ビオトープ あつ 森。 【あつ森】ジューンブライドの攻略と家具配置のコツ【あつまれどうぶつの森】

【あつ森】自然がいっぱい☆ツリーハウス風の仕立て屋さん

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ニンテンドースイッチ史上最大のヒットと言われる「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」。 気ままな無人島暮らしが楽しめることが魅力のゲームだが、博物館や島の生態系などがかなり作り込まれており、これまでもネットを中心に大きな話題を呼んできた。 なかでも最近話題のひとつとなっているのが「青いバラ」だ。 あつ森には「交配」と呼ばれる花どうしをかけ合わせて新しい花を生み出す方法があり、「青いバラ」はその交配で得られる花のなかで最も難易度が高い花とされている。 では、この「青いバラ」の交配の仕組みは実際どれほど作り込まれているのだろうか? 今回はかはくの研究員で、実際に青い花を専門に研究されている水野貴行さんに「青いバラ」についてのお話を聞いてみた。 さらに、バラの場合は青くなるために必要な要素を、そもそも持っていなかったとされています。 そのため、遺伝子組み換えで作られた青いバラはパンジーに含まれる遺伝子を入れているんですね。 水野:早い!! 1カ月で青いバラができるなら、僕もあつ森始めようかな……。 青いバラって実際はどれくらい時間がかかるものなんでしょうか? 水野:遺伝子組み換えの青いバラは1990年に開発が始まり、20年以上かかって作られたものです。 バラは野生の品種も多いし育種もかなりされている花なんですが、その中でもやっぱり本当の青ってなくて、青いバラはもう幻のようなものなんです。 だからあつ森で青いバラが作れるってなれば、僕もあつ森やろうかなって思いますよね(笑)。 僕も、この道に進んだ理由のひとつは2007年にかはくで青いバラの実物を見て感動したことでした。 いわば僕たちは「青いバラ世代の研究者」なんです。 水野:赤と白でピンクになる、赤と黄でオレンジになるといった交配は現実のイメージに近いですね。 それから、白と白で紫になるのは何か裏がありますね。 花って本来、赤や黄などの色素の遺伝子を持っていないと白になるんですよ。 でもこれを見る限りだと、あつ森のバラにはわざわざ「白色にするための遺伝子」が入れてありますね。 そのせいで交配が難しくなっていますが(笑)。 実際にスイートピーという花の補足遺伝子など、花を白色にするような遺伝子もあります。 それから「黒いバラ」の作り方もリアリティがありますね。 現実にある黒い花って、アントシアニンという赤い色素を大量に溜め込んだ結果、黒に見えているんです。 実際はもう少し複雑な部分もありますが、赤いバラと赤いバラをかけあわせて黒いバラができるのは、恐らくそれを知った上で組み合わせてあるんだろうと思います。 水野:それはたぶんジョウロに金粉が入っていますね。 でも、実際に光る花というのもありますよ。 花びらに含まれるアントシアニンという色素は、普通は水に溶けてるんですけど、たまに固まることがあるんです。 その塊に光があたると、キラキラしたラメが入っているように見えるんです。 バラではないですが、カーネーションなどではそういうラメのように光る品種が作られています。 「花の色」というひとつの性質を作るために、いくつもの遺伝子が関わっている状態を「複対立遺伝子」と呼ぶのですが、あつ森の交配でもその複対立遺伝子の考えが取り入れてあるようですね。 水野:これは……。 生物を学ばれた方が作ってますね(笑)。 発見したゲームのプレイヤーもすごいです。 メンデルになれるかもしれませんね。 水野:そうですね。 これより良い交配の方法はないんじゃないかな。 でも、それくらいよくできている方法なんですね。 水野:そうですね。 メンデルの法則は遺伝について学ぶときに出てきますが、この青いバラも基本的にはメンデルの法則(分離の法則)に従って作られているようです。 実際の交配では、「連鎖」という遺伝子がうまく分かれない状態が起きたりするので、こんなにキレイにはいかないですけど、遺伝の基本をおさえてうまく作ってあると思います。 水野:花の色の研究は、生物だけでなく化学の知識も必要になるのでとっつきにくくなってしまうんだと思います。 青いバラも、ネットで実際の研究について調べてみると、すぐに(化学式の)亀の甲とかが出てきちゃうんですよね。 水野:でも、亀の甲の図もずっと見てるとだんだんかわいく思えてくるんですよ! あつ森ファンがこれをきっかけに花の色に興味もってくれると嬉しいですよね。 