失ったものはあまりに大きくそれを取り戻すことはできない。 例えば病気になる事、例えば人が死ぬ事、戦争も貧困も災害もそうや。 この世界は人の心を傷つけるもんで溢れている。 人の苦しみをさっと拭い去る事が出来たらどんなにええやろうと思う。 でもそれは出来へん。 神様とちゃうから。 人間には出来へん。 ほとんど何も。 それでも僕に出来る事は何やろう。 和隆は思います。 勉強する兄弟3人。 1番下の弟壮介は「和にい凄いな」と言います。 すると和隆は壮介に「しっ。 智にいの邪魔したらあかん」と言います。 和隆は勉強をしているのではなく船の絵を書いていました。 その船の説明を壮介にする和隆。 そこに母・安田美里(キムラ緑子)がやって来ます。 「和隆、宿題は?」と聞きます。 「もう終わった」と答える和隆。 「お父さん帰って来はる前に片付けや」と言う美里。 化粧台の前で化粧を済ませた美里は部屋から出て行きます。 すると智明が和隆に「和隆。 あの引き出し開けた事ある?」と母の化粧台を見て言います。 ないと答える和隆。 開けてみる様、智明は言います。 開けた時、玄関のチャイムが鳴り3人は慌てて玄関の方に向かいます。 引き出しを開けたまま。 父・安田哲圭(石橋凌)が帰って来ました。 全員で出迎えます。 鞄を持っている部下に「ありがとうございました」と言う美里。 父・哲圭は「風呂」と一言。 美里は「沸いてます」と答えます。 引き出しの中を見ている3人。 和隆は「何かあるん?」と智明に聞きます。 引き出しの中を触る智明。 母の外国人登録証の様でした。 そこには安田美里と朴美里の2つの名前と国籍が韓国と書かれていました。 和隆の家の表札には安田と書かれています。 壮介は母に聞きます。 「お母さん。 韓国人なん?」 驚く美里。 「僕が見つけてしもてん。 外国人登録証」と智明が言います。 「そう。 分かった。 よう聞いてな。 韓国人や。 在日韓国人。 私もお父さんも。 あんたらも。 日本ではな韓国人言うたら、色眼鏡で見られるからな。 安田って言う名前使ってな。 ほんまはあんたは、安智明。 安和隆。 安壮介。 ほなしっかり勉強し」と母は言います。 行って来ますと言い、家をでる智明と壮介。 しかし和隆は玄関から外に出れません。 「こんなん嘘の名前や」と名札を落とす和隆。 智明が拾い、和隆の胸につけます。 「行くで」と言って玄関を出て行きます。 高校の屋上で本を読む和隆。 そこに湯浅浩二(濱田岳)がやって来て本を取り上げます。 「また難しそうなん読んで」と浩二は言います。 「なあ。 もう書き終わった?」と浩二。 「何を?」と和隆。 「何をって反省文やんか。 早く書いとき。 先生に目つけられんで」と浩二は言います。 「どうでもええわ」と和隆。 「あかんて。 医学部目指してんのやろ?」と浩二。 「どうしても行きたい訳ちゃうし」と和隆。 「2人で一緒に行こうって約束したやんか」と浩二。 「してへんわ」と和隆。 「してないな」と浩二は言います。 和隆の側を離れずいる浩二に「湯浅。 お前暇なんか?」と聞く和隆でした。 夕飯の時。 父・哲圭が「智明。 東京に戻る前になんぞ発表する事があるんとちゃうか?」と言います。 兄・智明(森山直太朗)が「お父さんと相談して原子力工学科に進む事に決めました」と話します。 「東大の中でも人気の学科でな。 2年までの成績がようないと受かれへんとこや。 そうやな?」と哲圭は言います。 「はい。 国の、いや世界の未来を左右する大事な学問です」と智明が説明します。 「世界の大舞台に立てる立派な学者になるんやぞ」と智明の肩を叩く哲圭。 「智明はこれで一安心や。 次は」と言って和隆を見る哲圭。 和隆は居心地が悪そうです。 その時電話が鳴りました。 哲圭は「お前らもしっかり勉強して、はよ自立せえよ。 誰にも頼らんと生きて行ける様になって初めて祖国に貢献できるんや。 ええな」と言います。 弟・壮介(上川周作)は「はい」と答えますが、和隆は小さな声で返事をします。 母・美里が和隆に電話だと言います。 和隆が出ると浩二からでした。 「俺、医学部あかんかもしれへん。 あかんわ。 もう」と言う浩二。 和隆は「湯浅、公園行かへん?」と誘います。 玄関で靴を履いていると、智明がやって来ました。 「今日のお父さんほんまに嬉しそうや。 俺には無理やねん。 お父さん喜ばすの」と和隆は言います。 「そんな事ないやろう」と智明は言います。 「智にいには分からへんよ。 韓国で研究者になるん?」と和隆は聞きます。 「在日は韓国で冷遇されるんや」と智明は言います。 「韓国でもやろ?」と言って和隆は出て行きます。 自転車を漕ぐ和隆。 浩二が待っているのに止まらず走り去ります。 後を追う浩二。 全力で自転車を漕ぐ2人。 公園に着くと自転車を放り投げ倒れ込みます。 「諦めるんまだ早いやろ。 病院継ぐんやって中学の時から張り切ってたやん」と和隆が言います。 「最近ずっと鉛筆握ってるから手がよく動かへんのや。 ここまでやって成績上がれへんのやったらもう限界や。 お前とは頭の出来が違うんやろな。 後な今日うちの患者さん亡くなって。 親父も落ち込んでもて夕方から出てったきりや。 精神科でも人の命預かってる事に変わりないんや。 そんな大変な仕事俺には出来へん。 体力もないしな。 色々考えて医学部は無理や」と浩二は話します。 「今日僕が読んでた本な。 永野良夫。 その人が書いてたんやけど理由がいっぱいあんのはないのとおんなじやって。 どれも決定的な理由やないからいっぱい並べるんやって。 自分を納得させる為に。 ほんまは諦めたないんとちゃうんか?