コシダカ スピンオフ。 投資成績(1月10日)~日本初のスピンオフIPOは如何に~

わが国初のスピンオフ~コシダカホールディングスのケース

コシダカ スピンオフ

・コシダカは、カラオケとカーブスを分離独立するという日本初のスピンオフを行う。 これで、企業価値は一段と向上するであろうか。 ・2020年2月末に、カーブス事業をスピンオフする。 日本初のスピンオフ税制を使った事業の分割独立である。 分割前の株主に何ら不利益はない。 二社に分割されても、カーブスの株を1:1の同数もらえ、カーブスも上場する。 ・腰髙社長は、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。 分割後のコシダカHD ホールディングス は自らが経営し、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。 創業の精神が「既存業種新業態」にあり、新サービスと海外展開で飛躍を目指す。 ・新しく独立会社として上場してくるカーブスHDは、これまでの成長を牽引してきた増本社長のリーダーシップのもと、メンズ・カーブスや海外展開で第2の成長を目指す。 大株主が腰髙氏であることは変わらない。 ・子会社株式の現物配当という形でスピンオフする。 コシダカホールディングス1株に対して、カーブスホールディングスの1株がもらえる。 つまり、分割前の1株の価値は、分離後も変わらない。 配当課税もない。 ・そうなると、分割しない一体経営の方がよいのか、分割して2つの独立会社として経営した方が企業価値を高められるのか、という点が重要なテーマになる。 ・スピンオフについては、2年前にスピンオフ税制ができた時から腰髙社長は検討してきた。 カーブスは順調に成長し、カラオケの利益を抜いてきた。 米国のカーブス本部を買収して世界展開を図る局面にきている。 国内ではメンズ・カーブスの新業態を開発し、そのビジネスモデルがみえてきた。 これから全国展開に入る。 マネジメントは、カーブス・ジャパン創設以来、リーダーシップを発揮してきた増本氏が担っていく。 ・一方、カラオケは、駅前繁華街への出店を4年前から始めて、独自の成長をとげている。 カラオケは一見成熟しており、もう伸びないとみられるが、従来のマーケットはそうであっても、腰髙社長がテーマとする既存業態新業種に従うと、イノベーションによって、自社のビジネスモデルではこれからも十分伸ばすことができる。 駅前繁華街はまだ首都圏で始まったばかりであり、全国に出店余地は大きい。 腰高社長はここを本業として全力投入していく。 ・カーブスのスピンオフについては、1:1の株式配当(無税)を予定している。 11月の株主総会で承認を得た後、上場準備に入り、2月26日の終値をベースに新しい株価 基準値 が決まる。 終値-配当分の8円-カーブスHDの公開価格=コシダカHDの基準値となる。 ・2つのコア事業が同じ会社にある場合と、別々の会社に分れる場合、何が違うのか。 論点は2つある。 ・1つは、同じ会社の2つの事業にシナジーがあれば、別々に分けてしまうデメリットがある。 逆に、シナジーがなければ、別々にして思う存分経営した方がより成長機会を手に入れることができる。 ・カラオケとカーブスにはもともと事業におけるシナジーはほとんどない。 腰髙社長の経営力がカーブスに及ばなくなることによるマイナス面が課題とみる向きもあるが、この10年の増本氏の経営をみれば全く心配ない。 ・もう1つは、株主にとっての投資機会である。 2月までの株主は2つの主力事業をもつ会社の株主である。 3月以降も既存の株主であれば、双方の株式を同じ株数だけ持てるので、株主価値が何ら変わるわけではない。 ところが3月以降新規に株主になろうとする投資家は、カラオケかカーブスかに分けて投資することになる。 ・そうすると、カラオケの投資価値、カーブスの投資価値をより厳密にみるようになる。 その時、経営者の経営力がより発揮されるのであれば、各々の企業が前よりも光ってくるので、そこをみればよい。 2つの事業があった方が、安定感があると思うのであれば、2つの会社の株式に投資してポートフォリオを作ればよい。 ・つまり、ポートフォリオは企業が事業として構成する場合と、投資家が自分で構成する場合がある。 互いに自らの価値向上を図って構築していくことが望ましい。 その意味で今回のスピンオフは成長戦略として高く評価できる。 ・別の視点がある。 コシダカHDの表面的な数字をみると、2019年2月期、2020年2月期、2021年2月期の売上高、営業利益は、カーブスの分がなくなっていくので、表面上減っていくようにみえる。 これが心理的にネガティブは感じられるかもしれない。 