水野:花を見る限りだと、春から夏がやや涼しい地域の島のようですね。 関東地方の夏より快適かもしれません。 あと、冬の様子を見ると雪が積もっていますね。 水野:それぞれの花のシーズンが、少し長くなっています。 たとえばチューリップは6月まで咲いていますが、かはくの筑波実験植物園では(暑すぎて)6月にはもう花は枯れていますね。 それから、ここにパンジーが選ばれているのは納得です。 冬に咲く花ってなかなかなくて、寒い時期に華やかなパンジーはありがたい存在なんですね(笑)。 実際、かはくの植物園も冬はほんとにパンジーに頼っていますし、恐らく、あつ森でも「もうパンジーしかないぞ!!」ってことでここに選ばれたんだと思います(笑)。 それから、バラだけはベストシーズンが1年に2回あるんですが、これは実際もそうなんでしょうか? 水野:「四季咲き」ですね。 春と秋で2回咲くんですが、これはバラの非常に大切な性質です。 中国原産のコウシンバラという種がもたらしたものと言われていて、いまの園芸用のバラでも四季咲きが好まれますね。 バラの切り花が年中買えるのは四季咲きのおかげです。 この「四季咲き」は特定の花でしか見られないもので、代表的な花がまさにバラなんですね。 水野:そうですね。 それから気になるのがユリです。 ユリにはおおまかに2種類あって、ヤマユリなどが元となっているオリエンタル・ハイブリッドという豪華なタイプと、スカシユリなどを元とするアジアティック・ハイブリッドという個性的なタイプがあるんですが、あつ森で咲いているのはアジアティック・ハイブリッドのユリに見えますね(最近ではそれぞれOHハイブリット、LAハイブリットと呼ばれます)。 水野:夢のようです(笑)。 ユリなんて花を咲かせるだけで数年かかるのに……。 水野:その点は実際の育種と似ていると思いますね。 そこからめずらしい花が出たら拾って、さらに栽培して……実際の花農家さんもやってます。 知らない間に私たちは花農家になっていたんですね……。 水野:実際の農家さんは、花の色だけじゃなくて草丈や花の数など、もっと色々な性質を見ていますが、広大な花畑と時間が必要という点は似ていますね。 遺伝ってそもそも、表に出てくる形質と、出てこない形質があるんです。 それから、島の外からめずらしい花を持ってきて、自分の島でかけ合わせることもあります。 水野:これも実際と同じですね。 花も、野生種とかけ合わせることがあるんですよ。 たとえば、ある花がどうしても病気に弱くて、その病気に強い遺伝子がどうしても見つからない時に、もう一度野生種に立ち返ってかけ合わせたりするんですね。 なので、かはくの植物園では今すぐ我々の生活に必要のない野生種でも、種や株などの状態で膨大に保管しているんです。 水野:そうですね。 何に使えるかはわからないけど、もしかしたらいつかすごく必要になる植物種や遺伝子が眠っているかもしれませんから。 せっかく青いバラがあるので、青いキクも入れたいなと思いますね。 水野:かはくの植物園でも、過去に青いキクを標本で展示したことがあります。

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【あつ森】攻略「こもの入手方法」カタログ一覧・まとめ/あつまれどうぶつの森

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ニンテンドースイッチ史上最大のヒットと言われる「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」。 気ままな無人島暮らしが楽しめることが魅力のゲームだが、博物館や島の生態系などがかなり作り込まれており、これまでもネットを中心に大きな話題を呼んできた。 なかでも最近話題のひとつとなっているのが「青いバラ」だ。 あつ森には「交配」と呼ばれる花どうしをかけ合わせて新しい花を生み出す方法があり、「青いバラ」はその交配で得られる花のなかで最も難易度が高い花とされている。 では、この「青いバラ」の交配の仕組みは実際どれほど作り込まれているのだろうか? 今回はかはくの研究員で、実際に青い花を専門に研究されている水野貴行さんに「青いバラ」についてのお話を聞いてみた。 さらに、バラの場合は青くなるために必要な要素を、そもそも持っていなかったとされています。 そのため、遺伝子組み換えで作られた青いバラはパンジーに含まれる遺伝子を入れているんですね。 水野:早い!! 1カ月で青いバラができるなら、僕もあつ森始めようかな……。 青いバラって実際はどれくらい時間がかかるものなんでしょうか? 水野:遺伝子組み換えの青いバラは1990年に開発が始まり、20年以上かかって作られたものです。 