沖縄 科学 技術 大学院 大学 学園。 学校法人 沖縄科学技術大学院大学学園の求人概要

ランキング東大超え。世界から一流研究者が殺到する沖縄科学技術大学院大学が急成長を遂げた秘密

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OISTは2011年の設立。 初代の機構長は、2002年にノーベル生理学・医学賞を受賞したシドニー・ブレナー博士が務めた。 提供:OIST 10月8日、一つの大学院大学の発表が注目を集めた。 沖縄県恩納村にある沖縄科学技術大学院大学、通称OISTがバクテリアを利用した低コストの排水処理装置の製造を目的とした大学発スタートアップ企業、BioAlchemyの設立を発表した。 OISTの設立は8年前。 今、急成長を遂げており、アカデミアの世界では脚光を浴びている私立大学だ。 2019年6月にはイギリスのシュプリンガー・ネイチャー社が発表した 質の高い論文の割合が高い研究機関ランキングで東京大学の40位を上回る日本トップの9位にも選出された。 同大学院広報は「こういったランキングが出たことで、対外的にOISTの成功をアピールする指標が得られたと思っています」と話す。 2019年6月に発表された質の高い論文の割合が高い研究機関ランキング。 発表当初、OISTの順位は10位だったが、8月に修正されて9位となった。 OISTが設立からたった8年でここまでの成功を納めた理由は、なんといってもその豊富な資金力にある。 予算の大部分は、 沖縄科学技術大学院大学学園法によって定められた補助金によるものだ。 この潤沢な資金を武器に、OISTは創設時から世界トップレベルの研究機関を目指してきた。 在籍する研究者は74人。 うち、外国人は44名。 出身国は15カ国以上にのぼる。 また、理事には、素粒子の一つである「クォーク」に関する研究で1990年にノーベル物理学賞を受賞したジェローム・フリードマン博士や、細胞の表面についた「イオンチャネル」と呼ばれるタンパク質の機能に関する研究で1991年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエルヴィン・ネーアー博士などが名を連ねている。 OISTではこうした世界的に著名な研究者や最先端分野の研究者の招聘(しょうへい)、大学への設備投資を進めてきた。 この補助金は研究費としても利用されている。 2018年度は、大学の運営費や研究費など含めた約200億円が補助金で賄われた。 2019年9月の段階で、OISTには博士課程の学生が205名在籍している。 そのうち、日本人の割合はわずか15%。 世界各地、48カ国から学生が集まっている。 科研費は、いわば「研究プロジェクト」に対してつく予算だ。 そのため、申請時に具体的な実験方法や必要な実験装置、細かい実験プランなどを説明する書類をつくらなければならない。 こういった 研究以外の作業量の多さは、多くの研究者たちの悩みの種となっている。 仮に科研費を獲得できても用途が限られる場合も多い。 さらに、毎年研究の進捗状況を報告する必要があるため、どうしても短期的に結果が出やすい研究が多くなってしまう。 その結果、目的がわかりやすい応用的な研究は発展しやすい一方で、芽が出るまでに時間のかかる基礎研究や、研究者の想像力を活かした挑戦的な研究に取り組みにくい環境が醸成されてしまった。 OISTの研究費は、研究プロジェクトではなく 研究者につく予算だといえる。 国立大学からOISTに来たA教授は、次のように話す。 「一番驚いたのは、最初に『 自分の力を一番発揮するには、いくら必要ですか?』と聞かれたことです。 結果的に私の研究室の研究費総額は、以前よりやや多くなった程度でしたが、大型の基礎研究をやりやすくなりました。 すべてを科研費でまかなおうとすると、2〜3年で成果を出さなければ次の申請が通りにくくなるなど、長期的な研究の展望を描きにくかった点が大きなストレスでした。 OISTでももちろん成果を出さなければなりませんが、5〜6年単位で研究費が保証されているので、思い切って研究することができます。 安心感がまったくちがいます」 実際、OISTに着任後、A教授の研究内容は基礎的な内容が多くなった。 当然、無制限に研究資金を得られるわけではない。 採用時だけでなく、定期的に研究業績が国際的な視点(海外の有力大学の研究者)で評価される。 OISTはこうした厳しい評価にも耐える人材に対して、十分な研究費や時間を提供することで、世界的にインパクトを与える研究成果を連発しているわけだ。 