カメラワーク すごい 映画。 『パラサイト 半地下の家族』3つのポイントを意識すると3倍おもしろくなるネタバレ感想

映画『gifted/ギフテッド』のすごさを3つの視点から紹介するネタバレ感想

カメラワーク すごい 映画

カメラワークの基本はただ一つ! 「カメラを動かさない」 コレだけです。 ふふふ。 カメラを三脚などでしっかり固定して、バシッ!と撮る。 動くのは、映画の中!俳優さんとか、車とか、葉っぱとかの仕事です。 構図を決めて、照明を決めて、役者さんの動きを決めて、 「よーい、アクション!」 「カーーーット!」 ここまでを、ワンショット(ひと続きの映像)と呼ぶみたいですね。 あとはその繰り返し。 ずっと同じ構図じゃつまらないので、役者さんの動きや場面に合わせて、カメラの「向き」や「位置」を変えて、見上げるように撮ったり、反対側から撮ったり、遠くから撮ったと思ったら、近づいてみたり。 ほとんどの場面が、この「固定のワンショット」の積み重ねでも、 ため息が出るほどの「めっちゃいい映画」は撮れちゃうんです! ワンショットと、カット割り 必要があれば(本当に必要があればですよ!?)私たちが首を動かすみたいに、撮りながらカメラを動かすこともできます! 画面に収まりきらないものを、カメラを動かしながら撮影したり、動いているものを、カメラで追いかけながら撮影したり。 笑 それだけ「固定のショット」は大変なんですね。 自分で何気なく撮った動画なんて、背景は斜めだし、人物を追っかけるのに精いっぱいで、 構図も何もあったもんじゃありません。 映画の大画面にはとても堪えられない。 撮影をスタートして、ストップがかかるまでが「ワンショット」 画面が切り替わるのが「カット割り」 「カット」というのは、編集で使う言葉で、そのまま「切る」ことです。 カットしようと思えば、ワンショットをあとからいくらでもカットできちゃいます。 すごいですよね!そのカットしたものをくっつけると、一つの場面になるんですよ! どうして、カットがかかると思いますか? それは、一本のフィルムが、10分程度しか撮れないからです。 笑 今は、デジタルやなんやありますが、もともとは長い映像を撮ることは、とても大変だったみたいですね。 (そのお陰で、いろんな手法が生まれたんですが!) 場面の見え方は? カメラワークは他にもいっぱいあるのですが、基本は「固定」で撮って、 その「ショット」を編集でつないだものが映画です。 「家々が並ぶ、薄暗い小さな路地が、画面の奥に向かって伸びている」 これだけで、なんだかドキドキしてきませんか? 「画面手前の右側、引き戸かなにか、突然、ガラガラっと開いて、女性が飛び出してくる」 映画では、画面の外側、見えない所から色んなものがやってきます! 「画面の中央辺りで立ち止まり、戸の方をチラっとうかがいつつ、その場にへたり込む」 この時、カメラには斜めに背を向けていて、顔は少し見える程度。 何が起こったのか?顔を追いかけるのは、ニュース映像です。 映画は違います! 確かな位置から、確かなサイズ、確かな長さで。 映画と、日常 映画を見たあとだったでしょうか。 駅の方に向かって道坂を上っている時、視線の先を自転車がスッと横切りました。 学校へ急ぐ子供が、自分を追い抜いていきます。 その向こうのベランダには、まっ白い洗濯物が揺れていて、角をふっと曲がると、そこにも道が続いている。 そんなことが、突然、途方もないことに感じられたんです! (いつもじゃないですよ!?) 映画のように見えたってわけじゃなくて、なんて言うか、 目の前で起きていることに、驚いてしまったんだと思います。 Third picture By Forsaken Fotos Own work [],.

