コンテンツ• ドゥリヨーダナ|美女ドラウパディーを奪った100王子の長子 古代インド北部のクル族の王の家系に産まれました。 父はクル族4代目の王ドリタラーシュトラで、母はガーンダーリーです。 父親のドリタラーシュトラは盲目だったので王位は一旦彼の弟パードゥが継ぎました。 母のガーンダーリーは2年間も身ごもっていたので、いい加減嫌になったのでしょう、ついに自分の大きな腹を叩いてしまいました。 すると出てきたのは子どもではなく、肉の塊だったのです。 肉の塊だったというドゥリヨーダナですが、人間です。 彼女にとって義父にあたるドリタラーシュトラの父、聖仙ヴィヤーサはその肉塊を100個に切り分けます。 すると一つ一つの肉から100人の男子が産まれたのです。 100人の男子のうち、長子がドゥリヨーダナですが、彼が誕生したとき、宮廷の外では動物が泣き騒いだため、不吉な兆しと噂されたそうです。 後から考えれば、ドゥリヨーダナの暗い運命が予告されていたようにも思えます。 さて、王となった伯父のパーンドゥが早くに亡くなってしまったので、父ドリタラーシュトラが盲目ながらも王位を継ぐことになりました。 パーンドゥには5人の王子(パーンダヴァ)がいました。 ドリタラーシュトラは父を亡くした甥っ子達を引き取り自分の子どもたちと分け隔てなく養育したのです。 ドゥリヨーダナは従兄弟のユディシュティラやアルジュナ達と一緒に成長しました。 ところがパーンダヴァの5王子は100王子(カウラヴァ)よりずっと優秀だったのです。 誰が見ても王位にふさわしいのはパーンドゥの方でした。 ドリタラーシュトラは父としての情より王としての責任を重視し、自分の後継ぎにはドゥリヨーダナではなく、5王子の長子ユディシュティラを指名したのです。 普段から優秀な従兄弟達に嫉妬心と競争心を抱いていたドゥリヨーダナは彼らを暗殺しようと動きます。 幸い失敗しましたが、父のドリタラーシュトラは心を痛め、国を半分に分け、カウラヴァとパーンダヴァの国を別にしたのです。 別名:バーラタ、スヨーダナ 【バラタ族】を意味するバーラタという別名はバラタ王という伝説の王の子孫であるという証です。 また【スヨーダナ】には【公明正大な戦士】という意味があるそうです。 マハーバーラタを読むと「名前負け」と思ってしまいますが。 悲劇の同族戦争 父ドリタラーシュトラの心遣いも空しく、ドゥリヨーダナのパーンダヴァへの嫉妬心は募るばかりでした。 与えられた領土インドラプラスタを見事に統治し、繁栄させたユディシュティラ達は即位式にドゥリヨーダナを招待します。 堂々とした従兄弟の姿と傍らに立つ絶世の美女ドラウパディーを見た彼は奸計を巡らし、イカサマ賭博によってパーンダヴァの領土とドラウパディーを取り上げてしまいます。 画像出典:ウィキペディア そして従兄弟達を13年間追放したのでした。 ちなみにこのドラウパディーは5王子共通の妻となっていました。 13年後無事帰還したパーンダヴァは領土の返還を求めますが、ドゥリヨーダナは突っぱねました。 元々返す気などなかったのです。 約束不履行に怒るパーンダヴァ。 クル族内部も二つの陣営に割れて争うようになりました。 そして、遂にカウラヴァ対パーンダヴァの戦争が始まってしまったのです。 元々は同族で従兄弟同士の二つの陣営です。 力も拮抗していたのでしょう。 両軍ともに一歩も引かずよく戦ったのですが、パーンダヴァ側にはヴィシュヌの化身であるクリシュナがいて力強い味方となっていました。 カウラヴァ軍はこのクリシュナの策にはまり続け、一族の長老であった司令官ビーシュマと賢明な軍師ドローナを失いました。 そして一番の勇士と名高いカルナもパーンダヴァ一の勇士アルジュナとの戦いで命を落としたのです。 カウラヴァ軍の敗北は決定的でした。 戦いの結末は大将同士の一騎打ちでした。 