手には湿布が効くで。 勉強しててな、手が動かへん様になったら湿布貼ってんねん」と和隆は言います。 浩二が帰ろうと言った時、和隆が「僕なほんまは安田ちゃうねん。 安って言う名前やねん。 在日韓国人や。 それで医学部や」と言います。 浩二は何かを思った様な表情で、「隙ありっ」と走り出します。 2人が自転車に乗ろうとした時「なぁなぁ。 どっちで呼んで欲しい?安田か。 安か」と浩二は聞きます。 「どっちも嫌いや。 自分が誰なんかまだよう分からへんねん。 そやけど嘘の名前使ってるって言う後ろめたさがない分、安の方がましやわ」と答えます。 「あっそや。 この間貸して貰ったレコード良かったわ。 お前ジャズピアノ好きなん?」と浩二は聞きます。 「うん。 大学入ったらいいやろ思ってんねん」と和隆は答えます。 「ジャズピアノ?そらモテるで。 よし2人で医学部入れたら一緒にジャズしようや」と浩二は言います。 「ごめんやけど1人でやらせて」と和隆は全力で自転車を漕ぎます。 1981年4月神戸。 ジャズ喫茶でピアノを弾く和隆。 サックスを吹く浩二。 浩二が喫茶のママ(濱田マリ)に演奏がどうだったかと聞きます。 「人の評価を気にしとう様ならまだまだやな」とママは言います。 和隆はカウンターに座り永野良夫の本を開きます。 「講義明日からやねん」と和隆は浩二に言います。 「いよいよ憧れの人に会えるな」と浩二は言います。 ママが尋ねると「永野教授言うて、精神学の偉い先生。 高校時代からその先生にゾッコンやねん」と浩二が答えます。 「医学博士で文学者やねん。 しかも人学者でな。 医者や患者から信頼されてる」と和隆は言います。 「そんな出来た人間おるんやろか?」とママは言います。 「僕もそれが知りたい」と和隆は言います。 和隆の部屋で浩二がくつろぎます。 沢山の本を見て浩二は実家に置かせてもらえばいいのにと言いますが、和隆は実家が事業を広げて家が急に豪邸になった為落ち着かないと言います。 永野良夫(近藤正臣)が講義をしています。 和隆は廊下で永野を呼び止めます。 「質問があります。 先生は寂しくないですか?先生の本を読みましたが、並外れた知性故に普通の人とは違う物を見ておられる様です。 例えば誰もが朝日に目を奪われている時、先生はその光が決して届かない海底の魚をご覧になっている。 先生が魚について議論したいと思ってもその魚が見えている者は他にいません。 自分を自分の考えを誰も分かってくれないと言うのはどの様な孤独でしょうか?」と尋ねます。 「どうも過大な評価をもらった様だ。 君、名前は?」と永野は尋ねます。 「安と言います」「安?」「不安の安です」と俯きながら和隆は答えました。 1人映画を見ている和隆。 見終わり席を立とうとすると1人の女性(尾野真千子)が声を掛けて来ました。 映画の真ん中辺りのセリフが何だったかと尋ねます。 和隆はちょうど電車が通って聞こえませんでしたと答えます。 すみませんでしたと女性は席を立ち歩いて行きました。 翌日、和隆が1人映画館に行くと声を掛けて来た女性が近くに座りました。 「昨日はどうも。 気になってしまって。 聞き逃したセリフ」と女性は言います。 映画が始まり同じ場面の聞き逃したセリフの所でまたも電車の音がして同じ部分が聞こえませんでした。 2人は笑ってしまいます。 2人は歩きながら映画館を出ます。 「まさか2日連続で聞き逃すとは」と女性は言います。 「縁がなかったと思う事にします」と和隆。 「諦めが早いんですね」と女性。 「よう言われます」と和隆。 「私は諦めが悪くって」 「それは羨ましいです。 色んな物を大事に思えるって事でしょう?僕は結局、心のどこかで全部どうでもええと思ってるんでしょうね。 こんなんやったらあかんと思うんですけど」と和隆は言います。 「でもここにおるから大丈夫です。 全部どうでもええと思っとう人は2回見たりしませんから」と女性は言います。 そうかと和隆が言うと「そうです。 その調子ですよ」と女性は笑顔で言います。 大学で1人ノートを取る和隆に永野が声を掛けます。 「ちょっと気になる事があってね。 私の講義を私より細かく丁寧に分かりやすく書いたノートが出回っているそうだ。 それを安ノートと言う。 君にはいつも驚かされるよ。 」と永野は言いながら作ったスパゲッティを差し出します。 食べながら話す2人。 永野は和隆に何処に進むつもりか尋ねます。 まだ決めてないと答える和隆。 歩道橋を歩く和隆はバス停に立つ女性に目をやります。 映画館で声を掛けて来た女性でした。 走る和隆。 慌てて同じバスに乗ります。 和隆は女性に声を掛けます。 「あの時のセリフまだ分からないままですか?」と尋ねると女性は、はいと答えます。 「いいんです。 私年取らない事に決めてますから。 原節子そう言うてました」と和隆が言うと「そうですか。 ありがとうございます」と笑顔で言う女性。 和隆は実家に戻ります。 父・哲圭が和隆にそろそろ専門を決める時期ではないのかと聞きます。 和隆は「専門はもう決めた。 精神科に進む事にした」と答えます。 「親に何の相談もなしにか?よりによって精神科の先生とはな。 そんな人に言いにくいよう分からん様な仕事」と哲圭は言います。 「そら、お父さんみたいな分かりやすい仕事とは違う。 人間の心って言う複雑な物を溶かして理解しようとするのが精神科医やねん。 スケジュール通りに人と会うてお金貰う仕事とはちゃうわ」と和隆は言います。 怒る哲圭。 「心なんかどうでもええ。 なんで智明みたいに世の中の為になろうとせーへんのや。 お前にはがっかりしたわ」と部屋を出て行く哲圭。 