メトホルミン ダイエット。 糖尿病治療薬メトホルミンは夢の薬か?ダイエット・アンチエイジングなど様々な効果がある模様

ゾメット(メトホルミン)のアンチエイジングとダイエット効果をレビュー!寿命を延ばす夢の薬が本当に存在した!

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もくじ• メトホルミンの作用と効果 糖分が体に入ると、血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。 このインスリンの働きで、臓器は糖を取り込み、エネルギーとして使います。 糖が放出されなかったり、ブドウ糖が吸収されなければ、血液中の糖が減り、インスリン分泌も抑えられます。 このように「糖が放出されない、ブドウ糖が吸収されない」ようにするのが、メトホルミンです。 メトホルミンは、主に肝臓で働き、糖を分解して、体内に糖を放出するのを抑制します。 さらに、食後の腸管での、ブドウ糖の吸収を妨げる働きがあります。 インスリン分泌の、増加をともなわないのが、特徴です。 インスリンは、脂肪を合成する働きもあるため、インスリンの増加を抑えることで、脂肪合成を抑え、さらに肥満を軽減させます。 メトホルミンは、特に肥満している場合に、良い適応とされています。 そのため、日本では、処方が敬遠されていた時期も、ありました。 致死率が高い 最近では、糖尿病治療の第一選択として、用いられることも多くなっています。 しかし、脱水や体調不良時には、かかりつけ医を受診してください。 患者の95%が2型と言われる 「インスリンの分泌を促進させる薬」を服用しても、治療がうまくいかなかった場合は、原因がインスリン抵抗性の可能性もあるため、作用の違うメトホルミンが処方される場合が多いです。 メトホルミンの他にも、同じ作用の薬はある? ピオグリタゾン 「ピオグリタゾン」という薬は、メトホルミンと作用が同じ「インスリンの抵抗を改善する薬」です。 2型糖尿病で、肥満、あるいは血中のインスリンの値が高い場合に、適応されます。 肥大化した脂肪細胞を、減少させる働きがあります。 インスリンの働きに抵抗する物質が分泌されると、血糖を下げることができなくなります。 そうならないように、インスリンが本来の働きを取り戻すようにする薬です。 メトホルミンと同じく、肝臓での糖の放出を抑え、血糖を下げます。 1型糖尿病に処方される場合って、どんなとき? メトホルミンは、基本的には、2型糖尿病に適応しています。 小児期に多い メトホルミンには、乳酸アシドーシスなどの副作用はありますが、他の糖尿病薬のような、体重増加がないなど、メリットが大きいといえます。 次のような抑制効果も、研究で判明したようです。 ・心臓疾患の発症を抑える ・がん発症を抑える このようなメリットを加味し、1型糖尿病にも処方されると言えます。 糖尿病の薬は、メトホルミン以外にもたくさんあります。 症状・副作用などを見ながら、主治医・薬剤師と相談し、症状に合った薬を服用することが大切です。 【参考文献】 『エッセンシャル臨床栄養学 第5版』佐藤和人 本間健 小松龍史著 医歯薬出版社 『糖尿病療養指導ガイドブック2017』一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構編 株式会社メディカルレビュー社 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターHP 血糖値を下げる飲み薬 国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターHP ビグアナイド薬と乳酸アシドーシス 京都大学化学研究所 金久ラボラトリーズHP 医療用医薬品メトホルミン.

