各巻の伏線考察・小ネタまとめ 1巻の伏線考察・小ネタまとめ 1話 ・コミック最初の扉絵に「power」と書いた看板がある。 ・初対面のポチタには銃傷と思われる 傷があった。 また、7巻55話でも悪魔は「鼻が利く」と言われており、マキマさん悪魔説は濃厚。 6話 ・偉そうな人が「ソ連タカ派の声が大きくなっている」と言っている。 この時あたりからレゼは登場予定だったのかも。 伝説的なホラー映画。 若者たちがチェーンソーを持った大男に次々と殺されていく。 めちゃめちゃ怖く、この世界ならチェーンソーの悪魔は強そう。 11,12話 ・パワーちゃんの胸に書いてある 数字「76. 1」は多分バストサイズ。 一概には言えないが、76. 1はおそらくAカップ。 15話 ・タイトル「エンドレス8階」はアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の伝説「」よりきていると思われる。 16話 ・姫野先輩が吸ってるタバコはデザインからおそらく「MEVIUS」。 ・この時の中華屋の過去編の続きは5巻35話。 3巻の伏線考察・小ネタまとめ 作者コメント作品「ヘレディタリー」。 グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。 娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。 やがて奇妙な出来事がグラハム家に頻発。 不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする・・・。 まるで狂ったかのように・・・。 そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。 そして想像を絶する恐怖が一家を襲う。 姫野先輩は姉弟子ということになる。 23話 刀マンの元ネタを考察する方も。 米映画のヘルエネンという作品の登場人物だそうです。 元ネタかな? — マニア堂 canadianmanLOVE 25話 ・扉絵の姫野先輩の眼帯にハート模様がうっすら出てる。 ・この時に持っている花はハルジオンに似ている。 ハルジオンだとすれば、 花言葉は「追想の愛」。 それは、観た者に貞子から電話がかかってきて、2日後に死ぬという「呪いの動画」だった。 一方、女子高生の鈴花(玉城ティナ)は引っ越し先の向かいにある「呪いの家」に入ってしまう。 霊媒師の経蔵(安藤政信)は二つの呪いを解くために、呪いの動画の貞子と呪いの家に居る伽椰子を激突させようとするが…… amazonより 29話 ・ デンジとパワーちゃんは「コロコ0」読んでる。 多分コロコロのこと。 小学館の雑誌。 集英社のライバル。 テキサス州オーステインの人気DJ、ジャングル・ジュリアは気の置けない仲間たちとバーへ繰り出し、女の子だけの会話に花を咲かせていた。 そんな彼女たちを、ドクロマークの不気味な車を駆る顔に傷のある謎の中年男、スタントマン・マイクが秘かにつけ回していた・・・。 14ヵ月後、テネシー州で映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイ。 彼女は空き時間を利用して、仲間たちとある計画を実行する。 それは、売りに出されていた憧れの車、映画「バニシング・ポイント」に登場した70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しスタントライドを楽しむこと。 さっそくボンネットに乗り、危険なスタントを始めるゾーイ。 やがてそんな彼女たちを、あの男スタントマン・マイクが新たな獲物に見定め、襲いかかるのだったが・・・ youtubeより 37話 ・「獣が狩人の言うことを信用するな」と教えられたのは4巻31話。 ここからボムの悪魔と考察できた。 すべて準備完了です。 朝は一緒に教会に行きます。 カフェでコーヒーとオムレツを飲みます。 公園を散歩した後。 水族館に行き、愛するジェーンと、イルカ、ペンギンを見てみましょう。 昼食後、休みます。 それで朝にやったこと。 思い出すまでこれについて話します。 覚えていません そして夜は教会で寝ます。 