和隆は勇気を振り絞り父に初めて反抗しました。 ジャズバーでピアノを弾く和隆。 浩二も何かあったのかと心配します。 そこに映画館の女性がやって来て席に座ります。 和隆が弾き終わると拍手をする女性。 夜道を2人並んで歩きます。 「もうここで。 1人で帰れます」と女性は言います。 「あの、名前…聞いてもいいですか?」と和隆。 「嫌です。 自分の名前好きじゃなくて。 しゅうこって言うんです。 終りの子って書くんです。 安さんって呼ばれてましたね」と終子は言います。 「はい。 僕在日なんです」と和隆。 「私もです」と終子。 「子供の頃見てた世界ってもっと眩しくなかったですか?」と和隆は聞きます。 「そうですね。 でもまた明るくなる日もあるんちゃうかと思ってます」と終子。 終子を駅まで送る和隆。 駅に向かい歩いて行く終子に「終子さん」と和隆が大声で呼び止めます。 慌てて振り向く終子。 「もう2度と会われへんかも知れんから今言います。 終子さんってええ名前やと思います」と和隆は伝えます。 驚き和隆を見つめる終子です。 和隆は永野に精神科に進む事を伝えます。 「先生。 僕は世の中の役に立つ仕事をしようとは思いません。 ただ心が知りたいだけなんです。 人間の心が僕には何より大事で不思議で興味深い物に思えるんです。 そんな理由だけで精神科に進むのは間違いでしょうか?」と永野に聞きます。 「それでいいんじゃないでしょうか。 君がどんな精神科医になるか楽しみだ」と言って永野は笑います。 和隆は終子と海辺を歩きます。 海の向こうを見ながら和隆が「終子さんの実家あっちですね。 帰りたくなりませんか?」と言います。 何も答えない終子にすみませんと言う和隆。 「うち女の子ばっかり生まれたから私が生まれた時女の子はこれで終わりって言う願いを込めて名前つけられたんです。 それが終子。 この世にあんまり歓迎されてへん環境のスタートです」と終子が言うと、和隆は終子の手を取り歩き続けます。 笑顔で寄り添う終子。 和隆が患者さんを診ます。 なかなか椅子に座れない患者に「汚れが気になりますか?」と聞きます。 手にはビニールの手袋をはめた男性。 和隆は「周りの世界が汚いと思い始めたのはいつからですか?」と尋ねます。 「高校の時から」と答える男性。 家族構成を尋ねる和隆。 その診察を見た上司は「要領良く診察する事を覚えてや」と言います。 「流れ作業みたいな診察して患者さんの回復するきっかけ見逃したくないんです」と和隆は答えますが、やりにくいと言われてしまいます。 芝生の上で寝そべる和隆。 ソフトクリームを2つ持ちやってくる終子。 眠ってしまった和隆の隣で本を読む終子。 やがて和隆が目を覚まし「ごめん。 せっかくのデートやのに」と謝ります。 「大丈夫?うなされとった。 ほら、涙の跡」と終子が言います。 何でやろうと目をこする和隆。 終子は「充電してもええ?」と聞きます。 うんと和隆が言うと終子は和隆に抱きつきます。 背中に手を回す和隆。 そして和隆は終子に言います。 「終子。 100歳まで一緒に生きよう。 僕と結婚して下さい」と芝生の上で正座をして言う和隆。 終子も正座をし向かい合い頷き2人は笑顔になります。 2人の結婚パーティーがジャズ喫茶で行われました。 タキシードでピアノを弾く和隆の隣にドレスを来た終子が幸せそうな笑顔で座ります。 そして2人の間に子供が生まれました。 子供を抱き、「春子にしよか。 安春子」と和隆は言います。 そして1995年1月。 日報新聞大阪本社の谷村英人(趙珉和)が和隆を訪ねます。 和隆が雑誌に書いたエッセイを見たと話す谷村。 「難しい事を誰にでも分かる文章で書いているのが印象的でした」と言います。 話していると和隆は北林史也(朝香航大)に呼ばれます。 「昨日の急性アルコール中毒の患者さん退院するそうです。 精神科で受け入れたいと言いましたがベッドがいっぱいで帰ってもらうと」と言われます。 「あかんやん」と言い、和隆は走ります。 「安先生って34歳にして医局長なんですか?」と谷村は北林に聞きます。 「はい。 医局長やからって言うより優秀やから忙しいんやと思います。 難しい患者さんが全国から回されて来るんで」と北林は言います。 和隆は家族並んで眠りについています。 その日は1月17日火曜日 5時46分でした。 スポンサーリンク 『心の傷を癒すということ』1話のネタバレ感想 このドラマを観て思ったのは30年以上前は在日韓国人の人々はこんな思いをしながら日本で暮らしていたのかと思いました。 名前を変え悟られない様に生活する事、今では考えられないかも知れません。 今でも気付いていないだけでそんな事があるのかも知れないなと思いました。 和隆が浩二にどちらの名前で呼んで欲しいのかと聞かれた時、後ろめたさがないから安の方がましだと言いました。 子供の頃から気にしながら傷つきながらいたのかと思うと胸が痛みました。 和隆は浩二がいて救われたのかもしれません。 兄と比較されながらそれでも人の心を知りたいと精神科医の道に進むと決めた和隆に父は怒りましたが、自分の意思を貫き通して立派な医師になって家族も持って辛かった分良かったなと思いました。 そして25年前の1月17日。 私も関西に住んでいます。 神戸からは離れていますがあの日の事は今でもはっきりと覚えています。 傑作と大好評!今期一番の医療ドラマとの声も? 2020年の今、「在日コリアンの精神科医が阪神淡路大震災に直面するドラマ」を作ろうと決めて、丁寧に作り上げている作り手たちの意識が、まず信頼できる。 