ジョジョ ラビット ヨーキー。 ジョジョ・ラビット

リブート版『ホーム・アローン』主役にも決定!『ジョジョ・ラビット』アーチー・イェーツ君がかわいすぎる

ジョジョ ラビット ヨーキー

タイカ(・ワイティティ監督)は絶妙なバランスでコメディとペーソス(哀愁)を描いていて、撮影中もそのバランスに細心の注意を払っていた。 ユーモアがすべてのページに盛り込まれ、言語はほとんど現代劇のようで、かつての『ヘザース/ベロニカの熱い日』(1989年)のように倒錯したストーリーになっている。 クレンツェンドルフ大尉のイメージについて、タイカはビル・マーレイを例に挙げていた。 ナチスに幻滅したゲイの将校だ、と。 『プールサイド・デイズ』(2013年)のときもそうだったけど、ぼくはこれまでに何度かビル・マーレイの演技をパクってきた(笑)。 今回は『ミートボール』(1979年)のビル・マーレイと、『がんばれ! ベアーズ』(1976年)のウォルター・マッソーを参考にしている。 ドイツ訛りについては、『愚か者の船』(1965年)のオスカー・ウェルナーや、『若き獅子たち』(1958年)のマーロン・ブランドとマクシミリアン・シェル、もちろん『シンドラーのリスト』(1993年)のレイフ・ファインズなども参考にさせてもらったよ。 演じる上で、その人物の人間性を見いだす必要がある。 かつてジョン・リスゴーが言ったんだが、悪役を演じるためにはモンスターと友達にならなくてはいけないんだ。 ハンニバル・レクターだろうと、リチャード三世だろうと、その人物の中になんらかの人間性と弱さを見つける。 これがぼくの仕事なんだ。 ああ、ドラマにはコメディを、コメディにはドラマを持ち込むのが好きなんだ。 『プールサイド・デイズ』のときもそうだし、『スリー・ビルボード』にしても同じ。 『セブン・サイコパス』(2012年)もそうだね。 どのキャラクターも2つの要素を併せ持っていなければいけないと信じている。 ハンニバル・レクターを見てもらえばわかるはずだ。 アンソニー・ホプキンスの演技には、たくさんのユーモアが盛り込まれているから。 取材・文:小西未来 のインタビューも合わせてチェック! 『ジョジョ・ラビット』は2020年1月17日(金)より公開.

次の

映画ジョジョラビットのネタバレと感想!ジョジョ役とエルサ役の子役紹介も!

