朝 季語。 夏の朝 の俳句 : 575筆まか勢

アートボックス 夏の俳句季語(時候・天文・地理)

朝 季語

木枯(こがらし)• 凩の果はありけり海の音 言水• 木枯や竹にかくれてしづまりぬ 芭蕉• 木がらしの吹き行くうしろ姿かな 嵐雪• 凩に二日の月のふきちるか 荷兮• 木枯や鐘に小石を吹きあてる 蕪村• 木がらしやこんにやく桶の星月夜 一茶• 木がらしや目刺にのこる海の色 芥川龍之介• 海に出て木枯帰るところなし 山口誓子 北風(きた) 三冬 北から吹く冷たい風。 冬は西高東低の気圧配置となり、北や北西からの風が多く吹く。 冬の季節風で、暴風となることも多い。 大陸からの冷たい空気は日本海上で湿気を含み、本州の中央山脈に当たり、日本海側に豪雪をもたらす。 山脈を越えて東に抜ける風は乾燥し、太平洋側に乾燥した風を吹かせる。 北下し(きたおろし)• 寝られずやかたへ冷えゆく北下し 去来 北しぶき 三冬 冬に北から吹きつける風雨のこと。 ならい 三冬 冬、主に関東地方や東日本の太平洋沿岸地域に吹く北寄りの風。 山並みと並行して同じ方向に吹いてくる風という意味で「並ぶ」からきている。 地形により風の向きが異なり、東北では西寄りの風、東京では北西の風となる。 茨城県では北東風を「筑波ならい」、北風を「北ならい」といい、伊豆七島では北東風を「下総ならい」、北風を「本ならい」と呼んでいる。 水仙に波の秀(ほ)とどく東北風かな 大脇千代子 乾風(あなじ) 三冬 冬、西日本の地域に吹く北西からの強い風。 海は荒れ、遭難することもあったので漁をする船人たちに恐れられた。 この強い季節風は長く続くこともあり、瀬戸内海では「あなじの八日吹き」といった。 たば風 べっとう 三冬 冬、東京湾から東海道にかけて、漁村で用いられた風の名前。 前線の通過にともない、北寄りの突風が吹く。 風向は地域によって異なり、関東地方では北西、東海地方では北東よりとなる。 星の入東風(ほしのいりごち) 初冬 畿内および中国地方の船人の言葉で、陰暦十月中旬ころ(11月下旬〜12月上旬ころ)に吹く北東の風。 夜明けに昴が西に沈む頃に吹くといわれる。 このころは、昴星の出入に天候変り易く、夜明に、この星、西に入る時この風吹く 「物類称呼(ぶつるいしょうこ)」(江戸中期の方言を集めた辞書・越谷五山編) 神渡し(かみわたし) 初冬 神無月に吹く西風のことをいう。 神無月(陰暦十月)には、諸国の神々が出雲に集まるので、その神々を送る風といわれる。 神々が出雲へ旅立つ際に乗っていく風である。 「物類称呼」によれば、伊豆、鳥羽地方の船人の言葉との記載がある。 師走八日吹き(しわすようかぶき) 虎落笛(もがりぶえ) 三冬 寒風が柵や竹垣に当たって鳴る笛のような音。 (画像は普通の竹垣です) もがり(虎落、茂加離、模雁)とは、昔、戦の時に敵の侵入を防ぐために作られた、竹を筋交いに組み合わせて縄で縛った柵や垣根のこと。 (または紺屋(こうや、こんや…染物屋)が枝のついた竹を立て並べ、物をかけて干すのに使う「もがり竿」の意味もある。 虎落笛子供遊べる声消えて 高浜虚子• 炉の端に月のさしけり虎落笛 吉田冬葉• 葛城の八十(やそ)谷わたる虎落笛 西盛古草 鎌鼬(かまいたち) 三冬 極寒の雪国で突風が吹いた時に、突然頰や足の皮膚に鎌で切ったような鋭利な傷ができること。 信越、東北地方などの北国に多い。 旋風がおこった時、空気中に真空の部分ができたところに皮膚が触れると裂けるという説もあったが、はっきりとした原因は分かっていない。