絶対とやかく言う「日本人」がいるだろうから、きちんと声を届けたいな。 やはり、作り手の「思想」が見えるのって大事。 桑原亮子さん脚本の作品、まだあまり多くないようだけど、平易な言葉しか使わない台詞を、必要最小限だけ積み重ねながらも、すごく多くのことを「語らせる」余白と腕力のある脚本だった。 — おなか HNamachiri 真面目な物語からおちゃらけた話まで今期は医療ドラマばかり。 そんな中で初回はこのドラマが一番じっくり見られた感じです。 扱うテーマもあまりないもので新鮮ですし。 そして来週あれが起こるわけですか。 辛くなる方がいらっしゃるかも知れません。 — あひる ahiru3298 安先生の心の変化、成長がしっかりと感じられる1話でしたね。 「不安の安です」と名乗っていた安和隆(柄本佑)が、「安心の安です」と名乗れるまでに成長していく姿を、生い立ちから丁寧に描かれていて没入感が高いと好評です。 物語はどんどん進み、2話では精神科医への道を見つけた安和隆(モデル・安克昌)が、まだ精神科医への理解が乏しい時代に、被災者とどう向き合っていくのか非常に興味深いです。 阪神淡路大震災25年。 見るのが辛い人もいるとは思いますが、NHKが様々な視点で当時を振り返り伝えていくということは意義があると感じますね。 『心の傷を癒すということ』2話のあらすじ 公式サイトが発表している『心の傷を癒すということ』2話のネタバレStory(あらすじ)は以下の通りです。 大地震が起きてすぐ、安和隆(柄本佑)は勤務先の病院に向かう。 そこで目にしたのは野戦病院さながらの光景だった。 自分の無力さを痛感した和隆は、避難所を回りながら、精神科医として自分にできることは何かを模索し続ける。 そんな中、旧知の新聞記者から「震災を内側から書いて欲しい」とコラムの連載の依頼を受け……。 心の傷に苦しむ被災者に寄り添う日々が続く一方、和隆の実家では父・哲圭(石橋凌)の事業が傾き始める。 nhk. html スポンサーリンク.
次のNHK総合テレビで2020年1月18日から全4話で放送されるドラマ 『心の傷を癒すということ』。 毎週土曜日の夜9時からの放送です。 主演は柄本佑さん。 自ら被災しながらも、阪神淡路大震災で被災者の心のケアに奔走した若き精神科医・安克昌さんをモデルに、彼が寄り添った被災者との心の絆を描きます。 39歳という若さで亡くなった安さんのご遺族の方への取材をもとにストーリーを構成し、フィクションとして今回ドラマになりました。 日本のPTSD(心的外傷後ストレス障害)研究の先駆者である安さんと、周囲の人々の心のふれあいと絆を、繊細に描くヒューマンドラマです。 この記事では、 ドラマ『心の傷を癒すということ』の最終回、第4話を見た人の感想や評価を集めています! また、見逃してしまった場合の無料動画視聴方法をご紹介! 最新話だけでなく、話数に関わらず全話無料で見られるお得な方法をご案内いたします。 新しい病院に移り、精神科医として理想の医療に燃える安和隆(柄本佑)。 そんな中、和隆にがんが発覚する。 仕事を中断して治療に専念するか、病を抱えながらも患者に向かい続けるか、選択を迫られる。 自然治癒率は500分の1。 幼い二人の子どもを抱えながら、身重の妻・終子(尾野真千子)と共に有効な治療法を探す和隆は、ついに「心のケア」の本質にたどり着く…。 神戸の復興も落ち着き、第三子である娘さんも生まれるこれからというときにです。 安先生は放射線や化学療法でのがん治療を止め、退院して、奥さんとお子さんと過ごす時間を選びます。 病気の痛みもある中ではありましたが、安先生とご家族が過ごす最後の楽しい時間ではなかったかと思います。 そして、第三子が生まれると同時に、安先生にも死期が訪れます。 もっと生きたかっただろうし、もっと生きていて欲しかったと思える存在でした。 安先生が無くなった後も、安先生の精神医学に関する書籍は医療関係者に広く読まれ、東日本大震災の際にも精神的なケアを行う医療従事者が読まれていたそうです。 安先生を演じられた柄本佑さん、奥さんの尾野真千子さんの演技には、自分が生きていることのありがたさや大切なパートナーとの時間を大事にしようと感じさせてくれる力がありました。 復興から5年、自身が癌であることを妊娠中の妻に伝えるのは大変つらいことと思います。 それを聞いた妻の衝撃は、大きかったことに間違いありません。 自ら治療法を選択されましたが、それは命を懸けた判断と思いました。。 精神科医として最後まで被災者や患者さんと真剣に向かった安先生が放った言葉に、「心のケアは誰も独りぼっちにさせないこと」とありました。 非常に心に残りました。 言われてみれば、確かにその通りだなと共感します。 妻を病院に見送った2日後に亡くなられましたが、亡くなる直前に第3子の顔をビデオカメラ越しに見れたのはまだ良かったのかなと思いました。 家族思いの心優しい安先生の功績は、非常に大きいと思います。 新たな職場でまた精神科医として心機一転患者さんと心の治療に向き合おうと意気込んでいた矢先の、まさかの安克昌自身が病気になるという展開は、結末やストーリーを知っててもやりきれないです。 誰に対しても優しく、素直で仕事熱心な安先生は震災のレポートで受賞したりと精神科医として確固たる地位を築いてきた、大いに報われるべき人物です。 そんな人物にもがんという病が襲ってくる現実の恐ろしさ、不公平さに失望しました。 それでも気丈な克昌は妻や周囲の人の協力を受けながら病と闘うだけでなく、並行して子供のためのカウンセリング施設を作ったりと最後まで精神科医としての仕事・役割を全うしました。 