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メトグルコ(メトホルミン) - 体重減少作用(痩せる効果)のある糖尿病の薬

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ゾメット(メトホルミン)のすべて ゾメット(メトホルミン)とは? ゾメット(メトホルミン)はビグアナイド系経口血糖降下剤です。 日本ではメルビンやメトグルコ、グリコラン等の商品名で知られているものと同一の有効成分です。 ゾメット(Zomet)は、血糖値を下げる2型糖尿病治療薬です。 有効成分であるメトホルミンが、筋肉での糖の利用を高めたり、肝臓で糖をつくるのを抑えたり、小腸からの糖の吸収を抑えたりと多様な作用によって血糖値やHbA1cを改善してくれます。 ゾメット(メトホルミン)の作用機序・効果 メトホルミンがAMPキナーゼ(AMPK)を活性化させることが明らかにされています。 AMPKは乳酸からブドウ糖を合成する糖新生、およびアセチルCoAより中性脂肪、コレステロールを合成する経路に関係していて、エネルギーの減少を感知し、ATP産生の促進と、消費の抑制を促し、ATPのレベルを回復させる作用をする。 つまりAMPKが活性化すると、糖や脂肪や蛋白質の合成は抑制され、ATPが産生される。 この効果は運動と同じで、2型糖尿病や肥満などの治療にも有効と考えられている。 つまり、運動してないのに運動しているのと同じようにカロリーを消費してくれるってことみたいです。 ほんとかよ?夢のような話じゃないですか。 それだけではなく、メトホルミンは膵臓でのインスリン分泌には作用せず、肝臓での糖新生の抑制、筋肉での糖利用の亢進、腸管からの糖吸収の抑制、脂肪組織での脂肪分解の抑制などの、多彩な働きをしてくれます。 その標的分子となるのがAMPKで、糖や脂質代謝の流れを調節する鍵となっているのです。 ゾメット(メトホルミン)の副次的効果 ゾメット(メトホルミン)には血糖降下以外にもさまざまな効果が報告されています。 ゾメット(メトホルミン)のダイエット(体重減少)効果 メトホルミンを内服すると体重減少効果があることが報告されています。 日本人の実験で、2型糖尿病の平均BMI25. 3の患者さんに、メトグルコ (メトホルミン)750mg~2250mgを、54週間投与した場合の、体重減少効果は、平均1. 2kgと報告されています。 2013年にアメリカで行われたメトホルミンの肥満に対する効果を検証する実験では、実験開始から6ヶ月後、平均で5. 0kgの減量効果があった、との結果が出ています。 日本の実験よりも大幅な体重減少ですが、もともとの肥満度の違いがありそうです。 いずれにせよ、ダイエット(体重減少)効果は緩やかながら、確実にあるようです。 ゾメット(メトホルミン)の食欲抑制効果 ダイエット効果にもつながりますが、グレリンやGLP-1などの食欲調節作用のある消化管ホルモンに影響を及ぼすとの報告があります。 つまり、食欲が抑えられ、カロリーコントロールがしやすくなるということですね。 助かります。 さらに、AMPK活性化により筋肉での糖の利用が促進され、腸管からの糖吸収が抑制されるという効果もあります。 腸管からの糖吸収抑制ということはグルコバイと同様の効果が得られるということですね。 グルコバイを少し試したことが有るのですが、お腹が張り過ぎて続けるのを断念しました。 こちらのほうは、また機会があったら試してみてレビューしますね! ゾメット(メトホルミン)の減量後の体重維持効果 米ペニントン生物医学研究センターのKishore Gadde氏らが、メトホルミンは糖尿病予備群の人が減量した体重を長期にわたり維持するのに有用な可能性があるとの研究を明らかにしました。 メトホルミンを服用中に減量した群では、研究開始前から平均で体重の約6%の減量を6~15年間維持でき、その効果は生活習慣改善群を上回ることが分かったとのこと。 糖尿病予備群の人を対象に、2型糖尿病への進展予防に有用な介入法を検討した3年間の糖尿病予防プログラム(DPP)試験を延長したDPP Outcomes試験(DPPOS)を分析したもので、DPP試験の参加者は、メトホルミン投与群または健康的な食生活と定期的な運動による生活習慣の改善を行う群、プラセボ群のいずれかにランダムに割り付けられた。 今回は、DPP試験に参加した糖尿病予備群3,234人のうち、介入開始から1年以内に体重の5%以上の減量に成功した1,066人を対象に15年間追跡し、減量した体重の維持につながる要因について調べた。 