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日本人は「梅雨(つゆ)」が好き? こんなにたくさんある!「梅雨」がつく季語(www.one-time-offer.comサプリ 2015年06月23日)

朝 季語

変り鶯(かわりうぐいす)、しおさざい• やぶさめや山路なほ咲くすひかづら 水原秋櫻子• やぶさめや漸くにして里曲(さとわ)の灯 木津柳芽• やぶさめや草のにほひの霧吹きて 田中敦子 日雀(ひがら) 三夏 四十雀よりも小さく、11cmほどの鳥。 頰は白く喉元は黒いが、四十雀のようにネクタイの模様はない。 頭に短い冠羽があり、少し逆立って見える。 亜高山帯の森林に住み、繁殖期には繰り返し鳴き続ける。 樹上性で二足飛びで枝移りし、細い枝にさかさにとまったりする。 日雀来てをり朝の日が森に 柴田白葉女 眼白(めじろ) 三夏 スズメより小さく11. 5cmほどの鳥。 羽は鮮やかな黄緑色で、目の周りの白が目立つ。 花の蜜が好きで、公園や庭でも見かけることができる。 春には桜や梅の花によく来ている。 樹林帯に住むが、低山帯の椿の多い林にたくさんいる。 夏に繁殖期を迎えることから、夏の鳥とされている。 こがらめ• 朝夕や峯の小雀の門馴るゝ 一茶 雪加(せっか) 三夏 スズメより小さく、淡い黄褐色の鳥で、全長12. 5cmほど。 黒い縦斑があり、眉紋が白い。 ヒッヒッと鳴きながら飛び、チャッチャッと鳴きながら降りてくる習性がある。 草原に生息し、チガヤの多い草原を好む。 草むらの中を、尾羽を上下させながら小刻みに動き回る。 雪加鳴き端居にとほき波きこゆ 水原秋櫻子• 聞くならば青田の雪加夙く来ませ 川島彷徨子• 雪加鳴き残り時間の飛びゆくも 大島民郎• うつむきて聴くに雪加は母の声 福永耕二 仙台虫喰(せんだいむしくい) 三夏 ムシクイ科の鳥で、黄色がかったオリーブ色、目の上に白い眉紋がある。 目細虫喰に似ているが、頭上中央に細長い灰緑色の線がある。 全長12. 5cmほどで、スズメより少し小さい。 低山帯の落葉広葉樹林の、低木や藪の多い場所で繁殖し、チョチョビィーという鳴き声でさえずる。 筒鳥はこの鳥の巣に托卵する。 4月中旬に飛来し、9月下旬から10月上旬にかけて南方へ渡ってゆく。 朝餉の座仙台虫喰をきくは誰 水原秋櫻子• 仙台虫喰よべの酔まだ残りをり 大澤ひろし 眼細(めぼそ) 三夏 ムシクイ科のメボソムシクイで、鶯に似た全長13cmほどの鳥。 背面は灰黄緑色で、眉に黄色味を帯びた白っぽい細い斑がある。 夏に高山帯の林、苔や藪の多い所で繁殖し、10月頃には暖地に移動する。 5月から8月頃には樹上でチリチブチリチブなどとさえずる。 眼細虫喰(めぼそむしくい)• 目細鳴き大富士に向く火山灰(らば)の道 杉山岳陽• 目細鳴き雲間かがやく間の岳 中村信一• 眼細鳴き岳は眼深に雲の笠 大島民郎 野鶲(のびたき) 三夏 全長13cmほどの鳥で、日本に夏鳥として飛来し、冬は本州南部か南方へ帰ってゆく。 頭と背面は黒、腹部が白の鳥で、胸は淡いオレンジ色、翼と尾の付け根に白い紋がある。 草原に住み、4~10月まで草茎の上にとまって地鳴きやさえずりをする姿がみられる。 