ジョジョ ラビット ヨーキー

タイカ・ワイティティ監督がとんでもないアプローチから戦争を描いた物語。 これが傑作! 大傑作! 早くも2020年ベストムービー決定!! 舞台は第二次世界大戦中のドイツ。 ヒトラーが空想上の友達である10歳の子どもが主役。 オープニングを飾るのはビートルズの名曲"抱きしめたい"ドイツ語バージョン。 普遍的なボーイミーツガール映画でもあります。 ナチスドイツに関する映画は数多くあれど、『ジョジョ・ラビット』(2019)がかなり ユニークな作品であることは間違いありません。 ギリギリのユーモアとカラフルな日常、そして洗脳・戦争の恐怖が入り乱れる 感情のジェットコースタームービーが誕生しました! アカデミー賞前哨戦であるトロント映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞した本作の魅力とは?! 愛すべき反戦映画『ジョジョ・ラビット』(2019)のあらすじや考察、感想をネタバレを含めて書いていきます。 アドルフ・ヒトラーに憧れる10歳の少年ジョジョ。 父親はおらず、たくさんの愛を与えてくれる母親も毎日忙しくしており、ジョジョには空想上の友達のヒトラーだけ。 立派な兵士になろうと奮闘するのだが、ヒトラーユーゲントでの訓練中にウサギを殺すことができなかったことから「ジョジョ・ラビット」(臆病なジョジョ)と不名誉なあだ名を付けられてしまう。 悲しい時や、自信がなくなった時に叱咤激励してくれるヒトラー。 ヒトラーに励まされたジョジョはやる気がみなぎり、張り切って手りゅう弾の訓練を行うが失敗し、足と顔に怪我を負ってしまう。 怪我のせいで訓練に参加できなくなり、自宅で過ごす時間が増えていたある日、誰もいない家で、亡くなった姉インゲの部屋のあたりで物音が聞こえてきた......。 武装し、 ヒトラーユーゲントでもらった大切なナイフを持って音のする方向へ向かうジョジョ。 そこにいたのは姉インゲの幽霊...... ではなく、ジョジョの母親ロージーに匿われていたユダヤ人の少女エルサだった。 勇気を振り絞ってナイフを持って脅すが「 通報したらあんたもあんたの母親も同罪で絞首刑よ」と逆に脅されてしまう。 別のプランでユダヤ人をやっつけようと、エルサからユダヤ人の生態を詳しく聞き、それを本にすることに。 にっくき敵であるはずのエルサと接するうちに、ジョジョの ユダヤ人への気持ちに変化が起きていく。 唇を震わせ映画館の店員に「ジョジョラビットのパンレット1冊」と泣き顔で言った人は日本でたくさんいたと思います。 そして困った笑顔で対応してくれた店員さんの数も同じだけいます。 店員さん困らせてすみません、そして笑顔をありがとう! ビートルズの名曲"抱きしめたい"のドイツ語バージョンから元気いっぱいに始まる本作は、とても第二次世界大戦中の物語とは思えません。 10歳の子どもでありながら心は立派な兵士である つもりの ジョジョが織りなす物語は、 カラフルでユーモラス。 重い内容を 子ども目線で無邪気に、時に残酷にその世界を私たちに見せてくれます。 独裁者ヒトラーの洗脳 何の 違和感もなくヒトラーに憧れユダヤ人をやっつけようとするジョジョを応援するのは、私たちには難しいです。 でもジョジョの生き生きとした姿から、当時のドイツ人は ヒトラーに強烈に洗脳されてい事が伝わって、笑っていいのか怖がっていいのか分からず、始まった直後は引きつった微笑で観ていました。 ヒトラーによる国民への洗脳が横行する中でも、やはり 戦争に反対するドイツ人もいて、密かに反戦活動をしているのです。 ジョジョの母親ロージーもその内の一人。 ゲシュタポにばれると絞首刑にされてしまう時代に、危険な行動を取ってでも 自由を求める姿が力強く描かれています。 そんなロージーの愛に包まれ、そして敵だと思っていた ユダヤ人のエルサとの交流でジョジョは大きく成長するのです。 洗脳からの解放、自我の芽生え 成長とともに、ずっと頼っていた 空想上のヒトラーの姿が変貌していきます。 ジョジョが自分の頭で考え、前に進むようになったその時に ヒトラーは必要なくなり、自我が芽生えて洗脳から解放されたジョジョはヒトラーを 窓の外に蹴り出すのです。 映画のキャッチコピー"愛は最強"を初めて見たときは「 ちょっと何言ってるかわからない」と思っていた私ですが、本作を観終えた後は「 愛は最強で最高!」