5チャンネルなので眉唾かもしれませんが・・・。 6巻の伏線考察・小ネタまとめ 作者コメント作品「コララインとボタンの魔女」 オレゴン州に引っ越したばかりの少女コラライン。 両親は仕事ばかり、友達もいないし、毎日が退屈で最悪だ。 そんなある日、コララインは新しい家に小さな扉を見つける。 45話 ・2課の野茂さんがレゼを「どこかで見たことないか?」と言っているのはおそらく新聞で見たと思われる。 それについては6巻52話。 人の形をした悪魔?は食べられないと思われる。 この作品もサメが台風で空に浮く。 チェンソーも出てくる。 52話 ・マキマさんの「 私も田舎のネズミの方が好き」発言から、何らかの手段でレゼとデンジを監視していたことがわかる(カラスとか?)。 7巻の伏線考察・小ネタまとめ 53話 ・デンジのコップにチェンソーの文字が。 54話 ・ドイツのサンタクロースと思われる老人が読んでいる新聞にやたらとkatzencafeという字が出てくる。 これは ドイツ語で猫カフェという意味。 ・岸辺師匠の台詞「とにかくやりにくい女だな」から、クァンシ様の身元も予想することができた。 55話 ・スバルさんが「悪魔は人より鼻が利く」発言。 1巻2話でもマキマさんが鼻がいいことがわかっており、悪魔の可能性が高いと考察される。 56話 ・ 暴力の悪魔が持っている目がたくさんある悪魔と4巻33話でマキマさんがヤクザの親類の目玉を大量にくりぬいたことと関係ある?(マキマさんが悪魔を作ってるとか・・・) ・この話が載った週の「僕のヒーロアカデミア」259話にデンジが少し写ってる。 57話 ・黒瀬の友達、友野の家に転がってるお茶は 「コラァお茶」。 多分「おーいお茶」から。 58話 ・ハロウィンの能力はこの回で既に使われていた。 59話 ・ 「できるだけ仲間の死体だけは回収しておいて」と、マキマさん。 サンタクロースに人形にされないためか、自身のためか・・・? 60話 ・クァンシ様が言っている中国語「お前たち、いつものように片付けちゃおう」 ・リボンの子の中国語「あはは、死体が喋ってる」らしい。 共に出典はからなので眉唾かも。 ・首と胴体が離れてれるやつだけでも60人は超えており(数えたところ63人)、どう考えてもタイトルの49人には収まらない。 元ネタは漫画「斬り介とジョニー四百九十九人斬り」と思われる ・ 見開きに作者の名前をもじった「たつき食道」がある。 61話 ・実はパワーちゃんは一発も殴られてないのに倒れていた。 まとめにかえて いかがでしたでしょうか。 作者さんが映画が好きなのもあり、かなり映画ネタが散りばめられている作品で、気づくともっと面白いと感じていただけると思います。 この記事を読んで少しでも前より楽しんでチェンソーマンを読んでいただければ幸いです。 また、では宅配コミックレンタルについて紹介しています。 よろしければ。
次の本作の作者は、 藤本タツキ。 2016年から2018年にかけて、「少年ジャンプ+」にて『 ファイアパンチ 』を連載していました。 この作品も、読者の予想を裏切る展開の連続で、話題になった作品です。 そして、その鬼才が満を辞して「週刊少年ジャンプ」で『チェンソーマン』の連載がスタート!本作 は、「悪魔」が蔓延る世界で主人公が「デビルハンター」となる姿を描いたダークファンタジー漫画です。 そんな本作の舞台は、人を喰らう「悪魔」に日常を脅かされている 現代日本。 しかし、あること をきっかけに主人公・デンジは「チェンソーの悪魔」に変身できるように。 悪魔は駆除される世界ですが、悪魔に全てを乗っ取られている訳ではないデンジは、民間では対処できない凶悪な悪魔の駆除を行う「公安のデビルハンター」に誘われます。 そうして彼は、悪魔たちと戦いをくり広げていくことになるのです。 そんな『チェンソーマン』の面白さは、先読み不可能なストーリー展開、他に類を見ない独特のセリフ回し、血みどろバイオレンスな残虐描写、ド迫力な画面構成……挙げていけばキリがありません。 そのなかでも特筆すべきは、 頭のネジがぶっ飛んだ主人公・デンジ! デンジの特徴を表すと、「少年ジャンプ」の主人公らしくないということ。 