ミナ ペルホネン テキスタイル。 春の「piece,」、登場。

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」 へ

ミナ ペルホネン テキスタイル

写真 田中景子 ミナ ペルホネン テキスタイルデザイナー 文 四葉の写真 田原あゆみ 皆川さんはデザイナーという職業をしているが、私が持っていたその職業に対する概念に収まらない人だ。 一人の人間の中に、一体どれだけの才能と可能性が眠っているのだろうか。 皆川さんの仕事に触れるたびに、私はそのことを感じてわくわくする。 陸上競技の選手を目指していた学生時代、ジャージしか着た事のない青年が、怪我をしたことからその道を断念、ヨーロッパへの旅に出た。 そこで出会った数々のもの達。 特に北欧では、日用品のデザインが時代に左右されないものになっていて、人々が大切に使っている事を肌で感じ、そこに本質的な豊かさを感じ共感した。 また、同じ旅の途中、偶然が重なりパリコレでアルバイトをすることになった。 その時に初めて触れたファッションの世界に新鮮さと感動を覚え、その世界に関わる事を一生の仕事にしようと決める。 決めてやり続けたら、不器用な自分でも10年後にはある程度縫える様になるのではないだろうか、苦手な事だから飽きないのではないだろうか、と。 それから16年で、現在の様々な年代から支持されるブランド、ミナ ペルホネンとなった。 今ではもう、あまりにも有名になったエピソードだ。 その合間には、様々なストーリーが隠れている。 文化服装学院の夜間部に通い、留年もしたこと。 なかなか服が縫えなくて、卒業までに一着しか提出出来なかったこと。 皆川さんの現在に到るまでのストーリーの中には、ええ!? 、と驚くようなエピソードが溢れていて、書き出したら何冊も本が書けそうだ。 そして多くの人は、謙虚で誠実な人柄がそのまま伝わってくる彼の語り口に耳を傾けながら、彼の中にある静かな情熱を感じてどんどん惹き付けられてゆく。 意外性というのは人間にとって一番魅力的な事なのではないだろうか。 詳しくは下記のリンク先からどうぞ。 そして、話を聴いた人達は、 あきらめないその意思の強さはどこから来るのだろう? どうしてそんなに視野が広いのだろうか? その審美眼はどのような環境で育ったのか? どうしてそんなにぶれないのか? どうしてそんなに、簡潔に答えられるのだろう? なぜ、言葉が胸にすっと入ってくるのだろうか? と、たくさんの疑問を皆川さんへ問いかけたくなってくる。 人はやはり意外性に引き込まれるのだ。 そうやって様々な人が皆川明という人に魅了されてゆく。 それと同時に、何だか嬉しくなって親近感を覚え、応援したくもなってくる。 もちろん多くのデザイナーに対して感じるようなあこがれや、尊敬の念も感じているのだが、それを越えるものを彼は持っている。 この人と一緒にやりたいと思わせる何か、人が応援したくなるような何か、そんな天性的な魅力に溢れているのだ。 人が自分自身を知るためには、机に座って辞書をひいても、インターネットで検索をしても見つからない。 本をたくさん読んでも、好みや独自の感動の源は分かるが、いざ社会の中での自分というものははっきりとはつかめない。 仕事を通して、社会の中で多くの人と関わったり、実体験を重ねていって、徐々に自分のことが見えてくるのだと思う。 特に、誰かに与えられた仕事をするときより、自分が責任を持ってやりたいと思っている仕事をした時にそれは顕著に現れてくるものだ。 やりたいと思っている事をやり始めると、そこには様々な雑務が発生する。 時には、誰かのサポートを得なければ出来ない事も多々ある。 けれどもすべては自分が表現したい事に向かってゆく過程の一部なので、苦手だと思っていた事も時間をかけて工夫してゆくと以外と出来るようになってくる。 そして、そこにまつわる様々なことを出し惜しみせずにやってみると、自分の中に潜んでいた才能が表れてくる。 