その生き方や功績に多大なる感謝と尊敬の念を抱きました。 こういった人物が献身的に被災現場や病院で患者のために奔走してくれたからこそ、心の病という抽象的なものが広く一般化する功績になったんだと思いました。 『心の傷を癒すということ』の見逃し配信を見る方法色々。 それでは、ドラマ『心の傷を癒すということ』の動画視聴方法についてご紹介していきましょう! 『心の傷を癒すということ』を、あなたが一番お得に観られる方法をご紹介していきますよ。 NHKオンデマンドは無料ではありません。 NHKドラマの見逃し配信と聞いて思い浮かぶのが、NHKオンデマンドだと思います。 もちろん、『心の傷を癒すということ』はNHKオンデマンドで見逃し動画が配信されています。 通常NHKオンデマンドでは無料視聴が少ないなか、『心の傷を癒すということ』は2週間の見逃し配信が予定されています。 もちろん、この配信期間を過ぎてしまったものは有料で視聴するしかありません。 単品購入で視聴するか、見放題パック990円への加入が必要です。 できれば見逃した放送分くらいは無料で見たいと思いますよね…? YouTube、Pandra、Dairymotionで視聴可能? それでは、他に無料で視聴できるサイトはあるのでしょうか? たとえばYouTubeやPandra(パンドラ)、Dailymotion…といった動画共有サイトをくまなく探せばアップロードされた動画もあるかもしれません。 ただし結論から言うと、 これらのサイトにアップロードされている動画を視聴することはおすすめできません。 テレビや映画などの映像作品を許可なくアップロードすることは当然違法ですが(過去には逮捕者も出ています)、アップロードされた動画を視聴するだけでも罪に問われる可能性があります。 またわざわざ法を犯してまでアップロードするのは、当然アップロードする立場の人間にもメリットがあるからです。 たとえばウイルスを仕込んで動画を視聴している人のPCやスマホを知らずに乗っ取ったり、情報を抜き取ったり…といった危険に晒されることだってあるんです。 ですからこうした違法アップロード動画のあるサイトは、無料だからと言って安易に利用しないようにしましょう。 『心の傷を癒すということ』はU-NEXTで配信中! では、NHKオンデマンドでは有料視聴だし、危険アップロード作品は避けたい場合、『心の傷を癒すということ』を合法的に無料で視聴したい場合はどうしたらいいのか!? 実は、ドラマ『心の傷を癒すということ』は、動画配信サービス『U-NEXT』で配信されているんです! しかも通常 月額1,990円かかるところ、現在は 31日間無料トライアルを実施中! 無料期間中に解約してしまえば月額費はかからず無料で楽しむことができちゃうんです! もちろん、期間内の解約においてペナルティや違約金はありませんのでご安心を。 ただし、現在『心の傷を癒すということ』は見放題作品ではなく、1話ごとの個別課金制で1話あたり220円かかります。 でも、がっかりする必要はありません! U-NEXTは 初回登録時に1ポイント=1円相当として使えるポイントを600ポイント貰うことができます。 ですからこの ポイントを作品視聴にあてれば、2話分は実質無料で視聴できるというわけ! 繰り返しになりますが、U-NEXTには31日間の無料期間がありますから、 ポイント消費後は期間内に解約すれば料金は一切発生しません。
次の失ったものはあまりに大きくそれを取り戻すことはできない。 例えば病気になる事、例えば人が死ぬ事、戦争も貧困も災害もそうや。 この世界は人の心を傷つけるもんで溢れている。 人の苦しみをさっと拭い去る事が出来たらどんなにええやろうと思う。 でもそれは出来へん。 神様とちゃうから。 人間には出来へん。 ほとんど何も。 それでも僕に出来る事は何やろう。 和隆は思います。 勉強する兄弟3人。 1番下の弟壮介は「和にい凄いな」と言います。 すると和隆は壮介に「しっ。 智にいの邪魔したらあかん」と言います。 和隆は勉強をしているのではなく船の絵を書いていました。 その船の説明を壮介にする和隆。 そこに母・安田美里(キムラ緑子)がやって来ます。 「和隆、宿題は?」と聞きます。 「もう終わった」と答える和隆。 「お父さん帰って来はる前に片付けや」と言う美里。 化粧台の前で化粧を済ませた美里は部屋から出て行きます。 すると智明が和隆に「和隆。 あの引き出し開けた事ある?」と母の化粧台を見て言います。 ないと答える和隆。 開けてみる様、智明は言います。 開けた時、玄関のチャイムが鳴り3人は慌てて玄関の方に向かいます。 引き出しを開けたまま。 父・安田哲圭(石橋凌)が帰って来ました。 全員で出迎えます。 鞄を持っている部下に「ありがとうございました」と言う美里。 父・哲圭は「風呂」と一言。 美里は「沸いてます」と答えます。 引き出しの中を見ている3人。 和隆は「何かあるん?」と智明に聞きます。 引き出しの中を触る智明。 母の外国人登録証の様でした。 そこには安田美里と朴美里の2つの名前と国籍が韓国と書かれていました。 和隆の家の表札には安田と書かれています。 壮介は母に聞きます。 「お母さん。 韓国人なん?」 驚く美里。 「僕が見つけてしもてん。 外国人登録証」と智明が言います。 「そう。 分かった。 よう聞いてな。 韓国人や。 在日韓国人。 私もお父さんも。 あんたらも。 日本ではな韓国人言うたら、色眼鏡で見られるからな。 安田って言う名前使ってな。 ほんまはあんたは、安智明。 安和隆。 