追跡開始から1年後、体重の5%以上の減量を達成した割合は、メトホルミン服用群の28. 5%、プラセボ群の13. 4%に比べて、生活習慣改善群では62. 6%とはるかに高かった。 しかし、メトホルミンを服用中に減量した群では、研究開始前から平均で体重の6. 2%の減量を6~15年間維持し、その割合は生活習慣改善群の3. 7%、プラセボ群の2. 8%を大きく上回っていた。 そのため、Gadde氏は「生活習慣の改善は、初期には減量効果に優れていたのに対し、メトホルミンの服用は減量後の体重を長期的に維持するのに有用であった」と述べている。 また、介入開始から最初の1年間の減量幅が大きいことや高齢であること、メトホルミンの服用を継続することなどが、減量した体重を長期にわたり維持する予測因子であることが分かった。 減量速度は生活習慣改善群には敵わないが、その後の維持に大きな効果を発揮してくれるので、リバウンドの心配から少し解放されますね。 ただ、メトホルミンが減量した体重の維持に優れている理由については明らかになっていません。 Gadde氏は「メトホルミンを服用すると、食欲が抑えられて食べる量がある程度は減るが、劇的な減量効果をもたらすほどではなく、エネルギー消費が大きく変わるようなこともない」と説明している。 これからの研究で理由が明らかになってくると思いますが、訳はともあれ、効果があるなら飲まない手はないです! ゾメット(メトホルミン)のアンチエイジング 寿命延長 効果 アンチエイジングに興味のない女性はいないと思います。 あ、男性もですね。 2016年、米国食品医薬局 FDA が、世界初となるアンチエイジング薬の臨床試験を許可しました。 その薬こそが、メトホルミンです。 また英国のカーディフ大学の調べでは、メトホルミンを使用した糖尿病患者はほかの患者に比べ、平均で8年間長く生きたことがわかったのです。 研究者の話によればがん予防やアルツハイマー予防などにも効果がみられるとしています。 その理由として、メトホルミンは細胞内の有害な酸素分子をわずかに増やし、細胞を活性化させ健康状態を促進する働きがあります。 有害な酵素分子が多過ぎれば、細胞は傷つけられ老化を促進してしまいますが、メトホルミンが増やすこれはアンチエイジングには適量のようです。 歳を重ねるほど起こりやすい細胞分裂のエラーを減らし、代謝や傷の治癒力などを維持して病気を予防して老化を遅らせます。 研究者はメトホルミンを適切に使うことで「たとえば寿命が100歳の人ならば、120歳まで生きることができるようになる。 70歳の人なら50歳並みの健康が得られるはずだ」としています。 2016年からの臨床試験は、米国のアルバート・アインシュタイン医科大学のニール・バルジライ教授 内分泌学 らの研究チームが今年開始する「メトホルミンによる加齢抑制」 TAME 研究は米国の15ヵ所の医療機関で行われる。 寿命、心筋梗塞などの心疾患、がん、認知症などの発症にどれだけ差が出るかを調べるという。 被験者として70~80代のがん患者、痴呆患者、またはいずれかのリスクが高い人合計3000人を対象として実施する計画。 現在は被験者候補と資金を集めている最中とのこと。 現在、臨床試験の真っ只中ですね。 結果が本当に楽しみです。 ゾメット(メトホルミン)の抗がん効果 アンチエイジングに通ずるのですが、メトホルミンにがん予防の効果があるという研究も多数報告されている。 恐ろしいことに、インスリンおよびインスリン様成長因子が一部のがんの成長を促進してしまうことがあります。 2型糖尿病患者の多くは診断される前に血液中のインスリンレベルが高い状態に何年もさらされていることが多いので、がんの発症リスクが高い。 しかし、メトホルミンはインスリン産生量を増大させないため、がんの成長を抑える可能性がある。 また、がん抑制遺伝子を活性化する作用があり、血管にダメージを与える活性酸素が増えるのを防ぐ抗酸化作用もあると考えられている。 また、最近の研究では、メトホルミンは腸内細菌叢に変化をもたらしたり、筋肉の機能に影響したりする可能性が示唆されていますが、こちらはまだ研究が進んでいないので進展を待ちたいと思います。 ゾメット(メトホルミン)を飲んだ実際の効果・感想 姉がゾメット(メトホルミン)を半年間飲んだ感想です。 メリット ・食事前に摂取すると、血糖値スパイクが全く起こらないのか、眠くなったりあくびが出ることが皆無。 ・生活を変えずに体重が2kg減った。 ・肌が白くてつるつるになった。 ・白髪が無くなった。 ・安い。 デメリット ・一度、低血糖のようになり倒れそうになった。 ・一日に1000mg以上飲むと腹部膨満感が現れ、吐き気に襲われた。 客観的に見ても、色白に拍車がかかり、少しすっきりしました。 もともと白髪が多くないので、白髪が減ったかは分かりませんが、本人は喜んでおります。 そして、姉とランチバイキング(チート)に行った時に私も半錠もらって飲んでみたのですが、ピザやケーキ等の小麦製品を大量摂取したのに、全く眠くなりませんでした。 あくびも出ません。 つまり、血糖値スパイクが全く起こらなかったんでしょう。 これはおったまげた。 デメリットにある低血糖は、姉が食べる予定が無いのにゾメット(メトホルミン)を飲んだら出た症状らしいです。 これは気を付けないとやばいです。 食べる直前に飲みましょう。 このように書かれているのですが、姉は糖尿病ではないので、そもそも適正な用法用量などありません。 様子を見ながら、1日500mgを朝食時と夕食時に服用し始め、現在は1000mgで落ち着いたようです。 それ以上だと、デメリットに書いたように腹部膨満感が酷くなり、食べると吐いてしまったそうです。 因みに、姉は35歳、161㎝、55kg(たぶん)くらいの中肉中背(少し太い)です。 体格あまり変わらないので、私も500mgから始める予定です。 私はここで注文しました。

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メトホルミンの不妊や痩せるなどの効果と副作用!腎機能への影響も

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メトホルミン錠は「ビグアナイド剤」と呼ばれる種類のお薬で、糖尿病の治療薬になります。 このお薬はジェネリック医薬品であり、1961年から発売されている「メトグルコ」のジェネリックです。 メトホルミンは長い歴史を持つ古いお薬ですが、現在でも多くの糖尿病患者さんに使われている優秀なお薬です。 注意すべき副作用はありますが、正しく使えば安全に糖尿病を治療することができます。 また糖尿病を改善させる作用以外にも興味深い作用の報告もあり、古いお薬でありながら今後の研究報告が楽しみなお薬でもあります。 糖尿病治療薬にもたくさんの種類のお薬があります。 これらの中でメトホルミンはどのような位置付けになるのでしょうか。 メトホルミンの効果や特徴、どのような方に向いているお薬なのかについてみていきましょう。 1.メトホルミンの特徴 まずはメトホルミンの特徴について、かんたんに紹介します。 メトホルミンはインスリンに頼ることなく、様々な機序によって血糖を下げてくれるお薬になります。 メトホルミンは「ビグアナイド剤」と呼ばれる種類の糖尿病治療薬になります。 ビグアナイド剤は、元々は植物から抽出された成分になります。 中性のヨーロッパでは、マメ科の植物のフレンチライラックが糖尿病の症状(口渇や多尿など)に効くという事が経験的に知られていました。 そこでフレンチライラックの成分を調べたところ、「グアニジン」という物質が血糖を下げるはたらきがあることが発見され、グアジニンに似た物質である「ビグアナイド剤」が糖尿病の治療薬として使われるようになりました。 メトホルミンもその1つになります。 メトホルミンは古いお薬であり注意すべき副作用はあるのですが、血糖を下げる作用に優れていること、その他の付加的な効果がいくつも報告されていることから、現在でも広く用いられている糖尿病治療薬になります。 糖尿病のお薬にはいくつか種類がありますが、大きく分けると2つの機序に分けられます。 1つ目が、血糖を下げるホルモンである「インスリン」の分泌を促すことで血糖を下げようとするお薬です。 これには「スルホニル尿素(SU)薬」「速効型インスリン分泌促進薬」「DPP4阻害薬」「GLP1作動薬」などがあります。 インスリンというのは私たちの身体に元々備わっているホルモンで、血糖を下げる唯一のホルモンです。 インスリンは、血液中の糖(血糖)を筋肉などの末梢組織に移動させることで血糖を下げます(そして末梢組織に運ばれた血糖は、生命活動のためのエネルギー源となります)。 2つ目は、インスリンに頼ることなく血糖を下げるお薬です。 これには「ビグアナイド(BG)剤」「チアゾリジン誘導体」などがあります。 インスリンに依存せずに血糖を下げるため、インスリンが欠乏してしまうような病態でも効果が得られます。 メトホルミンは、血糖を末梢の筋肉や脂肪組織に取り込まれやすくしたり、肝臓にある貯蔵されている糖が放出されるのを抑制したり、腸管の糖の吸収を抑えたりすることで血糖を下げます。 