バラは野生の品種も多いし育種もかなりされている花なんですが、その中でもやっぱり本当の青ってなくて、青いバラはもう幻のようなものなんです。 だからあつ森で青いバラが作れるってなれば、僕もあつ森やろうかなって思いますよね(笑)。 僕も、この道に進んだ理由のひとつは2007年にかはくで青いバラの実物を見て感動したことでした。 いわば僕たちは「青いバラ世代の研究者」なんです。 水野:赤と白でピンクになる、赤と黄でオレンジになるといった交配は現実のイメージに近いですね。 それから、白と白で紫になるのは何か裏がありますね。 花って本来、赤や黄などの色素の遺伝子を持っていないと白になるんですよ。 でもこれを見る限りだと、あつ森のバラにはわざわざ「白色にするための遺伝子」が入れてありますね。 そのせいで交配が難しくなっていますが(笑)。 実際にスイートピーという花の補足遺伝子など、花を白色にするような遺伝子もあります。 それから「黒いバラ」の作り方もリアリティがありますね。 現実にある黒い花って、アントシアニンという赤い色素を大量に溜め込んだ結果、黒に見えているんです。 実際はもう少し複雑な部分もありますが、赤いバラと赤いバラをかけあわせて黒いバラができるのは、恐らくそれを知った上で組み合わせてあるんだろうと思います。 水野:それはたぶんジョウロに金粉が入っていますね。 でも、実際に光る花というのもありますよ。 花びらに含まれるアントシアニンという色素は、普通は水に溶けてるんですけど、たまに固まることがあるんです。 その塊に光があたると、キラキラしたラメが入っているように見えるんです。 バラではないですが、カーネーションなどではそういうラメのように光る品種が作られています。 「花の色」というひとつの性質を作るために、いくつもの遺伝子が関わっている状態を「複対立遺伝子」と呼ぶのですが、あつ森の交配でもその複対立遺伝子の考えが取り入れてあるようですね。 水野:これは……。 生物を学ばれた方が作ってますね(笑)。 発見したゲームのプレイヤーもすごいです。 メンデルになれるかもしれませんね。 水野:そうですね。 これより良い交配の方法はないんじゃないかな。 でも、それくらいよくできている方法なんですね。 水野:そうですね。 メンデルの法則は遺伝について学ぶときに出てきますが、この青いバラも基本的にはメンデルの法則(分離の法則)に従って作られているようです。 実際の交配では、「連鎖」という遺伝子がうまく分かれない状態が起きたりするので、こんなにキレイにはいかないですけど、遺伝の基本をおさえてうまく作ってあると思います。 水野:花の色の研究は、生物だけでなく化学の知識も必要になるのでとっつきにくくなってしまうんだと思います。 青いバラも、ネットで実際の研究について調べてみると、すぐに(化学式の)亀の甲とかが出てきちゃうんですよね。 水野:でも、亀の甲の図もずっと見てるとだんだんかわいく思えてくるんですよ! あつ森ファンがこれをきっかけに花の色に興味もってくれると嬉しいですよね。 水野:花を見る限りだと、春から夏がやや涼しい地域の島のようですね。 関東地方の夏より快適かもしれません。 あと、冬の様子を見ると雪が積もっていますね。 水野:それぞれの花のシーズンが、少し長くなっています。 たとえばチューリップは6月まで咲いていますが、かはくの筑波実験植物園では(暑すぎて)6月にはもう花は枯れていますね。 それから、ここにパンジーが選ばれているのは納得です。 冬に咲く花ってなかなかなくて、寒い時期に華やかなパンジーはありがたい存在なんですね(笑)。 実際、かはくの植物園も冬はほんとにパンジーに頼っていますし、恐らく、あつ森でも「もうパンジーしかないぞ!!」ってことでここに選ばれたんだと思います(笑)。 それから、バラだけはベストシーズンが1年に2回あるんですが、これは実際もそうなんでしょうか? 水野:「四季咲き」ですね。 春と秋で2回咲くんですが、これはバラの非常に大切な性質です。 中国原産のコウシンバラという種がもたらしたものと言われていて、いまの園芸用のバラでも四季咲きが好まれますね。 バラの切り花が年中買えるのは四季咲きのおかげです。 この「四季咲き」は特定の花でしか見られないもので、代表的な花がまさにバラなんですね。 水野:そうですね。 それから気になるのがユリです。 ユリにはおおまかに2種類あって、ヤマユリなどが元となっているオリエンタル・ハイブリッドという豪華なタイプと、スカシユリなどを元とするアジアティック・ハイブリッドという個性的なタイプがあるんですが、あつ森で咲いているのはアジアティック・ハイブリッドのユリに見えますね(最近ではそれぞれOHハイブリット、LAハイブリットと呼ばれます)。 