安壮介。 ほなしっかり勉強し」と母は言います。 行って来ますと言い、家をでる智明と壮介。 しかし和隆は玄関から外に出れません。 「こんなん嘘の名前や」と名札を落とす和隆。 智明が拾い、和隆の胸につけます。 「行くで」と言って玄関を出て行きます。 高校の屋上で本を読む和隆。 そこに湯浅浩二(濱田岳)がやって来て本を取り上げます。 「また難しそうなん読んで」と浩二は言います。 「なあ。 もう書き終わった?」と浩二。 「何を?」と和隆。 「何をって反省文やんか。 早く書いとき。 先生に目つけられんで」と浩二は言います。 「どうでもええわ」と和隆。 「あかんて。 医学部目指してんのやろ?」と浩二。 「どうしても行きたい訳ちゃうし」と和隆。 「2人で一緒に行こうって約束したやんか」と浩二。 「してへんわ」と和隆。 「してないな」と浩二は言います。 和隆の側を離れずいる浩二に「湯浅。 お前暇なんか?」と聞く和隆でした。 夕飯の時。 父・哲圭が「智明。 東京に戻る前になんぞ発表する事があるんとちゃうか?」と言います。 兄・智明(森山直太朗)が「お父さんと相談して原子力工学科に進む事に決めました」と話します。 「東大の中でも人気の学科でな。 2年までの成績がようないと受かれへんとこや。 そうやな?」と哲圭は言います。 「はい。 国の、いや世界の未来を左右する大事な学問です」と智明が説明します。 「世界の大舞台に立てる立派な学者になるんやぞ」と智明の肩を叩く哲圭。 「智明はこれで一安心や。 次は」と言って和隆を見る哲圭。 和隆は居心地が悪そうです。 その時電話が鳴りました。 哲圭は「お前らもしっかり勉強して、はよ自立せえよ。 誰にも頼らんと生きて行ける様になって初めて祖国に貢献できるんや。 ええな」と言います。 弟・壮介(上川周作)は「はい」と答えますが、和隆は小さな声で返事をします。 母・美里が和隆に電話だと言います。 和隆が出ると浩二からでした。 「俺、医学部あかんかもしれへん。 あかんわ。 もう」と言う浩二。 和隆は「湯浅、公園行かへん?」と誘います。 玄関で靴を履いていると、智明がやって来ました。 「今日のお父さんほんまに嬉しそうや。 俺には無理やねん。 お父さん喜ばすの」と和隆は言います。 「そんな事ないやろう」と智明は言います。 「智にいには分からへんよ。 韓国で研究者になるん?」と和隆は聞きます。 「在日は韓国で冷遇されるんや」と智明は言います。 「韓国でもやろ?」と言って和隆は出て行きます。 自転車を漕ぐ和隆。 浩二が待っているのに止まらず走り去ります。 後を追う浩二。 全力で自転車を漕ぐ2人。 公園に着くと自転車を放り投げ倒れ込みます。 「諦めるんまだ早いやろ。 病院継ぐんやって中学の時から張り切ってたやん」と和隆が言います。 「最近ずっと鉛筆握ってるから手がよく動かへんのや。 ここまでやって成績上がれへんのやったらもう限界や。 お前とは頭の出来が違うんやろな。 後な今日うちの患者さん亡くなって。 親父も落ち込んでもて夕方から出てったきりや。 精神科でも人の命預かってる事に変わりないんや。 そんな大変な仕事俺には出来へん。 体力もないしな。 色々考えて医学部は無理や」と浩二は話します。 「今日僕が読んでた本な。 永野良夫。 その人が書いてたんやけど理由がいっぱいあんのはないのとおんなじやって。 どれも決定的な理由やないからいっぱい並べるんやって。 自分を納得させる為に。 ほんまは諦めたないんとちゃうんか?手には湿布が効くで。 勉強しててな、手が動かへん様になったら湿布貼ってんねん」と和隆は言います。 浩二が帰ろうと言った時、和隆が「僕なほんまは安田ちゃうねん。 安って言う名前やねん。 在日韓国人や。 それで医学部や」と言います。 浩二は何かを思った様な表情で、「隙ありっ」と走り出します。 2人が自転車に乗ろうとした時「なぁなぁ。 どっちで呼んで欲しい?安田か。 安か」と浩二は聞きます。 「どっちも嫌いや。 自分が誰なんかまだよう分からへんねん。 そやけど嘘の名前使ってるって言う後ろめたさがない分、安の方がましやわ」と答えます。 「あっそや。 この間貸して貰ったレコード良かったわ。 お前ジャズピアノ好きなん?」と浩二は聞きます。 「うん。 大学入ったらいいやろ思ってんねん」と和隆は答えます。 「ジャズピアノ?そらモテるで。 よし2人で医学部入れたら一緒にジャズしようや」と浩二は言います。 「ごめんやけど1人でやらせて」と和隆は全力で自転車を漕ぎます。 1981年4月神戸。 ジャズ喫茶でピアノを弾く和隆。 サックスを吹く浩二。 浩二が喫茶のママ(濱田マリ)に演奏がどうだったかと聞きます。 「人の評価を気にしとう様ならまだまだやな」とママは言います。 和隆はカウンターに座り永野良夫の本を開きます。 「講義明日からやねん」と和隆は浩二に言います。 「いよいよ憧れの人に会えるな」と浩二は言います。 ママが尋ねると「永野教授言うて、精神学の偉い先生。 高校時代からその先生にゾッコンやねん」と浩二が答えます。 「医学博士で文学者やねん。 しかも人学者でな。 医者や患者から信頼されてる」と和隆は言います。 「そんな出来た人間おるんやろか?」とママは言います。 「僕もそれが知りたい」と和隆は言います。 和隆の部屋で浩二がくつろぎます。 沢山の本を見て浩二は実家に置かせてもらえばいいのにと言いますが、和隆は実家が事業を広げて家が急に豪邸になった為落ち着かないと言います。 永野良夫(近藤正臣)が講義をしています。 和隆は廊下で永野を呼び止めます。 「質問があります。 