立命館守山ナイン 秋武監督は創部前年の2015年に赴任。 まずは中学のクラブチームに出向いて、「創部します」と挨拶することからスタートした。 兵庫県出身で高校は京都ので過ごした秋武監督にとって滋賀県は未知の場所。 県内の勧誘では苦戦したが、京都府や大阪府からも選手が集まり、初年度の夏から大会に参加することができた。 1年目の秋に公式戦初勝利を飾ると、その大会でベスト8に進出。 そこからは足踏みが続いていたが、創部3年目に入学してきた代で近畿大会出場という成果を出すことができた。 秋武監督はこれまでの4年間をこう振り返ってくれた。 「この学年である程度、突破してくれたので、よく頑張っていると思います。 ただ、この学年だけではなくて、1期生、2期生の積み重ねでの結果だと思うので、OBたちにも感謝したいと思いますね。 周囲からは順調だと言ってもらえますが、1、2年目の成績を見ると勝てる試合を落としているので、まだまだです」 社会人と高校生の指導の違いについて秋武監督に聞いてみると、「全然違いますよ」という答えが返ってきた。 「こっちが『わかっているやろう』と思っていることがわかっていないことが結構あるんです。 なので、『わかっているやろう』で済まさないようにしています」 社会人時代よりも丁寧な指導を心がけているという。 その一方で緊迫感のある都市対抗野球や日本選手権の予選と高校野球は似ていると感じているそうだ。 有名大学の付属校ということもあり、多くの人は練習環境が整っているようなイメージを持つかもしれないが、実態は違っている。 学校にはグラウンドがないため実戦練習ができず、普段は昨春にできた打撃ゲージを使った打撃練習とトレーニングに専念。 学校の近所に守山市民球場があり、平日は週に3~4程度使えるが、照明がなく、冬場は閉鎖されているため、使用できる時間は限られている。 土曜日は大学の練習場を使える日があり、取材日も大学のグラウンドを借りて実戦練習を行う予定だった。 しかし、前日に雨が降ったため、この日の練習場所はホッケー場と室内練習場。 ホッケー場の芝生の上にベース代わりとなる目印を置いてノックをするという少し変わった光景が見られた。 練習場の確保に苦しむだが、秋武監督はそこにチームの強みがあると話す。 「限られた時間と環境なので、優先事項を決めて練習しています。 短い時間でいかに効率よく練習するかというところで、『集中して頭を使おう』とずっと言ってきているので、そこは他のチームより優れているのかなと思います」 実際にキャッチボールやボール回しを見ていると、一球に対する集中力の高さが見え、主将の西田賢生(2年)を中心によく声が出ていた。 ボールを使って練習する時間が限られているからこそ、集中力の高さは秀でているものがある。
次のチームの得点を喜ぶ立命館守山の選手たち 第101回全国高校野球滋賀大会は9日、彦根球場で1回戦が行われ、2016年4月創設の立命館守山が11-0で湖南農・石部・信楽・甲南の連合チームに五回コールド勝ち。 一昨年、前年と2年連続16強の新鋭がチームの歴史を塗り替えての甲子園初出場を目指す一歩を踏み出した。 攻撃では、15長短打による毎回の11得点。 守備では3投手の継投で被安打1。 ほぼ完璧な内容で立命館守山が、初戦を突破した。 チームを率いる秋武監督は「一回から打ってくれた。 3人の投手陣も抑えてくれたので初戦としては良かった」と満足そうに振り返った。 一回1死から、長短打で一、三塁とすると4番・景山が右犠飛。 5番・西田が左前適時打と打線がつながった。 二回は、2死無走者から3連打で追加点を奪って主導権を握ると相手の失策も重なり、攻撃の手を緩めなかった。 先発したエース・福田も一回1死後、2番打者に二遊間を破られたが直後に二盗を阻止。 以降は3人の継投で1人の走者も出さず、二塁を踏ませなかった。 谷村主将も「みんなよく打ったので、よい戦いができました。 この調子で初のベスト8になり、甲子園に出たい」とさらなる上を見据えた。 実質4年目のチームは学校に専用グラウンドはない。 通常は校内のグラウンドを使い、大会前は守山市民球場や立命館大学グラウンドなどを借りる。 限られた時間を有効に使うため、秋武監督は「練習では選手の自主性を尊重する一方で、打撃や守備など優先順位を付けた上で練習の質を上げる取り組みを重ねている」と話す。 寮はなく、大阪など県外通学者も多く「全員、自宅での素振りは欠かさない」(谷村主将)。 これが近年の2年連続の16強につながっている。 チームのモットーは「誇りと責任」。 春夏通じて初の聖地を目指し、チームは一丸となる。
次の立命館守山が八幡を破り二回戦進出! 立命館守山・先発の福田 創部3年目にして夏の大会ベスト16に入り年々実力を付けてきた立命館守山。 夏の大会一、二年が多くベンチ入りした八幡の試合は、立命館守山が中盤に八幡を突き放し2回戦進出を決めた。 立命館守山は初回、八幡の先発・右アンダースローの西井葦矢(2年)の攻め二死満塁とし、押し出し死球で先制する。 追いつきたい八幡は、1番・磯上拓馬(2年)が死球で出塁すると、2番・今堀結斗(2年)が犠打で一死二塁と得点圏に走者を送る。 しかし立命館守山・先発の福田昂平(2年)に後続が抑えられてしまう。 立命館守山は4回、二死三塁で2番・西田賢生(1年)が適時左前打を放ち追加点を挙げる。 その後相手の送球ミスなどで2点を追加し点差を4にする。 点差を縮めたい八幡だが、立命館守山・福田の勢いのあるストレートに押され得点することが出来ず点差を縮めることが出来ない。 6回、立命館守山は相手の失策で1点を追加し点差を広げる。 反撃にでたい八幡は、一死から1番磯山がライトオーバーの三塁打でチャンスを作ると福田の暴投で1点返す。 8回、立命館守山は先頭の2番・西田が二塁打でチャンスを作ると、3番・景山透唯(1年)が左中間を破る適時三塁打で追加点を挙げる。 その後4番・林崇平(2年)の犠飛で点差を6とする。 その裏、八幡は8番・途中出場の武田璃来(1年)が四球で出塁する。 その後、9番・久郷力哉(1年)が中前打、2番・今堀の内野安打で一死満塁のチャンスを広げるが後続が打ち取られてしまう。 9回、八幡は先頭の4番・川原朋起(2年)が中前打で出塁するが、後続が打ち取られ試合終了。 立命館守山が8安打7得点で2回戦進出を決めた。 八幡・先発の西井は、この試合毎回四死球をだしてしまい制球に課題を残す結果となってしまった。 また野手陣にも送球ミスが5つあり、守備に課題を残す試合となってしまった。 立命館守山は、チャンスで打ち上げてしまう事が多くあり得点を逃す場面があった。 二回戦では、強いゴロが打てるか注目だ。 (文=編集部).
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