表面上の財務数値に惑わされないようにしたい。 ・創業者は両社の大株主のままである。 予定通りいくと、2020年3月2日にカーブスは上場する。 企業には成長ステージがあり、カーブスは独立会社として自立した方が、よりチャンスが活かせると腰髙社長は判断した。 ・創業者である腰髙社長は、コシダカHDの大株主であると同時に、カーブスHDのマネジメントは離れても、こちらも大株主であり、持株数を減らすことは考えていない。 カーブス事業のキャッシュ化を考えたのではなく、独立した中長期の価値創造を大株主としても望ましいと判断したのである。 ・カーブス上場のメリットは大きい。 カーブスの上場によって、社員のモチベーションは上がり、人材を集める点でも望ましい。 ヘルスケア企業として、産学官の連携、自治体との連携、医療機関との連携を一段と進めていく。 この時、自立した上場企業としての信頼は大きく貢献しよう。 また、人手不足の中、カーブスFCにとって、人材採用面でのサポートはかなり期待できる。 ・増本社長はカーブスの立ち上り期から会社をリードしてきた。 腰高社長は、財務基盤も安定し、次の成長に向けて自立するタイミングであると判断した。 その時に、スピンオフの制度が整ったので、これを日本初の第1号として活用することにした。 ・経営体制は明確である。 スピンオフに向けて、11月の株主総会後の経営体制は、コシダカHDとカーブスHDでマネジメントに重複がないようにする。 社長の弟である腰髙修専務は退任して、カーブスHDの取締役に専念する。 ・増本社長は、保有する新株予約権を上場後速やかに行使して、カーブスの株主となるが、その株式を2年間は継続して保有する約束である。 ・腰髙社長は、資産管理会社を含めて、コシダカHDの37. ファミリー全体では40%を超える持株比率であるが、スピンオフ後もカーブスHDの株式について、短期的に売却する意向は全くない。 ・2年前にできたスピンオフ税制の活用を検討していたが、その間に、米国CVI(カーブスインターナショナル)の買収があったので、事業のスピンオフは今回のタイミングとなった。 ・コシダカHDの株価は2020年2月26日 水 に基準株価が決まった後、2月27日28日と2日間は単独で取引される。 その後、翌週の3月2日 月 にカーブスHDの新規上場となる。 ・スピンオフ公表後に株価が下がったが、カーブスHDの公開に伴って、公募増資が実施されるので、そのダイリューション(希薄化)を嫌った面がある。 しかし、公募増資のダイリューションについては全く心配する必要はない。 ・公開価格を決めるための増資であり、カーブスHDに強い資金ニーズがあるわけではない。 FCビジネスなので、内部資金で十分経営できる。 米国本部の買収で借入残が多いというようにもみえるが、カーブスのFCF(フリーキャッシュ・フロー)は潤沢なので、現在の借入金は内部留保を使えば3~4年で返済できる。 借入金の返済ニーズが強いわけでもない。 ・カーブスの経営陣もオーナー型となる。 つまり、カーブスの増本社長、坂本取締役、増本取締役の3名はカーブス創業時からのメンバーで、コシダカがカーブスを買収した時に、3名の持ち株比率は10%であった。 ・今回のスピンオフに当たって、一度100%子会社にして、10%分は3名への新株予約権という形にした。 カーブス上場後はこの予約権を行使して、3名は従来と同じ10%の持ち分を保有するようになる。 ・カーブスHDの大株主は、コシダカファミリーが40%を超え、増本社長をはじめとする創業期からのメンバーが10%を保有する。 今のトップマネジメントが一定の株式を持つことは望ましい。 ・カラオケとカーブスの今後の収益性をどうみるか。 2019年8月期セグメント利益でみると、カラオケの売上高営業利益率は12. 6%、カーブス20. 0%である。 この利益率に対して各々のビジネスモデルが適切に展開されるのであれば、カラオケ15~25%、カーブス20~25%が見込める。 ・つまり、外部からみると、カーブスの収益性が高く、カラオケは低いという現時点の見方にとらわれがちであるが、マネジメントからみると、カラオケとカーブスは同等の収益性を出す力を十分持っており、しかも将来の伸びしろ(成長余力)について、両者とも何ら遜色ない。 ・ここが実行戦略としてみえてくれば、コシダカHDとカーブスHDの各々の企業価値はそれぞれ高く評価されることになろう。 「総合余暇サービス提供企業」をビジョンに、中期的に営業利益は、コシダカHDもカーブスHDも各々営業利益で100億円が十分達成できよう。 ・スピンオフ後も、両社ともROEが高くピーク利益を更新、独自の価値創造を続けよう。 両社の革新に大いに注目したい。