その才能は時に思いがけないものであったり、以前からやりたいと思ってなかなか出来なかった事が、目的を持ったとたん発揮されることもある。 そうして社会の中で自分の姿が客観的に見えてくると、他者と違うところこそが、自分の才能なのだという事がはっきりと自覚出来るようになってくる。 それが自分にしか出来ない事につながっていたり、自分が社会と分かち合えるギフトなのだと気づくことが出来たら、それはとてもしあわせなことだ。 そのギフトを分かち合えばあうほど、その行為はまわりまわって自分自身の存在意義に豊かな栄養を与え、自己実現という喜びにつながってゆくから。 自分の喜びを知っている人こそが、周りをしあわせにすることが出来るのだ。 しあわせという言葉はみんなが知っていて、なかなかその実感を持続する事は難しい。 皆川さんから聴いた「四方良し」の話。 売り手よし(ショップに限らず売る人)、買い手よし(お客様)、作り手よし(製造者)、社会よし その四カ所のどこにいる人達も「よし」と思っている所を、意識しながらものごと進めてゆくというミナ ペルホネンの仕事。 誰かが無理をするのではなく、関わるみんなが喜びを感じ、やりがいを感じている状態が崩れない様にバランスをとるのだという。 とても心に残った在り方だ。 私が一番最初に着たミナの服は「sometimes lucky」というクローバーが刺繍されたブラウス。 そのシリーズは最後に、ひとつだけ四枚目の葉っぱを手刺繍してから仕上げてある。 なのでどこかに四葉のクローバーがあり、それを見つける楽しさと、そのストーリーを一緒に着る喜びがある。 四葉のクローバーの中心にある茎を軸に、四つに広がった葉っぱたち。 その葉っぱに、自分の仕事と関わりのある人達を乗せて、その全員の喜びややりがいのバランスをとることを意識したとき、何が必要で何がいらないのかが感覚的に見えてくる。 そうしてバランスをとったところにしあわせという感覚があるのだろう。 そしてその四つをあわせる事を、「しあわせ」というのかもしれない。 皆川さんは四葉のクローバーを探すのが驚くほど早い。 「そして他人と違う個性を自分の中に見つけたとき、四番目の葉は、 その人の中にも存在するような気がする。 」 文化出版社「皆川明の旅のかけら」より抜粋 ミナ ペルホネンの服や雑貨や、表現するものすべてに触れると、多くの人がにっこりとしてしまうだろう。 四番目の葉っぱを見つけることが出来た人という他にも、その理由はあると思う。 それは、皆川さんが始めた当初からいつも100年先をみていた事に起因する。 100年続く仕事を目指した時に、自分をスターターと位置づけ、その役割を全うしようと決めたこと。 そうやって時間軸を広げて見える景色の中には、いまバトンを持っているという責任と、それをいつか手放すという自由さを同時に感じることが出来るはずだ。 そして、常に100年先を見ながら、今出来る事は何か?と客観視する事で、プロセスの中の一部として必要なことが見えてくる。 特別な事を成し遂げる、というのでは無く、まるで日常のような仕事。 短いスパンで何かをしようとすると、それは時に特別なことになってしまう。 特別なことをしようとすると、どうしても力が入り、結果を期待してしまうのが人間だ。 時に期待というのは人を裏切ることもあるが、プロセスの一部だとみることが出来た時、人はぶれることが少ないのではないだろうか。 「常に100年先を見る」ということを決めているから、ミナ ペルホネンのものづくりには日常を楽しむような軽やかさと、ハーモニーが聴こえてくるのかもしれない。 紙に描かれたラインが形になってゆく行程。 飛び立つ日を、静かにじっと待っているさなぎたちにも見える。 自分自身の軸を確認しながら、長いスパンの中の今という時間や、時代とハーモニーを奏でる様に作る服。 ぼんやりとしていたイメージや形がどんどんはっきりとして来て、ある時ぴたりと一本のラインになる。 