というほぼパクリのオリジナルキャッチコピーを作るほど全身に愛が満ちていました。 憎しみに勝つのは愛しかない これこそが監督のタ イカ・ワイティティが伝えたかったメッセージです。 伝えたい事は他の戦争映画と同じだけど、アプローチが斬新です。 子ども目線、カラフルな映像、ちりばめられたユーモア。 これらを使ってたくさんの人に見てもらおうとしたんですね。 一人でも多くの人にこのメッセージが伝わるように。 ジョジョを正しい考えへ導こうとする母親ロージーは自分の考えを押し付けません。 自ら考え、行動できる人間に成長するように、遠くから少し手助けしているだけなんです。 靴ひもも母親に結んでもらい、玄関のドアも開けてもらっていた少年はやがて成長し、エルサの靴紐を結び、彼女のために扉を開けるようになる。 その時のジョジョの表情が最初に見た時と全然違うことに驚かされ、そしてとても誇らしい気持になりました。 タイカ・ワイティティ監督は「 もしこの人が生きていれば...... 」という気持ちを込めてエルサのキャラクターに息を吹き込んだのかもしれません。 そう思うと、最後に 自由を得たエルサが踊る姿が一層素晴らしいものであると感じるのです。 スカーレット・ヨハンソンの母としての演技 ジョジョの母親ロージー役でアカデミー助演女優賞にノミネートされました。 ロージーが出演しているシーンは温かく愛に満ちています。 ジョジョだけではなくエルサにも愛と安心を与えており、スカーレット・ヨハンソンは 過去最高の演技でこの作品を彩っていました。 母親の愛が表情一つ一つに表されていて、私たち観客もその愛情で包まれたような気持になります。 空想上の友達はヒトラー。 憧れのヒトラーの為、 ヒトラーユーゲントに入隊し、敵のユダヤ人を倒す使命に燃えている。 しかし、ウサギを殺すことが出来なかった事から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられてしまう。 今まで見たことがなかった本物のユダヤ人のエルサと出会ったことで、ユダヤ人は恐ろしい化け物ではなく、自分たちと同じ人間だと気づき始め、 ナチスに対して疑問を抱くようになる。 母親であるロージーから「 おなかで蝶々が舞う感じ、それが愛」と言われた通り、ジョジョのお腹にたくさんの蝶が羽ばたき、初めての恋が訪れる。 戦争で婚約者をなくし、不毛な戦いが終わることを願っている。 ジョジョに存在がバレてナイフを突きつけられても奪い返して逆に脅し、ゲシュタポのディエルツがジョジョの家に家宅捜索に来たときには、亡くなったジョジョの姉のインゲになりすますという、 最高に度胸のあるキャラクター。 優しさと強さをもってジョジョに向きあう。 ユダヤ系詩人のリルケが好き。 ジョジョに一身に愛を注ぐ。 とても明るく前向きで聡明で勇敢な人物で、戦争を描いた 暗い舞台に明るい光を差し込んでくれる。 夫は出征後行方不明になり、娘は亡くなった。 そして息子であるジョジョはナチに傾倒している。 ロージー自身は戦争反対派で、 危険を承知で反戦活動をしたり、ユダヤ人の少女を匿ったりしている。 ジョジョにはいつか正しい事に気づいてもらいたいと願っているが、 自分の考えを強要はしない。 父親がいないジョジョに寂しい思いをさせないよう、たくさんの愛でジョジョを包む。 自転車で出かけたり、踊ったり、 靴紐の結び方を教えたり。 反戦活動をしていることがバレて絞首刑にされてしまう。 戦争で片目を失ったことで前線から外され、青少年集団ヒトラーユーゲントで少年兵に戦い方を教える。 ジョジョが手りゅう弾の練習中に乱入し、ケガをしたことで事務職に降格した。 常に一緒にいるフィンケルとは特別な関係であり、 ナチスでゲイという二つの顔を持つ。 キャプテンKは平等な人間で、ジョジョの母親ロージーが善良な人であった事を伝えたり、エルサがインゲに成りすました事にも目をつぶり、ラストでナチが皆殺しになる時には ありったけの優しさでジョジョを救う。 フロイライン・ラーム:レベル・ウィルソン ヒトラーユーゲントで 少女に傷の手当と妊娠の方法(?!)を教える。 国のために戦うことを誇りに思っており、最後は自分自身も兵士として戦う。 フィンケル:アルフィー・アレン キャプテンKの右腕的存在。 キャプテンKに 尊敬以上の感情があるようで、常に側で行動を共にする。 ディエルツ:スティーブン・マーチャント ゲシュタポ。 反ナチス、反ヒトラーに対して容赦ない処罰を課す。 