イギリス コロナ 感染 者 数。 イギリスにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況

イギリスの手厚い対応

イギリス コロナ 感染 者 数

1 検査で把握できる感染者数は氷山の一角で、見えていないところにものすごい数の感染者がいる。 それが、桁が違うほどかもしれないというのは十分ありうる。 これは、日本のみならず、世界各国でそうだ。 だから、確定診断がついた患者数で一喜一憂するのではなく、背後にある真の感染者数や、人口の中の有病割合(世間では「感染率」などとよく呼ばれる)を知りたいというモチベーションが生まれる。 世界各国の公表データから、それを推測した論文があるので、紹介する。 60%。 死者数をそれで割ると、各国の2週間前の感染者数が推定できて(日本は3月17日に3490人)、その時点で各国で実際に把握されていた確定患者数(日本は3月17日に878人)を推定感染者数で割ると、感染者捕捉率(検出率)が得られるわけです。 ラフな推定値ですが、3月17日時点での日本の検出率は約25パーセントでした」 [画像のクリックで拡大表示] 実際にいるはずの感染者の4分の1が検出できているとすると、これは思ったよりも高い検出率ではないだろうか。 ちなみに、他の国では、徹底的な検査を行った韓国で49パーセントというのは納得できるけれど、やはり検査を徹底したはずのドイツは15. 58パーセントと日本よりも低くなっている。 医療崩壊に至ったとされる欧米の国々は、すべて5パーセント未満だ。 これだけを見ていると「氷山の一角」の度合いが高いのは、日本よりもイタリア(3. 5%)、フランス(2. 62%)、スペイン(1. 68%)、イギリス(1. 19%)、アメリカ(1. 59%)といった国々だ。 「検査AとBしかしていなかったにしては、よい検出率だったと言えると思います。 初期の中国の検出率は10パーセントくらいだっただろうと西浦さんたちが計算していましたし、2月25日時点での北海道で、確定診断がついた人35人に対してシミュレーションで求めた感染者数推定値は940人だったので、こちらは検出率がわずか3パーセントでした。 そういったものに比べても3月中の日本全体の検出率はよいんです。 もっとも、フォルマー教授の研究とは方法論が違うので一概に比べられません。 フォルマー教授の計算で一番大きな仮定は『死者数は正しく報告されている』ということなので、そこは人口動態統計でトータルの死者数を確認しないと確信がもてないところですね」 ちょっと不安な言明だ。 日本では死後の剖検率が低く、死因の確からしさに疑問が残ることがあるとよく聞く。 では、COVID-19についても、日本の「死者数」は正しく報告されているのだろうか。 警察が変死として扱った事案で、死後にPCR検査をしたところ、新型コロナウイルスへの感染が判明したケースが4月以降いくつか報告されているし、他にも感染が発覚しないまま亡くなった人がかなりいる可能性も切り捨てられない。 もちろん、COVID-19による死亡が実は報告されているものの10倍以上だったということにならないかぎり(さすがにありそうにない)、3月における検出率は欧米よりも高いままなのだが、それでも気になる。

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コロナショックの現場から:感染拡大続くイギリス、医療現場や生活の状況は 日本人看護師に聞く 新型コロナ

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閣議もリモートに移行した。 左上には先般新型コロナウイルスに感染したことを明らかにしたボリス・ジョンソン首相も(官邸) 世界各国で新型コロナウィルスの感染者が拡大する中、イギリス政府は3月23日、国民に外出禁止令を出した。 外出できるのは食料を買う、あるいは治療を受けるためか、どうしても自宅勤務ではできない仕事に出かけるときのみ。 外出時は人と人との間を2メートル開けるように要請され、居住を共にしない家族や友人と会うことも禁じられている。 厳しい行動制限が付くイギリスで、人々はどのように暮らしているのか。 感染者は増える一方 政府情報によると、イギリスでは、3月31日時点で約14万人が新型コロナに感染したかどうかの検査を受け、陽性となった人は約2万5000人。 前日29日時点で死者数は約1800人となった。 現在のところ、感染者数及び死者数は増える一方だ。 医療関係者は感染者を「なるべく低く抑え、次第に終息に向かわせる」ことを狙っているが、ピークは「2週間後(4月中旬)」と予想している。 外出禁止令は若干の緩和も将来ありうるが、何らかの行動制限が付く、「他者と社会的距離を置く戦略(「ソーシャル・ディスタンシング」)は「今後6カ月は続く」と言われている(政府保健当局高官、3月29日の記者会見)。 疫学の研究で知られるインペリアル・カレッジ・ロンドンの予想によれば、もし何もしなればイギリスの感染者は50万人にも膨れ上がるが、政府は、社会的距離戦略を守ることによって、死者を2万人程度に抑えたい考えだ。 イギリスでは、新型コロナ感染防止対策として、当初は外出から帰った後の手洗いを主眼とし、これに加えて3月中旬には人ごみの中で感染が生じることを避けるため、外出自粛を要請した。