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日本初のスピンオフIPO!コシダカ株は買うべきか?

コシダカ スピンオフ

今回はコシダカのスピンオフについて自分の勉強もかねて調べてみました。 読んでいただけたら幸いです。 コシダカHDとは コシダカホールディングスは「カラオケまねきねこ」、女性向けのフィットネスジム「カーブス」、また温浴施設などを運営しています。 カーブスは中高年女性向けのフィットネスジムです。 フィットネスジムというと、 旧来からあるコナミなどの大型ジム ライザップのようなパーソナルトレーナー付きのジム エニタイムフィットネスなどの24時間営業のジム またはガチ勢向けのゴールドジム などなどがイメージとして浮かぶでしょうが、カーブスが特徴的なのは女性限定であり、また中高年をターゲットにしているところです。 一回30分程度のエクササイズをトレーナー指導のもと行うというシステムで、運動強度としては軽めのようです。 カラオケ事業とカーブス事業の売上割合はこんな感じです。 カラオケ事業は成熟産業だから伸びしろはないが、カーブスはこれからも成長を見込めるんだろうと、調べてみるまではそう思っていました。 が、実際にはカラオケ事業のほうは近年、利益改善をしていますが、カーブスのほうは伸び悩んでいるようです。 (もっとも最近、発表された1Qではカラオケは前年比利益減、カーブスは微増) というのも、カーブスは国内にすでに2000店舗もあります。 会員数も伸び悩んでいます。 最近、メンズカーブスという要するにカーブスの男版を始めました。 今後の成長はメンズカーブス次第といったところでしょうか。 主な株価指数は以下のとおりです。 カーブスのスピンオフを発表 2019年の10月にコシダカHDは子会社のカーブスをスピンオフさせることを発表しました。 スピンオフによる会社分離はアメリカでは多数の実例があるそうですが、日本では初となります。 そもそもスピンオフってなに? 2018年にソフトバンクグループ(SBG)は子会社のソフトバンク(携帯事業)のIPOを行いました。 このIPOにより、SBGは2兆円の資金を得ました。 が、SBGの株主からすると、それ以前と比べて何が変わったわけでもありません。 この2兆円の資金はのちに自社株買いという形で株主に還元されることになりましたが、あくまで間接的な影響にとどまります。 一方、今回のコシダカHDのスピンオフはちがいます。 コシダカHDの株主には、3月2日の時点で同じ株数のカーブス株が分配されます。 ここで疑問に思うのは、株価はどうなるの?という点でしょう。 コシダカの株価がそのままで、それに加えてカーブスの株がもらえるのだったら、カーブスの株価分が濡れ手に粟で儲けられますもんね。 もちろん、そんな仕組みになっているわけはありません。 2月27日(木)にカーブスのIPO価格と配当分を引いた価格にカーブスの株価は調整されます。 そして、3月2日(月)にカーブスの株が現物支給されます。 なぜ、スピンオフをするのか? 今回のスピンオフで、コシダカHDとしては、カーブスという利益が出ているセグメントを切り離すことになります。 これまたSBGの場合と比較するとわかりやすいのでしょうが、SBGはソフトバンク(携帯)のIPOによって資金を得ましたが、コシダカHDはなにも得られません。 株価も下がってしまいます。 一見するとなにもメリットがないように見えますね。 コシダカHDの大株主は二代目社長である腰高博氏とその親族になっています。 腰高一族にしてみれば、スピンオフ後もカーブスの大株主であることにかわりはなく、経営を現カーブスの経営陣に任せるだけのこと。 そして、腰高社長はカラオケ事業に経営を専念できるというメリットがあります。 これがもしサラリーマン社長だったら、こうしたスピンオフという決断を下すのはなかなかむずかしいのかもしれません。 分配資産と取得金額 コシダカHDは1月14日に というIRを発表。 分配資産はカーブスが「0. 10」になるそうです。 つまり、コシダカ0. 9、カーブス0. 1ってわけですね。 そして、これは現株主の取得金額にも影響してくるそうで、 だそうです。 ただ、これはあくまで取得金額であり、実際の株価とは違います。 まだカーブスのIPOの金額は発表されていません。 カーブスのIPO価格はまだ公示されていないものの、売上やセグメント利益などから考えると、コシダカとカーブスの株価は50:50か、それに近いものになると思われます。 ここで疑問に思ったことが一つあります。 もしも1650円でコシダカHDを100株買い、2月末の時点でも同じく1650円の株価だったとしましょう。 カーブス株は825円でIPO、つまりスピンオフ後のコシダカ株は(1650円-825円で)825円(ここでは面倒なので配当分は考慮してません)。 ということは、3月2日にカーブス株の現物が振り込まれたときに、証券会社の表示ではこうなるってことでしょうか。 コシダカHD 株価 800円 評価損益額 -66000円 カーブス 株価 800円 評価損益額 +66000円 たしかに、合計すれば評価損益はプラスマイナスゼロですけど、どちらか一方だけを売却したい人もいるでしょう。 税金などを考えると、ちょっと頭を悩ますところかもしれません。 コシダカHDの株価推移 昨年10月にスピンオフが発表された後、株価は急落しました。 これはIPOによるカーブスの株の売り出し(5%を上限とする)、またカーブスの現経営陣に対する新株予約権(合計10%)が付与されたことによる、希薄化懸念によるものです。 また1月の急落は、1Q決算が期待外れだったことによるものです。 これからカーブスのIPO条件も発表されますし、2月26日(水)が現物配当権利付最終日になるので、これからどういう株価推移になるのか興味深く見守っていこうと思います。 参考リンク (2016年の記事) uesugijoh.

