攻略 ゲーム。 トレクル攻略

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なぜ、ゲーム攻略サイトは激減したのか? 現場の声を聞いてみた(鴫原盛之)

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今から6、7年ほど前、スマホ用アプリゲームが相次いで大ヒットしたのを機に、数多くの攻略・レビューサイトが登場したが、現在ではその数が激減した。 「事前登録者数100万人突破!」「300万ダウンロード達成!」等々、メーカー(パブリッシャー)からは景気のいい数字が日々発表され、ヒット作を配信したメーカーが大きな利益を上げる一方、メディア側はどんどん淘汰が進み、ある程度の資本力を持った企業が運営するサイト以外は、ほとんど姿を消してしまった。 もはや数え切れないほどのスマホ用ゲームが配信されている昨今、攻略サイトの需要も当然あってしかるべきなのに、増えるどころか逆に減ってしまったのは、いったいなぜなのだろうか? 攻略サイトの現状について、2013年1月から「SQOOL. NET アプリ情報データベース」(現:「SQOOL. NETゲーム研究室」)を運営する、株式会社SQOOL代表取締役の加藤賢治氏にお話を伺った。 「SQOOL. NET アプリ情報データベース」配信開始当時のページデザイン(加藤氏提供) 「パズドラ」、脱出ゲームの攻略サイトへの転換を機に人気急上昇 加藤氏によると、サイトを立ち上げた当初はゲーム以外のアプリの紹介や、ガジェットのレビュー記事なども掲載していたが、開始からわずか2ヶ月でゲーム攻略に特化することを決断し、「アプリ攻略!SQOOL. NET」とサイト名も改めたそうだ。 当時のスマホ用アプリゲームの人気ぶりわかる、何ともすごいお話だ。 2013年当時の、脱出ゲームの攻略ページ(加藤氏提供) PV数を大幅に増やすことに成功した加藤氏は、それまでサイトをほぼ1人で切り盛りしていたが、やがて攻略のペースが追い付かなくなってしまう。 そこで2014年3月からは、自身のサイトとクラウドソーシングを通じて攻略ライターを募集し、外部に仕事を発注するようになった。 「人数を増やしたほうが、経費も掛かるけど収益も伸びそうだということで、ライターを募集することにしました。 人数が増えたことで編集の仕事も増えましたので、2015年の10月から都内に新しい事務所を借りて、常駐の編集スタッフも雇いました」(加藤氏) ちなみに、ピーク時は数十人ものライターを起用し、当初は主婦や学生などの女性が圧倒的に多かったとのこと。 これは当時、脱出ゲームが女性プレイヤーに人気があったからだ。 なお、「パズドラ」のライターは男性が多く、仕事の連絡はクラウド上でほぼ完結していたので、ライターがオフィスまで出勤するケースはほとんどなかったそうだ。 2014年7月頃の「アプリ攻略!SQOOL. NET」トップページ。 当時の人気タイトルのバナーがずらりと並ぶ(筆者撮影) 攻略サイトとしての運営をやめ、ニュースサイトへと方針転換 外部のライターによる寄稿も増え、攻略情報を充実させていった「アプリ攻略!SQOOL. NET」だが、やがて大きな転機が訪れる。 PV数が徐々に頭打ちになり、攻略記事の配信だけでは売上、すなわち広告収入が十分に得られなくなってきたのだ。 「ソーシャルゲームがピークアウトして、トレンドが変わり始めたんです。 ライターをたくさん使っていましたし、このままでは経費が掛かり過ぎるので、2017年の春頃に借りていた事務所から撤退しました」(加藤氏) 実は加藤氏、2015年の末頃からブームが一段落する「変わり目」をすでに感じていたという。 「事務所を撤退した当時はものすごくたいへんな時期で、判断がもう少し遅れていたら会社がつぶれていました」(加藤氏)というのだから、事の重大さがおわかりいただけるだろう。 そして加藤氏は、従来のスマホ用ゲーム攻略サイトから、ほかのゲームのニュース記事やコラムなども掲載するニュースサイトにすべく、編集方針を変える一大決断を下すことになった。 さらに、事務所を引き払った際に常駐の編集者が辞め、やがてライターも全体の3分の2が執筆を辞めることとなってしまった。 2014年3月頃のトップページ。 よく見ると攻略記事以外のニュースも掲載されている(筆者撮影) 攻略記事と、ネット広告の相性の悪さ 「SQOOL. NETゲーム研究室」は、昔も今もアドネットワークなどを利用した広告収入が収益の柱となっている。 これはほかの攻略サイトでも同様だが、近年その数が急減したのは、かつて大ヒットしたゲームの人気が低下しただけでなく、広告収入に頼るビジネスモデルが機能しなくなったことも大きな一因だ。 「攻略記事はPV数を稼ぎやすいのですが、実は薄利なんです。 昔のネットがない時代は、紙の攻略本を読みながらゲームが遊べましたが、スマホアプリの場合は、ゲームを遊んでいる最中は攻略サイトの記事を同時に読めません。 攻略サイトを見に来ている人は、もうそのゲームをすでに持っていますので、必要な情報を見たらすぐに離れてゲームに戻ってしまいます。 