先生は寂しくないですか?先生の本を読みましたが、並外れた知性故に普通の人とは違う物を見ておられる様です。 例えば誰もが朝日に目を奪われている時、先生はその光が決して届かない海底の魚をご覧になっている。 先生が魚について議論したいと思ってもその魚が見えている者は他にいません。 自分を自分の考えを誰も分かってくれないと言うのはどの様な孤独でしょうか?」と尋ねます。 「どうも過大な評価をもらった様だ。 君、名前は?」と永野は尋ねます。 「安と言います」「安?」「不安の安です」と俯きながら和隆は答えました。 1人映画を見ている和隆。 見終わり席を立とうとすると1人の女性(尾野真千子)が声を掛けて来ました。 映画の真ん中辺りのセリフが何だったかと尋ねます。 和隆はちょうど電車が通って聞こえませんでしたと答えます。 すみませんでしたと女性は席を立ち歩いて行きました。 翌日、和隆が1人映画館に行くと声を掛けて来た女性が近くに座りました。 「昨日はどうも。 気になってしまって。 聞き逃したセリフ」と女性は言います。 映画が始まり同じ場面の聞き逃したセリフの所でまたも電車の音がして同じ部分が聞こえませんでした。 2人は笑ってしまいます。 2人は歩きながら映画館を出ます。 「まさか2日連続で聞き逃すとは」と女性は言います。 「縁がなかったと思う事にします」と和隆。 「諦めが早いんですね」と女性。 「よう言われます」と和隆。 「私は諦めが悪くって」 「それは羨ましいです。 色んな物を大事に思えるって事でしょう?僕は結局、心のどこかで全部どうでもええと思ってるんでしょうね。 こんなんやったらあかんと思うんですけど」と和隆は言います。 「でもここにおるから大丈夫です。 全部どうでもええと思っとう人は2回見たりしませんから」と女性は言います。 そうかと和隆が言うと「そうです。 その調子ですよ」と女性は笑顔で言います。 大学で1人ノートを取る和隆に永野が声を掛けます。 「ちょっと気になる事があってね。 私の講義を私より細かく丁寧に分かりやすく書いたノートが出回っているそうだ。 それを安ノートと言う。 君にはいつも驚かされるよ。 」と永野は言いながら作ったスパゲッティを差し出します。 食べながら話す2人。 永野は和隆に何処に進むつもりか尋ねます。 まだ決めてないと答える和隆。 歩道橋を歩く和隆はバス停に立つ女性に目をやります。 映画館で声を掛けて来た女性でした。 走る和隆。 慌てて同じバスに乗ります。 和隆は女性に声を掛けます。 「あの時のセリフまだ分からないままですか?」と尋ねると女性は、はいと答えます。 「いいんです。 私年取らない事に決めてますから。 原節子そう言うてました」と和隆が言うと「そうですか。 ありがとうございます」と笑顔で言う女性。 和隆は実家に戻ります。 父・哲圭が和隆にそろそろ専門を決める時期ではないのかと聞きます。 和隆は「専門はもう決めた。 精神科に進む事にした」と答えます。 「親に何の相談もなしにか?よりによって精神科の先生とはな。 そんな人に言いにくいよう分からん様な仕事」と哲圭は言います。 「そら、お父さんみたいな分かりやすい仕事とは違う。 人間の心って言う複雑な物を溶かして理解しようとするのが精神科医やねん。 スケジュール通りに人と会うてお金貰う仕事とはちゃうわ」と和隆は言います。 怒る哲圭。 「心なんかどうでもええ。 なんで智明みたいに世の中の為になろうとせーへんのや。 お前にはがっかりしたわ」と部屋を出て行く哲圭。 和隆は勇気を振り絞り父に初めて反抗しました。 ジャズバーでピアノを弾く和隆。 浩二も何かあったのかと心配します。 そこに映画館の女性がやって来て席に座ります。 和隆が弾き終わると拍手をする女性。 夜道を2人並んで歩きます。 「もうここで。 1人で帰れます」と女性は言います。 「あの、名前…聞いてもいいですか?」と和隆。 「嫌です。 自分の名前好きじゃなくて。 しゅうこって言うんです。 終りの子って書くんです。 安さんって呼ばれてましたね」と終子は言います。 「はい。 僕在日なんです」と和隆。 「私もです」と終子。 「子供の頃見てた世界ってもっと眩しくなかったですか?」と和隆は聞きます。 「そうですね。 でもまた明るくなる日もあるんちゃうかと思ってます」と終子。 終子を駅まで送る和隆。 駅に向かい歩いて行く終子に「終子さん」と和隆が大声で呼び止めます。 慌てて振り向く終子。 「もう2度と会われへんかも知れんから今言います。 終子さんってええ名前やと思います」と和隆は伝えます。 驚き和隆を見つめる終子です。 和隆は永野に精神科に進む事を伝えます。 「先生。 僕は世の中の役に立つ仕事をしようとは思いません。 ただ心が知りたいだけなんです。 人間の心が僕には何より大事で不思議で興味深い物に思えるんです。 そんな理由だけで精神科に進むのは間違いでしょうか?」と永野に聞きます。 「それでいいんじゃないでしょうか。 君がどんな精神科医になるか楽しみだ」と言って永野は笑います。 和隆は終子と海辺を歩きます。 海の向こうを見ながら和隆が「終子さんの実家あっちですね。 帰りたくなりませんか?」と言います。 何も答えない終子にすみませんと言う和隆。 「うち女の子ばっかり生まれたから私が生まれた時女の子はこれで終わりって言う願いを込めて名前つけられたんです。 それが終子。 この世にあんまり歓迎されてへん環境のスタートです」と終子が言うと、和隆は終子の手を取り歩き続けます。 笑顔で寄り添う終子。 和隆が患者さんを診ます。 なかなか椅子に座れない患者に「汚れが気になりますか?」