転生 し まして 現在 は。 ファンタジー美少女たちが俺の世界に異世界転生してきた!

#5 #4.5 転生審神者の本丸の歩き方

転生 し まして 現在 は

「聖女アンゼリカ。 そなたに空白地帯聖伯の地位を授ける」 「謹んでお受けいたします」 前代未聞であった。 一人の聖女が爵位を得て貴族になるなど。 元来、ノーザン王国における政治と宗教の関わりは深い。 それ故に、どちらもお互いの領分を侵しすぎないようにしていた。 最近では、大教会の力が増し、国の政治にも口出しするようになって来てはいる。 それも、近年の世の乱れから人心に不安が生じ、大教会に頼るようになったためだ。 現在の国王が頼りないせいもある。 それでも、大教会は表立って国に物を言ったり、ましてや地位を要求することなど無かったのだ。 それが今、とんでもないことが起こっている。 空白地帯を領地として得たアンゼリカは、地位としては辺境伯。 称号としては新しく作られた、聖伯となった。 聖女伯と言ってもいい。 謁見の間はどよめきと、ついで称賛の声に包まれた。 腕一本で空白地帯に並み居るならず者たちを平定した彼女の勇名は、国中に轟いていたからだ。 それに、空白地帯と言っても北西部から王国近辺を平定しただけ。 王国の領土は広がるが、この地域に関してはアンゼリカが絶対的な発言力を持つ。 「聖伯として、彼の地の救済に励みましょう」 アンゼリカが誓いを立てると、国王がうなずいた。 ちなみにこの儀式の筋書きを書いたのはクラウディオ王子である。 国王は前代未聞とか、とっても嫌がった。 そこを、王子が説き伏せたのである。 「陛下、王室の信頼は地に落ちかけています。 そこをさらに、大教会の聖女によって空白地帯が平定されたとなれば、何が起こると思いますか」 「な、何が起こるんじゃ」 「革命では? 我が国は大教会によって政治が行われる教国となるでしょう。 我らは皆処刑されてもおかしくない」 「し、死にたくない。 分かった、やる」 という穏便な説得があった。 おかげで、偉業を成し遂げたアンゼリカは王国の貴族であり、大教会の聖女でもあるという双方の顔を立てる立場になった。 ウィンウィンである。 アンゼリカとしても、これで国からの支援を受けられるし、空白地帯の民達を守っていくための場所を作ることができる。 聖女の救世、その大いなる第一歩であった。 「おめでとう聖女様!」 「聖女様やったねー!」 この間と同じ宿にて、ささやかなパーティを開くアンゼリカとシーゲル、ミーナ。 パーティの主菜は肉である。 骨付き肉。 三人で、ジョッキで乾杯した後、ぐいっと飲み干した。 ミーナの飲み物は果汁を絞った水にハチミツを加えたものである。 そしてみんな、黙々と肉を食べる。 皿の上の肉が全部やっつけられた頃合いで、アンゼリカが口を開いた。 「これで、ミーナと約束したことが果たせますね」 「はい! 本当に村をたすけてくれるなんて! 聖女様すごい!」 「ふふふ、ミーナが信じてついてきてくれたお陰ですよ」 「えへへー」 ミーナが照れ笑いした。 「聖女様……俺も、貴族様の付き人になるわけじゃないですか」 シーゲルがいつになく真面目な口調で言う。 「どうしたのですかシーゲル。 改まった様子で」 「あの、貴族様の付き人って、モヒカンしててもいいんすかね」 なるほど、シリアスな問題であった。 これには、アンゼリカは微笑みを以て返した。 「シーゲル。 あなたのモヒカンは気軽なファッションでしかないのですか?」 「そ、そんなことはないですぜ!! これは、俺のソウルだ! 魂こもってんですよ! モヒカンを悪く言うなら、聖女様だって俺はヒャッハーって飛びかかりますぜ!」 「それが答えではありませんか」 聖女の返答に、シーゲルはハッとした。 「そ、そうか……!! 俺は俺のままでいていいって……そいうことなんですね聖女様……!」 「我が聖伯領では、侍従の髪型にモヒカンを許す事に致しましょう……」 「せ、聖女様……!!」 だーっと涙を流すシーゲル。 