次の

格闘シーンがすごいアクション映画16選

カメラワーク すごい 映画

格闘系のアクションで有名なジェット・リー主演ということで、 キレのあるバリバリの格闘シーンを見せてくれます。 元が犯罪組織に所属ということもあり、格闘シーンは生々しいものが多いです。 スマートなカンフーアクションではなく、珍しく荒っぽいアクションが観れる作品となっています。 ザ・レイド 出典:ヤフー映画「ザ・レイド」 年代 ジャンル 上映時間 2011年 アクション 101分 制作国 監督 脚本 インドネシア ギャレス・エヴァンス ギャレス・エヴァンス キャスト 動画配信サービス おすすめ度 イコ・ウワイス ヤヤン・ルヒアン 見どころ 強制捜査に踏み切ったSWAT部隊が、麻薬王の所持するビルを舞台に暴れまわるアクション映画です。 アクションシーンの数々が迫力満点で、痛々しさも十分伝わってくるリアリティある描写にも注目です。 格闘シーンがかなり多いので、格闘シーンメインで観たい方におすすめですよ。 エクスペンダブルズ 出典:hulu 年代 ジャンル 上映時間 2010年 アクション 103分 制作国 監督 脚本 アメリカ シルヴェスター・スタローン デヴィッド・キャラハム シルヴェスター・スタローン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 シルヴェスター・スタローン ジェイソン・ステイサム 見どころ 様々な依頼・ミッションに果敢に挑む、最強の傭兵部隊を描いたどストレートなアクション映画です。 スカッと爽快系なので、何も考えずストレス発散で映画を観たいときにピッタリの1本です。 ザ・ワン 出典:ヤフー映画「ザ・ワン」 年代 ジャンル 上映時間 2001年 SFアクション 87分 制作国 監督 脚本 アメリカ ジェームズ・ウォン グレン・モーガン ジェームズ・ウォン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ジェット・リー なし 見どころ 125のパラレルワールドが存在する世界で、他の自分自身を殺し、全知全能になろうと企む男と、それを阻止するため奔走する男の戦いを描いたSFアクション映画です。 さすがはジェット・リーと言わしめんばかりのアクションを披露しています。 また、他のパラレルワールドの自分を倒す毎に強くなる設定なので、 少し現実離れしたアクションを見ることができますよ! ジェット・リーvsジェット・リーという、夢のような格闘対決を観ることができる、唯一の作品です。 マトリックス 出典:U-NEXT「マトリックス」 年代 ジャンル 上映時間 1999年 SFアクション 136分 制作国 監督 脚本 アメリカ ラナ・ウォシャウスキー リリー・ウォシャウスキー ラナ・ウォシャウスキー リリー・ウォシャウスキー キャスト 動画配信サービス おすすめ度 キアヌ・リーブス ローレンス・フィッシュバーン 見どころ マトリックスといえば、銃弾を上半身をそらしながら避けるシーンが有名です。 しかし! 実は、 格闘シーンもなかなか良い仕上がりになっていることをご存知ですか? カンフーを覚えて戦うシーンは、カメラアングルやエフェクトも相まってかなり格好いいシーンに仕上がっています。 アクションシーンにかなり力を入れている作品なので、格闘好きなら1度は観ておきたいところです。 タイ産のカンフー映画は「マッハ!」などが有名ですが、この作品は無名ながらもそれらに食いついています。 ムエタイとカンフーが融合したような独特の格闘技は、一見の価値ありです。 キック・アス 出典: hulu 年代 ジャンル 上映時間 2010年 アクション 117分 制作国 監督 脚本 アメリカ マシュー・ヴォーン ジェーン・ゴールドマン マシュー・ヴォーン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 アーロン・ジョンソン クロエ・グレース・モレッツ 見どころ ヒーローに憧れる青年と、本物のヒーローの活躍を描いたアクション映画です。 主人公の1人キック・アスはただの冴えないキャラですが、もう1人の主人公ヒット・ガールが完璧です。 第1作目では、公開当時13歳という年齢にも関わらず、 大人顔負けのアクションを見せています。 さらに、そのほとんどを自分で行っていたとのことで、そこまで本人がこだわった数々のアクションにも注目です。 スポンサーリンク チョコレート・ファイター 出典:ヤフー映画「チョコレート・ファイター」 年代 ジャンル 上映時間 2008年 アクション 93分 制作国 監督 脚本 タイ プラッチャヤー・ピンゲーオ ネバリー チューキアット・サックヴィーラクル キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ジージャー・ヤーニン 阿部寛 見どころ 大病を患った母親の治療費を工面するため、昔母がお金を貸していた人々に対して、借金の取り立てを行うというストーリーです。 主人公の女の子は、脳の発達障害なのですが、見た体術をすぐに会得できるという能力を持っています。 その能力を使って、様々な敵と激しい格闘を繰り広げるのですが、この完成度がとにかくすごいです! 普通に男性よりもすごいのでは?と思わせる肉弾戦は必見です。 イップ・マン 序章 出典:hulu 年代 ジャンル 上映時間 2008年 アクション 108分 制作国 監督 脚本 香港 中国 ウィルソン・イップ エドモンド・ウォン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ドニー・イェン サイモン・ヤム 見どころ 実在した武術家・葉問の半生を描いた作品です。 