腱鞘炎の症状 腱鞘炎の症状は大きく6段階に分類されます。 レベル1 筋肉にこり、だるさ、痛みのような違和感があったり、筋肉が動かしにくいような状態です。 レベル2 手足の使用時に筋肉が痛みます。 瞬間的な痛みが出る状態です。 レベル3 瞬間的な痛みから、使用後もずきずきと痛みが続く状態です。 また患部が熱を帯びたような状態です。 レベル4 シャツのボタンをかけたり、包丁で野菜を切っているときに痛みが出てくるなど、日常生活でも、特定の行動において支障がでてくる状態です。 レベル5 あらゆる行動において痛みが生じ、日常生活にも支障が出てきます。 お箸を持つことさえもままならない状態です。 レベル6 何もしていなくても常に痛みがある状態です。 腱鞘炎の原因 腱鞘炎の主な原因は、手足を使いすぎることで腱や腱鞘に負担をかけてしまいます。 職業柄常にデスクワークやパソコンを使っていたり、もしくは作家や芸術家のようにペンや筆を使うことが多かったり、主婦であれば家事で手を使っていたりすると、腱鞘炎になりやすくなります。 また、更年期の女性や妊娠・出産期の女性もかかりやすいと言われております。 その他にも、ストレスにより自律神経が乱れ、それによりホルモンバランスが崩れ、血行が悪くなり、腱鞘炎になりやすい体質になってしまうこともあります。 時折作業を中断し、筋肉を休ませて、腱鞘炎にならないように注意しましょう。 腱鞘炎の場合、保存的治療をとることが多いですが、何度も繰り返し腱鞘炎を発症してしまう場合、慢性化している場合は手術も治療法に挙げられます。 手術も入院は必要とせず、日帰りで行えます。 手法 内容 日帰り 投薬療法 鎮痛剤の服用の他に湿布薬があります。 市販されているものは効果が弱いものが多いので、相談したうえで処方してもらいましょう。 可能 固定法 テーピングを使って、指や手足などの患部を固定する方法です。 腱鞘炎がひどくならないようにするため安静にさせます。 固定用のサポーターもあります。 可能 温熱治療 痛む部分に超音波やレーザーを当てることで、痛みを和らげます。 患部を温めることで、血行を良くし、緊張をほぐします。 痛みを伴うこともありません。 可能 ステロイド注射 腱鞘炎の痛みが激しいときに行う治療です。 直接患部に薬剤を注入し、痛みを劇的に抑えます。 しかし、この治療には免疫不全や糖尿病など様々な副作用が伴いますので、受ける際はよく医師と相談しましょう。 可能 腱鞘切開術 局所麻酔を行い、皮膚を切開し、皮下の腱鞘を切除し、腱を解放する手術です。 これにより確実に腱鞘炎を治療することができます。 手術時間も15分ほどで終わり、入院も必要ありませんが、リハビリは必要です。 可能 内視鏡手術 局所麻酔を行い、皮膚を3mmほど切開し、そこから内視鏡の管を挿入します。 発症部分を見つけ、管を通しメスで腱鞘を切除します。 切開する箇所も小さな傷ですむので、術後の縫合も必要としません。 こちらも短時間で終わり、その日のうちに帰ることができますが、やはりリハビリは必要です。
次の手の外科とは、肘から手の指までの部位の病気や外傷に対して検査や治療を行う科です。 糖尿病、透析患者、女性に多く生じます。 安静、ブロック注射、手術などにより治療します。 親指をよく使う人や女性に多く生じます。 安静、内服 飲み薬 、ブロック注射、手術などにより治療します。 病気が進行すると親指の付け根の筋肉が痩せて細かい作業が困難になります。 安静、内服 飲み薬 、ブロック注射、手術などにより治療します。 症状が進行した場合には手術により治療します。 内服 飲み薬 、関節内注射、装具 サポーターなど 、手術により治療します。 水ぶくれのようになると手術をすることもあります。 神経が圧迫されると痛みがでることもあります。 消毒した針などで刺して液体を抜くと、神経への圧迫が軽減して痛みが取れることがあります。 軽症の場合にはサポーターをつけたり、手を激しく使うことを制限するようにします。 重症の場合には、前腕の2本の骨の長さのバランスを変える骨切り術などの手術療法が行われることがあります。 糖尿病の人に多く見られる疾患です。 日常生活に支障を来たすようになると手術により治療をします。 手術では、プレートと螺子を用いて骨をできるだけしっかりと固定します。 ギプス固定や手術によって治療します。 骨折を伴う場合と伴わない場合があります。 骨折を伴う場合には手術、伴わない場合には装具によって治療します。
