白血病 遺伝。 慢性骨髄性白血病 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

白血病キメラスクリーニング(定量)

白血病 遺伝

数十年にわたる医学上の謎が、テネシーにあるカリフォルニア大学サンフランシスコ校(USCF)およびセントジュード小児研究病院の研究者らによって解明された。 研究チームは家族性血液疾患の原因となる1組の遺伝性遺伝子変異を発見した。 この遺伝子変異は時として白血病に至る場合がある。 この研究は5家族の兄弟姉妹16人におけるDNA解析に基づいた研究であり、これらの変異を有する小児の中には自然に回復する者がいたことが報告された。 また、家族性白血病がより軽度である患者に対して侵襲性が高く危険な骨髄移植を医師が避けるのに役立つ可能性のある別の遺伝子マーカーが示された。 家族性白血病を取り巻く謎は、USCFのがん専門医Kevin Shannon医師が、であるYuet Wai Kan医師(FRS)率いる研究室の主任研究員であったころの30年以上前に遡る。 Shannon医師らのチームは、家族のうち数名の子供が血球数が少ない状態[骨髄異形成症候群(MDS)]および急性骨髄性白血病(AML、重篤でしばしば死に至る血液のがん)を発症する可能性のある数家族に出会った。 通常、2対の第7染色体が存在するところ、これらの患者には1対しか認められなかった。 この病状はモノソミー7として知られる。 1989年に、当時の最新技術を用いてShannon医師は第7染色体の領域に的を絞ることに成功した。 その領域は家族性モノソミー7症候群と呼ばれる病状の原因となっている。 この特異的な遺伝子を特定する試みは当時失敗に終わったが、Shannon医師らのチームは同様の病歴を有するその他の家族から血液サンプルの収集・貯蔵を開始した。 今回の研究(2018年7月26日、)はShannon医師の研究室に所属する研究者、Jasmine Wong博士が陣頭指揮をとっている。 Wong博士は研究室に所属する前にShannon医師が1989年に発表した論文を読み、この10年間、家族性小児白血病の原因となる遺伝学の理解に努めている。 「Shannon医師の論文を読んで、親たちにとって、2人以上の子供がこの本当に重篤な白血病にかかってしまう状況になることが、一体どのようなことだろうかと考えました」とWong博士は述べた。 「一人目の子供が発症した際、おそらく2人目の子供が骨髄ドナーになるかもしれないと確認しようとするでしょう。 その結果、2人目の子供も同じ病気にかかっていることがわかってしまうのです。 これは非常にショックです。 また、本当に困惑する科学上の謎です。 」 Wong博士は、Shannon医師が長年にわたり収集してきた家族性モノソミー7症候群の多数の血液サンプルを集めて整理し、遺伝子系統樹あるいは系図を作成した。 また、UCSFの小児腫瘍学者Mignon Loh医師の協力を得て新たな患者を特定した。 Mignon Loh医師は今回の論文の著者でもある。 よくあることだが、Wong博士と統括共著者であるJeffrey Klco医学博士が所属するセントジュード小児研究病院の研究室による協力の結果、今回の貴重な新発見が最終的に得られた。 この協力体制では、Jeffrey Klco医学博士と共同筆頭著者であるVictoria Bryant博士が、Wong博士が特定した家族のうち5家族の組織サンプルにおける遺伝性DNA変異についてディープシーケンシングを行った。 データから、第7染色体に局在する遺伝子、 SAMD9および SAMD9Lの変異はモノソミー7症候群と強く関連していることが判明した。 しかし、患者の健康な兄弟姉妹や両親でこれらの変異を保有しているにもかかわらず何ら症状を示さない者が多数いることも判明している。 研究チームは、実際にMDSやAMLの症状を呈した患者はある一連の続発性遺伝子変異も有している事を明らかにした。 この一連の続発性遺伝子変異によって症状がより重篤になっているようだ。 一方でこれらの変異がない場合、全く症状が出ないことが多い。 あるいは血球数が減少し始めるものの治療なしで自然に回復した。 この知見はまた、別の血液疾患に関連している可能性がある、と著者らは述べた。 「第7染色体上の遺伝子変異はAMLおよびMDS患者に極めて頻繁に認められます。 また第7モノソミーに伴う悪性腫瘍の予後は不良で、既存の治療法が奏功しません」とWong博士は述べた。 「第7染色体上には860を超える遺伝子があるため、非家族性MSDおよび非家族性AMLにおける SAMD9と SAMD9L の働きについて、また、これらの遺伝子が、第7染色体に局在するその他の遺伝子や、その他の染色体上に局在するがん遺伝子と相互作用する機序について理解できれば興味深いことになると思います。 