プロット 作り方。 小説プロットの作成方法

【初心者さん必見】簡単な小説の書き方講座|プロットの作り方付き

プロット 作り方

小説の書き方、2つのポイント 小説の書き方には2つのポイントがあります。 それは、面白い物語を作るための物語想像力と、伝えたいことを文章化する文章表現力。 それぞれ、詳しくご紹介していきます。 文章表現力 自分の書きたいものを表現するのに必要なのが、 文章表現力。 語彙力を増やすことから始めましょう。 小説は、セリフと地の文の2種類で成り立っています。 セリフ文は小説の要。 登場人物たちが発言しているため、説明口調にならないように注意すれば、問題ありません。 自分だったらどのような発言をするのか考え、違和感の無いものにしましょう。 そして、作者の腕が現れるのは地の文。 読者の想像を働かせるような文章を意識して書きましょう。 小説は映画などと違って、基本的にイラストがありません。 文章のみで、場面を想像させる必要があります。 キャラクターを設定したり、ストーリーを考えます。 この要となるのがプロットです。 プロットの作り方は、次で説明していきます。 プロットの作り方 小説の設計図と呼ばれることも多いプロット。 しかし、書くのが面倒臭いと思う方も多いはず。 プロットを書くことによって、自分がどのような小説が書きたいのか整理することが出来ます。 自分の書きたい小説を表現するためにも、プロットを作成するようにしましょう! 5W1Hを意識 5W1Hとは、When(いつ)Where(どこで)Who(誰が)What(何を)Why(なぜ)How(どのように)のこと。 文章を書く際に基本とされる考え方です。 話を考える際には、この5W1Hを意識して考えましょう。 When(いつ) 小説の時代背景を定めましょう。 ファンタジーなのか、時代小説なのかによって、着ている物や言動なども変わってきます。 当時の流行も反映させることによって、より一層読者を小説の世界に引き込むことが出来ますよ! Where(どこで) 小説の舞台を定めましょう。 自分が行ってない場所でも、ネットなどでリサーチをすると良いでしょう。 その人が要となるため、時代背景と共に考えておくのがベター。 また、アクション物などは、必殺技なども考えておきましょう。 What(何を) 小説の芯を決めます。 小説の最終到着地点を定め、小説を書いている際に迷子にならないようにしましょう。 Why(なぜ) 主人公がなぜ、その行動を取ったのかを定めます。 行動の裏には何か気持ちがあるもの。 自分がその主人公になったつもりで、主人公の心情を追って、考えていきましょう。 How(どのように) 物語がどのように展開されていくのかを定めたもの。 いわば、ストーリーの基盤です。 ここで小説の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。 今までの5Wを踏まえた上で、考えましょう。 キャラクター設定 人物の性格や、ビジュアル、話し方など、人間らしく仕上げましょう。 主人公の行動の基盤となるエピソードを考えておくと、より深みのある作品に仕上がります。 また、キャラクター同士は物語の中で関わることが多いはず。 キャラクター同士がどのような関係なのか、きちんとおさえておきましょう。 特に、現代小説でない時代小説や、ファンタジー作品などは、入念に設定を練る必要があります。 魔法のルールなども定めておきましょう。 また、時代というものは連続して存在するもの。 物語の中に描かれなくても、その時代になった原因が昔にあるはず。 流れで考えておくと、より説得力のある作品になりますよ! 小説のストーリーの作り方とは ここまで、プロットの作り方をご紹介してきました。 でも実際、具体的にどうやって面白いストーリーを考えるの?という方も多いはず。 ここでは、ストーリーの作り方をご紹介していきます。 視点を決める 小説を書いていく上で、必ず必要になるのが地の文の語り手。 これが視点と呼ばれるものです。 視点は大きく分けて3つに分けられます。 一人称視点 登場人物の1人が語り手となる一人称視点。 地の文がその人の口調になるのが特徴です。 小説の当事者の言葉なので、読者に臨場感を与えることが可能です。 二人称視点 語り手が読者に語りかけるような形で作られた、二人称視点。 特殊な形のため、あまり小説には使われません。 三人称視点 登場人物ではない第三者が語り手になるのが、三人称視点。 神視点とも言われています。 この中でも、2つに分けることができます。 それが、 客観型と 多元型。 客観型は、どの登場人物にも干渉しないナレーターのようなもの。 登場人物の心理描写ができないため、人物がどのように考えているのかを表情や行動などで読者に伝える必要があります。 自然と読者が想像するものが増えるというメリットがあります。 多元型は、どの登場人物の心情も読み取れる視点です。 どの登場人物の心情も書けてしまう多元型。 便利な存在ですが、登場人物の心の動きのみで小説が成り立たないよう、注意が必要です。 登場人物の心情を変化させる 話というものは、登場人物が何か行動することで生まれます。 そのため、登場人物の心情の変化を辿るのが、最も簡単なストーリの作り方。 例えば恋愛小説なら、登場人物の男の子に女の子がアプローチをして、男の子の心が動くというのが主なストーリーです。 どの小説も、登場人物の心情が変化する様が描かれていることが多いはず。 また、同時に発生するのが問題の解決。 冒頭部分であった問題が、終盤では解決している必要があります。 問題が起きたものを放置する形は、短編小説でインパクトを残す目的でない限り、避けた方が無難です。 クライマックスはシンプルに 小説のクライマックスを、だらだら書いていても仕方ありません。 例えば恋愛小説ならば、女の子と男の子が結ばれた後の生活を描写する必要はありません。 クライマックスはシンプルに書くことを意識しましょう。 読者はクライマックスのシーンをなんとなく察しています。 そのため、予想を上回る必要があるんです。 そのために重要となるのがテーマ。 表面上のラストシーンで終わらせるよりも、テーマを絡めたラストシーンの方が、読者の期待を上回るものにできるはずです。 このあまり気づかれないテーマを支えるのが、主人公の昔のエピソード。 それとなく文中に入れることで、クライマックスに活きます。 表テーマと裏テーマを決めておくと、読者の期待を上回るクライマックスになるでしょう。 小説が書けたらプロに見てもらおう! ここまで、小説の書き方をご紹介してきました。 でも、実際に書いてみると思ったよりうまくいかない……という方も多いはず。 ココナラには、小説にアドバイスしてくれるプロがたくさんいるんです。 ここでは編集部おすすめの出品者さんたちをご紹介します! 解決方法付きでアドバイスします 口コミ.