次の手外科とは、どういう診療科ですか? A. 手外科は、手の疾患・障害に対する専門の診療科です。 指や手のさまざまなケガや病気の治療を行っています。 具体的には、骨折・脱臼、腱断裂、靭帯損傷、指の切断、皮膚の欠損、熱傷(やけど)、腱鞘炎、指や手の変形、変形性関節症、リウマチによる手の障害、拘縮(硬くなって動かない)、末梢神経損傷・障害(手のしびれや麻痺)、先天異常、感染 化膿)、骨腫瘍・軟部腫瘍などです。 手外科では、これらの疾患を診断し、専門的に治療しています()。 手外科を専門とする医師はいるのですか? A. 手外科に対する知識が豊富で、専門的な診療を行っている医師がいます。 日本では、手外科は、整形外科あるいは形成外科の中の専門領域です。 したがって、手外科を専門とする医師は、整形外科あるいは形成外科全般の診療経験とともに、手外科という専門領域の知識と経験を持っています。 整形外科、形成外科専門医と手外科専門医は違うのでしょうか? A. 手外科専門医とは、整形外科または形成外科の専門医資格を取得した後に、指定医療機関で手外科に関する特別な研修を受け、日本手外科学会専門医試験に合格したスペシャリストです。 したがって、整形外科、形成外科全般の経験に加え、手外科の診療に関し深い知識と経験を有しています()。 整形外科と形成外科はどこが違うのでしょうか(整形外科と形成外科、手外科領域に関して、どちらにかかればよいのでしょうか)? A. 整形外科は身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する外科で、背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢を主な治療対象にしています。 これに対し形成外科は、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する(治療する)外科で、頭や顔面を含めたからだ全体を治療対象としています(日本整形外科学会ホームページより引用)。 しかし手外科専門医は、どちらの科の出身にしても、確立された研修を受けていますので、大きな差はありません。 どのような場合に、手外科を専門とする医師にかかるべきでしょうか? A. 手外科領域で扱う主な疾患の症状、診断、治療に関して、ホームページにパンフレット形式で公開しています()。 これらの疾患と診断され、専門的な診療を希望される時は、手外科を専門とする医師への受診をお勧めいたします。 その他、診断、治療に関してセカンドオピニオンを求めたい時は、手外科専門医に御相談下さい()。 手外科専門医の診察を受けるには、どうしたらよいのでしょうか? A. 手外科専門医の在籍する医療機関は、このホームページに掲載されています。 お近くの施設を検索することができますので、御確認の上、受診することをお勧めいたします。 診察日等、詳細は各医療機関に直接お問い合わせ下さい()。 突き指をして痛みがとれないが、どうすればよいでしょうか? A. まだ病院にかかっていなければ早めに医療機関を受診してください。 突き指と言っても中には重症のものもあるので、できれば手外科専門医のいる病院が望ましいです()。 特に思い当たる理由がないのに指が腫れているが、どうすればよいでしょうか? A. 指の腫れる病気はいくつかあり、指だけに症状が出るものやからだの他の部位にも症状が出るものがあります。 赤みと痛みがあれば知らないうちに細菌に感染していることもあります。 手を胸より下に下げないようにして、整形外科か形成外科を受診し、必要なら手外科専門医()を紹介してもらってください。 