水野:夢のようです(笑)。 ユリなんて花を咲かせるだけで数年かかるのに……。 水野:その点は実際の育種と似ていると思いますね。 そこからめずらしい花が出たら拾って、さらに栽培して……実際の花農家さんもやってます。 知らない間に私たちは花農家になっていたんですね……。 水野:実際の農家さんは、花の色だけじゃなくて草丈や花の数など、もっと色々な性質を見ていますが、広大な花畑と時間が必要という点は似ていますね。 遺伝ってそもそも、表に出てくる形質と、出てこない形質があるんです。 それから、島の外からめずらしい花を持ってきて、自分の島でかけ合わせることもあります。 水野:これも実際と同じですね。 花も、野生種とかけ合わせることがあるんですよ。 たとえば、ある花がどうしても病気に弱くて、その病気に強い遺伝子がどうしても見つからない時に、もう一度野生種に立ち返ってかけ合わせたりするんですね。 なので、かはくの植物園では今すぐ我々の生活に必要のない野生種でも、種や株などの状態で膨大に保管しているんです。 水野:そうですね。 何に使えるかはわからないけど、もしかしたらいつかすごく必要になる植物種や遺伝子が眠っているかもしれませんから。 せっかく青いバラがあるので、青いキクも入れたいなと思いますね。 水野:かはくの植物園でも、過去に青いキクを標本で展示したことがあります。

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【あつ森】斜め橋の作り方と完成形一覧【あつまれどうぶつの森】

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ニンテンドースイッチ史上最大のヒットと言われる「あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)」。 気ままな無人島暮らしが楽しめることが魅力のゲームだが、博物館や島の生態系などがかなり作り込まれており、これまでもネットを中心に大きな話題を呼んできた。 なかでも最近話題のひとつとなっているのが「青いバラ」だ。 あつ森には「交配」と呼ばれる花どうしをかけ合わせて新しい花を生み出す方法があり、「青いバラ」はその交配で得られる花のなかで最も難易度が高い花とされている。 では、この「青いバラ」の交配の仕組みは実際どれほど作り込まれているのだろうか? 今回はかはくの研究員で、実際に青い花を専門に研究されている水野貴行さんに「青いバラ」についてのお話を聞いてみた。 さらに、バラの場合は青くなるために必要な要素を、そもそも持っていなかったとされています。 そのため、遺伝子組み換えで作られた青いバラはパンジーに含まれる遺伝子を入れているんですね。 水野:早い!! 1カ月で青いバラができるなら、僕もあつ森始めようかな……。 青いバラって実際はどれくらい時間がかかるものなんでしょうか? 水野:遺伝子組み換えの青いバラは1990年に開発が始まり、20年以上かかって作られたものです。 バラは野生の品種も多いし育種もかなりされている花なんですが、その中でもやっぱり本当の青ってなくて、青いバラはもう幻のようなものなんです。 だからあつ森で青いバラが作れるってなれば、僕もあつ森やろうかなって思いますよね(笑)。 僕も、この道に進んだ理由のひとつは2007年にかはくで青いバラの実物を見て感動したことでした。 いわば僕たちは「青いバラ世代の研究者」なんです。 水野:赤と白でピンクになる、赤と黄でオレンジになるといった交配は現実のイメージに近いですね。 それから、白と白で紫になるのは何か裏がありますね。 花って本来、赤や黄などの色素の遺伝子を持っていないと白になるんですよ。 でもこれを見る限りだと、あつ森のバラにはわざわざ「白色にするための遺伝子」が入れてありますね。 そのせいで交配が難しくなっていますが(笑)。 実際にスイートピーという花の補足遺伝子など、花を白色にするような遺伝子もあります。 それから「黒いバラ」の作り方もリアリティがありますね。 現実にある黒い花って、アントシアニンという赤い色素を大量に溜め込んだ結果、黒に見えているんです。 実際はもう少し複雑な部分もありますが、赤いバラと赤いバラをかけあわせて黒いバラができるのは、恐らくそれを知った上で組み合わせてあるんだろうと思います。 水野:それはたぶんジョウロに金粉が入っていますね。 でも、実際に光る花というのもありますよ。 花びらに含まれるアントシアニンという色素は、普通は水に溶けてるんですけど、たまに固まることがあるんです。 