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【ネームの作り方】プロットから8Pのコマ割りを考える・少年マンガ編 by ClipStudioOfficial

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ただし、全年齢の物語や、小説を書く際にも活用できます。 はじめに インターネットお絵かきマンであれば、誰しも一度は同人誌をつくってみたいと思ったことがあるだろう。 そこでぶち当たる壁の一つが、「物語の作り方がわからない」である。 絵は描ける。 web用の漫画も描けなくはない。 だが数十頁にわたる物語を作る方法がわからない。 これはそういった方々の背中を押すためのコラムである。 最初に断っておくが、同人誌を出すのに物語を作る必要はない。 イラスト本でもいいし、4コマ漫画や1ページ漫画の詰め合わせでもよいのだ。 最初から最後までつながる一つの物語を作らなければならないというのは、ただの思い込みである。 だが「そうであっても、私は物語が作りたいのだ」と思った方のみ、以下の文章に目を通していただきたい。 コラムを通じて、あなたに何か少しでも手がかりを与えられれば幸いである。 まず、私自身はズブの素人であることをお断りしておく。 グラフィック系の仕事ではないし、文筆業でもない。 同人活動を始めて3年程度の赤ちゃん、つまりベイビーだ。 これまでの活動は小説がメインで、長編を書いたと言っても10万字程度である。 そんな自分がこれまで得られた知見を共有することで、話づくりにつまづいている同人ビギナーの方々に対して、少しでも状況を打開するきっかけを与えることができれば嬉しい。 初心者が特に気をつけるべきこと 2-1. いきなり長編を書くな! まずは二人の出会い、互いに惹かれあう二人、幸せな時間を過ごす二人、攻からのプロポーズ、はにかみつつ承諾する受、しかし突如現れた障害! 引き裂かれる二人、二人は絶望の淵に沈む……しかしそれを打開して、二人はついに結ばれる。 結ばれた二人は、愛のあるセックスを…… 長い!!!!!!!!! 書きたいことがあるのはわかる。 だがこういう馴れ初めエピソードをしっかり描こうとすると、漫画では70ページくらいかかる。 初心者には高すぎるハードルだ。 まず最初は24~36ページ程度のストーリーを目標にしよう。 どちらを中心にするか選ぼう。 場面は極力減らそう。 ただし、これは初心者向けの話であって、既に慣れている人には全くあてはまらない。 自由に長編を書いてほしい。 2-2. 王道を恐れるな! 暗闇から伸びる腕、モブに襲われる受、どんどんピンチになっていく、焦る受、忍び寄る魔の手、貞操の危機! 助けて攻くん! しかしここで攻を登場させるのはあまりにベタすぎる。 ここはもう少し襲わせよう。 ……哀れにも最後まで襲われてしまった受、まだ攻にも抱かれてないのに、すっかり穢されてしまったと失意に暮れる。 しかしここで登場させるのもありきたりすぎる。 受には申し訳ないが、精神が崩壊するところまで堕ちてもらおう。 ひねくれるな!!!!!!!! 王道展開はなぜ王道たりうるのか? 王道とは使い古された展開である。 なぜ使い古されるかと言うと、みんな王道が好きだからだ。 賞に応募するための作品ならまだしも、同人誌に求められているのはむしろベッタベタな展開である。 モブレからのお清めセックス。 王道は恐れるもの、忌避するものではない。 武器にしろ! 2-3. 予想を裏切れ! いや、いま上で「王道やれ」って言ったじゃん。 どっちだよ。 唐突に訪れる正反対のギャップ。 これが「裏切り」である。 まずは王道のストーリーを作ろう。 そこで、一番の見せ場に「裏切り」を入れるのだ。 モブは実は攻だった。 少し触れるだけのつもりが、空気に呑まれて受への気持ちを抑えられなくなってしまったのだ。 「裏切り」は物語の一番のスパイスだ。 一見「王道」とは相容れないもののように思えるが、「裏切り」は「王道」を理解しているからこそ、生み出すことができるのである。 プロットをつくろう 随分と前置きが長くなってしまったが、ここからは実際にプロットを立てる手順を説明しよう。 3-1. 本のテーマを決めろ! 書きたい内容をまずは一言で説明しよう。 まずはこれがないと始まらない。 だが、これが無い人がいる。 「本は書きたいが、書きたい話が思いつかない」。 一見、めちゃくちゃに思えるが、実はよくあることなので「自分には物語を作る能力がない」「推しカプへの愛が足りない」などと不安に思う必要はない。 そんなあなたにおすすめのテーマがある。 「季節ネタ」だ。 イベントの日付を確認しよう。 春ならお花見をさせろ。 夏なら海に行け。 秋はおいしいものを食べさせろ。 冬は雪を降らせてエモい感じにしろ。 もう一つ、鉄板のテーマが 「初夜」である。 一つのカップリングに対して、初夜は35億通り存在するとも言われている。 他の誰かが初夜を書いていても気にするな。 既に初夜を書いたことがあっても気にするな。 残りの約35億通りの初夜ネタは、まだ手付かずのままなのだから。 3-2. 描きたい内容を羅列しろ! テーマが決まったら、本の中で描きたい内容を羅列しよう。 今は年始なので、仮にテーマを 「姫はじめ」と決めて進める。 では、自由にアイデアを出してみよう。 この段階では、アイデア同士を無理に関連づけたり、時系列に出来事を考えたりする必要はない。 ブレイン・ストーミングの要領で、思いつくアイデアすべてを書き出してみよう。 