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【日本初】コシダカホールディングスのスピンオフIPOは買い?様子見?

コシダカ スピンオフ

投資大学学長のちょげちょげです。 先日、話題になっていたこちらのニュース。 これまで新規公開株 IPO 投資などを行った経験がある方ならば気になったであろう 「スピンオフIPO」というワード。 この「スピンオフIPO」は、日本では初めてのこととなります。 というわけで、今回はこちらについてちょっとお話ししていきます。 スピンオフIPOとは? そもそもスピンオフとは、ある 企業が既に持っている事業のうちの一つ、を全くの別会社として分離させることになります。 今回発表されている事例では、やのカラオケ運営や、女性専用のフィットネスジムの運営の二本柱で知られているが、「カーブス」事業を切り離して新たに 「カーブスホールディングス」として2020年3月2日に東証に上場させる予定になっています。 出典: 出典: 出典: すなわちこれこそがスピンオフを利用したIPO 「スピンオフIPO」となります。 ちなみにこの時にコシダカホールディングスの株主には、新たにカーブスホールディングスの株が割り当てられることになります。 今回の事業分割は1:1 この日本初のスピンオフIPOが決まりそうな背景としては、2017年にスピンオフ税制が整備されたことが大きいでしょう。 それまでは、企業が事業部門を分離すると「売却」とみなされるため、企業と株主には課税が行われていました。 これがスピンオフ税制が整備されたことにより、 スピンオフによる事業部門の分離は、 企業も株主も非課税に。 これにより今回のような事業分割がコシダカホールディングスとしてもしやすくなったのでしょう。 カーブスHDの株が欲しければ2月26日までにコシダカHD株の保有が必要! ということで、カーブスホールディングスの株が欲しいと考えている方は、権利付き最終日の2月26日までにコシダカホールディングスの株を保有しておく必要があります。 これにより、通常のIPOとは異なり、抽選が無しでIPO株の保有ができることになります。 こうなると気になるのが、新たに上場予定のカーブスホールディングスの初値高騰による初値売りはどのようになりそうかですね。 日本初のスピンオフIPOという話題性がもしかすると・・・? 米国ではよくあるスピンオフIPO。 ところが日本では初となるこのスピンオフIPO。 正直皆様子見という感じも強く、読めません・・・ しかし、日本初という話題性もあり注目必須の案件であることは確かです。 発表のあった昨年10月からこの記事執筆時点での値動きは不安定ではありましたが、ここ最近はかなり上昇傾向。 権利付き最終日の2月26日まであと1ヶ月ほど。 目が離せませんね。 何よりこれまでに新規公開株 IPO の当選経験がない方はとりあえずの初値売りのドキドキを楽しめたり・・・笑 私ちょげちょげはもう少し様子見しようと思います。 投資大学学長 ちょげちょげ 1983年生まれ 東京都在住 妻と子どもの3人家族。 大学卒業後、非上場会社の医療系機械の営業マンとして勤務。 仕事で自分を高める気は特になく、新しい機械を導入してもらう為、一軒一軒病院に営業をかけ、後は時間をどう潰すかを考える平凡な毎日を過ごしていた。 営業成績は、可愛がってくれるお医者さんにちょこちょこ買ってもらっていた為、可も無く不可も無くであった。 その後、以前から馴染みの飲食店のオーナーが海外移住することをきっかけにそのお店を安く購入。 独自の経営戦略で多店舗展開し、数年後そのノウハウと共に売却。 この時から多数のキャッシュポイントの構築を目指し本格的に投資をスタート。 その後のし、かなりの資産を失うも、学生時代の先輩 現 CEO にエクシア合同会社を紹介してもらうなどで、資産は驚異的に回復。 現在は互いに情報共有をしている。 2020年現在では、不動産投資・仮想通貨投資・株式投資等数々の投資や資産運用の経験を元に誰もが知りたい資産運用術を当ブログにて紹介中。 投資家関係の人脈を広く持ち、投資や資産運用に関する成功や失敗も含めて幅広い知識を有する。 ちょげちょげ学長とは師弟関係である。 アーリーリタイアを目指して蓄財中。 ディズニーランドと車が大好き。 様々な業界の人とお話をすることなど人脈づくりが趣味。 主にからの投資や資産運用の相談に答えている。 ちょげちょげ学長のプロフィール.

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