女優・鈴木杏(31) 小学生のころから女優として活躍し、「杏ちゃん」と呼ばれていた鈴木杏さんも、telling,世代ど真ん中。 30歳を前に絵を描きはじめたことで、演技に対峙する姿勢が変わったと振り返ります。 その背景にはどんな心境の変化があったのでしょうか。 「演じること」は果てのない旅 デビューは9歳の頃ですから……長いですね。 「やりたい」って言い出したのは自分からだったみたいなんですけど、あまり覚えてなくて。 でも、赤ちゃんの頃から毎週末映画館に行くような家だったんです。 家では毎日「ピーターパン」を観て、セリフを真似していたみたい。 ごっこ遊びが好きで、リカちゃんの彼氏がウルトラマンだったりして(笑)。 その延長で、「自分じゃない誰かになれる」女優さんになりたかったんです。 両親は最初、「またヘンなこと言い出してる」と思ったみたいだけど、快くその道に進ませてくれました。 特に母親は、私を産んでから仕事を辞めたので、「女優は結婚や出産してもずっと続けられる仕事だから」と賛成してくれたんです。 と言いつつ、いまの私は全然、結婚も子育てもほど遠い状態なんですけど(笑)。 15歳のとき、「青の炎」という映画ではじめて蜷川(幸雄)さんとご一緒しました。 そこから、コテンパンにされながらも舞台に立ち続ける日々がはじまった気がします。 真っ先にもらったダメ出しが、「小手先で芝居をするな」というものでした。 どう本質で勝負するか。 どう自分と対峙して、目をそらさずにやっていけるか。 蜷川さん自身がずっとそうやって作品を作ってこられたんだと感じます。 いま思い返すと、その背中で教えてくださってたんだなぁ、って。 でも当時は、とにかくセリフを覚える以外に、大してできることはなくて。 蜷川さんの中にあるイメージをキャッチして、具体化するには直感も必要で。 いちばん多感な時期に蜷川さんと出会って、舞台に立ちつづけてきたことは、大きく影響を受けていると思います。 蜷川さんが、たくさんの扉を開けてくれた。 世界には、多くの優れた戯曲があって、性別や年齢、国籍や時代も関係なく、いま演るべきものがいくらでもある。 本当に果てのない旅で、大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、死ぬまで続けるべきじゃないか、と思うんです。 30歳、諦めがついた。 「自分は自分でしかない」 何度舞台を重ねても面白いのは、演出家の方によって本当に世界観が違う、ということ。 プロセスも方法も、感性も感覚も何もかもが違う。 「もっと力入れて演れ!」と言われることもあれば、「そんなに力まなくていいから……」と言われることもある。 当たり前だけど、やっぱり近道はないんです。 少なからず蜷川さんの影響もあるのか、いつも全力で、ガーっといかないと演ったことにならない、って思い込んでいて、怖かったんです、そこから外れていくことが。 「それしか知らないし!」って突っ走っていた時期もあるけれど、いまは柔軟性というか、「手放す」ってこともとても大事だということに、やっと気が付きはじめました。 そう、30歳になって、吹っ切れたんです。 「自分は自分でしかないな」と諦めがついた、というか。 役と自分とが一心同体で、「役とともに心中する」みたいな距離感だったんです。 でも、30代になってもそれを続けていると、トゥーマッチになってくるというか……。 役者って、「伝え手」だと感じて。 客席と舞台上の橋渡しのために、私たちがいるんじゃないか、と考えるようになって。 だから、半分は当事者であり、もう半分は第三者となって、役との距離を保たないと伝えたいことが伝わらないんです。 主観と客観を行ったり来たりして、役を演じる。 それが、最近のスタンスなんです。 20代後半までは、自分の枠の外にも一生懸命手を伸ばして、背伸びして、その枠そのものも広げていかないと、と考えてました。 でも……いざ30歳になってみたら、「あーあ、もう無理だな!」って思ったんです(笑)。 がんばるのと無理をするのとは違う。 これからは自分の枠をいかに深めて、豊かにしていくかだ、って思えたんです。 絵を描きはじめて、肩の力がふと抜けた そう思えるようになったのは、29歳のときに絵を描きはじめたことが大きかったです。 2016年の元旦に、ほぼ日手帳を広げて、「1日1ページ、何を書こう?」って考えたとき、「絵なら続けられるかも」って。 毎年いろいろページの使い道を考えるんですけど、なかなかしっくり来なくて。 それで、2016年の目標は「1日1枚絵を描くこと」にしたんです。 ただただ、紙の余白を埋めることだけ考えて、目指すところも何もなくて……出来あがったものを見て、「なにこれ、ヘンテコだな」って、クスッと笑う。 ある種、写経みたいな感覚だったのかもしれない。 誰のためでもなく、自分のために描く。 そうしていると、だんだん「没頭」が絵と芝居とに分散されるようになったんです。 昔は、「芝居だけに没頭する」のが正しいと思ってたし、「これ失敗したら、後がない。 周りの人にも失望されて、仕事がなくなってしまう」とまで思ってた。 それが、絵を描きはじめてから、主観と客観のバランスがうまく取れるようになった。 