そうして生まれて来たものは、なるべくしてなった確信に満ちていて、感動が生まれるのだという。 創造の核がしっかりとしたものには力がある。 その力というのは、自然の中の軽やかな風のような力。 その服を着て、外に出て、風に吹かれて歩きたくなるような、進行させる力。 そんな風なら、いつでも吹いていて欲しい。 NO BORDER , GOOD SENSE 5月11日(金)から10日間の企画展のタイトル。 木工デザイナーの三谷龍二氏・陶作家の安藤雅信氏・ミナ ペルホネン デザイナーの皆川明氏の3人のコラボレーションによる初めての企画展。 この企画展は、皆川さんと2回目に会った時に、「安藤さん、三谷さんと、ミナ ペルホネンのコラボ展を沖縄でやってみませんか?」と提案してもらったのがきっかけで開催することになった。 何度か3人でコラボ展をやったことがあるのだと思っていたら、後で三谷さんに尋ねてみたら初めてだということが分かり驚いた。 しかもその時、後の二人はそのことを全く知らされてもいなかったという。 ゆっくりと言葉を選びながら話す人だが、直感が働いた時の行動と決断は早いようだ。 皆川さんは、安藤雅信さんや、三谷龍二さんの仕事ぶりをみていて、いつか一緒に仕事をしてみたいと思っていたという。 この三人の共通点は、自分の感覚に根ざしているという事。 自分の感覚に耳を澄まして、あらゆる可能性の中の明確な一本のラインを見つけ、ものづくりをしているという事。 その三人が、お互いの境界線を越えてものづくりをした今回の企画展で一体どのような世界に触れることが出来るのか。 私もとても楽しみだ。 元々オープンで、いいと感じるものをどんどん取り入れながら、独自の文化を作って来た沖縄の文化。 その沖縄でこのような企画展を開催出来る事に、必然性と大きな喜びを感じています。 みなさんもShoka:でこの交流を楽しんでください。 *4月7日に発売の文化出版社「ミセス 5月号」に今回の企画展とShoka:のことが載っています。 よかったら読んでみてください。 オリジナルデザインの生地による服作りを進め、国内外の生地産地と連携して素材や技術の開発に注力する。 デンマーク kvadrat社、英リバティ社をはじめとするテキスタイルメーカーにもデザインを提供。 国内外で様々な展覧会が開催されている。 2011年には2012年5月にオープンする東京スカイツリーの制服も手がけ話題となる。 素材を手でしっかりと味わってから作られるmon Sakataの服。 逆さまにしたり、重ねたり、自由な着こなしが自分流に楽しめる。 洗ってくたくたになってからがまた気持ちがいい。 自由な発想、自由な着こなし。 ニットは8年前に買って、一番のお気に入りの麻のニットを 坂田さんがリバイバルで作ってくれました。 本当にいい形です! ちなみに上の写真のパンツは「gagaパンツ」という名前だそうです。 2年ぶりのmon Sakataが楽しみです。 素材を触って、手と目で存分に味わってからその素材がどのような形になるといいのか、どんな風に着たいか、をイメージします。 自分の感覚を頼りにして何かをする事は、回り道のようだけれど実は自分に合った土台がしっかりと作れる確かなステップだと思います。 最初にマニュアルがあるのではなくて、自分で自分の中にある形を探り出してゆく。 こんなふうがいいよ、と提案されてみんなが鵜呑みにしていた様々な型が崩れてゆくことが多くなった今、自分の感覚を大事にし育ててゆく事はとても大切だと感じています。 目に見えるものを作る時にも、方法や仕組みなどの見えないことを作る時、そのどちらにも自分の感覚をONにして取り組むという事はとても大切なことだと思います。 今回田原は、感覚的でとてもユニークな坂田さんからそんな話しを聴いてみたいと思っています。 いつも予想外の反応が返ってくる坂田さんから、どんな応えが返ってくるのかとても楽しみです。 どんなお仕事をされている方でも、とても楽しく参加出来ると思います。 