さえずりはピリピョー、ピーチョイチョイなど。 空中へ飛び出して波状に飛んでは、昆虫を捕食する。 草の根本に枯れ草で巣を作る。 野鶲のすこし仰向く風情かな 飯田蛇笏• 茨の芽野鶲きたりかくれける 水原秋櫻子• 野鶲の水湧くごとく囀れり 山田みづえ 柄長(えなが) 三夏 四十雀の仲間で、丸っこい体に長い尾羽があるところからその名がついた。 白と黒の羽で、北海道のシマエナガには目の上に黒い部分はなく、頭部は白い。 全長は13. 5cmほどだが、尾が長いため体は小さく、キクイタダキやミソサザイとともに日本で最も小さい鳥の一つといわれる。 低地や山地の落葉広葉樹林に住み、群れで行動する。 枝から枝へ目まぐるしく動き回る。 繁殖期には苔を集めて木の枝に巣を作り、外側には蜘蛛の糸でウメノキゴケを貼り付ける。 内部には鳥の羽毛やウサギの毛などを敷く。 枯蔓に縋り夕日の柄長啼き 小林黒石礁 五十雀(ごじゅうから) 三夏 青みがかった灰色の羽、目のところに横に黒い筋が入る。 全長13. 5cm。 落葉広葉樹林に生息し、木の幹に頭を下にして回りながら降り、虫をついばむ。 フィーフィーフィーとさえずる。 かやくき• かやくぐり聴き天近き尾根わたる 福田蓼汀• 茅潜森に咲く花みな白し 渡辺夏舟 小瑠璃(こるり) 三夏 全長14cmほどのスズメ大の鳥で、頭から背が暗青色、腹が白い。 雌は褐色で腹は白い。 ルリビタキに似ているが、脇にオレンジ色がない。 5月頃に渡来し、繁殖をする夏鳥。 山地の広葉樹林の、低木や藪の多い所に生息し、昆虫などを採食する。 さえずりはチッチッチッ、チュルチイ、チリーチピなど。 9月頃には南方へ渡ってゆく。 小瑠璃鳴き朝は雫す森の径 原柯城• 小瑠璃鳴くや岨(そば)の垂水に濡るるみち 木津柳芽• 小瑠璃鳴き風吹きはらふ山毛欅(ぶな)の雨 中村信一 黄鶲(きびたき) 三夏 ヒタキ科の夏鳥で、日本に4月ごろ渡来し、秋に南方へ帰ってゆく。 全長14cm。 背中が黒く、眉と喉から胸と腰が鮮やかな黄色をしている。 落葉広葉樹林に棲み、5、6月の繁殖期には美しいさえずりが聞かれる。 黄鶲や沢辺に多き薊の座 水原秋櫻子• 黄鶲に焦土のごとく富士くだる 角川源義• 黄鶲やあはれ継橋はなやかに 渡辺夏舟 鮫鶲(さめびたき) 三夏 やまがらめ• 山雀の高音に成るも別れかな 去来• 山雀の群れ鳴くに遇ふ翠微かな 高鳥三津子 四十雀(しじゅうから) 三夏 全長14. 5cmほどの鳥で、頬が白く、胸に縦に黒いネクタイのような模様がある。 日本全国の平地から山林に分布し、2月頃から6月頃まで、ツツピー、ツツピーと元気にさえずる声が聞かれる。 公園や庭の木などにもやってくる。 四十雀のつれ渡りつゝ鳴きにけり 原石鼎• 四十雀松はすがしき芽をのぶる 篠田悌二郎 瑠璃鶲(るりびたき) 三夏 ヒタキ科の14. 5cmほどの鳥で、初夏には高地に繁殖し、冬には平地へ下りてくる。 頭から背面、尾にかけて青色、脇に黄色、眉に白い斑が入る。 雌は褐色をしている。 樹上では尾羽をピクリと下げては揺さぶり、きびきびと動く。 亜高山帯の針葉樹林に住み、5~8月頃に繁殖する。 さえずりはピョロリヒョロリと聞こえる。 沢を吹く歯朶の嵐に瑠璃鶲 山谷春潮• 松風の声となりゆく瑠璃鶲 渡辺夏舟.