と聞きます。 手にはビニールの手袋をはめた男性。 和隆は「周りの世界が汚いと思い始めたのはいつからですか?」と尋ねます。 「高校の時から」と答える男性。 家族構成を尋ねる和隆。 その診察を見た上司は「要領良く診察する事を覚えてや」と言います。 「流れ作業みたいな診察して患者さんの回復するきっかけ見逃したくないんです」と和隆は答えますが、やりにくいと言われてしまいます。 芝生の上で寝そべる和隆。 ソフトクリームを2つ持ちやってくる終子。 眠ってしまった和隆の隣で本を読む終子。 やがて和隆が目を覚まし「ごめん。 せっかくのデートやのに」と謝ります。 「大丈夫?うなされとった。 ほら、涙の跡」と終子が言います。 何でやろうと目をこする和隆。 終子は「充電してもええ?」と聞きます。 うんと和隆が言うと終子は和隆に抱きつきます。 背中に手を回す和隆。 そして和隆は終子に言います。 「終子。 100歳まで一緒に生きよう。 僕と結婚して下さい」と芝生の上で正座をして言う和隆。 終子も正座をし向かい合い頷き2人は笑顔になります。 2人の結婚パーティーがジャズ喫茶で行われました。 タキシードでピアノを弾く和隆の隣にドレスを来た終子が幸せそうな笑顔で座ります。 そして2人の間に子供が生まれました。 子供を抱き、「春子にしよか。 安春子」と和隆は言います。 そして1995年1月。 日報新聞大阪本社の谷村英人(趙珉和)が和隆を訪ねます。 和隆が雑誌に書いたエッセイを見たと話す谷村。 「難しい事を誰にでも分かる文章で書いているのが印象的でした」と言います。 話していると和隆は北林史也(朝香航大)に呼ばれます。 「昨日の急性アルコール中毒の患者さん退院するそうです。 精神科で受け入れたいと言いましたがベッドがいっぱいで帰ってもらうと」と言われます。 「あかんやん」と言い、和隆は走ります。 「安先生って34歳にして医局長なんですか?」と谷村は北林に聞きます。 「はい。 医局長やからって言うより優秀やから忙しいんやと思います。 難しい患者さんが全国から回されて来るんで」と北林は言います。 和隆は家族並んで眠りについています。 その日は1月17日火曜日 5時46分でした。 スポンサーリンク 『心の傷を癒すということ』1話のネタバレ感想 このドラマを観て思ったのは30年以上前は在日韓国人の人々はこんな思いをしながら日本で暮らしていたのかと思いました。 名前を変え悟られない様に生活する事、今では考えられないかも知れません。 今でも気付いていないだけでそんな事があるのかも知れないなと思いました。 和隆が浩二にどちらの名前で呼んで欲しいのかと聞かれた時、後ろめたさがないから安の方がましだと言いました。 子供の頃から気にしながら傷つきながらいたのかと思うと胸が痛みました。 和隆は浩二がいて救われたのかもしれません。 兄と比較されながらそれでも人の心を知りたいと精神科医の道に進むと決めた和隆に父は怒りましたが、自分の意思を貫き通して立派な医師になって家族も持って辛かった分良かったなと思いました。 そして25年前の1月17日。 私も関西に住んでいます。 神戸からは離れていますがあの日の事は今でもはっきりと覚えています。 傑作と大好評!今期一番の医療ドラマとの声も? 2020年の今、「在日コリアンの精神科医が阪神淡路大震災に直面するドラマ」を作ろうと決めて、丁寧に作り上げている作り手たちの意識が、まず信頼できる。 絶対とやかく言う「日本人」がいるだろうから、きちんと声を届けたいな。 やはり、作り手の「思想」が見えるのって大事。 桑原亮子さん脚本の作品、まだあまり多くないようだけど、平易な言葉しか使わない台詞を、必要最小限だけ積み重ねながらも、すごく多くのことを「語らせる」余白と腕力のある脚本だった。 — おなか HNamachiri 真面目な物語からおちゃらけた話まで今期は医療ドラマばかり。 そんな中で初回はこのドラマが一番じっくり見られた感じです。 扱うテーマもあまりないもので新鮮ですし。 そして来週あれが起こるわけですか。 辛くなる方がいらっしゃるかも知れません。 — あひる ahiru3298 安先生の心の変化、成長がしっかりと感じられる1話でしたね。 「不安の安です」と名乗っていた安和隆(柄本佑)が、「安心の安です」と名乗れるまでに成長していく姿を、生い立ちから丁寧に描かれていて没入感が高いと好評です。 物語はどんどん進み、2話では精神科医への道を見つけた安和隆(モデル・安克昌)が、まだ精神科医への理解が乏しい時代に、被災者とどう向き合っていくのか非常に興味深いです。 阪神淡路大震災25年。 見るのが辛い人もいるとは思いますが、NHKが様々な視点で当時を振り返り伝えていくということは意義があると感じますね。 『心の傷を癒すということ』2話のあらすじ 公式サイトが発表している『心の傷を癒すということ』2話のネタバレStory(あらすじ)は以下の通りです。 大地震が起きてすぐ、安和隆(柄本佑)は勤務先の病院に向かう。 そこで目にしたのは野戦病院さながらの光景だった。 自分の無力さを痛感した和隆は、避難所を回りながら、精神科医として自分にできることは何かを模索し続ける。 そんな中、旧知の新聞記者から「震災を内側から書いて欲しい」とコラムの連載の依頼を受け……。 心の傷に苦しむ被災者に寄り添う日々が続く一方、和隆の実家では父・哲圭(石橋凌)の事業が傾き始める。 nhk. html スポンサーリンク.
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