質より量である。 さあ、スタート! 「はじめての二人での年越し」「攻の家に遊びに来た受」「年末の特番も観ずにゲームに熱中する二人」「年越しの瞬間に寝てしまう受」「一緒に年越しそばを食べる二人」「攻が作ったそばは具材が大きめだけど、ダシがしっかりしていておいしい」「無言でガツガツ食べる受を嬉しそうに眺める攻」「除夜の鐘では消えない煩悩」「来年も一緒に過ごせたらいいな」などなど。 連想ゲームのように書き出していくのがコツである。 3-3. ストーリーの構造にあてはめろ! 物語の基本は「起承転結」である。 これに勝る真理はない。 だが、同人誌のストーリーをよりコンパクトにまとめるために、私は新たな構造を提唱したい。 「起転性結」である。 「承」に割くページがあるならとっとと「転」を持ってきて、あとはセックスさせておけ!!! では、上で出したアイデアを「起転性結」にあてはめてみよう。 あてはめづらいものは、遠慮なく捨ててよい。 惜しいと感じるかもしれないが、それはまた次の本で描けばいいだけの話だ。 慣れていないうちは、とにかく「詰め込みすぎないこと」が肝要である。 「起」 受が攻の家に遊びに来る。 初めてのことで、二人とも少し緊張している。 だが、すぐに打ち解けて二人でゲームに熱中する。 夕方になると、攻が年越しそばを作ってくれる。 朝に買ってきたエビの天ぷらは少し湿気ていたが、二人で食べる年越しそばは今まで食べた何よりもおいしかった。 「転」 はしゃぎすぎたあまり、夜が更けると居眠りを始めてしまう受。 攻は年越しの瞬間を一緒に喜びたかったが、穏やかな受の寝顔を見ていると、とても起こす気にはなれない。 賑やかなテレビが新年を告げる。 どこか遠くで除夜の鐘が聞こえる。 鐘の音では到底かき消すことができない思いがあふれ出て、攻はそっと受の唇に口づけた。 「……ハッピー・ニュー・イヤー」 いたずらっぽく笑う受と、起きていたとは思わずに目を丸くする攻。 攻は気恥ずかしさに頬を掻く。 そしてやり直した新年最初の口づけは、夜の闇よりも深く、窓の外にちらつく雪も融かすほどの熱量をもっていた。 「性」 ここは楽しいから深いこと考えなくてもアイデア出るんだよ。 ファイト! 「結」 起きたらすっかり昼になっていた。 正月の朝だというのに、すっかり寝坊してしまう。 「初日の出、見そびれちまった」と残念がる受に、「来年は一緒に見ような」と告げる攻。 気障な台詞に受は苦笑するが、こんな正月も悪くないなと、心からそう思えた。 即席で作ったためにシンプルすぎる話になってしまったが、そのあたりはご容赦いただきたい。 「起転性結」の構造を元に、思いついた要素をどのように構成していくか、という一つの思考実験である。 * * * 物語の構造のテクニックとして、一つオススメしたいのが 「アバンタイトル」である。 冒頭(「起」より前)に「転」もしくは「性」の場面で一番盛り上がるところを入れてしまうのである。 「エッ、次はどうなるの?」と読者を惹きつけたところで「起」に入る。 導入部である「起」は説明が主体になるため、退屈になりがちである。 だが、先に一番おいしい場面をアバンで見せておくことで、読者の興味を持続させることができる。 web小説など、冒頭で読むのを止められてしまう可能性のある媒体においては、このアバンタイトルの手法は、読者の興味を持続させるのに特に効果的と言えよう。 (ただし、多用しすぎは禁物である) 物語づくりに慣れており、長編を書きたいという方にはブレイク・スナイダー大先生のビート・シートを紹介する。 説明を始めると長くなるので、ここでは詳細は省略する。 著書「SAVE THE CATの法則」をご覧いただきたい。 3-4. シーンごとの分量を決めろ! ここまで色々なテクニックを述べてきたが、これに沿って忠実に書こうとすると、プロットが長くなりがちである。 長くしても描き切れるならばよい。 だが、自信がない人には、以下のように先に分量を割り当てておくことをお勧めする。 上で作ったプロットを、実際に24ページに配分してみよう。 「起」全5ページ:つい長くなりがちだが、ここが一番退屈だと心得よ。 削れる部分は削る。 ときにはモノローグを活用して、簡略に説明する。 「転」全7ページ:ここで二人の心情の変化を描く。 シリアスを書きたいなら、たっぷりページを割くこと。 「性」全10ページ:長ければ長いほど良い。 だが、がっつりとシリアスをやりたいなら、心情メインでサラッと済ませてしまうのも一つの手だ。 「結」全2ページ:エピローグは丁寧に描こう。 読後感はすべてここで決まる。 甘い台詞があれば幸せな本になるし、攻が殺されたら陰鬱な本になる。 さいごに 長々とご覧くださり、ありがとうございました。 これは理詰めでしか物語が書けない凡人のための方法論です。 感性で物語が書ける方は、決して物語の構造やテクニックに囚われすぎず、ご自身の感性を大切にしてください。 では、よき同人ライフを。 この方法論が何かしらあなたのヒントになって、あなただけの素晴らしい同人誌が生まれることを祈ります。

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小説・漫画に使えるプロット&ストーリーの書き方