彼が画面に登場するだけで、劇場の空気が張り詰める。 「ハイルヒトラー」の敬礼が延々と続く様は滑稽だが、同時に圧倒的な恐怖も与える。 純粋な心を持つキャラクター。 ジョジョから「ユダヤ人の彼女が出来た」という、 世界が震撼するような告白にも「よかったね」と言える器の大きさと、少年ナチス兵として一生懸命働く姿に思わず応援してしまいたくなる魅力的なキャラクター。 監督である タイカ・ワイティティが母親に勧められて読んだことがきっかけで映画化となりました。 原作は翻訳されていない為残念ながら未読ですが、 パンフレットでの監督の説明によると、映画に登場するジョジョの空想上の友達「アドルフ・ヒトラー」とそのやりとりは原作にはないものだそう。 一方母親と子どもの関係は原作通りのようで、暗くなりがちな戦争の物語にオリジナルの味付けをして、 ユニークで複雑な、より深みのある作品に仕上がったのではないかと思います。 目をそらすジョジョの頭をつかんで、ロージーはちゃんとその姿を見せて「 やるべきことをやるのよ」と言う。 ロージーは 自由を愛する女性で、密かに反戦活動を行っていました。 かつて母と歩いたあの広場で、ジョジョの目の前にロージーの靴が現れる。 反戦活動がばれてしまったロージーは処刑されてしまったのです。 処刑されたロージーの服に、こっそり配っていた反戦のビラがついていました。 ジョジョはロージーを 抱きしめ、母親の靴ひもを結ぶのです。 ジョジョの成長を見ることができないロージーに、見せることができないジョジョに胸が張り裂けそうになりました。 街から人がいなくなり、市民まで兵士となり戦うドイツ軍はやがて制圧されて、 戦争が終結しました。 これで晴れてエルサは自由の身だ! 「でも自由になったらきっとエルサは離れて行ってしまう」 そう考えたジョジョは、 エルサに側にいて欲しくて思わず「戦争は終わった」「ドイツ軍が勝った」と言って、今までと同じ生活を続けようとしてしまいます。 しかしエルサが描いた「 籠に閉じ込められたウサギ」の絵を見て、エルサを外に連れ出すことを決意します。 かつて母親にやってもらっていたように、エルサの靴ひもを結んで、ドアを開けて。 部屋で息をひそめて暮らしていたエルサはおそるおそる外に出ます。 外で見た光景はジョジョの言葉とは違って、 ドイツ軍の敗戦に気づきます。 ジョジョとエルサはどちらともなく踊りだします。 自由を全身に浴びて笑顔で踊るのです。 『ジョジョ・ラビット』(2019)ラスト解説 エルサに恋しているジョジョは、戦争が終わってもなおエルサと居たいが為に嘘をついて家に閉じ込めようとします。 「わかるわかる、一緒に居たいもんね!!」 と思ってしまう私は、大人になり切れてない精神年齢低すぎ疑惑がありますが、ジョジョは違います。 自分の事だけを考えるのではなく、エルサの事を考えられるんですこの少年は! エルサに自由を、そして選択を与える事が出来る立派に成長したジョジョを私はますます好きになりました。 そこにはもう ヒトラーの影なんてありません。 過酷で残酷な世の中で、この若者たちはお互いを尊重して生きていく力があると確信できる 力強いラストでした。 また、レビューの数もかなり多いです。 戦争を扱った話なのに、予告からコメディ色強そうな雰囲気が出ていたので、たくさんの人が映画館に足を運んだのではないでしょうか? きっとタイカ・ワイティティ監督の作戦通りですね! 中には 「ドイツ人が英語を話す違和感が最後まで拭えなかった」 「ビートルズが流れて時代が違いすぎて受け入れられなかった」 という評価もありました。 攻めたアプローチを苦手とした方もいるようです。 『ジョジョ・ラビット』( 2019 )のまとめ 悲惨な戦争が起きているけれど、愛が至る所にありました。 そして同時に 少年の成長を描いてます。 映画が始まった時、軍服を着たあどけない少年だったのに、最後のシーンでは凛々しい、頼もしい顔になっていて、まるで別人でした。 ラストにユダヤ系詩人リルケの詩が出てきます。 " すべてを経験せよ 美も恐怖も生き続けよ 絶望が最後ではない " 大きく成長したジョジョの姿と重なって涙が止まらなくなるのです。 『ジョジョ・ラビット』( 2019 )はエンドロール後に本編はある? エンドロール後に本編はありませんが、ラストシーンから続く「デヴィッド・ボウイ」の"ヒーローズ"ドイツ語版が流れます。 鑑賞後の余韻まで完璧に考えられた選曲です。