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朝顔 (秋の季語:植物): 季語めぐり 〜俳句歳時記〜

朝 季語

「銀行員たちが朝より蛍光している。 まるでイカのようだ。 」 となります。 この作品が詠まれる前日に作者は家族と足を運んだ尾道の水族館にて、 蛍イカを見学しています。 翌朝職場である水族館に足を運ぶと、昨日水族館で見た蛍イカが発光する様子と、同僚達の姿が重なって見えたことから詠まれた作品です。 解釈 作者は、かつて日本銀行に勤めていた銀行員であり、 朝職場に出勤した時の様子を詠んだ作品です。 「蛍光灯の光が働いている職員に反射し、その姿はまるで蛍イカのようである」と作品を通じて伝えています。 さらに深く解釈すると、「朝出勤してみると暗い室内の中で銀行員達が、今日も頑張るぞと仕事に燃えている。 その後ろ姿には蛍光灯の灯りが反射し、その様子は自ら光を発光する蛍イカのようである。 」とも読み取れます。 「銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく」の表現技法 (身投げしたホタルイカ 出典:) 比喩(直喩法)「烏賊のごとく」 こちらの作品では、直喩法と呼ばれる比喩技法が使われています。 直喩法を使用することによってイメージしやすくなり、作者が意図することが伝わりやすくなります。 こちらの作品では、蛍光灯の灯りの中で仕事をしている銀行員の姿が、まるで蛍イカのようだと例えており、 その場の情景が読み手に伝えわりやすいようになっています。 自由律俳句 こちらの作品は、自由律俳句です。 自由律俳句とは、俳句の定型「5・7・5」の形に捉われずに、 自由なスタイルで自分の心情をストレートに読む技法です。 また、自由律俳句は季語を入れる必要がないという点もポイントです。 この句は五・七・五の音律から外れており、季語も含まれていません。 作者が見たままの情景をストレートに詠んでおり、 どのような職場の風景であるかがダイレクトに伝わってきます。 「銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく」の鑑賞 家族で休日を水族館で過ごした日の翌日出勤すると、いつもとは違う光景が広がっています。 デスクに向かい、一生懸命仕事をする銀行員の背中には蛍光灯の光が反射し、まるで昨日見た蛍イカが光を放っています。 そんな異様な雰囲気を作者は感じ取り、私たち読み手にわかりやすく伝えています。 一見すると読み手側は「不気味な風景」と感じますが、 同僚達を蛍いかに例える趣向にはユーモアが感じられます。 また、小さな体で力強く光を発効する蛍イカは、エネルギッシュで力強い生き物です。 朝からバタバタと忙しく勢力的に働く銀行員の姿は、 活気に満ち溢れているとも読み取れます。 作者「金子兜太」の生涯を簡単にご紹介! (金子兜太 出典:) 金子兜太は、1919年9月23日に埼玉県比企郡小川町の母の実家にて生まれました。 父は開業医かつ俳人であり、水原秋桜子が主宰の「馬酔木」に所属。 また秩父音頭の復興者です。 兜太は、高校時代に俳句に目覚め、勢力的に句作に励みました。 1941年に東京帝国大学に進学し、加藤楸邨主宰の指導を受けます。 卒業後は日本銀行へ入行し、戦後の1947年に塩谷皆子と結婚。 沢木欣一主宰の「風」に参加し、社会性俳句運動に共鳴して活動します。 『俳句誌』にて自らの持論『俳句造型論』を展開。 1958年には新俳句人連盟の中央委員長に就任し、1960年からは前衛俳句の普及に貢献。 その後は上武大学教授、現代俳句協会名誉会長、日本芸術院会員を務めます。 2018年2月6日に享年100歳にて逝去します。 銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく 即物性とリリシズムが同居したような句風が好きでした。 天寿を全うされました。 ご冥福をお祈り申し上げます … 訃報:金子兜太さん98歳=俳人 前衛俳句、戦後をリード - 毎日新聞 — ゼロワン seasidebound01 金子兜太のそのほかの俳句.

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