「少年ジャンプ」の主人公と言えば、壮大な「夢」に向かって突き進むイメージがありますが、デンジはその真逆。 後述しますが、彼の夢は他人から見たら、あまりにもちっぽけなのです。 しかし彼はその夢を叶えるために、命を懸けて戦います。 彼の自分の夢への執着心は、なんとも異常と取れるでしょう。 少年漫画の主人公らしくないデンジの振る舞いは、人々の度肝を抜くどころか、度肝を切り刻むくらいのインパクト。 しかし、コレがとんでもなく面白い! そんな本作最大の魅力であるデンジについて、徹底的に紹介していきます! 「少年ジャンプ」のスローガンといえば「友情・努力・勝利」。 そして、主人公たちは「世界を救う」「大切な人を守る」のように、壮大な「夢」に向かって突き進むイメージがあります。 デンジはどうなのかというと、正反対。 人に語るような「夢」なんてものはないのです。 「人間を全て食べること」を夢見る悪魔に、デンジは夢を聞かれます。 それを「くだらない」と一蹴されてしまいます。 そう、 この時に彼が語った夢は「女の胸を揉むこと」。 バカにされイラだったデンジは、悪魔にこう言い放ちます。 「みんな偉い夢持ってていいなア!! じゃあ夢バトルしようぜ! 夢バトル!! しかし、デンジは夢を持つ者をただバカにしたい訳ではありません。 彼は、 夢の大小によって自他が比べられてしまうことに憤りを感じているのです。 彼にとっては「海賊王」も「世界を守ること」も「女の胸を揉むこと」も、全て同じ大きさの夢なのです。 幼い頃から父親が残した莫大な借金を抱え、貧しい生活を送ってきたデンジは「食パンにジャムを塗って食べられ、ぐっすり眠れて、イイ女とイチャイチャする生活」に憧れていました。 つまりデンジが夢見たのは、一般人が何気なく送っている普通の暮らし。 端から見ればちっぽけな事ですが、ド底辺を生きてきた彼にとって、「普通の暮らしをして、女の胸を揉む余裕があること」は立派な「夢」なのです。 物語の序盤、デンジはとある事件によって公安のデビルハンターとなることを迫られるのですが、それを快諾したきっかけのひとつは「朝ごはんには、食パンにバターとジャムを塗って食べられ、サラダとコーヒー、さらにはデザートも付いてくる」と聞いたからでした。 それまで1日分の食料が、ジャムも何も塗らない質素な食パンだけだったデンジからしたら、その待遇は夢に描いていたものに等しいのでしょう。 彼は「普通」の生活を送るため、悪魔と戦う道を選んだのでした。 しかし、彼の「夢」は多くの人にとって当たり前すぎるためか、誰にも理解されず、バカにされてしまいます。 しまいには先輩から「軽い気持ちでいるなら公安をやめろ」と言われてしまうほど。 それでもデンジは自分の「夢」のためなら命を懸けて全力で戦い続けます。 他人にどれだけ笑われようとも。 これこそが、デンジの最大の魅力です。 他人になんと思われようとも、自分の決めた道をとことん追求する。 その姿には、 紛れも無い少年漫画の「主人公」の熱意を感じてしまうでしょう。 一見、主人公らしからぬデンジですが、このように考えるとルフィやデクくんに似ている部分がありますよね。 デンジはこれまでに少年漫画では見たことのない発言や発想をくり広げますが、そこには確かな「主人公」像が見出されるでしょう。 それが、読者の心を掴んで離さないのです。 早々に夢を叶えてしまったデンジは、ただ本能に生きる 「俺はもう 夢にゴールしちまってるからなあ」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) 第4話という物語序盤で、生活が保障されている 公安に所属することになり、デンジは早々に夢を叶えてしまいました。 公安のデビルハンターたちは、 人類史上最大の敵である「銃の悪魔」を倒すという壮大な目的のために命を懸けて戦いを続けていますが、デンジにとってそんな事は 知ったこっちゃありません。 なんでコイツらは十分恵まれてんのに もっといい生活を望んだ? そーかみんな夢見ちまうんだなぁ じゃあ悪いことじゃねぇ 悪いことじゃねぇけど…… 「俺達の邪魔ァすんなら 死ね!」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) 自分も他人も同じ。 