なお今回から駐車場からShoka:までの送迎を業者さんへ頼む事にしました。 代行に押されながらもがんばっている、地元のタクシー屋さんへ依頼しようと思っています。 なのでみなさまから300円ずつを参加費として頂戴する運びとなりました。 どうぞよろしくお願いします。 地元の仕事人も応援したいと思います。 では、Shoka:にてお会いしましょう。 予約方法 1 全員のお名前 2 人数 3 メールアドレス 4 携帯番号 5 車の台数 (当日は初日と重なり、駐車場が少ないため、近くのカフェRoguii(ロギ)に駐車していただく事となります。 何人かでお越しの際は乗り合わせのご協力をお願い申し上げます。 6 住所(Shoka:からイベントの案内が欲しい方のみ記入をどうぞ。 もう届いている方は記入しなくても大丈夫です) shoka. asako gmail. com 関根麻子までメールでご予約ください。 ご理解のほどお願い申し上げます。

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「継続するのは奇跡的なこと」ミナ・ペルホネン

ミナ ペルホネン テキスタイル

新しい価値を見つけたい バトンを渡すラストスパート デザイナー皆川明が率いるブランド「ミナ・ペルホネン」は今年、20周年を迎えた。 詩を感じさせる柄と温かみのあるテキスタイルで、多くのファンを引きつけてきた。 5月に開いた20周年記念の展覧会「ミナカケル」の初日は平日にもかかわらず1500人が来場した。 ファッション業界で、ファンとともに成長しながら20周年を迎えられるブランドはそれほど多くない。 スタイルを維持しながら、活動の範囲を広げ続けられる理由はどこにあるのだろう。 皆川の物作りに対する考え方やブランドに対する姿勢に迫った。 (青木規子) 「自分は100年ブランドの第一走者に過ぎない」と話してきた皆川。 自分たちのクリエーションを完成し、継続するため、テキスタイルや縫製など物作りに関わる〝チーム〟を大事にすることでも知られる。 走り始めてからの20年で、どんな風景を見ているのだろう。 喜んでもらう物を作らないと先がない 一緒に物を作る人との協力関係を深めながら、お互いに経験値を高めて、時間や労力を惜しまず最善を尽くして作る。 そのことを一番に考えてきました。 ブランドの価値は、お世話になった人との信頼関係です。 お客さんには、こういう姿勢を認めてもらっているように思う。 ただ、まだ20年。 20周年は一つの区切りに過ぎません。 今は、次の世代に向けたマインドを作る最後の時期と考えています。 駅伝でいえば、もうバトンゾーン。 ベストな走りでラストスパートに入りました。 次を担う人たちは、もうじき自分たちがブランドを担わなければいけないと実感していると思う。 僕もしょっちゅう、話していますし。 将来的には僕にはできないことをさらに次の世代に受け継いで、100年企業を続けてほしい。 経営も適切なリーダーシップで引き継いで欲しい。 後継者は家族でなく、社内という考え方も珍しいかも知れません。 会社が単なる商品と見なされて売買される時代ですが、会社の運営は金銭を起点にした問題にしない方がいい。 もしそうなれば、物を作っていられないと思うからです。 街のお菓子屋さんなどと同じ感覚で、シンプルな方がいい。 その上で、引き続き、1本の木が育つように育ってほしい。 毎年、年輪を重ねて、枝葉が増えて、軸になる根っこは支える分だけ太くなればいい。 商品の開発は、ブランドを継続するためのエネルギーです。 喜んでもらう物を作らないと、先がない。 人が売った物で成長することはないんです。 だから、新しい価値を見つけたい。 「簡素で心地良い宿を経営すること」を将来の夢に掲げていた。 「物を作ることとサービスは同じ」という発見があったからだ。 ブランドのリーダーを次世代に渡してからも、様々なサポートをしながら個人の活動も広げたいと考えている。 