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小説・漫画に使えるプロット&ストーリーの書き方 — 総合まとめ! こんにちは。 楽しく学べる「プロットの書き方/作り方 入門講座」へ、ようこそ! 創作支援サイト「作家の味方」の管理人、 と申します。 もし貴方が、小説や漫画、映像作品を創作していく上で、物語を上手く書けているのかよく良くわからず。 あまり期待はしていないけれど「プロット 書き方」でとりあえず検索してみた。 もしくは、過去に似たような言葉で検索したことが一度でもある。 というのであれば。 朗報です^^ ちょ!もうブラウザバック押そうとしてるでしょ!? 1分だけでいいから、読み進めてください!お願いします。 なんでもしま 殴 目次• 物語における基本用語「物語・ストーリー・プロット・シナリオ」 コホン。 物語とは、作品全体を表す用語 『物語』という言葉の意味は、現代社会において幅広く捉えられてしまっているうえ、国によってもその解釈が異なっているので、正確に意味を考察することは一先ず辞めておきます。 とりあえず、 物語とは、ストーリーやプロット・シナリオを含む「語られたこと」それ自体であるというのが、一般的な捉え方とだけ覚えておくと良いでしょう。 これはラテン語である「narrativus(物語の)」という単語のコアの意味が「語られたこと」であることに起因しています。 ちなみに、 物語の語源は「物が語る」という所から来ているのではないか? という解釈もなされているようです。 語源的には正確かわかりかねるところはありますが、とても面白い発想で後の議論に関わってくる話なので、以下引用させていただきます。 そもそも、「物語」ってなにか? 父親の形見であったり、実家の柱に書かれた身長を測るための線だったり、『北の国から』で純がお父さんから受け取っている泥のついたお札とか。 ああいう、特別な物が語ってくれるから物語になるというのに、割と小説を書きなれてから触れて、「おお、そうか」と思ったレベルです。 引用元: 一方、世界最古の物語である『バビロニア・ハッティ・カナアン』は、上記のようなヒューマンドラマ的な事例に比べると、かなり神話やファンタジーに近いお話となっているので、語源からすれば、少し解釈が離れている可能性があります。 ただ、面白いですよね。 言葉というのは時代とともに、その解釈すらも変化させていくのですから。 ストーリーとは、出来事を時系列に並べたもの 続いては、ストーリーの解説です。 ストーリー Story とは、出来事(場面)を時系列に並べたものです。 「ソードアート・オンライン」という作品を例にするとすれば、• 出来事. 1:主人公であるキリトが VR-MMORPG「ソードアート・オンライン」のベータテスターとして参加• 出来事. 2:西暦2022年、世界初の VR-MMORPG「ソードアート・オンライン」の正式サービスが開始• 出来事. 3:正式サービス開始に伴い、ゲーム攻略を始めた桐ヶ谷 和人• 出来事. 4:ゲーム内でクラインという男と出会う• 出来事. 5:一緒に冒険して、コツを教えてあげる• 出来事. 6:ログアウト出来ないことに気づく といった感じですね。 これがストーリーと言われるものです。 このように、物語において起きた出来事を時系列順に並べたもののことを「ストーリー」と言います。 シナリオとは、出来事一つ一つのこと シナリオとは、ストーリーに沿って並べられた出来事一つ一つのことです。 また、一般社団法人『日本放送作家協会』によれば、語源は以下の通りとなっているそうです。 シナリオとは? シナリオの語源は英語のシーン(場面)を意味するイタリア語のシエナ(Scena)で、ルネサンス時代に即興喜劇の役者が、芝居の構成やストーリー、登場人物の人間関係などについてのメモ書きを「シナリオ」と呼んでいたのが起源だといわれています。 引用元: 日本語では、脚本や台本と訳されることもあるので「物語の設計書」という意味も持ち合わせていますが、 この記事においては「場面」という意味で読み込むことにしたいと思います。 また、小説・漫画における「箱書き」や「4コマ」の一つのコマというのは、このシナリオ(場面)を人に説明したり、管理するために脳内の設計書から目に見える形で、まとめたもののことを指します。 プロットとは、伝える順序を示す設計書のこと 最後に、タイトルにもある「プロット」ですが。 プロットとは、読者に物語を語る際の順序を示した設計書のことです。 ちょっと、言い方がわかりにくいので具体例を使いましょうか。 つまり、ソードアート・オンラインの場合は、以下のようなプロットになっているものと解釈できます。 出来事. 2:西暦2022年、世界初の VR-MMORPG「ソードアート・オンライン」の正式サービスが開始• 出来事. 3:正式サービス開始に伴い、ゲーム攻略を始めた桐ヶ谷 和人• 出来事. 4:ゲーム内でクラインという男と出会う• 出来事. 5:一緒に冒険して、コツを教えてあげる• 出来事. 6:ログアウト出来ないことに気づく• 出来事. 1:主人公であるキリトが VR-MMORPG「ソードアート・オンライン」のベータテスターとして参加 たとえば、出来事. 1は出来事. 6よりも先にあったことですが、あえて物語の冒頭では描かず。 「後から出来事. 6が発覚するような設計に組まれたプロットである」という言い方になります。 そういうわけで、プロットを編み上げる上で大切なトリック手法の一覧を見ていくことにしましょう。 プロット構成には、パターンがある。 先述の通り、 プロットとは、物語における出来事の順序・配置を示すものであると述べました。 しかし、小説家や脚本家というのは読者からある程度は合理的で、わかりやすいプロットの設計を求められています。 