「今よりもっといい生活を」と望む気持ちは理解できても、邪魔するなら殺します。 あくまでデンジの行動は「自分本意」なのです。 今の生活を守るためならば、邪魔する奴らはぶちのめし、公安の言いなりになっても構わない。 清々しいにも程がありますね。 しかし、そんなデンジも公安になって遂に一つの目標を見つけます!やはり腐っても、「少年ジャンプ」の主人公! 「そういう事だったのか 見つけたぜ…… 俺の本気! 俺のゴール! それは…!」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) さて、そんな彼が見出した目標は…… 「胸ぇ 揉んでみてえ……」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) どこまでも清々しい……っ! デンジ、お前は男の中の男だ……っ! さらに彼は公安のミステリアス女史・マキマから「銃の悪魔」を倒す協力を依頼されます。 銃の悪魔を殺せたら、「願い事なんでも一つ叶えてあげる」とデンジに話すマキマ。 それを許諾する彼の言葉もまた……本能に忠実。 デンジの頭の中はエロいことにいっぱいいっぱいで、自分のことを「デンジ君」と称したり全くおなじことを2回言ったりと、日本語もおぼつかないほどでした。 くり返しになってしまいますが、かつてジャンプにこんなに しょぼい 行動原理を持つ主人公がいたでしょうか。 いや、いないでしょう。 しかし、だからこそ『チェンソーマン』は面白いのです。 他のダークファンタジーを読んでみたい方にオススメする作品が『血と灰の女王』。 表現コードギリギリまで攻めた作品です。 本作は、特殊能力を持つヴァンパイアたちが、世界を支配できるという「ヴァンパイアの王」の座を巡ってバトルをくり広げる物語。 「誰も死んで欲しくない」と戦うことを決意する主人公に、「殺しが楽しい」というサイコパス、「弱者がいない世の中」を願う青年など、過去にさまざまな背景を抱えた者たちが、命を懸けて戦います。 容赦ないバトルシーンも、ダークファンタジー好きにはたまらないところではありますが、登場人物たちの心理描写にも注目していただきたい作品です。 物語が進むにつれ、徐々に登場人物の過去が明かされていきます。 ヴァンパイアの力を手に入れた人間それぞれの「戦う理由」が明かされていき、巻を追うごとに作品にのめり込んでしまうでしょう。 次にオススメしたいのが、『かつて神だった獣たちへ』です。 『チェンソーマン』と比べると過激な表現は抑えめですが、切ないバトルシーンが魅力です。 舞台は激しい戦争を終え、平和になった世界。 平和な世界になる以前は、大きな戦争をくり広げていました。 その戦争を終わらせたのが、神から圧倒的な力を与えられた「擬神兵(ぎしんへい)」たち。 しかし平和になった世界には「擬神兵」の力は不要に。 賞賛を受けてきた彼らは、しだいに人々から疎まれれ、神の力に心が支配されるようになります。 彼らは誰からも必要とされない寂しさから、受け入れてもらうため人を殺すようになり……苦しみの中を生きていました。 そんななか、擬神兵を苦しみから解放する「獣狩り」と呼ばれる男がいました。 擬神兵たちの苦しみを終わらせようと、彼らを葬ります。 そんな彼の正体は……かつての擬神兵部隊の隊長だったのです。 仲間の苦しみに終止符を打つため、かつての仲間を手に掛ける旅が始まります。 孤独に苦しむ擬神兵たちも切ないですが、かつて戦友とのバトルシーンには胸が打たれます。
次の本作の作者は、 藤本タツキ。 2016年から2018年にかけて、「少年ジャンプ+」にて『 ファイアパンチ 』を連載していました。 この作品も、読者の予想を裏切る展開の連続で、話題になった作品です。 そして、その鬼才が満を辞して「週刊少年ジャンプ」で『チェンソーマン』の連載がスタート!本作 は、「悪魔」が蔓延る世界で主人公が「デビルハンター」となる姿を描いたダークファンタジー漫画です。 そんな本作の舞台は、人を喰らう「悪魔」に日常を脅かされている 現代日本。 しかし、あること をきっかけに主人公・デンジは「チェンソーの悪魔」に変身できるように。 