」 Shannon医師はこの発見の一端を、30年前のKan医師の指導によるものとしている。 「Kan医師は私をとても信用してくれました。 当時、Kan医師の研究室は白血病を研究していませんでしたし、研究室開設以来研究したことが無かったのです。 それなのに、このまれな白血病を研究したいと希望している若手主任研究員であった私を信じてくれたのです」とShannon医師は述べた。 「JasmineやJeffのような若手科学者らは私が渡したバトンを将来につなげてくれています。 また、願わくば家族性血液疾患患者の生活と転帰を継続的に向上できればと思います。 」 Shannon医師は、UCSF小児科の教授であり、臨時的に小児科部長を務めている。 また、Pediatric Molecular OncologyのRoma and Marvin Auerback Distinguished Professorである。 Kan(Louis K. Diamond)医師はUSCF血液学部長である。 Shannon医師、Kan医師の両者はUCSFのヘレン・ディラー・ファミリー総合がんセンターに所属している。 Klco医学博士はセントジュード小児研究病院病理学部門の助手である。 この研究の詳細についてはセントジュード小児研究病院のを参照のこと。

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2.白血病の原因

白血病 遺伝

詳細は「」を参照 はhuman T-cell leukemia virus type 1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)の略称である。 かつては1型human T-lymphotropic virus type 1と呼ばれていた。 1980年にはじめてヒトのとして報告され 、(成人T細胞白血病・リンパ腫、adult T-cell leukemia-lymohoma)の原因ウイルスであることが明らかになった。 HTLVにはtype1からtype4まで報告されているがtype1以外の病原性はあきらかではない。 type1のgenotypeはsubtype AからGの7つに大きく分かれ地域性を反映する。 日本のHTLV-1はsubtype Aに含まれる。 は主にHTLV-1感染者のCD4陽性Tリンパ球より検出される。 HTLV-1が感染するととして持続感染する。 すなわち細胞のゲノムにウイルス遺伝子が取り込まれ、細胞中に長期にわたり存在・維持される。 HTLV-1感染者の末梢血液中にはHTLV-1感染リンパ球が存在するがB型肝炎ウイルスなどと異なり、血漿中にはほとんどウイルスを検出できない。 このためHTLV-1感染者の診断はウイルスそのものの検出ではなく、HTLV-1に対する抗体の検出によって行われる。 すなわち、抗HTLV-1抗体陽性であればHTLV-1に感染していることを意味する。 一度HTLV-1に感染すると自然にウイルスが消失することはないと考えられており、終生感染が持続する。 また、HTLV-1感染者の末梢血リンパ球からは遺伝子増幅法(PCR法)によりHTLV-1の遺伝子を検出することができる。 この方法により、HTLV-1のプロウイルス量を測定することが可能である。 HTLV-1は多くの場合は1個のT細胞に1コピー組み込まれるためプロウイルス量はHTLV-1感染細胞数を意味する。 HTLV-1の遺伝子は約9kbの2本のプラス鎖RNAである。 ウイルスゲノムはコアタンパク質、エンベロープタンパク質、などのほかの種々の機能性タンパク質をコードする。 HTLV-1の疫学 [ ] 世界的には日本、中南米、アフリカなどにHTLV-1感染者の多い地域があることがわかっている。 日本の2014年から2015年の調査では80万人程度のHTLV-1感染者がいると推定されている。 かつては九州、沖縄に感染者が多く、全体の40%がこの地域に分布していた。 近年は大都市圏でHTLV-1感染者が増加傾向で地域分布が変化していると考えられている。 HTLV-1感染が原因となって発症するHTLV-1関連疾患にはATL(成人T細胞白血病・リンパ腫、adult T-cell leukemia-lymohoma)、HAM(HTLV-1関連脊髄症、HTLV-1-associated myelopathy)、HAU(HTLV-1関連ぶどう膜炎、HTLV-1-associated uveitis)などが知られている。 HTLV-1感染者のうちHTLV-1関連疾患を発症するのはごく一部であり、ATLの発症率が約5%であり、HAMの発症率は0. 3%である。 