15~16年秋冬のコートは、カットジャカードの表現を深めた新作テキスタイル「ポトフ」で仕立てた(写真=木寺紀雄) 服作りは物質を通して行うサービス 服作りは着る人に喜んでもらえる物質を通して行うサービスです。 そのサービスのあり方を多様化した方がいいと思うから、宿も考えました。 ファッションとインテリア、建築といった境界はそろそろ要らないでしょう。 例えば、高級ホテルではおもてなしを「してもらう」のですが、僕たちが提案したいサービスはそれぞれが楽しく過ごせる場を作ること。 たくさんのベクトルを持つことは幸せなことです。 ランドスケープの美しさに気づけるとか、自分がリラックスできるとか、そういう空間を提案したい。 タスキをつないだ後も、皆の力になれるように、図案を描いたり、工場の人との関係を作ったりしていきたい。 余力が生まれれば、絵を描くこともあると思う。 来年4月には、デンマークの家具屋さんと皆川明として取り組んだ家具をミラノ・サローネで発表します。 こうした仕事も増えると思います。 (敬称略) 皆川明(みながわ・あきら) 67年 東京都生まれ 89年 文化服装学院卒業 95年 「ミナ(現ミナ・ペルホネン)」設立 00年 初の直営店を東京・白金台にオープン 04年 パリでコレクションの発表を開始 06年 毎日ファッション大賞を受賞、デンマークのテキスタイルメーカー「クヴァドラ」からオリジナルテキスタイルを発売 07年 京都に直営店をオープン 08年 ホームランドリーで洗濯できるライン「ミナ・ペルホネン・ランドリー」を発売 09年 英「リバティ」プリントの10年秋冬コレクションで皆川明のデザインを発表 13年 京都に「ガッレリア」、長野・松本に直営店をオープン。 スウェーデンのテキスタイルメーカー「クリッパン」との協業を開始 14年 インテリアファブリック「ドップ」を発表 15年 神奈川・湘南Tサイトに直営店をオープン。 毎年、新しく制作する図案は約50。 その柄を、長年タッグを組んできた約10の工場と連携し、新しい素材に落とし込む。 20周年を記念した「ミナカケル」展では、これまで作ってきたテキスタイルを壁一面に展示した。 デザイナーの皆川明は、未知の表現をどう獲得するのか、興味が尽きないと話す。 インテリアファブリックのバリエーションも増えてきた 服と繁忙期の異なる分野に取り組む意義 テキスタイルについては、能力の限界はないと思っています。 表現方法は無限にあるからです。 一つ作れば、また違うタッチが一つできたりして、常に新しい表現につながっています。 一歩一歩進んで、実際、自分の手が成長していくのを感じています。 視覚的な面白さだけでなく、素材としての物性的な新しい魅力を発見することも非常に興味深いことです。 昨年、インテリア素材として発表した綿・ポリエステルの二重織り「ドップ」は、フラットな布ですが、摩擦強度もあり、5万回こすると、裏側の色がうっすらと表に出てくるようにしてあります。 経年変化の価値を感じてもらいたかった。 ミナの椅子や「レペット」のバレエシューズなどのほか、いろんなメーカーに資材として販売しています。 その素材が誰かの役に立つことが見えていれば、物として成立します。 インテリアにもともと興味がありましたが、服と繁忙期の異なる分野に取り組むことは、工場に仕事を頼む上でも意味があると思っています。 1年を通して工場の稼働を考えて取り組むと、工場は10社が限界。 増やすことは難しいという。 お客の満足と同時に、仕事は作る者同士の「人生にかかわること」。 互いの生活を継続するための努力で取引先からの信頼は厚い。 服作りの現場での知見と問題意識の高さから、純正国産表示制度「Jクオリティー商品認証事業戦略委員会」の委員にも招かれた。 ミナカケル展ではこれまで作ってきたテキスタイルも展示した 国産を売る手段にしたら意味がない 工場の空き具合などは、何となく頭に入っています。 今、仕事が切れているなとか。 