1つのお薬にこのような複数の血糖を下げる作用があるのです。 またそれ以外に意外な作用として、抗がん作用やアンチエイジング作用も報告されており、面白い特徴を持ったお薬になります。 メトホルミンは古いお薬であり、副作用には一定の注意が必要です。 特に注意すべきは「乳酸アシドーシス」という副作用になります。 同じビグアナイド剤の「フェンホルミン」による乳酸アシドーシスによって死亡者が出たこともあり、一時期ビグアナイドはあまり使用されなかった時代があります。 しかしメトホルミンは適切に使用すれば十分安全に使えるお薬です。 重篤な副作用のほとんどは、適応とされる患者さん以外に使用した事で生じているため、医師の指示に従って適切に使えば安全に使用することは十分可能です。 以上からメトホルミンの特徴として次のようなことが挙げられます。 【メトホルミン錠の特徴】 ・ビグアナイド剤に属するお薬である ・血液中から末梢組織(筋肉や脂肪など)へ糖を移動させる ・肝臓にある貯蔵されている糖の分解を抑える ・小腸からの糖の吸収を抑制する ・意外な作用として抗がん作用、アンチエイジング作用がある ・古いお薬であり、注意すべき副作用は多い (ただし、しっかりと適応を守って使用すれば十分安全) ・ジェネリック医薬品であり、安い スポンサーリンク 2.メトホルミンはどんな疾患に用いるのか メトホルミンはどのような疾患に用いられるのでしょうか。 添付文書には、次のように記載されています。 【効能又は効果】 2型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。 1 食事療法・運動療法のみ 2 食事療法・運動療法に加えてスルホニル尿素剤を使用 メトホルミンは血糖を下げる作用を持つお薬ですから、糖尿病に使われます。 糖尿病には1型と2型があります。 2型は一般的な糖尿病で、糖分を摂取しすぎることで生じてしまうものです。 メトホルミンは基本的には2型糖尿病に対して用いられます。 そして2型糖尿病ではまずはお薬を使う前に食事療法(規則正しくバランスの良い食事を指導する)や運動療法(適度な運動を指導する)が行われます。 これら食事療法や運動療法を行っても改善が得られない時、メトホルミンのようなお薬が検討されます。 3.メトホルミンにはどのような作用があるのか メトホルミンは様々な作用を持つお薬です。 具体的にどのような作用を有しているのでしょうか。 AMPKの活性化により次のような作用が期待できます。 組織に取り込まれた糖分はエネルギー源となり、身体活動をするためのエネルギーとして使われます。 血糖が臓器に取り込まれやすくなると、血糖は下がりやすくなるため、糖尿病の改善が得られます。 なお血糖を下げるホルモンであるインスリンも、「血液中の糖を臓器に吸収させる」はたらきをもっているため、メトホルミンはインスリンの効きを良くするという見方も出来ます。 これを「インスリン抵抗性の改善」と呼びます。 メトホルミンのようなビグアナイド剤は、グルコーストランスポーターという糖を血液中から組織へ輸送するシステムに直接作用するため、インスリンがない状況でも筋肉・脂肪に糖を取り込ませることが出来ます。 これをインスリン非依存性と呼びます。 インスリンに頼ることなく血糖を下げれるため、インスリンの分泌能が弱くなってしまった方にも向いているお薬なのです。 糖は体内では「グルコース」として存在していますが、これは肝臓において「グリコーゲン」として貯蔵されています。 グリコーゲンはいざという時の予備のエネルギーとして取っておいてあるのです。 メトホルミンは肝臓のグリコーゲンがグルコースに分解されて血液中に放出されるのをブロックします。 この作用も、血糖の上昇を抑えてくれるため糖尿病の改善に役立ちます。 食物中の糖分は、主に腸管から体内に吸収されます。 メトホルミンは小腸にも作用し、小腸が糖を吸収するのを抑えてくれるはたらきがあることが動物実験において報告されています。 なぜメトホルミンが食欲を抑えるのかは不明なところもありますが、「グレリン」という食欲を上げる物質に作用するのではないかと考えられています。 グレリンは胃から分泌されるホルモンで、視床下部の食欲中枢を刺激して食欲を亢進させるはたらきがあります。 メトホルミンは食後のグレリン上昇を起こしにくくする作用があることが報告されており、これによって「食べ過ぎ」を防げるのではないかと考えられます。 また、近年糖尿病を治療するお薬として「DPP-4阻害薬」が発売されました。 DPP-4阻害薬は安全にインスリンの分泌を促すため、しっかりと血糖を下げてくれる割に低血糖が起こりにくいお薬です。 