パーンダヴァの長子ユディシュティラの申し出を受けたドゥリヨーダナの前に立ちふさがったのは5王子中一番勇敢で猪突猛進タイプの次男ビーマでした。 彼はドラウパディーを「奴隷女」と侮辱したドゥリヨーダナに対する憎しみを膨らませていたのです。 ビーマとドゥリヨーダナは棍棒で打ち合います。 激しい応酬の末、力で勝っていたビーマはドゥリヨーダナを殴り殺しました。 仮にも王であった者にしては屈辱的な死に方でした。 ドゥリヨーダナ まとめ 国王の長子として産まれたドゥリヨーダナは当然自分が時代の国王と思っていたことでしょう。 優秀な従兄弟に気圧されながらも「自分は国王の息子だ」というプライドで気持ちを抑えていたのだろうと推測します。 ところがいきなり自分ではなく従兄弟に王位を…と言われたら驚きますし、父親を怨みもしますし、当の従兄弟への憎しみは言いようのないものがあったでしょう。 だからと言って卑怯な手で恨みを買い、結局自分も一族も滅ばす羽目になったのは自業自得とばかりは言えない気がします。 戦争にまでならなくても、ドゥリヨーダナのような不満を抱えている人間は現代も多いでしょう。 そう考えると、このキャラクターが一番現代人に近い性格なのではないかと思われるのです。 最後まで読んでくださってありがとうございます。 マイベスト漫画は何と言っても山岸凉子の『日出処の天子』連載初回に心臓わしづかみにされました。 「なんでなんで聖徳太子が、1万円札が、こんな妖しい美少年に!?」などと興奮しつつ毎月雑誌を購入して読みふけりました。 (当時の万札は聖徳太子だったのですよ、念のため) もともと歴史が好きだったので、興味は日本史からシルクロード、三国志、ヨーロッパ、世界史へと展開。 その流れでギリシャ神話にもドはまりして、本やら漫画を集めたり…それが今に役立ってるのかな?と思ってます。 現在、欠かさず読んでいるのが『龍帥の翼』。 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』は有名ですが、劉邦の軍師となった張良が主役の漫画です。 頭が切れるのに、病弱で美形という少女漫画のようなキャラですが、史実ですからね。 マニアックな人間ですが、これからもよろしくお願いします。
次のドルパダに兄を紹介するウプヤズ(Upyaz)。 プリシャタの息子であるドルパダとはともに、ドローナの父でありの ()のもとで学んだ。 2人は親友となり、ドルパダはいずれ王となったときにはドローナに王国の半分を与えると請け負った。 やがて父が他界しドルパダが王位に就いたころ、一方でドローナは貧困に喘いでいた。 息子に食わせてやることもできずに、ドローナはドルパダに相談にいく。 しかしドルパダはそのころには身分の違いを自覚しており、ドローナとの関係を否認、彼を乞食とさげすみ冷たくあしらった。 ドローナは後にの息子たちと ()の教育係としてに雇われる。 との軍事教育を終えると、この王子たちに () 謝礼 としてドルパダを打ち倒し、捕らえてきてほしいと頼む。 アルジュナの指揮のもとパーンダヴァはドルパダを打ち負かし、縄で縛り上げてドローナの前までつれてきた。 ドローナはドルパダを逃がしてやるが、かつて交わした約束の通りに王国の半分を自分のものとした。 ドルパダはこの屈辱をそそごうと復讐を誓う。 しかしドローナには適わないと悟り、ドルパダはドローナを殺すことのできる息子をこしらえようと ()(に近いの儀式)を行う。 ヤジナの火の中からとが生まれた。 数年後、の戦いでドリシュタデュムナはドローナの首を切り落とした。 ドラウパディーのスヴァヤンヴァラ [ ] パンチャーラ国の姫、ドラウパディーのスヴァヤンヴァラ。 ドルパダは娘、のために ()(婿選び)を執り行った。 招待された婿候補の王子たちには巨大な弓を引き、5本の矢を同時に放ち、遠くの的に据えられた回転する輪の中を通すという試験が課せられた。 