大半の感染者はHTLV-1関連疾患を発症することなく生涯を終える。 HTLV-1プロウイルス量が多いHTLV-1感染者はHTLV-1関連疾患の発症リスクが高いと考えられている。 HTLV-1の感染 [ ] HTLV-1感染者の体液中にほとんどフリーのウイルス粒子が検出されず、伝播にはHTLV-1感染細胞が他者の体内に入ることが必要である。 このためHTLV-1の感染力は極めて弱い。 主な感染経路は母子感染と男女間の水平感染である。 母子感染ではを介した伝播が主なものである。 水平感染では性交渉で起こりやすい。 かつてはによる感染も認められたが1986年以降は血液製剤に対するHTLV-1スクリーニング検査が行われており、輸血による感染の危険性はほとんどない。 まれな伝播経路としてがあげられる。 一方、これを人工栄養へ切り替えることによって母子感染はほぼ防げる。 性交による感染は通常、精液に含まれるリンパ球を通じての男性から女性への感染である。 個体内でのHTLV-1増殖の場は主にであると考えられている。 リンパ節で増殖したATL細胞が血液中に流出すると、特徴的なATL細胞が末梢血で見られるようになる。 HTLV-1の発癌機構 [ ] 母乳中のHTLV-1感染リンパ球が乳児の消化管内で乳児のリンパ球に接触することでHTLV-1は新たに感染することができる。 であるため、リンパ球DNAに組み込まれ、ウイルスの再生産を行う。 HTLV-1のp40 taxは宿主細胞のIL-2レセプター遺伝子などを活性化し、その分裂増殖を引き起こす。 こうして無限増殖を繰り返す宿主細胞がその過程でなんらかのエラーをおこし、形質転換をおこし、ATLを発症すると考えられている。 HTLV-1感染の診断 [ ] 一次検査 一次検査では血清抗HTLV-1抗体の有無を確認する。 PA法、CLEIA法、CLIA法、ECLIA法が推奨されている。 一次検査が陰性の場合、HTLV-1感染はないと考える。 陽性であっても偽陽性がふくまれるため確認検査が必要となる。 確認検査 確認検査はWB法もしくはLIAで血清抗HTLV-1抗体の有無を確認する。 確認検査で陽性ならばHTLV-1感染であり、陰性ならばHTLV-1感染ではないと評価する。 確認検査の問題点として判定保留となる場合があることである。 非流行地WB法の判定保留が20%にも及ぶ。 LIA法はWB法より判定保留率が低くなる可能性がある。 判定保留の場合はPCR法でHTLV-1検出を行うことでより正確で信頼性の高い診断が期待できる。 疫学 [ ] 原因ウイルスであるHTLV-Iの感染者は、特にとに多く、他には沿岸諸国、、などに感染者がみられる。 そのため、成人T細胞白血病(ATL)患者もこれらの地域に多くみられる。 日本におけるATLによる年間は約1,000人であり、1998年(10年)以降の10年間に減少傾向はみられていない。 症状 [ ] 症状は病型によって異なる。 急性型やリンパ腫型では、食欲不振、全身リンパ節腫脹、皮膚病変、肝脾腫などの所見や症状が認められる。 またいわゆる腫瘍熱として発熱を認める症例が多い。 ATLの皮膚病変には様々なものがみられ、紅斑型、多発丘疹型、結節腫瘤型、紅皮症型など様々な形態を取りうることが知られている。 重要臓器にATL細胞が浸潤した場合や、を伴う際はその症状を示す。 くすぶり型は無症状であることが多く、あってもほとんどは皮膚病変のみである。 慢性型も同様であるが腫脹を伴う場合もある。 ATLでは強いのため、他の血液疾患でも合併がみられる性肺炎、性肺炎以外に後以外の通常の血液疾患化学療法ではほとんど問題にならないサイトメガロウイルス、ニューモシスチス・ジロベッチ、結核などの合併が認められる。 検査所見 [ ] 検査所見も病型によって異なる。 くすぶり型は末梢血液像で異常リンパ球(腫瘍細胞)が5%以上認められるのが唯一の異常所見であることが多い。 機械式の血液像検査では検出できない場合があるため目視(鏡検)による血液像検査が望ましい。 慢性型は白血球、リンパ球増多が認められる。 くすぶり型や慢性型でもやsIL-2Rが上昇することがある。 ATLの腫瘍細胞は形態的には核に複雑な切れ込みのみられるフラワー細胞が有名であるが、くすぶり型と慢性型ではフラワー細胞がみられることは少なく、ほとんどの腫瘍細胞は軽度のくびれが認められる異型性の軽いものであり、形態診断には注意を要する。 急性型やリンパ腫型ではLDHやsIL-2Rが著増する。 リンパ腫型は末梢血に腫瘍細胞をほとんど認めない。 急性型は定義上は他の3病型の定義を満たさないものとされているが通常は白血球増多があり末梢血中にATL細胞が認められる。 画像所見 [ ] CTではリンパ節腫脹や肝脾腫などの症状に応じた所見が認められる。 