プリント工場だったら、オートプリントの発注は多いけど、手捺染は空いていそうだから、オーダーしようかとか。 職人の手がなまらないようにしなければなりませんし、そんなことをパズルみたいな感じで考えていく。 どんな理由であっても、工場が何かを作れなくなることが、僕たちの制約になったら、困るんです。 工場は注文を受けて初めてやりがいになる。 大変な時に生地を作ってもらったら、しっかり発注することも大切です。 「Jクオリティー」のミーティングにも参加していますが、メード・イン・ジャパンではなくて、ジャパン・クオリティーを本質にしなければいけないと思います。 単なる売る手段にしてしまったら、意味がない。 恐らく、アパレルメーカー側が信頼を回復する時期が必要でしょう。 発注するアパレル側が自分たちの都合で付き合ってきた工場にしてみれば、何で今さら、という気持ちもある。 でも、これからは、お互いの利益を考えて、ともに根気強く作って売っていくことが重要なんだと思います。 売り上げを落としたのは1度きり。 自分たちの作りたいものを追求すると同時に、「売れること」を誠実に考えて発信してきた。 パリ進出や多店舗化など多くのターニングポイントを経て、今にたどり着いた。 「ブランド全体が揺らいでしまうような苦しさは、感じたことがなかった」という皆川。 事業環境やトレンドの変化に流されず、スタイルを維持して伸びてきた要因は何だったのだろうか。 他社と比較せず、自分たちの方法で 他社と比較せずに、自分たちの方法を見いだそうとしてきました。 例えばセカンドラインを出すのではなく、アーカイブの店を出したり、余った布を再生したり。 10年続けてきたパリの展示会では、自分たちで直接バイヤーと取引して、PRも特別つけずに発表しています。 自分たちの考えから生まれた方法を少しずつ育てることが、成長につながったように思う。 もちろん、たくさん買ってもらえた方がいい。 だから、気軽に買えて家で洗えるラインも出しました。 最善を尽くして作るという軸をぶらさずに、必要とされた上で売れるという状況を目指してきました。 経営者でもある皆川は、金融機関から大きな借り入れをせず、自己資金で賄うスタイルを貫いてきた。 この「数字的な結果をプランしない」手法が、結果的に「会社全体のストレスにならなかったかも知れない」と言う。 「良い人間関係」の仕事が工場とミナを結ぶ(写真=L. TOMARI) そもそも経営の資質が自分にあるとは思っていないので、運用などもしないんです。 物作りに専念することが、会社にとって自分を生かす一番の方法なので、お金の問題が発生しないようにやってきました。 たまったキャッシュフローは、もしも災害などで半年や1年、物作りができない状況になった時のために、みんなが生活できる分としてプールしています。 物作りで生み出した売り上げで賄う。 すごくシンプルな話です。 自分は不器用な方なんだと思います。 習得するのに時間がかかる分、人よりも考えることが多かった。 毎日、悩んでいるけれども、それで不安に思ったことはありませんし、諦めもしない。 次のアイデアのきっかけやチャンスも多いからです。 もっと良くするためにはどうすればいいかと、探究することが癖になってきたんだと思います。 固まって止まってしまうより、揺れながらもモビールみたいな動力でずっと進んでいきたい。

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皆川明

ミナ ペルホネン テキスタイル

