく安静にしておきましょう。 むやみに動かしたり、幼虫を掘り出したりする事はやめましょう。 羽化に成功したら 飼育温度にもよりますが、サナギ期間が約1カ月~2ヶ月あります。 その期間を経ますと羽化して成虫になります。 成虫になってもしばらくはほとんど動きませんし、エサも食べません。 ですのでその期間はそっとしておいてあげましょう。 自力で外に出ようとしたり、活発に動き始めてから飼育ケースに移してあげます。 飼育ケースは単に観賞用でしたら、 SSサイズやSサイズでも充分です。 育て上げたクワガタは クワガタ愛を持って大切に飼育してあげて下さい。 > > > > > > > > > > >.
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