DPP-4阻害薬はGLP-1という物質のはたらきを強めるのが主な作用機序なのですが、このGLP-1も食欲を抑えるはたらきがあります。 メトホルミンは、DPP-4阻害薬と同じようにGLP-1のはたらきを強めるという報告もあり、これも食欲抑制に関係している可能性があります。 「メトホルミンは食欲を抑える」という事実は古くから知られており、そのため「痩せ薬」としてメトホルミンの処方を希望される方が時々いらっしゃいます。 しかしこのように食欲を適切に抑えてくれるはたらきであり、過度に体重を落とせるお薬ではありません。 元々、糖尿病の方は癌の発生率が高いという事が知られていますが、メトホルミンを服薬していると膵臓癌や前立腺癌の発生率増加を抑えられことが報告されています。 なぜ癌を抑えるのかについては様々な推測がされていますが、やはりAMPKの活性化によって何らかの作用をもたらしているのだと考えられます。 しかし現時点では抗がん剤として使えるほどの根拠があるわけではなく、この作用はあくまでも「こういった作用も報告されているよ」という程度のものです。 これもAMPKの活性化によるものと考えられます。 現在、海外で人への使用に向けて臨床試験が始まっています。 もし人においても同様の効果がしっかりと認められたらメトホルミンは世界初の「寿命を延ばす薬」になるかもしれません。 血管壁を傷付ける原因となるMDA-LDL(マロンジアルデヒドLDL)を有意に低下させることが報告されています。 スポンサーリンク 4.メトホルミンの副作用 メトホルミンは副作用に注意が必要なお薬です。 副作用の頻度自体も多いのですが、ちゃんと使い方を守らないと重篤な副作用が出てしまうこともあります。 メトホルミンはジェネリックであるため、副作用発生率の明確な調査は行われていません。 副作用は多めのお薬となっています。 生じうる副作用としては、• 食欲不振• 悪心、嘔吐• 発熱 などで、ほとんどが消化管系の副作用になります。 あまりに症状がひどい場合は減量あるいは中止となりますが、症状が軽度であればそのまま様子をみることもあります。 またメトホルミンは注意点をよく守らないと時に重篤な副作用を起こすことがあります。 メトホルミンで特に注意すべきなのは、乳酸アシドーシスです。 しかし日本における乳酸アシドーシスの頻度は10万人に1人程度と報告されており、極めて稀です。 乳酸アシドーシスは死亡率が50%とも言われているため、絶対に起こさないよう注意して使用する必要があります。 特に肝機能・腎機能の悪い方、心臓・肺が悪い方、高齢者、脱水が疑われる方では乳酸アシドーシスを起こしやすいためメトホルミンを使っても大丈夫か慎重に判断しなくてはいけません。 実際、乳酸アシドーシスを発症したケースのほとんどが、このような本来メトホルミンを投与すべきでない人に投与されていた事が確認されています。 またそれ以外にも• 低血糖• 肝機能障害• 横紋筋融解症 などが生じる可能性が稀ながらあります。 メトホルミンは、投与してはいけない方がいます。 下記に該当する方は乳酸アシドーシスのリスクが高くなるためメトホルミンを服用できませんので、該当しないかどうか注意しましょう。 乳酸アシドーシスになったことのある方• 肝臓に障害のある方(重度以上)• 腎臓に障害のある方(中等度以上)• 心機能に障害のある方• 重篤な肺疾患がある方• アルコール多飲者• 脱水の方• 妊婦 5.メトホルミンの用法・用量と剤形 メトホルミンは、 メトホルミン錠 250mg メトホルミン錠 500mg の2剤があります。 メトホルミンの使い方は、 <成人> 通常、成人には1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食前又は食後に経口投与する。 維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750mg~1,500mgとする。 なお患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,250mgまでとする。 <小児> 通常、10歳以上の小児には1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食前又は食後に経口投与する。 維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日500mg~1,500mgとする。 