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【ドイツ】州別の新型コロナウイルス感染状況&州政府の対策(6月10日更新)

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イギリスのボリス・ジョンソン首相が、最高医療責任者(クリス・ホィッティ)と主任科学顧問(パトリック・ヴァランス)と共に、新型コロナウイルス感染症(以下では「新型感染症」)への対策についてのを3月12日に行った。 この対策は他国の対策と大きく異なっていることから「ギャンブル」とも呼ばれているが[1]、興味深いので紹介することにした。 なお、日本語でも紹介されているものを見つけたので、これらも読んでいただくといいと思う[2, 3]。 イギリスのアプローチ 以下では記者会見を見ていくつかのポイントをまとめておいた。 記者会見全体のトランスクリプトは見つけられなかったが、ジョンソン首相の冒頭の発言は首相官邸のに掲載されている。 ガーディアンにサマリーが出ていたのでこちらも参考にした[4]。 多くの家庭で本来の死期よりも早く愛する人々を失うことになるだろう(many more families are going to lose loved ones before their time. 最も重要な課題(task)は、ピークの数週間に高齢者と最も脆弱な人々を守ることにある。 イギリスはイタリアよりも新型感染症の進行スピードが約4週間遅れているが、いずれ大規模な感染者の発生が予想される。 全員が感染しないようにすることはできないし、多くの人々が感染しないと免疫ができないので、誰もが感染しないようにすることは望ましいことではない。 イギリスでは特定された感染者数は現時点で590人だが、実際の感染者数はこれよりもはるかに多く、5千人から1万人の間だと推測している。 目指すことは新型感染症を封じ込めることではなく、ピークを遅らせることとピークの高さを下げることによって苦難を最小化することにある。 背景として、夏が近づくとNHS(National Health Service, 国民保健サービス)が忙しくなくなり、また、呼吸器疾患が一般的に減ることがある。 学校は閉鎖しない(今後変わる可能性あり)。 閉鎖しても子供はどこかに集まるし、重症化する可能性の高い祖父母に会う機会が増えるとかえって問題が悪化する。 大規模イベントの禁止は効果が少ないので、禁止しない(今後変わる可能性あり)。 大規模イベントでも家族や友人の小さな集まりでも同じ程度でうつる。 アメリカが行おうとしている大陸ヨーロッパからの渡航制限には追従しない。 やっても効果が乏しい。 新たに咳が続くようになるか熱がでたら、どんなに軽いものであっても、感染を広めないようにするために、7日間は家で自己隔離することが求められる。 状態が劇的に悪化しない限りは111(注. 111はNHSが運営する健康状態についての電話相談)を利用せずにできる限りインターネットで情報を得てほしい。 このアドバイスを遵守するとピークの感染者数を2割減らす。 7日としたのは症状が出てから2~3日が最も感染力があり、その後は急速に弱まって大部分の人々は7日目には感染力を持たないと思われるため。 症状が軽い人でも自己隔離を求めるのは、症状が軽い人でも感染させるためである。 数週間後のいつかの時点で、おそらくは、家族の誰かに何らかの症状がでたら家族全員が2週間にわたって自己隔離することを求めることになるだろう。 いずれ起きることとして今のうちにシグナルを出しておく。 家にとどまっている人々は検査を行う必要はない。 検査能力の重点は症状がある入院患者に置かれる。 検査をするかどうかは症状とその重さだけで決まる。 行動科学の知見によれば、感染を減らすための行動を最初は熱心に行っていてもそれを長く続けることは難しい。 自粛行動を長期にわたって求めても、長く続けられない人々が肝心な時に守らなくなることを懸念している。 長期的な対応を求めるのではなく、疫学的に見て最も効果的な時期に必要な対応をしてもらう必要がある。 手を洗って欲しい。 ピーク時期を巡る問題 イギリスのアプローチについて一番興味深いのは、ピーク時期についての考え方だ。 イギリス政府は遅い春か夏をピークにすることを考えているようだ[4, 5]。 記者会見で示された正規分布のグラフでもspring(春)、summer(夏)という言葉が書き込まれている。 国営であるイギリスの医療(NHS)の負担や呼吸器疾患が最も少ない時期であることが念頭にあるようだ。 図1は日本の各月ごとの1日当たり死亡者数だが、総数を見てもらうとわかるが、死亡という出来事は冬にピークを迎えて夏に向かって減っていくというパターンがある。 死亡者数は循環器疾患も呼吸器疾患も冬が多く春から夏にかけて減っていく。 人間は暑さよりも寒さに弱いようで[6]、春が来て夏を迎えるにつれて病気への抵抗力は高まるようだ。 肺炎についての香港の研究を見たところ、比較的暖かい香港でも肺炎の患者数は冬に多くて、気温が25度ぐらいで最も少なくなり、それ以上暑くなると増えるのだが、夏よりも冬の方が多い[7]。 新型感染症自体の季節性についてはまだよくわかっていないが[8, 9]、医療全体としては、イギリス政府が考えているとおり、冬よりは春から夏の方が対応しやすいことが推測される。 そうすると、春の終わりから夏にかけてピークを迎えてその後に感染が徐々に減っていくように誘導するイギリス政府の発想そのものは納得できるところがある。 (出典)平成22~30年の人口動態統計月報より作成 イギリス政府のアプローチへの批判 イギリス政府の戦略を「集団免疫」戦略と呼ぶ人がいる[10]。 コロナウイルスに多くの国民が感染して免疫を持つようになることは許容する一方で、感染のピークを下げるとともに感染速度は遅らせて、NHSの負荷を下げるとともに、ピーク時であっても必要な医療を受けられるようにするというものになっている。 集団免疫という言葉は多義的なようだが、概ね、免疫を持った人々が全人口の多くを占めることにより免疫のない人々の感染リスクが減少することを指すことのようだ[11]。 このイギリス政府のアプローチは強い批判にさらされており、ギャンブルだという指摘さえある[1, 2, 10]。 もっと強力な隔離政策をとるべきという要求書が300人を超える研究者から出されている[12]。 この要求書では、「集団免疫」を目指すことは今は実行可能な選択肢ではなく、NHSの負担を増やして多くの人々の命を危険にさらすとし、強力な隔離対策をただちに行うことを求めている[12]。 おわりに 新型感染症をいわば中央突破しようというイギリス政府の戦略は、新型感染症を避けて通ろうとする多くの国々とは少なくとも発想としては対照的である。 ただ、イギリス政府は対策の強化を迫られており、実際に講じられる対策においてはイギリスと他のヨーロッパ諸国の差はあまり大きくないかもしれない。 むしろ、イギリス政府の発想は東アジアの国々の方が学ぶところが多いかもしれない。 様々な規制と自粛を続けることによって新型感染症を避けることができることは、特に中国がこの2か月間に示しており、韓国や日本もある程度示していると思うが、免疫を有している人々が少ない脆弱な状態を維持していることでもあり、手を緩めれば感染が再び増えていくリスクを抱えている。 また、長期にわたる規制と自粛が経済に及ぼす悪影響も考慮せざるを得ない。 新型感染症に対するイギリス政府の戦略はギャンブルの要素が確かにあると思う。 ただ、様々な不確実性がある中で、イギリス政府の戦略は考え抜かれた上でのもののように私には思われ、また、最終的な責任を負うべき首相の明確なコミットメントの下で行われているので、参考にする価値はあると思う。 (3月19日追記) このコラムを公表した後にイギリス政府は短期間のうちに新型感染症における対策を変えた。 新しいでそれについて触れたので、そちらも参考にしていただきたい。 参考文献• Santos, N. , What does Britain know about coronavirus that the rest of Europe doesn't? , in CNN World. 小野昌弘, 英首相の「降伏」演説と集団免疫にたよる英国コロナウイルス政策, in Yahoo! JAPAN ニュース. パラブ・ゴーシュ, なぜイギリスは学校を閉じないのか 新型ウイルス対策で独自路線の理由, in BBC NEWS JAPAN. Proctor, K. , UK government's coronavirus advice — and why it gave it, in The Guardian. Kahn, J. and K. Dunn, The U. 's coronavirus plan forcuses on delaying the peak of the outbreak, in Fortune. Gasparrini, A. , et al. , Mortality risk attributable to high and low ambient temperature: a multicountry observational study. The Lancet, 2015. 386 9991 : p. 369-375. Qiu, H. , et al. , Pneumonia Hospitalization Risk in the Elderly Attributable to Cold and Hot Temperatures in Hong Kong, China. American Journal of Epidemiology, 2016. 184 8 : p. 570-578. Kissler, S. , et al. , Projecting the transmission dynamics of SARS-CoV-2 through the post-pandemic period. medRxiv, 2020: p. 2020. 20031112. Neher, R. , et al. , Potential impact of seasonal forcing on a SARS-CoV-2 pandemic. medRxiv, 2020: p. 2020. 20022806. Dettmer, J. , Boris Johnson Steps Up Plans To Tackle Coronavirus As Criticism Mounts, in VOA. Fine, P. , K. Eames, and D. Clinical Infectious Diseases, 2011. 52 7 : p. 911-916. Public request to take stronger measures of social distancing across the UK with immediate effect.

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