診断 [ ] ATLの診断は成熟T細胞性の腫瘍の患者で抗HTLV-1抗体が陽性であることを示すことから始まる。 次にリンパ節や皮膚など生検標本の免疫染色を含む病理診断、末梢血に異常細胞が出現している場合には法によって腫瘍細胞がCD4、CD25が陽性であることを確認する(まれにCD4陰性CD8陽性ATLが存在する)。 これらの検査で概ね確定ができる。 しかしHTLV-1キャリアにATL以外のT細胞細胞が発生することも可能性としてありえるため、厳密にはHTLV-1が腫瘍細胞に単クローン性に組み込まれていることを法で確認できる。 非典型例ではサザンブロット法が診断に必要である。 ATLでは末梢血リンパ球のサザンブロット法で単クローン性の取り込みパターンが認められるがHAMではポリクローナルまたはオリゴクローナルな取り込みパターンとなる。 病型分類 [ ] 1991年に日本臨床腫瘍研究グループ リンパ腫グループ(JCOG-LSG、Japan clinical oncology group-lymphoma study group)は1980年代の全国実態調査で収集されたATL患者の情報から、急性型、リンパ腫型、慢性型、くすぶり型の4臨床病型を提唱した。 慢性型には予後不良因子があり血清LDH値が正常値上限を超える、血清BUN値が施設正常上限を超える、血清アルブミン値が施設正常値下限を下回るのいずれか1つでも有するかどうかによって亜分類した。 この臨床病型分類は 下山分類として世界的に広く使用されている。 病型分類に必要な情報は末梢血白血球数と白血球分画(自動血球分析ではATL細胞を認識できない場合があるため、原則目視で判断する)、生化学的検査(LDH、Ca、BUN、アルブミン)、リンパ節腫大の有無(有りの場合には組織学的診断)、皮膚や臓器・中枢神経病変の有無である。 急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型ATLをaggressive ATLとよぶ。 予後不良因子を有さない慢性型ATLとくすぶり型ATLをindolent ATLとする。 Aggressive ATLはindolent ATLから移行(急性転化)してあるいはindolent ATLの時期を経ず、もしくはindolent ATLの時期に発見されずに発症する。 予後因子 [ ] ATL-prognostic index ATL-PI プロジェクトは研究に参加した全国81の血液内科医療機関とATL診療を積極的に行っている3つの皮膚科医療機関において2000年代に診断されたATL患者の後ろ向き調査である。 このから同種を受けなかった急性型とリンパ腫型ATL患者に対する予後因子として病期(Ann Arbor分類やLugano分類)、、年齢、血清アルブミン値、血清sIL-2R値の5つを決定した。 算術式から低・中・高リスクの3群に分類するATL-PIを決定し、それをスコア化することによって臨床的に用いやすくしたsimplified ATL-PI sATL-PI を作成した。 くすぶり型、慢性型に対しても同様の作業を行い。 予後因子としてsIL-2Rのみが抽出され、indolent ATL-PI iATL-PI とsimplified iATL-PI siATL-PI を作成した。 治療 [ ] Indolelent ATLでは通常は無症状で緩慢な経過をたどり、早期に治療介入することによる予後改善が認められないため、急性型に移行するまで無治療経過観察される。 皮膚病変に対して皮膚指向性治療が行われるが生存期間の改善に貢献するエビデンスはない。 Aggressive ATLでは70歳以下ならばmLSG15療法(VCAP-AMP-VECP療法)と同種が検討される。 70歳を超える場合はベースの化学療法を救援療法としてはヒト化抗CCR4モノクローナル抗体であるやが検討される。 :+++• VCAP-AMP-VECP療法:+++ -++ -+++• 抗CCR4抗体() 再発難治例に対して保険適応も 他多剤併用化学療法とも合わせて用いられる。 再発難治例に保険適応あり 歴史 [ ] 1970年代の日本の白血病、リンパ腫の論文ではいくつかの興味深い症例報告をみることができる。 西南日本に予後不良のが多いこと、家族内発症が悪性リンパ腫にみられること、が南九州に多いこと、や皮膚T細胞リンパ腫が九州に多いこと、リンパ腫から白血化し、急激に死にいたる症例が認められること、末梢血に核が分葉した奇妙な白血病細胞が認められることなどがあげられる。 これらの多くは2008年(20年)現在の診断能力ではATLと診断されておかしくないものばかりであるが、腫瘍ウイルスが原因とわかったのは1980年代である。 2015年10月21日、らのグループがスパコンの「」を用いて、成人T細胞白血病の遺伝子異常の全貌を解明することに成功したと発表。 