手首が痛くて通院中だが、なかなか治らない。 どうすればよいでしょうか? A. 手首の痛みにもいろいろな病態があります。 主治医の先生に手外科専門医を紹介していただくか、ご自身で手外科専門医を受診してください()。 Q10. 通院先の先生に「手は専門ではない」と言われたがどうすればよいでしょうか? A. 主治医の先生に手外科専門医を紹介していただくか、ご自身で手外科専門医を受診してください()。 Q11. 小指と薬指がしびれる、手に力が入りづらい A. 「肘部管症候群」(代表的な手外科疾患 )のような尺骨神経障害が考えられます。 脳や頚椎由来でしびれることもあります。 診察、検査で診断がつきます。 大部分で病状が進行するため、早めに手外科専門医を受診して下さい。 Q12. 朝に手がこわばる A. 関節リウマチ(代表的な手外科疾患 )、膠原病、手指の腱鞘炎などで生じます。 関節が腫れてこない場合は手根管症候群の可能性もあります。 特に指の根元や第2関節にいくつかの腫れを生じ、手以外にも関節痛がある場合は関節リウマチである可能性が高いです。 血液検査、X線検査が必要です。 膠原病内科、リウマチ専門医、手外科専門医のいる病院やクリニックを受診されるとよいでしょう。 Q13. 親指の付け根が痛む、変形してきてつまみにくくなった A. 最も疑わしいのは、「母指CM関節症」(代表的な手外科疾患 )です。 ものをつまむときや、瓶のふたをあけるときなどに痛みが出るのが特徴です。 まれに、関節リウマチや腱鞘炎でよく似た症状がみられることもあります。 ほとんどの場合、レントゲン検査で診断がつきますので、手外科専門医を受診して下さい。 Q14. 指がひっかかる、動かしにくい、付け根が痛い、一度曲げたら伸びなくなる A. 「ばね指」(代表的な手外科疾患 )が考えられます。 ばね指とは、指の骨と腕の筋肉をつなぐ屈筋腱が指の付け根で炎症を起こす病気です。 特別の原因が無いことが多く、手の使い過ぎが引き金となることもあります。 安静、痛み止めの塗り薬や装具での治療を行い、改善しなければ注射、手術による治療が考えられます。 早めに手外科専門医を受診されると良いでしょう。 Q15. 親指から薬指の範囲がしびれて痛い、夜中や朝早くに痛くて目が覚める A. 手根管症候群(代表的な手外科疾患 )が最も疑われます。 手根管症候群は原因の明らかでない手首の病気ですが、頚髄や脳、腕神経叢などの障害でも似たような症状となることがあります。 診察と検査(神経伝導検査、MRIなど)で診断します。 手外科専門医を受診してください。 Q16. 手のひらに硬いしこりができて、徐々に指を伸ばしにくくなった A. 「デュピュイトラン拘縮」(代表的な手外科疾患 )が考えられます。 原因は不明ですが、手のひらから指の根元にかけて硬いしこりができて、指が伸ばしにくくなります。 薬指と小指によく見られます、日常生活に支障が出てくれば、注射治療や皮膚の下で硬く膨らんだ「腱膜」を切除する手術をします。 手外科専門医のいる病院やクリニックを受診されるとよいでしょう。 Q17. 指の第1関節の爪の付け根に水ぶくれのようなできものができた A. 指の第1関節から生じた「粘液嚢腫、ミューカスシスト」(代表的な手外科疾患 )が考えられます。 粘液嚢腫はガングリオンと同じで、袋の中に透明なゼリー状の液が溜まったもので、大きくなると皮膚が引き延ばされて薄くなり、透けて見えるようになります。 皮膚が破れると細菌が関節内に入り関節を壊し後遺症となる可能性があります。 早めに手外科専門医のいる病院やクリニックを受診されると良いでしょう。 Q18. 指にできものがあって、気になる A. 手や指には様々な腫瘍ができます。 ほとんどのものは良性ですが、悪性のものができることもあります。 早めに手外科専門医の診察を受けることをお勧めします。
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