東京都現代美術館で行われている「ミナペルホネン展覧会(つづく展)」のグッズ情報です。 公式ではあまりグッズの情報が出されておらず、気になっている方も多いはず。 グッズ売り場の場所と入場制限は? グッズ売り場の場所は、展覧会の会場の前の廊下のようなところにあります。 すぐ見つけられると思います。 チケットがなくても入れるオープンな場所で、入場制限はありませんでした。 混雑具合は? 混雑具合ですが、 私が行った平日の雨の日の午後は、やや混んでいるときもありましたが、ほとんど空いていて、ストレスなく見られました。 グッズの「お一人様3つまで」とは? ポストカードやマスキングテープの棚には、 「お一人様3つまで」 などという注意書きがありました。 注意書きがあるものについては、 「マスキングテープは全部で3つまで」という意味とのこと。 その他のものについて、売り場の方に確認したところ、 注意書きがないものについては、 「たとえば、バッグで同じ柄3つまでなら、OK」とのことでした。 どんなグッズがある? 売られていたグッズについて紹介します。 内容や金額については、私の記憶によりますので、間違っているところがありましたら、ごめんなさい。 ・ ポストカード(220円くらい) ミナ ペルホネンのテキスタイルのかわいい柄と、 皆川明さんの新聞のコラムに掲載されていた、上の写真のような、ややシュールな絵のものがありました。 また、つづくのロゴのものがありました。 一人3枚までの制限がありました。 種類が豊富で手ごろな値段ということもあり、人気が高いようでした。 ・ てぬぐい(1,320円くらい) 種類が豊富で、10種類以上はありました。 ・ ほぼ日手帳(7,000円~10,000円くらい?) ミナ ペルホネンのほぼ日手帳が何種類か売られていました。 ほかでも手に入りやすいからか、見ている人はほとんどいませんでした。 ・ 靴下(2,800円くらい) 靴下は、男女各数種類ありました。 柄は、写真のものやタンバリンの柄などがありました。 ・ マスキングテープ(275円くらい) マスキングテープは、 つづく展のロゴのものが3種類くらいと、 テキスタイルのものが5種類以上ありました。 テキスタイルのマスキングテープは人気で、お一人様3個までの制限がありました。 ・ ブローチ タンバリンのブローチと、ちょっとシュールなカラフルな鳥のものがあるようです。 タンバリンのものは売り切れていて、鳥のものはあまり人気がなく、在庫が多くありました。 ・ ブックカバー birdのものなど4種類くらいありました。 刺繍がされた、とてもミナ ペルホネンらしいテキスタイルで、かわいかったです。 金額は、確か、7,000円~9,000円くらいだったと思います。 ・ サーモマグ 白のタンバリンと黒のchoucho、2種類あったと思います。 ・ 色鉛筆 6本組セットだったような。 箱がミナ ペルホネンのオリジナルでした。 ・ panini bag 15,000円くらい パニーニバッグは、大きな布の手提げのバッグです。 foglandの黒と黄色がありました。 黒が人気で、帰るときには売り切れていました。 他の方のTwitterを観てみると、バッグの柄は日によって変わるようですね。 ・ toast bag トーストバッグは、小さな布の手提げのバッグです。 タンバリンなどのテキスタイルがパッチワークされたものが、一種類ありました。 茶系でした。 かわいらしい雰囲気でした。 金額は9,000円くらいだったような…。 ・ つづくのオリジナルバッグ 「つづく」のロゴが入った、布のエコバッグのような雰囲気のバッグでした。 ロゴのバッグの他に、紐のようなデザインがプリントされたバッグもありました。 ミナ ペルホネンの甘い感じに対して、これらのバッグはややモードな感じでした。 ・ サンキューベリーバッチ ミナペルホネンのテキスタイルが貼られたバッチです。 大量に、ざかざかと置かれていました。 様々な柄があり、人気なものはすぐ売れて、地味なものが残っている雰囲気でした。 随時、在庫の補充があり、蝶々や花のものがすぐに売れていきました。 金額は一律で、1,200円くらいだったような…。 ・ choucho コットンガーゼハンカチ(1,400円くらい) 白とグレーがありました。 おそらく、黒もあったのではという感じです。 人気でグレーもすぐに売り切れていました。 