なお患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,000mgまでとする。 となっています。 メトホルミンは用量依存的に血糖を下げると言われています。 これはつまり「量を増やしたら増やしただけ血糖が下がる」という事です。 副作用の問題もあるため、安易にどんどん増やせるお薬ではありませんが、自分にとっての最適な量を主治医とともに慎重に判断していきましょう。 血糖を下げる作用もしっかりしており、非常にざっくりした言い方ですが、血糖の平均値であるHba1cをおおよそ1前後下げることが出来ます。 6.メトホルミンが向いている人は? 以上から考えて、メトホルミンが向いている人はどんな人なのかを考えてみましょう。 メトホルミンの特徴をおさらいすると、 ・ビグアナイド剤に属するお薬である ・血液中から末梢組織(筋肉や脂肪など)へ糖を移動させる ・肝臓にある貯蔵されている糖の分解を抑える ・小腸からの糖の吸収を抑制する ・意外な作用として、抗ガン作用、アンチエイジング作用がある ・古いお薬であり、注意すべき副作用は多い (ただし、しっかりと適応を守って使用すれば十分安全) ・ジェネリック医薬品であり、薬価が安い というものでした。 メトホルミンは古いお薬ですが、適応を間違えなければ安全に、そしてしっかりと血糖を下げてくれるお薬です。 また抗がん作用やアンチエイジング作用も報告されており、服用するメリットが高いお薬になります。 肝臓、腎臓や心臓・肺などが悪い方や高齢者の方は使用を慎重に判断する必要がありますが、メトホルミンを使っても問題のない方であれば、ある程度積極的に使用しても良いお薬でしょう。 ただしこのお薬へのある程度の知識は必要です。 例えば脱水時は乳酸アシドーシスのリスクが上がることなどは服用者は必ず知っておかなくてはいけないでしょう。 例えばメトホルミン服用中の方が、風邪や胃腸炎などにかかってしまって脱水状態になってしまった時、状況によってはメトホルミンを中止した方がよい場合もあるからです。 7.先発品と後発品は本当に効果は同じなのか? メトホルミンは「メトグルコ」というお薬のジェネリック医薬品になります。 ジェネリックは薬価も安く、剤型も工夫されているものが多く患者さんにとってメリットが多いように見えます。 しかし「安いという事は品質に問題があるのではないか」「やはり正規品の方が安心なのではないか」とジェネリックへの切り替えを心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。 同じ商品で価格が高いものと安いものがあると、つい私たちは「安い方には何か問題があるのではないか」と考えてしまうものです。 ジェネリックは、先発品と比べて本当に遜色はないのでしょうか。 結論から言ってしまうと、先発品(メトグルコ)とジェネリック(メトホルミン)はほぼ同じ効果・効能だと考えて問題ありません。 ジェネリックを発売するに当たっては「これは先発品と同じような効果があるお薬です」という根拠を証明した試験を行わないといけません(生物学的同等性試験)。 発売したいジェネリック医薬品の詳細説明や試験結果を厚生労働省に提出し、許可をもらわないと発売はできないのです、 ここから考えると、先発品とジェネリックはおおよそ同じような作用を持つと考えられます。 明らかに効果に差があれば、厚生労働省が許可を出すはずがないからです。 しかし先発品とジェネリックは多少の違いもあります。 ジェネリックを販売する製薬会社は、先発品にはないメリットを付加して患者さんに自分の会社の薬を選んでもらえるように工夫をしています。 例えば飲み心地を工夫して添加物を先発品と変えることもあります。 これによって患者さんによっては多少の効果の違いを感じてしまうことはあります。 この多少の違いが人によっては大きく感じられることもあるため、ジェネリックに変えてから調子が悪いという方は先発品に戻すのも1つの方法になります。 では先発品とジェネリックは同じ効果・効能なのに、なぜジェネリックの方が安くなるのでしょうか。 これを「先発品より品質が悪いから」と誤解している方がいますが、これは誤りです。 先発品は、そのお薬を始めて発売するわけですから実は発売までに莫大な費用が掛かっています。 有効成分を探す開発費用、そしてそこから動物実験やヒトにおける臨床試験などで効果を確認するための研究費用など、お薬を1つ作るのには実は莫大な費用がかかるのです(製薬会社さんに聞いたところ、数百億という規模のお金がかかるそうです)。 