本研究は国際科学誌「Nature Genetics」電子版に掲載された。 本研究の結果は、ATLの病気の仕組みの解明に大きな進展をもたらすのみならず、今後、本疾患を克服するための診断や治療への応用が期待される。 分布と縄文人 [ ] ATLのウイルスキャリアが日本人に多数存在することは知られていたが、の周辺諸国ではまったく見出されていない。 いっぽうや、ニューギニア先住民などでキャリアが多い。 日本国内の分布に目を転じると、南九州や沖縄、に特に高頻度で見られ、南部、の南部、の、、などの僻地や離島に多いことが判明している。 、四国、東北の各地方におけるATLの好発地域を詳細に検討すると、周囲から隔絶され交通の不便だった小集落でキャリアは高率に温存されている。 以上より、はこのウイルスのキャリア好発地域は、が高密度で残存していることを示していると結論付けた。 HTLVはかつてのみならず東アジア大陸部にも広く分布していたが、激しい淘汰が繰り返されて大陸部では消滅し、弥生時代になってウイルス非キャリアの大陸集団が日本列島中央部に多数移住してくると、列島中央部でウイルスが薄まっていったが、列島両端や僻地には縄文系のキャリア集団が色濃く残ったものと考えられる。 出典 [ ] []• Lancet Oncol. 2014 Oct;15 11 :e517-26. Front Microbiol. 2017 Sep 22;8:1800. Proc Natl Acad Sci U S A. 1980 Dec;77 12 :7415-9. Blood. 1977 Sep;50 3 :481-92. Proc Natl Acad Sci U S A. 1981 Oct;78 10 :6476-80. Proc Natl Acad Sci U S A. 1982 Mar;79 6 :2031-5. J Clin Microbiol. 2015 Nov;53 11 :3485-91. Lancet Infect Dis. 2007 Apr;7 4 :266-81. J Neurovirol. 1998 Dec;4 6 :586-93. Blood. 2010 Aug 26;116 8 :1211-9. 木下研一郎 「成人T細胞白血病・リンパ腫」 新興医学出版社(平成15年) p102-16• 浅野『三輪血液病学』p. 1491• 浅野『三輪血液病学』p. 1493• 浅野『三輪血液病学』p. 1490• 厚生労働省研究班(班長: 山口一成) 「本邦におけるHTLV-I感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」 平成20年度総括研究報告書• Br J Haematol. 1991 Nov;79 3 :428-37. Blood. 2015 Dec 10;126 24 :2570-7. J Clin Oncol. 2012 May 10;30 14 :1635-40. Blood. 2017 Jul 6;130 1 :39-47. J Clin Oncol. 2010 Sep 20;28 27 :4177-83. 2015年10月23日. 2015年10月25日閲覧。 日沼頼夫 1998 、『日本農村医学会誌』 46巻 6号 1998年 p. 908-911, : 参考文献 [ ]• 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』、2006年、• 『標準血液病学』、2000年、• 『HTLV-1と疾患』文光堂、2007年、• 『カラーテキスト血液病学』、2007年、• 『がん診療レジデントマニュアル』医学書院、2007年、• 『HTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン2019』、2019年、 関連人物 [ ]• 外部リンク [ ]• - 国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト、2016年5月30日更新、2020年1月21日閲覧• (米国国立がん研究所によるPDQの日本語版)• JSPFAD HTLV-1感染者コホート共同研究班•