「よかったねえシーゲル」 ミーナがシーゲルの背中をなでなでした。 「おう、おう……」 「さて、問題はここからです。 サウザン帝国に、私以外の……そして私によく似た力を持つ聖女が確認されたと。 教主猊下から伺いました」 「聖女様じゃない、聖女様……? それって、プロレスっていう技をつかう聖女様?」 「はい。 聖女デストロイヤー。 私の半身はその名を知っています。 おそらく彼女は……私と同じ存在でしょう」 強大な力を持つ、魔王直属の魔将を退けた神秘の技、足四の字固め。 あの技をそれだけの威力、クオリティで使いこなせる相手など、聖女はたった一人しか思い浮かばなかった。 「聖伯領を管理し、運営してくれる方が必要です。 その方が見つかり、お仕事を任せられるようになったら……我々はサウザン帝国に向かいましょう」 「聖女様の救世は続くんスね……!! お供しやす!!」 「わたしも! わたしも!」 次なる目的地を見据える、聖女アンゼリカと付き人達なのであった。 領土運営のためには、政務を取り仕切る能力がある者が必要になる。 アンゼリカはプロレスの達人であったが、政治には素人である。 かと言って、良からぬ野心を抱いたものをうちに招き入れてしまっては、救世の目標からは遠ざかる。 どうしたものか、と聖女は考えた。 そこに助けの手が差し伸べられる。 辺境の村に作られた、聖伯領の仮組み領主の館。 一言で言えば大きなテントである。 そこに、八人の人物が尋ねてきた。 「アンゼリカ!」 テントを出た聖女を出迎えたのは、錚々たる面々であった。 北西八華戦……!! かつて拳を交え、アンゼリカによって下された八人の豪傑達。 彼らが集い、アンゼリカの元を訪れたのである! 先頭に立つは、鉄人テーズ。 彼の顔に、既に仮面はない。 人格が統合され、大体あっちの世界の鉄人になっていた。 「テーズ! あなたと八華戦の皆さんがこちらにいらっしゃるとは……どのようなご用向でしょうか?」 「アンゼリカ。 ユーが困っていると聞いたのだよ。 ミー達はこう見えて、それぞれの領地を運営していたからね。 考え方は間違っていたが、やり方は間違っていなかったと思っているよ。 ザッツ・ホワイ ( だからこそ )! ミー達はユーの力になることができるだろう!! 手を貸すぞ、アンゼリカ!」 「皆さん……!!」 頷く八華戦。 プロレスを通じて結ばれた絆、そして友情……! とりあえず八人もでかいのが来ると、村のキャパをオーバーするので、慌てて人数分のテントを建てることになるのだった。 八華戦が来れば、その下にいた元ならず者や民達も集まってくる。 あっという間に、聖伯領の規模は大きくなった。 まずは最初の事業を始めねばならない。 それは、畑の開墾である。 人数分の食事を供給できるようにならねばならない。 これは、鋼鉄ドレスのゾビィが中心となって担当することになった。 農林水産担当である。 そして、発電施設はバルバロッサ監獄のそれを移設して、ダンカンが管理する。 人間の代わりに、風や水の力をつかって発電できるようにアレンジしたシステムで、村には少量ながら電気が来るようになった。 これを使って、工業生産などをするのである。 「聖伯領が大きくなっていきますね」 嬉しそうに、アンゼリカが領内を歩いた。 道行くと、スキンヘッドの巨漢と商店のおばちゃんが仲良くおしゃべりしている。 側溝に落ちてしまったネコチャンを、髭面の巨漢と子どもたちが協力して助け出していた。 平和な世界がここにはある。 だが、逆を言えばここにしかまだ、平和は無いのだ。 世界はアンゼリカの救いを求めていた。 「旅立つのだね、アンゼリカ」 聖女の背後に、テーズが立った。 「ええ。 救世こそは、我が半身が望む大事なれば」 「行ってきたまえ! ユー達が帰ってくるころには、テントは領主のビッグなハウスになっているだろう。 楽しみにしているといい」 「ええ。 楽しみにしています」 かくして。 聖女一行、旅立ちの時が迫るのである。