例えばここ数年の成果では、低コストで安定した新しい太陽電池パネル用の材料の発見や、エボラウイルスの核構造の解明などがある。 異分野を超えて研究者の想像力を育む環境 一般的な大学では、同じ分野の研究室がまとめられている。 一方、OISTでは、生物の研究室の隣に数学の研究室があるなど、異分野を跨いだ情報交換が起きやすい環境を整備している。 まず教員と学生の半分以上が外国人で、学内の公用語は英語だ。 「学部」という概念も存在せず、違う分野の研究室が同じフロアにある。 分野を跨いだ研究を促す仕組みだ。 さらに、 研究支援ディビジョンと呼ばれる研究をサポートする組織の存在も特徴的だ。 研究者の事務作業をサポートする職員だけでなく、 次世代シーケンサーや クライオ電子顕微鏡、 スーパーコンピューターなど、高額な最先端の実験装置の取り扱いに特化した専門の技術員を雇用している。 測定してほしい実験材料を技術員に渡せば、技術員が最適な実験を行い、最先端の装置を使った高精度のデータを得ることができる。 もちろん研究者自身も実験できるように、装置の使用方法のサポートなども手厚い。 こうした最先端の装置は国内の他の大きな大学にも導入されている。 しかし通常は、異分野の研究者が同じ装置を使うのはそう簡単ではない。 OISTでは、研究支援ディビジョンの存在によって、最先端の装置を分野をまたいだ大学全体で有効活用できているのだ。 研究者の層の薄さが課題 OISTでは、最先端の装置の取り扱いに長けた技術員を育成して、研究のサポートを行なっている。 提供:OIST 順調に成果を出し続けているOISTだが、もちろん課題もある。 A教授はOISTの課題を 「層の薄さ」だと指摘する。 OISTの研究者数(教授、准教授だけをカウント)は、2019年9月段階で74人。 一方で、東京大学の教授と准教授は2018年5月段階で2000人を超える。 OISTでは同じ分野の研究者が少ないため、同分野の研究者同士で進める巨大なプロジェクトが実現しにくい。 今後、より大きな成果を出すためには、OIST自体の拡大に限らず、他大学や研究機関との共同研究も重要となってくるだろう。 2021年に迫る法案の見直し 2019年6月末、OISTは財務省から外部資金の少なさや、教員1人あたりのコストが高いことを指摘された。 財務省の調査によると、OISTの教員1人あたりにかかる国の運営補助金は約2億7000万円。 例えば東京工業大学の教員1人あたりにかかる運営補助金が約2200万円であることを考えると確かに高額だ。 この指摘に対して、OISTは次のように返答している。 教員を募集すれば、世界各国から第一線で活躍している研究者たちが殺到するように、研究者の間での評価も高い。 今後、研究者の数が順調に増えていけば、最先端の実験装置を使った世界のトップを狙える研究成果がますます増えるだろう。 継続的な投資によって、将来的な費用対効果の改善も想定される。 若い大学でありながらスタートアップ企業の立ち上げに積極的な姿勢も、研究者の雇用や、将来的に共同研究で外部資金を調達することを見越したものだ。 OISTの潤沢な資金を支える沖縄科学技術大学院大学学園法は、施行から10年にあたる2021年に一度見直される。 低迷を指摘されることの多い日本の研究現場で急成長を続けてきたOIST。 世界トップレベルの研究機関として、この先も成長を続けることができるのか。 今まさに、大きな岐路に立っている。

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全5980文字 前代未聞の構想 有馬氏が振り返る。 「教員の半分は外国人で、英語を公用語にした新しい大学を作りましょうと尾身さんに話したら、驚いていましたね」。 無理もない。 当時の日本では英語を公用語にする大学の創設は前代未聞。 当初は国立大学の琉球大学を手直しする案もあったが、東大総長時代に既得権益層が分厚い国立大学で改革する難しさを知る有馬氏が「どれだけ事情に詳しい人がやっても、国立大学を変えるには10年はかかる」と主張したこともあって、大学を一から作る方向性が固まった。 尾身氏は新設大学のコンセプトを決めるため、ノーベル賞受賞者を中心とする世界の著名科学者を訪ね歩いたという。 「あなたが今、大学を作るとしたら、どんな大学ですか」「あなたの研究生活を振り返って、良かった点、変えてほしかった点を教えてください」。 そうやって聞き取った結果、理想の大学の条件が見えてきた。 「国際性」や、異なる分野の研究を組み合わせる「学際性」を持ち、長期視点に立って研究費を使える「自由度」が高いことだ。 大学を率いる人材にはこだわった。 