その塊に光があたると、キラキラしたラメが入っているように見えるんです。 バラではないですが、カーネーションなどではそういうラメのように光る品種が作られています。 「花の色」というひとつの性質を作るために、いくつもの遺伝子が関わっている状態を「複対立遺伝子」と呼ぶのですが、あつ森の交配でもその複対立遺伝子の考えが取り入れてあるようですね。 水野:これは……。 生物を学ばれた方が作ってますね(笑)。 発見したゲームのプレイヤーもすごいです。 メンデルになれるかもしれませんね。 水野:そうですね。 これより良い交配の方法はないんじゃないかな。 でも、それくらいよくできている方法なんですね。 水野:そうですね。 メンデルの法則は遺伝について学ぶときに出てきますが、この青いバラも基本的にはメンデルの法則(分離の法則)に従って作られているようです。 実際の交配では、「連鎖」という遺伝子がうまく分かれない状態が起きたりするので、こんなにキレイにはいかないですけど、遺伝の基本をおさえてうまく作ってあると思います。 水野:花の色の研究は、生物だけでなく化学の知識も必要になるのでとっつきにくくなってしまうんだと思います。 青いバラも、ネットで実際の研究について調べてみると、すぐに(化学式の)亀の甲とかが出てきちゃうんですよね。 水野:でも、亀の甲の図もずっと見てるとだんだんかわいく思えてくるんですよ! あつ森ファンがこれをきっかけに花の色に興味もってくれると嬉しいですよね。 水野:花を見る限りだと、春から夏がやや涼しい地域の島のようですね。 関東地方の夏より快適かもしれません。 あと、冬の様子を見ると雪が積もっていますね。 水野:それぞれの花のシーズンが、少し長くなっています。 たとえばチューリップは6月まで咲いていますが、かはくの筑波実験植物園では(暑すぎて)6月にはもう花は枯れていますね。 それから、ここにパンジーが選ばれているのは納得です。 冬に咲く花ってなかなかなくて、寒い時期に華やかなパンジーはありがたい存在なんですね(笑)。 実際、かはくの植物園も冬はほんとにパンジーに頼っていますし、恐らく、あつ森でも「もうパンジーしかないぞ!!」ってことでここに選ばれたんだと思います(笑)。 それから、バラだけはベストシーズンが1年に2回あるんですが、これは実際もそうなんでしょうか? 水野:「四季咲き」ですね。 春と秋で2回咲くんですが、これはバラの非常に大切な性質です。 中国原産のコウシンバラという種がもたらしたものと言われていて、いまの園芸用のバラでも四季咲きが好まれますね。 バラの切り花が年中買えるのは四季咲きのおかげです。 この「四季咲き」は特定の花でしか見られないもので、代表的な花がまさにバラなんですね。 水野:そうですね。 それから気になるのがユリです。 ユリにはおおまかに2種類あって、ヤマユリなどが元となっているオリエンタル・ハイブリッドという豪華なタイプと、スカシユリなどを元とするアジアティック・ハイブリッドという個性的なタイプがあるんですが、あつ森で咲いているのはアジアティック・ハイブリッドのユリに見えますね(最近ではそれぞれOHハイブリット、LAハイブリットと呼ばれます)。 水野:夢のようです(笑)。 ユリなんて花を咲かせるだけで数年かかるのに……。 水野:その点は実際の育種と似ていると思いますね。 そこからめずらしい花が出たら拾って、さらに栽培して……実際の花農家さんもやってます。 知らない間に私たちは花農家になっていたんですね……。 水野:実際の農家さんは、花の色だけじゃなくて草丈や花の数など、もっと色々な性質を見ていますが、広大な花畑と時間が必要という点は似ていますね。 遺伝ってそもそも、表に出てくる形質と、出てこない形質があるんです。 それから、島の外からめずらしい花を持ってきて、自分の島でかけ合わせることもあります。 水野:これも実際と同じですね。 花も、野生種とかけ合わせることがあるんですよ。 たとえば、ある花がどうしても病気に弱くて、その病気に強い遺伝子がどうしても見つからない時に、もう一度野生種に立ち返ってかけ合わせたりするんですね。 なので、かはくの植物園では今すぐ我々の生活に必要のない野生種でも、種や株などの状態で膨大に保管しているんです。 水野:そうですね。 何に使えるかはわからないけど、もしかしたらいつかすごく必要になる植物種や遺伝子が眠っているかもしれませんから。 せっかく青いバラがあるので、青いキクも入れたいなと思いますね。 水野:かはくの植物園でも、過去に青いキクを標本で展示したことがあります。

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