これは事実の羅列と物語の違いが、事実同士の因果関係の有無によって生じるといわれいるからです。 それでは、ある程度合理的でわかりやすい順序付けというのは、どうやって行えばいいのでしょうか? そこで現代において最も参考とされている理論が、フランスの文学理論家である「ジェラール・ジュネット」氏によって作られた 『ジュネット理論』と呼ばれるものです。 ここからの話がまさに、プロットの作り方についての話となります。 ここまで読んでいただいた方であればもう理解してもらえると思いますが、ここからはあくまで「プロットの作り方」についての話になります。 物語における出来事の順序と配置の仕方(=プロットの組み方)は、以下のように分類できるよというだけのお話なのです。 <ジュネット理論の概略>• 物語の次元 態 :物語のなかに物語が登場するケースで、読者と物語の位置関係を説明するもの。 1.錯時法(さくじほう) 錯時法(さくじほう)とは、物語世界で起こった出来事の順番と物語内で語られる順番を「あえてズラす」という技術です。 最もメジャーなプロット構成技法の一つといえるでしょう。 大きく分けると、これから起こる出来事を先に記述する 『先説法』と、昔に起こっていた出来事を物語が進んだ後に叙述する 『後説法』があります。 ・先説法(せんせつほう) 先説法によくあるのが「これは、僕が〇〇になるまでの壮絶な冒険を描いた物語である」といったキャッチフレーズですね。 結論が先に述べられているので、一見ネタバレのように思えますが、 読者に「どうやって成ったんだろう?」と疑問符を浮かばせる事ができれば良策だと言えるでしょう。 読者は、その疑問の答えを探す旅を始めるために、小説や漫画を最後まで読んでくれやすくなるでしょう。 どちらかというと、王道系のストーリーに多い気がします。 ・後説法(こうせつほう) 次に、 後説法を使った技法として有名なものが『伏線トリック』や『フラグ配置』です。 事件ものなんかは、ほとんどコレですよね。 昔にあったこと(=時系列としては前半にあるはずの事件の真相など)が、物語の最後になってようやく読者の知る所となる展開は、後説法の典型的なパターンといえるでしょう。 そのため、読者に気づかれないように、昔の出来事が波及して起こったことと思われる痕跡をシナリオのあちこちに散りばめて配置します。 これが伏線の設定です。 2.物語の進行速度 続いては、物語の進行速度を操る技法を見ていくことにしましょう。 これは大きく「休止法・情景法・要約法・省略法」の4つに分けられることが知られています。 ・休止法(きゅうしほう) 休止法とは、物語世界での時間を止めたり、スローモーションにして描写することです。 よく戦闘シーンなのに、ヒーローが考えている間、敵が待っててくれるという場面はみたことないでしょうか?他にも、最愛の人物がトラックにはねられる瞬間をコマ送りで描写したりすることもありますよね。 これは当然、敵が待ってくれているのではなく、物語世界の時間を停止させて描くというプロットによる演出技法の一種です。 これを悪用すると文字数が稼げたりもします(笑) ただし、休止法にも弱点があることが知られています。 作 者が大切なシーンだからとコマ送りのスローモーションで描写していると読者が気分を害す場合があるのです。 例えば、医者が患者の外科手術をするとして、読者からすれば「大事なシーンなのはわかるけど、無駄にグロテスクな場面を鮮明かつ詳細にかかれるのは酷」となることがあるんですよ。 効果的に使うことを考えるのであれば、「自然と戯れる場面」や「人が笑顔で至福のときを過ごす場面」、「美味しいものを食べる場面」のように心地いい場面で活用してあげるのが、ベターではないかと思案します。 ・ 情景法(じょうけいほう) 解説内容は、至極かんたんです。 登場人物が過ごしている時間通りに描写をするだけの方法です。 会話文なんかは、ここに入ります。 しかし、 面白い場面だけを切り抜いているわけではないので、もし面白く見せようとすると、どうしても難易度が高くなります。 小説で描写しにくいと言われている「戦闘シーン」や「歌っている場面」は、通常こういった理由で正真正銘の「情景法」を用いることは少ない傾向にあります。 ほとんど、次で説明する要約法に自然となるでしょう。 実は、それをやってのけようと皮肉に富んだ作品を創った有名作家さんもいたりはしますが、通常は要約法を用います。 要約法というのも、読んで字のごとく「要約」して読者に物事を伝えるというだけの話なのですが、要約に失敗するパターンがとても多いので気をつけたいところです。 これがいわゆる「ご都合主義」とか「説明が多すぎて読みにくい」とか、「描写不足」と呼ばれるものたちですね。 もし小説において、説明が多くて読みにくくなるのを回避したければ、を学ぶべきでしょう。 私がよく使っているのは、比喩の一種であると呼ばれる方法です。 説明はちゃんとしつつも、場面はカットできるので、とてもお勧めです。 こちらは物語を創作する力というより文章表現能力の世界になるので、ここでは詳細を割愛します。 また、逆に要約しすぎると十全な説明がなされてないが故に、ご都合主義を言われることがあります。 こういった場合は、 「 要約法」から「情景法」に描写方法を変更するだけで、ほとんどの場合解決することができるでしょう。 ・省略法(しょうりゃくほう) 省略法とは、あったはずの出来事を書かないことです。 