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慢性骨髄性白血病とは 慢性骨髄性白血病(CML)は、ゆっくり進行する血液のがんの一種で、血液の基となる細胞を作る造血幹細胞に異常が起こり、がん化した血液細胞が増殖することによって起こる病気です。 フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)染色体という特異な染色体異常を持ちます。 フィラデルフィア(Philadelphia:Ph)…対内のすべての細胞には、細胞の形や活動を決定するDNA(遺伝物質)が含まれており、DNAは染色体の中にあります。 慢性骨髄性白血病の場合、9番染色体と22番染色体が組み替わり、これをフィラデルフィア染色体と呼びます。 この結果、骨髄中ではチロシンキナーゼと呼ばれる酵素の働きが活発になり、白血球となる幹細胞が過度につくられます。 そのため、慢性骨髄性白血病の方ではこのフィラデルフィア染色体に異常があるかどうかが、診断の基準にもなります。 血液中には赤血球、白血球、血小板などの血液細胞があり、それらは骨の中にある骨髄で血液細胞のもととなる造血幹細胞から増殖しながら分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)してつくられます。 造血幹細胞は、骨髄系幹細胞をリンパ系幹細胞に分かれ、前者から赤血球、血小板、各種の顆粒球や単球が産生され、後者からBリンパ球、Tリンパ球、NK細胞などのリンパ球が産生されます。 赤血球は全身の組織に酵素を運び、白血球は病原体とたたかい、血小板は血液を固めて出血を止める働きをします。 白血病は、こういった血液をつくる機構に異常が生じ、白血球ががん化した細胞(白血病細胞)となって無制限に増殖することで起こります。 白血病細胞が骨髄に蓄積して正常な血液をつくる作用を妨げ、また血液中に出て行って脾臓や肝臓などに進入し、さまざまな症状を起こします。 白血病は、急速に進行する急性白血病と、ゆっくり進行する慢性白血病に大きく二分され、さらにそれぞれ骨髄系細胞から発生する骨髄性白血病と、リンパ球系細胞から発生するリンパ性白血病に分けられます。 急性白血病 急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia:AML) 急性リンパ性白血病(Acute Lymphoblastic Leukemia:ALL) 慢性白血病 慢性骨髄性白血病(Chronic Myeloid Leukemia:CML) 慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphoblastic Leukemia:CLL) 急性白血病と異なり、初診時に貧血症状、感染症、出血傾向を合併することもまれです。 発見された時期により差がありますが、病気の進行とともに血液中の白血球数と血小板数はふえていきます。 そして、骨髄の中が白血病細胞でいっぱいになり、赤血球が圧迫されて減少するため、次第に貧血状態になります。 また、白血球数が増加するに従って、全身の顕著な倦怠感(だるさ)や無気力、夜間の寝汗、体重減少が見られます。 また白血球が増えると脾臓が腫大することによる腹部の膨満感や左腹部の痛みなどの症状が現れます。 慢性骨髄性白血病が原爆被爆により増えたことはわかっていますが、発症する原因は、まだ十分に解明されていないです。 やや男性に多く、わが国における発症頻度は10万人に1~2人と比較的まれで、成人における白血病全体の約20%を占めます。 現在、慢性骨髄性白血病の治療として、チロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブが第一選択として用いられ、慢性骨髄性白血病の治療法が近年劇的に変わってきました。 白血病の症状 慢性骨髄性白血病では、初期の段階での自覚症状はありません。 その理由は、慢性骨髄性白血病は進行が遅く、過剰につくられた血液細胞でも、ほぼ正常と同等の働きをすることができることが挙げられます。 そのため、多くの場合は、健康診断などで白血球数の増加を指摘されるなど、偶然見つかることになります。 しかし、ある程度進行すると、白血球や血小板が増加し、貧血や全身の倦怠感、無気力になるなどの自覚症状がみられるようになります。 さらに、夜間に多くの寝汗をかいたり、体重の減少に気づくようになります。 一般的な「病気」は、急性期から慢性期へ移行することが多いのですが、白血病の場合は少し違います。 基本的には、初期の頃の状態、ゆっくりと 病気が進行する時期を「慢性期」とよびます。 ここから特に合併症などが無い場合には、数年後に「移行期」と呼ばれる時期になり、さらに数年後に「急性期」へと移行します。 中には、移行期を経ずに、慢性期から急性期へ移行することもあります。 症状が少なく、ゆっくりと進行する慢性期から、急激に症状が悪化する急性期へと移行してしまうのです。 白血病の原因 白血病には、慢性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、成人T細胞白血病・リンパ腫などがありますが、それぞれの病気の原因が違います。 