次の

「ヨーキー」ジョジョ・ラビット コマ送りさんの映画レビュー(感想・評価)

ジョジョ ラビット ヨーキー

rottentomatoes. 作品賞 — カシュー・ニール、タイカ・ワイティティ• 助演女優賞 — スカーレット・ヨハンソン• 脚色賞 — タイカ・ワイティティ• 美術賞 — ラ・ヴィンセント プロダクション・デザイン 、 ノラ・ソプコヴァ セット・デコレーション• 衣装デザイン賞 — メイズ・C・ルベオ• 編集賞 — トム・イーグルス アカデミー賞では 6部門にノミネートしました。 スカーレット・ヨハンソンは同年に である マリッジ・ストーリーで主演女優賞にもノミネートされています。 すごすぎますね! あらすじ 第二次世界大戦中・・・ドイツ人少年のジョジョは空想上の友達であるアドルフ・ヒトラーと相談しながら、青少年集団ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうと奮闘していた。 しかしジョジョは訓練中にウサギを殺せなかった事で、弱虫のレッテルを張られジョジョ・ラビットとバカにされてしまう。 そんなある日、ジョジョは家に隠し部屋がある事に気付く・・・そこにはなんと母親がこっそりと匿っていたユダヤ人少女のエルサがいた。 感想・評価• 登場人物が皆かわいらしい映画• もうひとひねりあれば・・・• 惨劇をコメディにするのは難しい 現代社会を小馬鹿にしたワイティティ タイカ・ワイティティ監督の 悪ふざけが心地よいコメディだった。 さすがコメディアン畑出身だけあって、今作品は ブラックユーモアで溢れかえっていたよ。 ちなみに自身でヒトラーを演じているけど「ヒトラーが軽蔑していたユダヤ人と有色人種のハーフである自分が彼を演じる事こそ、彼に対する最大の侮辱だ。 」と笑い飛ばしている。 主人公の ジョジョは10歳にしてナチス思想にドップリ浸かりきっている男の子・・・ユダヤ人は角がはえてるだとか、夜はコウモリみたく木にぶらさがって寝るといった素っ頓狂なウソをしっかりと信じ込んでいて、街ゆく人にも「ハイルヒトラー!」と元気よく笑顔で挨拶をしていた。 ざっくり言えば 洗脳された子供のお話だよね。 これが第二次世界大戦下のドイツでは当たり前にあったと思うと恐ろしいけど、演じてる ローマン・グリフィン・デイヴィスのとぼけた表情のおかげか、かかってる音楽がキャッチーなせいか、ジョジョが何とも愛らしく見えてくるのだw 今作品はこのナチスに染まりきった超純粋なジョジョ君が、ユダヤ人の女の子 エルサに出会う事で少しだけ大人になるという成長譚になっている。 戦争というアンタッチャブルな題材で、よくここまでポップに仕上げたもんだとワイティティ監督には感心するけど、隠し刀のように仕込まれた 社会風刺とテーマの剣先は意外と鋭い。 それは「嘘に振り回されず、真実を見極めろ」というメッセージ・・・。 舞台は第二次世界大戦だよね・・・。 SNSに流れてきたニュースを手放しに信じて イイネ!ボタンを押す現代社会と一体何が違うのか?ワイティティ監督はゲラゲラ笑いながら世界に切りかかってきたようなものだ。 なんというパンクイデオロギーに溢れた映画じゃないか! 今作品を危うく手放しに称賛するところだったよ。 ただ、ダメ出しの前に語りたい登場人物がいる。 ヨーキーだけが見えていた世界 今作品には 洗脳されていない人間が4人出てくる。 スカーレット・ヨハンソンが演じた母親・ロージー• トーマシン・マッケンジーが演じたユダヤ人少女のエルサ• サム・ロックウェルが演じた職業ナチのクレンツェンドルフ大尉• アーチー・イェーツが演じた親友のヨーキー 中でも特筆したいのは ヨーキー君・・・今作品で1番お気に入りのキャラクターだ。 確かに4人とも洗脳されていないんだけど、唯一 彼だけは時代にも振り回されていないんだ。 例えば、母親はナチス思想に染まってないとばれたら大ごとだと理解していたから、ひた隠しにしていたよね。 クレンツェンドルフ大尉も実のところはとっても優しく素敵な紳士だったけど、逆らうと面倒だと知っていたから仕事としてナチス軍人をやっていた。 