しかしジェネリックは、発売に当たって先ほども説明した「生物学的同等性試験」はしますが、有効成分を改めて探す必要もありませんし、先発品がすでにしている研究においては重複して何度も同じ試験をやる必要はありません。 先発品と後発品は研究・開発費に雲泥の差があるのです。 そしてそれが薬価の差になっているのです。 つまりジェネリック医薬品の薬価は莫大な研究開発費がかかっていない分が差し引かれており先発品よりも安くなっているということで、決して品質の差が薬価の差になっているわけではありません。 7.お薬以外の糖尿病の治療法 お薬は疾患を治療するために重要な方法の1つです。 しかし糖尿病をはじめとした生活習慣病は、お薬だけでなく日々の生活を工夫する事も大切です。 むしろこのような生活習慣の改善が主であり、お薬は補助的な役割だと考えるべきです。 実際に、糖尿病治療薬の添付文書には次のように書かれています。 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。 「まずは食事・運動療法を行って、それでも効果が不十分な時のみお薬は使ってね」という事です。 では糖尿病を改善させるためには、どのように食生活・運動習慣を気を付けていけばいいのでしょうか。 大切なポイントをお話します。 朝食・昼食・夕食と1日3食規則正しく食べましょう。 「1日1食しか食べない」 「朝食を抜いている」 このような不規則な食生活をすると糖尿病をむしろ悪化させる事もあります。 1日に食べる量が同じでも、3食に分けて少しずつ食べるのと、1食でドカッと食べるのとでは血糖値の上がり方が異なります。 一気に大量に食べると血糖値が急激に上昇するため、全身の臓器も痛みやすくなります。 また食事回数が少ないと、間食で補ってしまう事が多々あります。 アメやチョコレート、スナックなど、間食には糖質を多く含むものが多く、これも糖尿病をかえって悪化させます。 食事は、よく噛んでゆっくり食べる事も大切です。 ゆっくり食べればゆっくり血糖値が上昇していきますので、急いで食べるよりも臓器への負担も少なくなります。 また食事内容のバランスも大切です。 近年は糖質制限などがもてはやされていますが、糖質はエネルギーとしてある程度は必要になります。 極端な偏食をするのではなく、バランス良く摂取するようにしましょう。 推奨されているバランスは、 炭水化物:たんぱく質:脂質=45~60%:10~20%:25~35% 程度と言われています。 一人暮らしなどで食事バランスを十分に考えられないという方は、配食を利用するのも手です。 近年はバランスが考えられた食事を冷凍で自宅まで送ってくれる業者もあります。 普通の米飯は1膳で250kcal(糖質55g ほどありますが、こちらの米飯は1膳192kcal(糖質43. 2g)に抑えられています。 1日(3食)で考えれば約180kcalほど違ってきます。 1食240kcalに抑えて作られており、炭水化物・タンパク質・脂質も理想的なバランスになるよう考えられています。 種類もたくさんあるため、飽きずに続ける事が出来ます。 これは野菜を先に食べる事で血糖値の上昇が緩やかになるためだと考えられています。 食事は野菜から先に食べるようにしましょう。 生活習慣上なかなか野菜を先に食べれないという方は、サプリメントを利用するという方法もあります。 ベジファスを最初に取る事で、血糖値の上昇を抑え、糖尿病を改善させやすくします。 身体活動量は、日常で身体をどれくらい動かしているかで、 ・軽労作:デスクワークが主・主婦など:25~30kcal ・中等度労作:立ち仕事が多い:30~35kcal ・重労作:力仕事が多い:35kcal~ と分けられます。 下表で自動で計算できますので、自分の1日摂取カロリーの上限を計算してみましょう。 一般的なとんこつラーメンは800kcal程度ありますが、このラーメンは糖質を極限までカットしており麺とスープを合わせても約300kcalと超低カロリーになっています。 味は、やはり一般的なラーメンと比べるとやや物足りなさを感じる方もいらっしゃいますが、アンケートでも高い満足度が得られています。 理想は毎日ですが、毎日まで行かなくても週3回以上、1回30分以上の運動習慣を目指しましょう。 無理な運動習慣は長続きしませんので、無理なく続けられる程度の運動を設定する事が大切です。 毎日公園を散歩する• プールでゆっくり泳ぐ• ゆっくりジョギングやサイクリングする などの負荷の低い運動でも十分に効果があります。 日々続けていく事が何よりも大切です。 カテゴリー• 247•

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