慢性骨髄性白血病の原因は、幹細胞の遺伝子異常によるものとされています。 人には、22対の常染色体と、1対の性染色体がありますが、常染色体の中でも、9番目の染色体上にあるbcr遺伝子と、22番染色体上にあるabl遺伝子の転座(遺伝子が入れ替わってしまうこと)によって「フィラデルフィア染色体」が生じます。 このフィラデルフィア染色体が、異常な遺伝子であるBCR-ABL融合遺伝子を作り出してしまいます。 このBCR-ABL融合遺伝子は、血液細胞を過剰に生成してしまうタンパク質をつくります。 その結果、血液細胞が過剰に増殖し、慢性骨髄性白血病となるとされています。 一方で、BCR-ABL融合遺伝子を持っていないにもかかわらず、血液が過剰に作られる方がいます。 この場合は白血病ではなく、別の病気として考えられることが多くなります。 急性前骨髄性白血病でも、遺伝子の転座が起きています。 この場合は、常染色体のうち、15番目の染色体の一部と17番目の染色体の一部が切れ、互いに入れ代わる「相互転座」という現象がおきます。 その結果、正常な白血球が成熟できなくなり、前骨髄球と呼ばれる細胞が異常に増え、白血病を発症します。 一方、成人T細胞白血病・リンパ腫の場合、その原因はHTLV-1というウイルスへの感染です。 白血球に含まれるT細胞がHTLV-1に感染しても、発症するのはごく一部です。 およそ30~50年間の潜伏期間があるといわれており、HTLV-1ウイルスに感染しても発症しない人は、「キャリア」と呼ばれます。 実際に感染しているかどうかは、抗HTLV-1抗体検査で分かります。 HTLV-1ウイルスは、母乳や血液、体液によって感染しますが、その原因として重要とされるのは、母乳による母子感染です。 例えば、発症率が高いとされる地域では、妊婦検診などを通じての抗HTLV-1抗体検査など、母子感染予防の対策が成されているところがあります。 この他、高齢者や血液中のウイルス量が高い方、成人T細胞白血病・リンパ腫を発症した家族がいる方などは、発症する可能性が高くなります。 血液検査 血液中で増加している細胞を顕微鏡で詳しく調べます。 白血球の一種である好酸球、好塩基球が少し増加し、正常に分化した顆粒球が特にふえていた場合に、慢性骨髄性白血病を疑い、骨髄穿刺という検査を行います。 骨髄穿刺・骨髄生検 骨髄穿刺は皮膚を消毒し、局所麻酔の後に腸骨(腰の骨)または胸骨(胸の中央にある骨)に細い針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。 この骨髄液中に含まれる細胞の形を顕微鏡で調べます。 注射器に骨髄液を吸引する際に痛みがあり、この痛みは局所麻酔では抑えられないですが、通常は一時的な痛みにとどまります。 骨髄生検では骨髄組織を採取します。 染色体検査 採取した骨髄液を用いて、慢性骨髄性白血病に特徴的なフィラデルフィア(Ph)染色体の検査を行います。 フィラデルフィア染色体は図のように、第9染色体と第22染色体の組み替えによって生じます。 その結果、本来離れているAbl遺伝子をBcr遺伝子が隣り合わせになり、異常が発生します。 遺伝子検査 FISH法と呼ばれる方法で染色体を着色し、異常な遺伝子(Bcr-Abl)を検出します。 PCR法ごいう遺伝子を増幅する方法で検出することもできます。 腹部超音波検査・腹部CT検査 慢性骨髄性白血病と診断された場合、続いて臓器に異常がないかどうかの検査を行います。 脾臓の腫大の程度(病気や治療効果の見通しを予測する因子の1つ)をみるために、腹部超音波(エコー)あるいは腹部CTなどの検査を行うことがあります。 造影剤を使用する場合は、アレルギーが起こることがあります。 ヨードアレルギーの経験のある人は医師に申し出ることです。 1慢性期 白血球数と血小板数は増加していますが、白血球はほぼ正常に分化するため、芽球と呼ばれる未熟な白血球の割合は10%未満です。 無治療のままだと、多くの例は3~5年で急性転化期に移行します。 慢性期を長期間持続させることが治療の目的となります。 2移行期 慢性期と急性転化期の間の病期です。 白血病細胞の増殖の程度が高まるとともに、分化する能力が失われ、骨髄や末梢血中における芽球の割合が増加します。 その結果、治療による白血球数のコントロールが困難になり、脾臓の腫大が進行する場合があります。 貧血、出血傾向、発熱が現れることもあります。 また、明らかな移行期を経ないで、急性転化期に移行する場合もあります。 3急性転化期 芽球期、急性期とも呼ばれ、骨髄、末梢血中の芽球が20%以上に増加します。 慢性期と同じような治療では白血球数のコントロールは困難で、白血病細胞が骨、皮膚やリンパ節に腫瘤を形成することもあります。 