しかも、攻略記事に対しては純広告、あるいは記事広告をなかなか出稿してもらえず、薄利多売な構造となるので、なおさら運営はたいへんなのだ。 「一時期、アプリゲームがちょっとしたバブルになり、大規模なソーシャルゲームを運営する会社にはお金がかなりあったんです。 どこのサイトを見ても、自社のゲーム広告が出ていることが一種のステータスみたいになっていた時代でしたので、どんどん出稿をいただいていました。 当時はそこで稼いだうえで、ほかのニュースやコラム、取材記事の作成も進めていました」(加藤氏) やがてバブルは弾け、「パズドラ」「モンスト」に匹敵する大ヒット作がなかなか登場しなくなった2017年頃から、広告収入が減ったことで多くの攻略・レビューサイトが消え去った。 加藤氏は、「『パズドラ』や『モンスト』くらい人気のあるタイトルが、継続的に出てこないと厳しい」と証言する。 いくらライターが腕利きであっても、十分な広告収入を確保できず、原稿料を支払うための原資が得られなければ、攻略記事の仕事は当然なくなってしまう。 しかも、攻略記事の需要自体はあるにもかかわらず、攻略サイトの運営によって広告収入を継続的に稼ぎ、収益化するための難易度が、ネット広告の構造上とても高い。 近年の攻略サイトが激減した理由は、まさにここにあるのだ。 そして現在では、「SQOOL. NETゲーム研究室」の新着攻略記事のコーナーは昨年10月から、レビューは昨年3月から更新が止まったままだ。 更新は久しく途絶えたままだ(筆者撮影) 苦渋の決断を下した、サイト運営・経営者の胸の内 最後に、加藤氏が2017年にライター向けに送付したメッセージの一部、および昨年SNS上にアップした、サイトの方針転換にあたり思いを綴った文章を、ご本人から引用の許可をいただいたので、ちょっと長くなるが以下に記す。 経営者としてサイト、すなわち会社を存続させるべく、苦渋の決断があったことを読み取っていただきたい。 「現在の日本のゲームはスマホのソーシャルゲームに寄り過ぎていますが、この熱は必ず冷めます。 そのときに日本のゲーム市場自体が縮小しているのか、あるいはより健全、または不健全に変質しているのかは今のところ不透明ですが、いずれにしてもメディアとしては、より健全な方へ誘導を試みつつビジネスとしても潰れないように今から手を打つ必要があると考えています」 「スマホゲームの攻略が収益モデルとして破綻した際のことを考えても、またメディアとしての社会的意義を考えても、コラム的な、深みのある記事は必要だと思っておりまして、SQOOL. NETでは取材記事、海外のイベント関連、インディーデベロッパーのゲームレビューなど、現時点で収益の薄い記事も可能な範囲で入れるようにしています。 温故知新もその一環として引き続き継続できればと思います。 しかし時代は変わりました。 攻略ではもはやビジネスは、真っ当には成り立たなくなりました」 「僕は攻略を担当していたライターさんに一人一人方向の転換を打診しました。 一部はニュースやコラム、取材への転身を受け入れてくれました。 その他の多くのライターさんは僕のもとを去りました。 僕のゲームサイトはそこから何度目かの再スタートを切りましたが、一時は方向転換を受け入れたライターさんも徐々に勝手の違いに戸惑うようになりました。 ゲームの中から事実を抽出し整理して書くことがメインの攻略記事と比べて、思想を記すコラムや、人間を相手にした取材記事、端的な文章力が求められるニュースなどは仕事としての種類があまりに違っていました」 「こんなことをやりたかったわけではない。 更に多くのライターさんが僕のもとを離れていきました。 衰退とはこういうことか。 ゲームをやってその情報を記事にして、それをみんなが喜んでくれて、そしてお金がもらえるなんて、こんな良い仕事はないと言っていたライターさんの喜びも今は昔、彼らにとって僕は、楽しい仕事を奪い、大変で実入りの少ない別の仕事を斡旋してくる業者になってしまいました。 それは仕方のないことでしたが、しかし辛いことでした」 「ライターさんの中には、ここしか居場所が無いと言っていた方もいました。 インターネットとパソコンとスマホさえあればできる攻略ライターという仕事には、社会と積極的に関わるのが苦手な方も多くいました。 僕はそんな彼らとゲームサイトを作っていくことが本当に楽しく誇らしく感じていました。 そこからの発展的な展開は、僕にはできませんでした」 「ここ2年ほど、その敗戦処理をずーっとやってきました。 多くの人に恨まれ、多くの約束を反故にしました。 長い時期、僕の仕事は、事業を殺してしまわない事でした。 消極的に、半分死んでいるような状態であっても、残ったライターさんへの、見に来てくれる方々への、声をかけてくれる業界内の方々への、これは意地でした」 「経営者として、起業家としては誤った判断でした。 一時は事業売却の話もありました。 乗っておくのが当たり前でしょう。 でもその話は、僕には精神的に胃腸がもちませんでした。 ふらふらと事業が揺れる中で、色々な方が、何も言わずに、従来と同じようにじっと付き合ってくださいました。 励ますでも許すでもないその態度に何度も救われました。 「SQOOL.

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