がドラウパディーによって拒絶されると、つづいて挑戦したアルジュナがこのこの神業を見事こなして見せる。 そしてドルパダはアルジュナを義理の息子として受け入れた。 アルジュナがドラウパディーを母のもとへつれて帰ると、母は彼女の息子たちに得たものは何であれ兄弟で等しくわけよ、と指示する。 ドルパダの宮殿にて母に従うべきか、5人の夫を持つことは正当なことか議論された。 リシ、がクンティの提案を支持すると結婚が認められた。 家族 [ ] ドルパダにはドリシュタデュムナの他に11人の息子がいた。 名前はそれぞれサチャジット(Satyajit)、((シカンディンはもとは女として生まれていて、かつてはビーシュマを恨んでいたカシ(Kashi)の娘だった。 )、ウッタマウジャ(Uttamauja)、クマル(Kumar)、ユダマニュ(Yudhamanyu)、ヴリカ(Vrika)、パンチャリヤ(Panchalya)、スラタ(Suratha)、シャトルンジャヤ(Shatrunjaya)、ジャナメジャヤ(Janamejaya)。 彼らのほとんどはマハーバーラタの戦いで死んでいる。 ドリシュタデュムナ、シカンディン、ユダマニュ、ウッタマウジャは戦争の最終日にに殺されている。 クルクシェートラの戦いでの役割 [ ] ドルパダはの一員としてクルクシェートラの戦いに参加した。 彼はマハーラティ(Maharathi、72万人の働きをする戦士)だった。 ドルパダは戦いの15日目に ()とともにドローナと戦い、ドローナによってヴィラタとともに殺された。 参考文献 [ ] []• spokensanskrit. 2015年5月20日閲覧。 sacred-texts. com. 2015年5月20日閲覧。 urday. 2014年3月10日時点のよりアーカイブ。 2015年5月20日閲覧。 Sargeant, Winthrop; Smith, Huston 2009. SUNY Press. Bonnefoy, Yves 1993. University of Chicago Press. Kapoor, Subodh 2002. Cosmo Publications. 6894. urday. 2014年5月31日時点のよりアーカイブ。 2015年5月20日閲覧。 Ganguli, K. 2014. Netlancers Inc. 2015年5月20日閲覧。
次のの子ら、という意味。 、、、、を指す。 いずれも武術に秀で、絶世の美女を共通の妻とする。 形式的にはパーンドゥの子供とされるが、実際は王妃たちが神々との間に生んだ子供である。 というのは、パーンドゥは呪いのために女性に近づくことができなかったため、王妃たちは特別な手段で子を産まねばならなかったのである。 最初の3人を第1王妃が正義と法の神、風神、雷神との間に生み、後の2人を第2王妃 ()が医術の神との間に生んだ。 クンティーは、パーンドゥとの結婚以前、太陽神との間にを生んでいたので、パーンダヴァとカルナは実は異父兄弟である。 パーンドゥの死後、5兄弟は父の兄弟である盲目王 ()のもとで彼の子・をはじめとするらとともに武芸に励む。 しかしの花婿選びなどをきっかけとしてパーンダヴァとカウラヴァとの因縁が語られる。 5兄弟を怨んだドゥルヨーダナの策略によってすべての財産を奪われたパーンダヴァは12年間王国を追放され、後に王国の回復を求めてカウラヴァと敵対する。 この対立が『マハーバーラタ』の中心的主題となっている。 なお、これらパーンダヴァを中心とする『マハーバーラタ』の主要な登場人物は、『』にさえみられない最古の体系を反映していることが、のや、のらによって確認されている。 ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。
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