芽球の性質により、骨髄性急性転化とリンパ性急性転化の大きく2つのタイプに分けられます。 抗がん剤 化学療法 化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。 全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。 慢性骨髄性白血病の場合、治癒を目的とした化学療法というよりは、発熱や倦怠感、肝臓や脾臓の腫れなどのような症状の緩和と、血球数を抑えることを目的として、化学療法を行います。 投与方法は、内服や点滴による静脈注射、筋肉注射などの方法があります。 しかしこれらの方法では、脳脊髄液への薬剤の移行が困難であることから、抗がん剤を直接脊髄へ注射にて投与する「髄注」という方法をとることもあります。 また、後述する造血幹細胞移植の補助療法としての大量の抗がん剤を用いた化学療法や、インターフェロン療法の併用としての化学療法を行うこともあります。 分子標的療法 化学療法よりも高い治療効果が望めることから、慢性骨髄性白血病治療の第一選択ともいわれる治療法です。 使用する薬剤としては、イマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブという薬剤の、いずれかを選択します。 1日1回内服し、治療効果を見ながら、薬剤の増量や変更、または継続を検討していきます。 通常は、2~3ヶ月程度で白血球数が減少し、これに伴い、フィラデルフィア染色体を有する白血病細胞白血数も減少していき、白血数は正常化してきます。 しかし、内服薬は生涯のみ続けなければならないこと、飲み忘れると効果が格段に低くなるという欠点があります。 現在、内服薬を中止しても治療効果が薄れることが無いかどうか、新たな臨床試験が行われています。 インターフェロン療法 生物学的製剤であるインターフェロンを投与することによって、白血病細胞の数の減少だけでなく、白血病細胞そのものが根絶できる可能性がある治療法です。 分子標的治療が開発される以前によく行われていた治療方法です。 一般的には、化学療法と併用して行われることが多くなります。 また、現在でも医療機関によっては第一選択とされる治療方法です。 約75%で血液学的寛解がみられ、50%以上でフィラデルフィア染色体陽性細胞の減少を認める細胞遺伝学的効果が得られた、という報告があります。 しかし、その効果が永年持続するか、現在のところは明らかになっておらず、副作用が強く出ることや、治療に対する治療費が高額であるなど、いくつかのデメリットもあります。 造血幹細胞移植 造血幹細胞移植とは、正常な骨髄と患者さんの骨髄を入れ替える治療で、完全治癒が見込める唯一の治療法と言われています。 大量の放射線や化学療法で正常な血液細胞と白血病の細胞を全て破壊した後、正常な骨髄を輸血のように投与し、破壊されている白血球と入れ替えます。 若年層に対して行われることが多い治療法ですが、近年では移植前の化学療法を緩和し、高齢者でも行える治療法となりつつあります。 移植方法には、自家移植と同種移植、臍帯血移植があります。 ・自家移植 自家移植とは、化学療法により腫瘍細胞が消失し、自身の正常血液細胞が回復した状態の時に自分の造血幹細胞を採取して凍結保存し、その幹細胞を移植する移植方法です。 血液の回復が早く、高齢者でも受けられるという特徴があります。 ・同種移植 同種移植とは、白血球の型が全て一致する「骨髄提供者の骨髄」を移植する方法です。 しかし、型が全て一致する他人と出会える確率が非常に低いため、行われる頻度も少ない治療法となります。 また、治療後の副作用が強く出ることがあり、血液の回復にも2~3週間ほどの時間が必要となることが特徴です。 ・臍帯血移植 臍帯血移植とは、胎児の臍帯血を用いて、移植を行う方法です。 臍帯血の特徴として、幼若で増殖能力に富む造血幹細胞が含まれていることが挙げられます。 移植後の副作用が少なくて済み、高齢者でも行うことができる治療方法です。 いずれの方法でも、骨髄(または臍帯血)の移植後は、副作用があります。 特に移植後1~3週間は易感染状態(感染しやすい状態)となるため、徹底的な無菌管理が必要となります。 中には造血幹細胞移植に関連した合併症により、死亡する例もあります。 imic. keio-hematology. hospital. iwata. shizuoka. pref. aichi. niigata-cc. jmdp. html JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ) 6. jalsg. html.

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