次の

転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿

転生 し まして 現在 は

仮に完結せずに終わるとするなら「作者側」からの都合になるかと思われます。 原作者が「完結させないで終わらせたい」とムリヤリ打ち切らせるとか 漫画家さんが病気や事故等の理由でどうしても休載せざるを得なくなりそのまま打ち切りとか。 完結するのか?という質問ですが、おそらく出版社的にはむしろ 『完結しないでほしい』『長く長く続いてほしい』 と願っているかと思われます。 転生したらスライムだった件はとにかく売れています。 2018年の年間コミック売り上げランキングを知っていますか? 転スラは9位346万部の売り上げです。 本が売れないと言われているこのご時世に、ジャンプ漫画級の売り上げを誇ります。 ランキング10位圏内の集英社の漫画は7冊、講談社の漫画が3冊です。 このうち講談社からの漫画「七つの大罪」は最終回を迎えたので、今後このランキングからは去ります。 すると講談社はトップ10には「進撃の巨人」と、「転生したらスライムだった件」だけになるのです。 なので講談社的には転スラは 「もっともっと売れてほしい」「もっともっと続いてほしい」 「今後も長く講談社の看板作品になってほしい」 のが本音だと思われます。 新規の漫画をここまで人気が出るまでに育てるのは大変です。 この人気を維持させるほうが得策と考える筈 転スラが掲載されている雑誌は「月刊少年シリウス」と言いますが、ここに掲載されている他の漫画と比較しても1強で突出しています。 週刊少年ジャンプにおけるONE PIECEに当たる漫画です。 転スラが連載続いてるうちはシリウスは安泰だと思われます。 例えばONE PIECE、今の人気、売り上げがあるのに「長期連載」だからといきなり打ち切られると思いますか? 「進撃の巨人」が、まだまだ人気あるのに「長期連載」になったからといきなり打ち切ると思いますか? 【人気が無くなった】【売り上げが極端に落ちた】ならばしょうがないとしても、年間売り上げトップ10に入る漫画なんてものを 【出版社から打ち切るなんてことはありえないのです】ましてや 【巻数が多くなって長期連載になったから打ち切ります】 なんてことになる筈が無いのです。 転生したらスライムだった件は、年間売り上げトップ10に入るまでに急成長してしまったので、 その昔、ドラゴンボールの鳥山明先生がDBを終わらせたくとも人気がありすぎて終わらせることができなかったように 転生スライムの現在の売り上げを考えたら出版社側から「終りです」と言い出すことは無いと思われます。 連載が終わるとすれば 『打ち切りラインまで極端に売り上げが落ちる』 『漫画作者が事故や病気になり続けることができなくなる』 この二つのいずれかの理由だけになるかと思われます。 ましてや原作はまだまだ長期続けられるだけあります。 講談社がこの「金の生る木」を現状捨てるわけが無いのです。 アニメ2期が早々に決まったのもおそらく今講談社が転スラを『かなり推している』からだと思われます。