一見すると、「場面を飛ばしてるだけか」と思われるかもしれませんが、これを利用したものが「叙述トリック」と呼ばれる技法たちです。 ミステリーの基本概念になりますが、詳しくは別途解説します。 具体例を一つあげておくと、年末に忙しく仕事をしてる主人公のことを面白おかしく描写していて、実はサンタクロースだったということが、最後に読者に判明するといったものがあります。 3.語られる出来事の頻度 物語の中で登場する出来事は、何も同じ出来事だからといって1度しか描写されないわけではありません。 視点を切り替えて、もう一度同じ場面を描写したり、フラッシュバック(回想)することもあります。 SFものであれば、フラッシュフォワード(未来視)も登場してくることでしょう。 パターンとしては、単起法・反復法・括復法の3つにわけることができます。 単起法は、通常通り一度起きたことを一度描写する技法なので割愛するとして、残りの二つを解説していきたいと思います。 ・反復法(はんぷくほう) 反復法も文字通りですね。 一度あった出来事を二度、三度と描写する技法のことです。 やりすぎると、読者が「もう何回も見たよ!」となります。 涼宮ハルヒの憂鬱に登場してきた「エンドレス・エイト」なんかが、良い例ですね。 しかし、 修辞技法の一つである照応法(=主人公の心理状態が変化した後に、同じような出来事を描写して心情の変化を浮き彫りにする手法)と組み合わせて使用されると威力アップに繋がります。 ・括復法(かっぷくほう) 括復法とは、複数回起こっている出来事を一度だけ描写するに留める技法のことです。 似たような出来事を何度も繰り返されると、読者も飽きてしまいますしサクサク進めるのにはうってつけな方法といえるでしょう。 ただし、魔法の詠唱シーンや、マシンの起動時といった読者がロマンを感じやすい瞬間に使用すると逆効果になるので注意しましょう。 キャラクター同士の合言葉など、括復法を敢えて逆手に取った手法があるので、物語をサクサクするためのだけに使うのではなく、メリット・デメリットをしっかり把握した上で使いこなしてあげたいですね。 4.芸術に対する姿勢 ミメーシス VS ディエゲーシス このセクションの話は、まともに話すと難しいのでザックリの説明に留めることとします。 「芸術に対する姿勢」と書くと、メンタル的なものかと思われるかもしれませんが違います。 普段の日常会話をするときのことを考えてみてほしいのですが、 人類の会話には二種類の会話方法があるそうなんです。 論理的な話(真実を追求することを目的とする話し方)か、 感情的な話(心地よさを追求することを目的とする話し方)かです。 論理的な話をしたかと思えば、唐突に感情的な話にされると、人間というのはどうにも他者を理解できない傾向にあるようです。 実は、文章を使っている以上、物語においてもこれとまったく同じことが起こります。 つまり、物語を通して論理的な話なのか、感情的な話なのかによって、好まれるプロットの形が違うのです。 論理的な話においてはというテンプレートが好まれますが、感情的な話(音楽や舞踏)においては「」というテンプレートが好まれるという風に、差が出てきてしまうということは知っておくべきでしょう。 このとき専門用語では、真実や事実を追求しようという芸術姿勢のことをディエゲーシス(叙述)、逆に真実はどうでもよくて快いかどうかを追求しようという芸術姿勢のことをミメーシス(模倣)と呼びます。 かなり初心者にはわかりにくい概念なので、ここは読み飛ばしても構いません。 プロを目指したい方は、を参照してもらうことにして、この記事では「ジュラール・ジュネット」の言葉を借りて、ミメーシスとディエゲーシスの正確な意味を補記しておくことに留めたいと思います。 引用元: ほとんどの方が、これだけだと何をいっているのか理解できかねている気がするので、少しだけ補足で説明しておきます。 要するに、ジラール・ジュネット氏は、以下のように整理したというわけです。 2.「語り手=作者(視点の位置も主人公)」となっている形式のことを、ディエゲーシスと呼ぶことにします。 「なぜに?」と思われる方も多いかもしれませんね。 ここで冒頭でお話した「物語とは?」という話が役に立ってきます。 そう、 物語は「物が語るもの」なのか「物を語るもの」なのか、という話です。 たとえば、数十年ぶりに訪れた実家の木柱に刻まれた身長の伸びを表現してくれる傷跡「=物が語る描写」は、ここで言うミメーシス 情景の模倣 です。 主人公ではなく、物が語り手となっているからですね。 そして、冒頭で話したとおり、真実かどうかは重視していません。 逆に、作者が物を用いず「身長が伸びました!」などセリフで直接的に物語る 叙述する のは、ディエゲーシスといえるでしょう。 こちらは作者が主人公の体を借りる形で、作者=語り手となっているからです。 そして、こちらも冒頭で話したとおり、虚偽であれば物語に影響を与えかねないので真実さを重視されることになります。 さて、そろそろ疲れてきた頃かと思いますので、ジュネット理論の5~6番目は、一度ここでは割愛して以下の記事で学ぶことにしましょう。 ここからは、実際に物語を作るフェーズに移って行こうと思うのですが、 実は物語の作り方というのは大きく二つに分けられており、それぞれで全くもって製作方法から何からまるで全てが違います。 一般的に、起承転結や三幕構成といった方法で物語を作られると論じられる記事や書籍が多いのですが、 物語に対して設定している によっては、もう片方の製作方法(フリー・スケッチ)ではないと、上手く作り込めないという場合があります。 