他にも、麻の大きなハンカチも売られていました。 それは、3,000円くらいでした。 ・ Tシャツ(大人サイズ9,000円くらい) 半袖と長袖のものがありました。 サイズは、キッズ、レディース、メンズとありました。 柄は、chouchoのものと、皆川明さんの新聞連載の絵のものがありました。 chouchoのものは、地の色が白とグレーの2色がありました。 皆川明さんのシュールな絵のものは、卵の絵や、「高揚」の絵(上に掲載したポストカードの写真の絵)などありました。 地の色は白で、線が黒にゴールド、シルバーが塗られている感じでした。 石田ゆり子さんがInstagramで着ていらしているものが長袖ですね。 この投稿をInstagramで見る yuriyuri1003 がシェアした投稿 - 2020年 4月月13日午前2時46分PDT その他、 ・ ナマケモノのぬいぐるみ ・ クジラのぬいぐるみ がありました。 展覧会限定グッズ ミナ ペルホネンの展覧会を見た人だけの限定グッズが2種類あります。 限定の展覧会公式カタログ まず、一つ目は、 特別なカバーの展覧会公式カタログ(図録)です。 詳細は、公式サイトへ。 展覧会公式カタログは、通常カバーの他に、8種類の限定カバーのものがあります。 通常版のカバーはタンバリンの柄で、2月から一般の書店でも販売予定です。 限定版は、展覧会の会場限定のカバーで、8種類あります。 カバーは、布ではなく写真です。 申し込みの場所の方のお話では、foglandとsymphonyが人気だそうです。 会場内で、申し込み書で予約し、1月中旬以降郵送されます。 限定版カタログは、会場内でしか申し込めないので、欲しい方は忘れずに申し込んでください。 実は、カタログの中身がまだ出来上がっておらず、会場にも見本はありませんでした。 普通、展覧会と図録はセットだと思うので、そんなことってある?と驚きました。 会場内の様子も掲載されるみたいですし、仕方ないのかな、でも、早くみたいな… <後日、ネットや書店で販売されるようになりました。 > 限定のトーストバック 二つ目の限定グッズは、 展覧会公式カタログが入るトーストバッグです。 こちらは、通常のトーストバッグよりやや大きいサイズらしいです。 パッチワークのもので、柄は未定。 カタログと一緒に届いてからのお楽しみとのことです。 こちらは、限定版のカタログを頼んだ方だけの限定です。 限定版のカタログを申し込む際に、一緒に申し込みます。 値段は、9,900円です。 うーん、どちらも限定と聞くと、欲しくなってしまいますね! おすすめのグッズ 以上、ミナペルホネンの展覧会グッズについて紹介してみました。 値段を書くと夢を奪うんじゃないか…と思いながらも、びっくりするほど高値で転売されていたり、情報を得たいと探している方もいるはずと思い、記憶を頼りに書いてみました。 おすすめのグッズは、 展覧会のカタログと、 ミナ ペルホネンのテキスタイルのよさがわかる布ものです。 展覧会のカタログの中身はまだわかりませんが、展示がよかったので、きっと見応えある内容でしょう! 限定カバーにこだわらない場合は、2月に書店で販売されてから購入してもよいかもしれません。 もう一つおすすめなのは、テキスタイルのよさがわかるものです。 たとえば、バッグやブックカバーは刺繍があったりなど、デザインだけでなく、布のつくりも特別なので、是非、手に取って見てもらいたいです。 もし、バッグはちょっと高いな…と思うのであれば、サンキューベリーバッチやchouchoのハンカチがおすすめです。 展覧会でステキなものを観るのも楽しいですが、グッズを買って、ステキなものを身につけるのも楽しいものですね。 「Casa BRUTUS特別編集 ミナ ペルホネンと皆川 明」こちらも図録と違ってなかなかよかったです。

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