次の

TINAMI

転生 し まして 現在 は

細かいところは言っていたらキリがないので、大まかな部分だけ上げさせていただきます。 まず、作者自身が読者のことを信用しているのか信用していないのか分からないです。 どういうことかというと、説明しなくても良い部分は細かく説明しているのに、説明してほしい部分は説明しきれてない感があります。 例えば、最初に一変に説明されても頭に入ってきません。 そして、ヒロインたちの常識力欠如については、ここは情景説明が弱すぎていまいち納得できませんでした。 あと、お金についての説明は別々のヒロインでそれぞれ描写する必要はあるのでしょうか。 最初のテレビの下りで出される登場人物について、ポツリと出されても印象に残る人は少ないかと。 だから改めて、再び登場させたときにまた説明する羽目になってると思います。 伏線として登場させたかったんでしょうけど、印象に残らせてほしいと感じました 登場人物の個性もみんな同じようになっていますね。 主人公だけ逆方向を向いている印象です。 ただ、この主人公に対してもよくある平凡な高校生像ってだけで、魅力はあまり感じませんでした。 もうこのさい、ヒロインたちは主人公に兄の影を重ねている。 やはり兄のほうが好きだと完全に読者に対して思わせた方がすっきりすると感じました。 ヒロインたちのバッググラウンドに対しても、あまりにも入ってこないのでそうなんだ程度で済んでしまいます。 キャラ付けを頑張っている感じは受け取れるのですが……。 キャラが弱い一因として、登場の仕方にこれといったインパクトが少なすぎるというのもあります。 例えば「ニセコイ」などはヒロインが冒頭から主人公に対して事故の飛び蹴りをかましています。 確かに公共の場で、「セックス」と言うのは常識力にかけてインパクトはあります。 ありますが、やはり他のヒロインたちの同等の常識力にしか感じません。 キャラの視点の切り替えも、作者の言葉が無ければ分かりませんでした。 作者の言葉で感じたのですが、薄々主人公の使いづらさに気がついてはいるのではないのでしょうか。 常識人 事なかれ主義 振り回されたくない。 きっとそのような主人公の特性があると思うんですよ。 だから使いづらいのかと。 しかし、主人公像としてはこれが正しいと思うので帰ろとは言いません。 この主人公をどれだけ自然に振り回せるか。 どれほど非常識っぷりをアピールできるかでヒロインたちはもっと個性の違いを出せたと思います。 非常識っぷりといえば、船の下りは若干いらないじゃんってなりました。 そこは、船に乗るシーンがあればいいんじゃないかなってなりました。 ギャグに関しては作者様自身が鳴れていない印象がだいぶ強いです。 確かにギャグは軽快に読み進めさせるとこもできるし、頭にも入って気安くもできます。 しかし、一歩間違えれば読者を冷めさせてしまう一因ともなります。 作者様はシリアスのほうが向いているのではないでしょうか。 この作品についてはギャグに関しては後者色のほうが強く感じました。 せっかく軽快に物語が進んでいるのに、何回も読み返して確認する状態になりました。 勿体ないと感じます URLありがとうございます。 なろうの小説でしたか。 午後四時ごろにシリアが転生していることを発見し(1話・2話)、五時過ぎ頃に料理する食材がない事に気付き 3話)スーパーへ 4話。 そこでメルと再会しますが 5話 シリアと転生に関して食い違いがありそこで転生によって時間差が生じているという事実に気が付きます(6話) それゆえにメルとはたまたま再会できたもののこの段階では勇者や魔王、その他の仲間たちがこの時代に転生しているかどうかさえ分からない状況です。 なので、こっちの世界に勇者本人がいない可能性というのを翔やシリアも理解しています。 どこまで読んでいただいたのか分からないのでもう少し。 その後ラグナリアが魔王だと呼ぶ人物を見つけたため、魔王かもという人物を追ってはいますが、登場人物たちに「あいつが魔王だ!」という絶対的な確信はありません。 もしかしたら魔王は遠い昔に転生していて、すでにこの世にはいないかも知れないし、もっと先の未来に転生していて、今みんなで探したところで見つからないかも知れないという可能性も持ちながら、今話を進めているところです(17話現在) ですのでシリアの場合は一章の最後の翔の言葉を受けて勇者がいるかどうかも分からない中では勇者の想い(かも知れない)翔の孤独を癒してあげようという事に全うしようとします。 メルの場合は一年間自分が孤独だった中、久しぶりに仲間と異質な存在でも認めてくれる人間に甘えて家に入りびだっている。 ラグナリアは住む家すらないので居候をしているし、彼女は「この世界に勇者がいるかも知れない」などといった不確定要素では動かないので探そうとはしてません。 といったところでそれぞれに理由があり、あの家に存在しているという感じです。 まだ、納得いただけない点や不明な点があれば教えてください。 これだけ張り合いのある感想はメールのやり取りをしているようで楽しいですので(一方的だったらスイマセン) 異世界からやって来るというパターンの作品をたくさん知っていらっしゃるんですね。 「銀河連合日本」という作品は知らないので今度本屋さんで探してみようかと……。 もともとファンタジーな世界に住んでいる子たちにとって黄色人種(東洋人)というのは物珍しい存在でその区別というのがすごく曖昧なものとなっています。 (例えば日本人が黒人の方を見た時になんとなく一目では同じように見えてしまう現象です) ましてや健と翔は兄弟という事もあり、目つきや肌の色具合等は似ているので日本人同士であれば普通に見分けられるものの、彼女たちにとってはほぼ一緒なのです(こっちに関しては設定絵をあげられないので何とでも言えちゃうのですが……) と、いう心理現象の元、作中でもファンタジー世界のキャラクターは何度か健と翔を見間違っている部分もあり、特にシリアに関しては重ね合わせてしまっているという状態です。 今回は読んでいただき、そして貴重なご意見ありがとうございました。 それとなく上記の事を描写の中にも入れていたつもりでしたが(見間違うシーンや重ね合わせているシーンなど)伝わりずらかったですね。

次の