悪魔は駆除される世界ですが、悪魔に全てを乗っ取られている訳ではないデンジは、民間では対処できない凶悪な悪魔の駆除を行う「公安のデビルハンター」に誘われます。 そうして彼は、悪魔たちと戦いをくり広げていくことになるのです。 そんな『チェンソーマン』の面白さは、先読み不可能なストーリー展開、他に類を見ない独特のセリフ回し、血みどろバイオレンスな残虐描写、ド迫力な画面構成……挙げていけばキリがありません。 そのなかでも特筆すべきは、 頭のネジがぶっ飛んだ主人公・デンジ! デンジの特徴を表すと、「少年ジャンプ」の主人公らしくないということ。 「少年ジャンプ」の主人公と言えば、壮大な「夢」に向かって突き進むイメージがありますが、デンジはその真逆。 後述しますが、彼の夢は他人から見たら、あまりにもちっぽけなのです。 しかし彼はその夢を叶えるために、命を懸けて戦います。 彼の自分の夢への執着心は、なんとも異常と取れるでしょう。 少年漫画の主人公らしくないデンジの振る舞いは、人々の度肝を抜くどころか、度肝を切り刻むくらいのインパクト。 しかし、コレがとんでもなく面白い! そんな本作最大の魅力であるデンジについて、徹底的に紹介していきます! 「少年ジャンプ」のスローガンといえば「友情・努力・勝利」。 そして、主人公たちは「世界を救う」「大切な人を守る」のように、壮大な「夢」に向かって突き進むイメージがあります。 デンジはどうなのかというと、正反対。 人に語るような「夢」なんてものはないのです。 「人間を全て食べること」を夢見る悪魔に、デンジは夢を聞かれます。 それを「くだらない」と一蹴されてしまいます。 そう、 この時に彼が語った夢は「女の胸を揉むこと」。 バカにされイラだったデンジは、悪魔にこう言い放ちます。 「みんな偉い夢持ってていいなア!! じゃあ夢バトルしようぜ! 夢バトル!! しかし、デンジは夢を持つ者をただバカにしたい訳ではありません。 彼は、 夢の大小によって自他が比べられてしまうことに憤りを感じているのです。 彼にとっては「海賊王」も「世界を守ること」も「女の胸を揉むこと」も、全て同じ大きさの夢なのです。 幼い頃から父親が残した莫大な借金を抱え、貧しい生活を送ってきたデンジは「食パンにジャムを塗って食べられ、ぐっすり眠れて、イイ女とイチャイチャする生活」に憧れていました。 つまりデンジが夢見たのは、一般人が何気なく送っている普通の暮らし。 端から見ればちっぽけな事ですが、ド底辺を生きてきた彼にとって、「普通の暮らしをして、女の胸を揉む余裕があること」は立派な「夢」なのです。 物語の序盤、デンジはとある事件によって公安のデビルハンターとなることを迫られるのですが、それを快諾したきっかけのひとつは「朝ごはんには、食パンにバターとジャムを塗って食べられ、サラダとコーヒー、さらにはデザートも付いてくる」と聞いたからでした。 それまで1日分の食料が、ジャムも何も塗らない質素な食パンだけだったデンジからしたら、その待遇は夢に描いていたものに等しいのでしょう。 彼は「普通」の生活を送るため、悪魔と戦う道を選んだのでした。 しかし、彼の「夢」は多くの人にとって当たり前すぎるためか、誰にも理解されず、バカにされてしまいます。 しまいには先輩から「軽い気持ちでいるなら公安をやめろ」と言われてしまうほど。 それでもデンジは自分の「夢」のためなら命を懸けて全力で戦い続けます。 他人にどれだけ笑われようとも。 これこそが、デンジの最大の魅力です。 他人になんと思われようとも、自分の決めた道をとことん追求する。 その姿には、 紛れも無い少年漫画の「主人公」の熱意を感じてしまうでしょう。 一見、主人公らしからぬデンジですが、このように考えるとルフィやデクくんに似ている部分がありますよね。 デンジはこれまでに少年漫画では見たことのない発言や発想をくり広げますが、そこには確かな「主人公」像が見出されるでしょう。 それが、読者の心を掴んで離さないのです。 早々に夢を叶えてしまったデンジは、ただ本能に生きる 「俺はもう 夢にゴールしちまってるからなあ」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) 第4話という物語序盤で、生活が保障されている 公安に所属することになり、デンジは早々に夢を叶えてしまいました。 