それまで自分のすべてを芝居に注ぎこんでいたのを、その一部を絵に表現することで、ふっと肩の力が抜けたんです。 「なんとかなる。 なるようにしかならないから」って、ケ・セラ・セラ的な感覚を、芝居でも持てるようになりました。 「外に出すんだ」って意識しはじめたら、急に難しくなったこともありましたけど、「アーティストでもないのに、何いっちょまえにビビってるんだ?」と思って、今はなるべく描きたいように描くようにしています。 表現として、お芝居はまだ「自分が残ってる」んです。 自分の出演した映画なんて、10年くらい経たないと冷静に観られないんです。 いや、まだ冷静にはなれないかも。 観たら観たで、なんて言うか、「うちの鈴木がすみません……」って気持ちになる(笑)。 でも、絵は描き終わったそばから巣立っていくんです。 愛着はあるんだけど……産んだらすぐに20歳くらいになってる、みたいな(笑)。 私にとっては、描いている時間そのものが必要なんです。 女優・鈴木杏の新たな挑戦。
次の2020年7月にシアタートラムにおいて、 三好十郎の一人芝居『殺意(ストリップショウ)』の上演が決定した。 本作品は1950 年に発表された三好十郎による女優の一人芝居で、今回は 栗山民也が演出を手掛け、大役に 鈴木杏が挑む。 このたび栗山と鈴木からコメントが届いたので紹介しよう。 栗山民也 コメント 三好十郎の「声」 「三好十郎の仕事」(學藝書林刊)という四巻本を大学の通りの古本屋で見つけ何度も手に取るのですが、当時の学生の身では高額でとても届かず、だけどどうしても欲しいという気持ちでいっぱいになり、全てを削って買い求めたときのことが、今でも記憶の中に熱く残っています。 そしてこの四巻本の世界のなかを夢中でさまよい、人間の生命力、業、女性の確かさ、そして人間の無数の声、欲望、甘え、ずるさ、醜さ、美しさなど、とにかくありとあらゆる人間の感情の姿に、出会えた気がします。 時代の流れによって動かされた戦後思想の、その不条理なあり方に向き合った一人の女の全身をかけたドラマ「殺意」を、今どうしても人の心の壊れた時代に上演したいと思うのです。 モノ ローグという劇形式をとることによって、より心の奥底に澱んでいた隠された気持ちが、一つひとつ生命力としての「声」になって響いてくるのです。 その強い叫びのような三好さんの「声」を、今、聞きたいと願うのです。 「けだものだと思はうではないか、そしてもう一度、自分たちの姿を見直そうではないか。 」これは私の昔のノートに書き写された、三好さんの「貧乏の歌」という詩のなかの一説です。 鈴木杏コメント 信頼してやまない栗山民也さんが、とてつもないハードルを与えてくださいました。 やらせてください、としか言えませんでした。 あまりに大きな壁に今はただ震えるばかりですが、三好十郎さんの美しい台詞の海を泳げることは、役者としてこの上ない幸運なことだと思っています。 「殺意」という素晴らしい戯曲を演じるには頼りない器ではありますが、いままでの自分、いまの自分、これからの自分、全部を余すことなく使って、挑みたいです。 劇場で目撃していただけたら幸いです。 お待ちしています。
次の引用|スポーツ報知 41歳になり、結婚について考えることがあると明かした山里は自身の恋人観や結婚など恋愛観について率直に語った。 実は女性からモテるという山里。 プライベートで女性を紹介したこともあるという若林が「わざと彼女作らないの?」と聞くと、「自分が(芸人として)走っている燃料は怒り、つらみみたいなものだから、彼女ができたりするのは違うのではないかという気がしてしまう」と芸人ならではの悩みを告白した。 また若林が「酔っぱらった時に、ここまできたら女子アナか女優と結婚するしかないなって言っていたよね」と山里の過去の発言を暴露すると、「結局ゴールは女子アナかと思われる恥ずかしさよ…。 あの時はそう言ったけどさ…」と山里。 まさかの暴露話に大照れ。 「モテない男は女子アナみたいな綺麗な女性に弱いんですよ」と弁解。 最後には「40歳を越えてこの3人で恋バナするとは思わなかった」と、3人で盛り上がっていた。 【鈴木杏】蒼井優との関係 女優の鈴木杏さんは、2004年の岩井俊二監督の 「花とアリス」という映画で共演されています。 この共演をきっかけにお二人は親交を深め、今では 親友となっています。 この「花とアリス」の前日譚となる、アニメ映画「花とアリス殺人事件」の完成披露試写会に出席した際に、蒼井さんは 「今では杏のいない人生が考えられない」とも発言していました。 引用|ザ・テレビジョン さらに小野は、お嬢様タレントでも徹底的にいじり倒すが恋人募集中といわれたら即、手のひら返ししてみせるなど、山里ならではの面白さを熱弁。 つられて高橋ひとみが「山ちゃんってモテますよね? 鈴木杏ちゃんが『蒼井優ちゃんと結婚してほしい』って言ってましたよ。 『それぐらいカッコイイ』って」と暴露。 すると、山里も相方の山崎静代と蒼井の3人で食事に行ったことを明かし「でもちょっと今は恋愛とかしてる場合じゃないかなって思ってます、僕は」とすまして答えて笑いを誘った。 このように、鈴木杏さんが結婚の後押しをされていました。
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