企業でいえば、取締役会に相当する理事会を構成する19人のメンバーは世界トップクラスの研究者が名を連ねる。 大学創設にかかわったノーベル医学・生理学賞受賞者である利根川進・米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授ら国内外の著名研究者の力を借りながら招いた準備機構トップはノーベル医学・生理学賞受賞者の英国人、シドニー・ブレナー氏。 17年に就任した2代目学長のピーター・グルース氏も、これまで30人以上のノーベル賞受賞者を輩出してきた世界有数の研究機関、独マックス・プランク学術振興協会の会長を10年以上務めた人物だ。 世界的に名高い研究者に引き寄せられるように、OISTには優秀な教員や学生が集まる好循環が生まれている。 19年には「グルース学長がいる研究機関に行きたい」とマックス・プランクから4人の学生が入学。 量子システムを専門にするデニス・コンスタンチノフ准教授も「世界的に優れた成果を挙げた研究者がたくさんいることに魅力を感じた」と話す。

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ランキング東大超え。世界から一流研究者が殺到する沖縄科学技術大学院大学が急成長を遂げた秘密

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恩納村の高台に建つは、2011年11月に設立し、2012年9月に開学した。 通称「OIST(オイスト)」と呼ばれ、カフェを含む一部の施設は、一般にも解放されていてる。 「沖縄科学技術大学院大学」は、略してOIST(オイスト)と呼ばれ、5年一貫制の博士課程を置く大学院大学。 2011年11月、世界で活躍できる科学者を育成する機関としてここ恩納村に設立され、2012年9月から開学した。 約40カ国の教職員や生徒が在籍し、1年で約20名入学できる。 世界最高水準のプロフェッショナルな科学技術研究と教育を行い、授業や研修は全て英語で行われている。 以前、私が執筆した記事から引用。 沖縄科学技術大学院大学(OIST)については、詳細が複雑なので下記ページを参照。 敷地の入口を車で通過すると、そびえ立つ壁と「OIST」の大きな文字に圧倒される。 敷地内へは自由に車で出入りでき、関係者以外立ち入り禁止区域でなければ、ぐるりと周遊することができる。 坂道を車で上がっていくと、さっそく分岐点。 この看板を真っすぐ進めば、来場者駐車場にたどり着く。 世界各国から教員や生徒が集まっているだけあり、看板や標識は日本語と英語の2ヶ国語表記。 敷地内の各分岐点に看板があるのでスムーズに誘導してくれる。 まずは 「来訪者駐車場」に車を停めて、目指すは 「センター棟の正面玄関入口」へ。 来場者駐車場が混雑してる場合は、この看板の右側に建つ立体駐車場を利用しよう。 この長い通路を進むと「センター棟の正面玄関」に通じている。 通路の途中、左側を見ると広々とした別荘地のような自然溢れる爽快な景色があった。 正面玄関を入ったら、受付で「氏名・人数・TEL」を記入して人数分の入館証(Visitor pass)を受け取る。 ここから、自由見学がスタートする。 受付を通過してその先へ進むと、さっそく湾曲を描いた長廊下が出現する。 芸術的な建築を施したこの廊下だけでも十分にデザイン空間を感じることができるだろう。 サイエンスとアートを融合したポスターの展示。 壁に組み込まれたデジタルサイネージでは、学内の研究内容や大学を紹介する映像を流している。 この日は、廊下全体を展示会場にして沖縄の伝統的な織物「芭蕉布」を紹介していた。 ここOIST(オイスト)は、建築デザインやレイアウトが芸樹的な設計で施され、普通に歩いていても感嘆の言葉しか出てこない。 渡り廊下の先には、骨組みだけの無機質なエレベーターが出現し、エレベータホール全体が吹き抜けになった「あっ!」と驚くような設計だ。 無駄を削ぎ落としたような機械的なエレベーターを見上げると、天窓から柔らかい光が差し込んでいた。 OISTの建物は、1階、2階……の表示ではなく、1階がGround floorの 「G階(LEVEL G)」と表記されている。 2階が 「A階(LEVEL A)」、3階が 「B階(LEVEL B)」、そして4階が「C階(LEVEL C)」となり、一般解放されているのは、 B階(LEVEL B)のレストラン、 C階(LEVEL C)の一部分である。 朝9:00〜17:00の間、関係者以外立ち入り禁止の区域以外は、自由に学内を見学できる。 を事前予約すれば、説明付きでの見学も可能だ。 (所要:約1時間) 爽快な東シナ海の眺め!B階レストランでランチ OISTカフェ「Grano OIST」は、 B階の「レストラン」と C階の「カフェ」に分かれ、カフェ内の階段で通じている。 ここは海を眺める展望が素晴らしくランチもできるカフェ&レストランだ。 B階で降りると、の レストランがあり、営業時間は 平日11:30〜15:00、週末10:30〜14:30、祝日10:30〜15:00。 平日はビュッフェランチも利用できるらしい。 学食とは思えないほど、高台から望む海の景色が爽快すぎる。 B階の「レストラン」、C階の「カフェ」ともに大きな窓ガラス越しに東シナ海を望む。 レストランの入口付近と奥に、リラックスして寛げるソファー席が用意されていた。 いつだったかカフェの運営者が変わり、 店舗名とともにメニューやスタイルが大幅にリニューアルされていた。 以前は、パンやサンドイッチをベースにしたランチもあったが、大幅にメニューがリニューアルされていたのだ。 現在は、日替りランチ、日替りパスタ、ヴィーガンカレー、ヴィーガンヌードルなど、野菜とベジタリアンフードをベースにしたヘルシーな食事が多い。 「Order Here」の看板の先に、券売機を発見した。 B階のレストランを利用する際は、券売機で食券を購入して「注文口」で係員にチケットを渡す。 デジタルの券売機なので、若干戸惑うかもしれないが、 「一般」から入っていくと購入できる。 料理が出来上がると、注文時に渡された呼び出しカードの音が鳴って知らせてくれる。 この日、日替りランチは「トマト風味のハンバーグランチ」だった。 レストランの席数は多く、フロアーの奥までびっしりと席が用意されている。 食後の食器類は、各自で返却口へと戻しておこう。 レストラン内から通じる階段で C階へ上がると、スイーツとドリンクを提供する 「カフェ」もあり、営業時間は 平日8:00〜18:30、週末・祝日は10:00〜15:00。 (ご注意:一般開放は、 朝 9:00~17:00の自由見学の時間帯のみ) C階のカフェを利用する際は、最初にレジで注文と支払いを済ませるファストフード形式だ。 レストランからもカフェからも、窓越しに眺める東シナ海の眺めが最高だ。 食事なら B階のレストランを、スイーツやドリンクなどのカフェタイムなら C階のカフェを利用してみよう。 C階のセンターコート(テラス席と中庭)とスカイウォーク(空中渡り廊下)も自由見学できるので、ぜひ足を運んでほしい。 カフェと同じ階に スカイウォーク(空中渡り廊下)がある。 センター棟とLab2を連絡する天空の通路のようなスカイウォークを歩きながら左右の景色を見渡すと、何だか爽快な気分になってくる。 敷地の裏側から撮影したスカイウォークだ。 Lab2(研究棟)へと続くスカイウォークは展望も然ることながら芸術作品の一つ。 として記事で紹介されている。 セミナー室前にポスターが展示された光景。 緑の芝生を敷き詰めた、開放的なオアシスの センターコートも散策してみよう。 曲線美が作り出す計算された建築デザインは、どれを取っても洗練された美しさがあり、見るものを圧倒させる芸術そのもの。 素晴らしいとしか言いようがない。 屋根を支える柱や排水口の隠し方など、よく観察しながら歩いてみると一つ一つに新しい発見と面白さを感じる。 黄色い壁のオシャレな学生寮の1階には、沖縄のお菓子屋 「Jimmy」の売店が入り、珍しい輸入菓子やドリンクが揃う。 サイエンステクノロジーとアートとデザインが融合した沖縄科学技術大学院大学(OIST)。 この空間に入り込むと、開放感に満たされて、すこぶる爽快で居心地のいい場所のひとつなのだ。 また、ここのオープンキャンパスは只者ではない。 一般人が普段入れないLAB(研究棟)が解放され、最先端のIT技術の講義が聞けたり、ロボット体験や過去に巨大シャボン玉も出現した。 子供向けの科学体験、デモンストレーション、ワークショップも行われ、小さな子供連れでも楽しめるオープンキャンパス。 機会があったら、ぜひ行ってみてほしい。 一般人でも利用できる海カフェの学食で、英語交じりのトークを聞きながら世界中から集まる学生たちに囲まれていると、ここが日本だという感覚を忘れそうになる。 人を惹きつける魅力的な技術とデザインがあちこちに施された恩納村の高台に立つ沖縄科学技術大学院大学で、また違った沖縄の島時間を感じてほしい。 沖縄を拠点に活動するフリーライター・みやねえ()でした。 それでは、また!!.

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