ずばり、 「ミメーシス型プレミス」 と 「ディエゲーシス型プレミス」(仮称)です。 それぞれ、物語の作り方としては、以下のようなセットになることでしょう。 みなさんに留意して欲しいことは、 パッキリとミメーシス型とディエゲーシス型に分かれるというわけではなく。 どちらの要素が強いか、といったグラデーションのある、 あくまで傾向のようなものだと思ってください。 ミメーシス型のプロット設計方法をフリー・スケッチ呼ことがあります。 また、図書館戦争シリーズの著者である有川ひろさんは、ライブ型と言及していたそうですね。 反対に、ディエゲーシス型のプロット設計では「アウトラインプロセッサー」と呼ばれるプロットツールを用いて、ガチガチにプロットを組み上げていきます。 そのため、プロット型と呼ばれることもあるそうです。 プロット不要論を論じがちなのは、このミメーシス型の作家さんでしょう。 逆に、SFや純粋なファンタジー作品の作家さん達からすれば、「アウトラインプロセッサー」は必携ツールのようなものになります。 実は、中間型としてショートショートを中心に肉付けして、そもそも長編をあまり書かないスタイルの方もいらっしゃるようです。 プロット作成の事前準備 そろそろ小説を実際に書き始めたいという気持ちもわかるのですが、プレミスを既に持っている作家さんは、このセクションであと一息です! ミメーシス型、ディエゲーシス型双方に共通することなのですが、 物語の完結をするためには必ずプレミスから「結末時点の状態」と「超大技」の類は、最初に決めておく必要があります。 超大技というのは、 『小説における人称』や『カットバック(=交互に視点が移動するように物語が描かれる技法)』といった要素のことです。 他にも沢山あると思うのですが、おおよそプロットを作成した後から決めると、プロットを書き直さざるを得なくなるものを大技と言及しておきます。 例えば、男子トイレの描写をプロットに組み込んでいたとして、ストーリーもかなり進行した時点で、主人公が女性だったと頭を悩ませることに成ったり。 一人称視点で最初から最後あたりまで書き続けていたのに、突然視点が移動したくなったといって作品を一から練り直すといった事象が起こります。 一人称視点の作品の場合、主人公から遠く離れたところに居る敵サイドの描写が描けなかったりしますので、後々になって、描けないじゃん!と気づいた時には、もうお察しの通りなのです。 それでは、 物語の結末を描写可能な範囲で詰める方法と、 大技のメリット・デメリットを順番にみていくことにしましょう! ミメーシス型の結末作成法 ミメーシス型プレミスから結末を作成する方法は、とても簡単です。 わかりやすくするために、具体例をあげておきましょう。 何度も利用させていただいていますヴァイオレット・エヴァーガーデンから「感情を持たない少女が、愛を知るまでの物語」というミメーシス型プレミスを拝借して解説していこうと思います。 ミメーシス型の結末作成法は、プレミスを疑問形に変更するだけです。 つまり、「どうやって、感情を持たない少女が愛を知るのか?」とか、「愛とは何か?」という形にするだけなのです。 よく書籍では「テーマ」を決めろとか、散々いわれたことがあるかもしれませんが、これがまさに作品に対する「テーマ」の見付け方の一つです。 ちなみに、「セントラルクエスチョン」や「IFのプレミス」とも呼ばれることもあります。 さて、「愛とは何か?」をメインプレミスとしたとき、その答えは一つではないと容易に想像できます。 人によって、愛の形というものは違うでしょうし、同じであったとしても表現の仕方は人や時代によって左右されていきます。 その解答一つ一つが、伝えたいこと。 すなわち、 サブプレミスと成って大量の物語が、一つの物語の中に内包されつつ生まれていきます。 それを数珠つなぎのように短編集として繋いでいくことで、設計書がそもそも要らない設計を構築することができるのです。 ブレーン・ストーミングといった手法を使っても良いでしょう。 そして、一つ一つは短編なので、プロットのような計画書がなくても、ある程度書くことが出来ます。 このように、ミメーシス型のプレミスは、ディエゲーシス型のように 「ゴリゴリの計画書を不要にして勢いを大切にして書こう」というスタンスになる傾向があります。 ディエゲーシス型の結末作成法 ディエゲーシス型のプレミスを持つ作品としては、「戦場のヴァルキュリア」なんかが挙げられるでしょう。 正確なプレミスではないかもしれませんが、おおよそ「特殊な力を持った少女が、祖国を守るために戦う物語」となっています。 この時、 ミメーシス型と同様で何パターンも結末が思い浮かびますよね? 「敗戦して結末を迎えるのか」、「勝利して主人公が、犠牲になるのか」あるいは、「主人公も生還してハッピーエンドなのか」と言った感じです。 しかし、ここで問題が発生します。 ミメーシス型であれば「解答がいくつもある疑問」をサブプレミスとして持つので、数珠つなぎの短編集にできますが。 ディエゲーシス型では、 ストーリーという「解答がただ一つしか無い疑問」をサブプレミスとして見てしまいます。 これでは、結末が複数できて矛盾だらけになってしまうのです。 そのため、 「 ディエゲーシス型プレミスでは、サブプレミス同士に矛盾が生じないようにしなければならない」という鉄の掟が敷かれることになるのが自然な流れでしょう。 これを死守するために生まれたのが、アウトラインプロセッサーです。 