公安のデビルハンターたちは、 人類史上最大の敵である「銃の悪魔」を倒すという壮大な目的のために命を懸けて戦いを続けていますが、デンジにとってそんな事は 知ったこっちゃありません。 なんでコイツらは十分恵まれてんのに もっといい生活を望んだ? そーかみんな夢見ちまうんだなぁ じゃあ悪いことじゃねぇ 悪いことじゃねぇけど…… 「俺達の邪魔ァすんなら 死ね!」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) 自分も他人も同じ。 「今よりもっといい生活を」と望む気持ちは理解できても、邪魔するなら殺します。 あくまでデンジの行動は「自分本意」なのです。 今の生活を守るためならば、邪魔する奴らはぶちのめし、公安の言いなりになっても構わない。 清々しいにも程がありますね。 しかし、そんなデンジも公安になって遂に一つの目標を見つけます!やはり腐っても、「少年ジャンプ」の主人公! 「そういう事だったのか 見つけたぜ…… 俺の本気! 俺のゴール! それは…!」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) さて、そんな彼が見出した目標は…… 「胸ぇ 揉んでみてえ……」 (『チェンソーマン』第1巻より引用) どこまでも清々しい……っ! デンジ、お前は男の中の男だ……っ! さらに彼は公安のミステリアス女史・マキマから「銃の悪魔」を倒す協力を依頼されます。 銃の悪魔を殺せたら、「願い事なんでも一つ叶えてあげる」とデンジに話すマキマ。 それを許諾する彼の言葉もまた……本能に忠実。 デンジの頭の中はエロいことにいっぱいいっぱいで、自分のことを「デンジ君」と称したり全くおなじことを2回言ったりと、日本語もおぼつかないほどでした。 くり返しになってしまいますが、かつてジャンプにこんなに しょぼい 行動原理を持つ主人公がいたでしょうか。 いや、いないでしょう。 しかし、だからこそ『チェンソーマン』は面白いのです。 他のダークファンタジーを読んでみたい方にオススメする作品が『血と灰の女王』。 表現コードギリギリまで攻めた作品です。 本作は、特殊能力を持つヴァンパイアたちが、世界を支配できるという「ヴァンパイアの王」の座を巡ってバトルをくり広げる物語。 「誰も死んで欲しくない」と戦うことを決意する主人公に、「殺しが楽しい」というサイコパス、「弱者がいない世の中」を願う青年など、過去にさまざまな背景を抱えた者たちが、命を懸けて戦います。 容赦ないバトルシーンも、ダークファンタジー好きにはたまらないところではありますが、登場人物たちの心理描写にも注目していただきたい作品です。 物語が進むにつれ、徐々に登場人物の過去が明かされていきます。 ヴァンパイアの力を手に入れた人間それぞれの「戦う理由」が明かされていき、巻を追うごとに作品にのめり込んでしまうでしょう。 次にオススメしたいのが、『かつて神だった獣たちへ』です。 『チェンソーマン』と比べると過激な表現は抑えめですが、切ないバトルシーンが魅力です。 舞台は激しい戦争を終え、平和になった世界。 平和な世界になる以前は、大きな戦争をくり広げていました。 その戦争を終わらせたのが、神から圧倒的な力を与えられた「擬神兵(ぎしんへい)」たち。 しかし平和になった世界には「擬神兵」の力は不要に。 賞賛を受けてきた彼らは、しだいに人々から疎まれれ、神の力に心が支配されるようになります。 彼らは誰からも必要とされない寂しさから、受け入れてもらうため人を殺すようになり……苦しみの中を生きていました。 そんななか、擬神兵を苦しみから解放する「獣狩り」と呼ばれる男がいました。 擬神兵たちの苦しみを終わらせようと、彼らを葬ります。 そんな彼の正体は……かつての擬神兵部隊の隊長だったのです。 仲間の苦しみに終止符を打つため、かつての仲間を手に掛ける旅が始まります。 孤独に苦しむ擬神兵たちも切ないですが、かつて戦友とのバトルシーンには胸が打たれます。
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