「エルサは?ナチスに洗脳されてない ユダヤ人じゃないか!」だからこそ隠れていたよね。 洗脳はされてなくても作中で1番時代に振り回されていたと言っても過言じゃない。 でもヨーキーだけはナチス思想にも染まっていないし、ただ皆との楽しい時間を過ごしているだけなんだ。 ユダヤ人やロシア人のにわかに信じがたい噂もフラットに受け止めていて、なんていうか彼だけ 俯瞰で世界を見ている感じ・・・戦火で砂埃まみれになってもジョジョを見つけたら、 屈託のない笑顔でハグしにくる姿には完全にやられたw誰もが祈ったんじゃないか? こいつだけは死なないでくれよ!と。 僕はどうかどうか・・・ジョジョの近くにいつまでもいてあげてくれ!と願ってしまった。 変な言い方になるけど、作中での立ち位置から僕にはヨーキーが 神様や 天使のように感じたよ。 民族が違うから何なのか?バカみたいに戦争をおっぱじめて、嘘で塗り固めた洗脳で人々を振り回して何が政治なのか?そんな事より目の前の大好きな人と笑っていたいというヨーキー君こそ、素敵な人間と言えるじゃないか。 まず1つ目のダメ出しは ヨーキーの出番が少ない事だ!ワイティティ! コメディというジャンルの難しさ 改めてコメディ映画とは難しいものだと感じた。 今作品は冒頭から時代背景ガン無視で ビートルズの「 I Want To Hold Your Hand」という曲のドイツ語バージョン「 Komm gib mir deine Hand」が流れる。 この曲はド直球の ラブソング・・・つまり、この映画はラブストーリーだという事を一応示唆してくれたのかなと感じた。 確かに母子愛やエルサとの淡い愛情も描かれているし、クレンツェンドルフ大尉の優しさという名の愛情に至っては目頭が熱くなってしまった。 ワイティティ監督は最後まで 愛を描いたコメディ映画として突っ走ったけど、やっぱりスカヨハお母さんの死というのはあまりにも重かったように思う。 もっと母親の事を描いていれば受け止められたかもしれないけど、ちょっと雑に感じてしまった。 結果、ジョジョの心情の変化に違和感を覚えたままクライマックスにいくもんだから、エルサとのラストが少し薄まってしまったように思う。 グリーンブックのようなコメディタッチにアンタッチャブルな題材を描きつつ、感動作に仕上がっている作品にしたかったのかな?ワイティティ監督のやりたかった事はしっかりと伝わるんだけど、さすがに戦争という題材はエッヂが効きすぎていたのかもしれないね。 戦争と愛の対比は間違ってなかったと思うし、ナチスやヒトラーを小馬鹿にしたようなプロットは面白かった。 メッセージ性やテーマも素晴らしい。 合格点は軽く超えてる良作だけど、どうにも僕にはスカヨハお母さんの描き方が今一つ足らなかったように思う。 でもだからといって 描きすぎたらコメディを突き通せないというジレンマ・・・ここさえ乗り切っていたら最後のメッセージがもっと響いたんじゃないだろうか。 すべてを経験せよ 美も恐怖も 生き続けよ 絶望が最後ではないのだから R・M・リルケ 改めてコメディというジャンルの難しさを感じた作品だったけど、逆にこんな難しい題材に挑戦した ワイティティ監督の事は手放しに称賛するよ。 面白かった。 まとめ・サントラ紹介 気軽に観れる可愛らしい良作 3. 5 第二次世界大戦のドイツが舞台ですので ホロコーストの描写もありますが、正確には戦争を描いているのではなく、 戦争の時代に生きた人々を描いています。 戦時下じゃなければジョジョやヨーキーのような子供達は、銃を持って走り回るのではなく遊び回ってるわけですし、本来なら彼らは 大人が始めたバカげた戦争なんて興味ないんですよね。 こうした子供の目線から描いた物語というのは、大人が忖度して見て見ぬフリをしてしまう 核心や 真実をグサグサと刺してくる時があります。 今作品は10歳のジョジョやヨーキーから本当に大切な事を教えてもらえる素晴らしい映画ですから、是非彼らに癒されてみてくださいw 同じように 戦時下の少年達を描いた傑作なら 邦画にもあります。 こちらも超オススメですよ! 「ジョジョ・ラビット」のサントラ紹介.

次の