アウトラインプロセッサーというのは、あくまでプロットを書くツールの呼び名に過ぎませんが、ほとんど「緻密なプロットのこと」だと思ってください。 矛盾しないか監視する装置ですね。 では、ディエゲーシス型の作品には、どのようにしてオチをつければ良いのでしょうか? その答えは、 ロマン型とノヴェル型と呼ばれる、物語の二つの型によって決定しておくことができます。 それについては、以下の記事にまとめておきましたので、事前にチェックしておくと良いでしょう。 さて、ディエゲーシス型プロットの方が、一般的に知られているので、まずはそちらから解説していきたいと思います。 ディエゲーシス型プロットの書き方 結論から言うと、 物語を作ろうとして手が止まった時は以下の3つの手順で物語を作りましょう。 1:病気で入院した。 出来事. 2:何事もなく退院した。 出来事. 3:普通の生活に戻った。 「いやいや、全然面白くないじゃん!」って思ったかもしれませんね。 ご安心ください。 これからめちゃくちゃ面白くしていきます(笑) ご覧の通り、いまのままでは物足りなさを感じてしまいますね。 というわけで、冒頭でご紹介した手順で物語を組み替えていくことにしましょう。 面白さは考えず起承転結を作る 最初は面白さを考える必要はないですが、やはり 起承転結の「転」が無いと淡々として、つまらなさが際立ってしまいますよね。 これでは読まなくても次が予想できるので、読者の心が一切動かせないのだと思います。 というわけで、 転を追加 してみましょう。 上の例で転を作るためには、 「出来事. 2」の後に起こりそうな出来事と「出来事. 3」が真逆になっている必要があります。 1:病気で入院した。 出来事. 2:入院が長引いていた。 出来事. 5:タイミング良く新薬が出来た。 出来事. 3:普通の生活に戻った。 この具体例では、出来事. 一方、出来事. 3では「普通の生活に戻らない」の逆である「普通の生活に戻る」という展開にしておきます。 また、起承転結の「起」も設定が甘くなっています。 起承転結に関する深い考察は という記事に任せますが、 起承転結の「起」は、ストーリーが始まる前に読者に伝えておくべき前提のことだと理解しておけばOKです。 というわけで、 起承転結の「起」にあたる部分をもう少し具体的にしておきました。 1:社長である私は、病気で入院 出来事. 2:入院が長引いていた 出来事. 5:タイミング良く新薬が出来る 出来事. 3:病気が治り、ある人との約束を守る 上の例では、出来事. 3を結末として「ある人との約束を守らせて、喜びにつなげる」という展開にしてみました。 ジャンルとキーワードを決める 最後は、ジャンルを決めていきましょう。 実は、ジャンルによってもプロットの作り方は若干異なってくるからです。 突然ですが、友人から日常系ほのぼの作品やギャグ漫画について「ストーリーを教えてよ」といわれたとき、きちんと起承転結を友人に説明できますか? 私はどうも上手く説明できずにいたのですが、実はそこにジャンルによるプロット製作法の違いが現われていたのです。 「ちょっと、何言ってるのかわからない」という方のために、もう少し説明しておきます。 シリアスな展開の作品(ディエゲーシス傾向の強い作品)であれば、起承転結は読者からしてもわかりやすいのです。 それは何故かというと、起承転結に該当している出来事が一々衝撃的だったり強力なインパクトを誇っているからです。 一方で、日常系やギャグ系の作品(ミメーシス傾向の強い作品)では、ストーリーを揺るがすほどの重大な出来事や衝撃的な出来事は登場してきません。 むしろ些細な物事を繊細に捉える傾向があります。 ここで大事なのは、ストーリー作りのときに並べる出来事が客観的に観て、どのくらいのインパクトなのかというのはジャンルによって使い分ける必要があるということです。 この インパクトの強弱がジャンルと合っていないと、いわゆる 「超展開」や「物足りなさ」を感じさせることになります。 感動系の作品なのに、お気に入りの洋服にしみがついた程度の出来事を盛大に描かれても共感できないというのと同じです。 というわけで、これを具体例に適応してみましょう。 ジャンルは、シリアスに寄せてみました。 ジャンルがシリアスなので、出来事の衝撃性を高めてあげましょう。 承:病気は中々治らず、 余命を宣告され自棄になる。 転:絶望的なタイミングで新薬が開発された。 結:死の淵から生還し、同じ病気で死んだ人と結んだ約束を守った。 「起」では、健康という印象と真逆の「若さ」を組み込むことでインパクトを補強しました。 また、「承」に関してはただの入院から余命宣告へ変更。 「転」に関しても、タイミング良くから絶望的なタイミングにとしてインパクトを増強。 最後に、「結」では約束相手を故人にすることで約束の重要度を強化してみました。 さて、これを面白いかと問われれば読者によってくると思いますが、一番最初に作っていたストーリーよりはかなりマシになっていませんか? あとがき 長文でしたが、ご精読ありがとうございました。 お疲れ様です。 当サイト「作家の味方」では、小説や物語を少しでも書きたいと思った方に、必要な知識を楽しく学べるよう、これからもたくさんの記事を掲載していく予定です。 ほぼすべての記事を全体像としてまとめている記事を、ページ最下段から飛べるようにしておきましたので是非参考にしてみてください。 お役に立てれば幸いです。

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