かのブルース・リーも、5年間武術を学んだほどの達人で、その武術を惜しげもなく作中で披露しています。 日本の俳優「池内博之」も登場していて、空手とカンフーのぶつかり合いは必見です! 続編の「イップ・マン 葉問」では、サモ・ハン・キンポーとの共演も楽しむことができますよ。 ロミオマストダイ 出典:ヤフー映画「ロミオマストダイ」 年代 ジャンル 上映時間 2000年 アクション 115分 制作国 監督 脚本 アメリカ アンジェイ・バートコウィアク エリック・バーント ジョン・ジャレル キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ジェット・リー アリーヤ なし 見どころ 弟を殺された元刑事の主人公が、その真相を知るために激しい戦いと陰謀に身を投じていくというストーリーです。 ハリウッド産のカンフーアクションが観たい方におすすめです。 トランスポーター 出典:hulu 年代 ジャンル 上映時間 2002年 カーアクション 93分 制作国 監督 脚本 フランス アメリカ ルイ・レテリエ コリー・ユン リュック・ベッソン ロバート・マーク・ケイメン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ジェイソン・ステイサム 見どころ 運び屋の主人公が、様々な事件や陰謀に巻き込まれていく姿を描いています。 主人公の設定が元特殊部隊員ということもあってか、とにかく格闘センスがずば抜けています。 肉弾戦、銃撃戦、カーチェイスと万能にこなす主人公に、終始釘付けになること間違いなしです! 作品全体のストーリーもわかりやすく、どの作品もテンポが良いでの観ていて飽きないのもポイントです。 マッハ! 出典:ヤフー映画「マッハ!」 年代 ジャンル 上映時間 2004年 アクション 108分 制作国 監督 脚本 タイ プラッチャヤー・ピンゲーオ スパチャイ・シティアンポーンパン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 トニー・ジャー 見どころ 村の守り神である仏像の頭が盗まれ、それを取り戻すためにムエタイを極めた主人公が奔走するというものです。 トニー・ジャーのアクションは、 CG、ワイヤー、スタント、早回しを一切使わず撮影されています。 その時点ですごいのですが、敵役も実際に蹴られたりしているシーンなど頑張っています。 ゆえにクオリティの高い作品へと仕上がっています。 タイトルこそB級感がありますが、制作側の本気度が伝わるA級ムエタイアクション映画ですよ。 トニー・ジャーのムエタイはもちろん、共演しているウー・ジンのカンフーもあり、見応えはバッチリ! ストーリーはシンプルながらも、 ムエタイとカンフーが力を合わせて巨悪に立ち向かう姿は胸アツです。 どちらもアクションには定評のある俳優なので、アクション好きならぜひ。 ベスト・キッド 出典:hulu 年代 ジャンル 上映時間 2010年 アクション 139分 制作国 監督 脚本 アメリカ 中国 ハラルド・ズワルト クリストファー・マーフィー キャスト 動画配信サービス おすすめ度 ジェイデン・スミス ジャッキー・チェン 見どころ 主役は子どもですが、子どもだからってなめてはいけません。 大人顔負けのカンフーアクションを繰り広げます。 主役の男の子は、ウィル・スミスの息子「ジェイデン・スミス」で、高い演技力と運動神経をしっかり発揮しています。 また、師匠役はジャッキー・チェンなのですが、彼のアクションシーンもさすがのひと言です。 ストレートな青春ストーリーなので、気持ちのいい終わり方になっています。 使われるのは 「シラット」という東南アジアの格闘技なので、珍しさもあります。 そのシラットを通して、1人の女の子の成長や葛藤を描いています。 「ベスト・キッド」と似た雰囲気なので、暗いストーリーが苦手な方には特におすすめです。 アルティメット 出典:hulu 年代 ジャンル 上映時間 2004年 アクション 86分 制作国 監督 脚本 フランス ピエール・モレル ビビ・ナセリ リュック・ベッソン キャスト 動画配信サービス おすすめ度 シリル・ラファエリ ダヴィッド・ベル 見どころ 近未来のパリを舞台に、爆弾解除の任務のための捜査官と、ガイドの男性の活躍を描いたアクション作品です。 ダブル主演の作品なのですが、1人はパルクールの創始者「ダヴィッド・ベル」、もう1人も身体能力に長けたシリル・ラファエリというキャストの時点ですごいです。 しかも、作中ではCGやワイヤーアクションは一切使っていないというこだわりもグッド! キャストの名前で売るのではなく、 本当のアクションで売りにかかった、ガチのアクション映画を観ることができますよ。 まとめ どれも激しい格闘シーンが見もので、痛々しくも爽快な内容のものが多いです。 思わず自分も体を動き出したくなるような作品ばかりなので、ちょっと体を動かすきっかけ作りなんかにもピッタリですよ。 最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。

次の

迫力がスゴイ!おすすめスペクタクル映画11選

カメラワーク すごい 映画

『ポンペイ』シングメディア編集部レビュー 学生時代、社会の成績はオール1。 世界史で覚えている言葉は「黒船来航」のみ。 そんな最強に歴史オンチの筆者ですら繰り返し何度も見てしまう歴史映画が、今回ご紹介する『ポンペイ』です。 火山の噴火により、一夜で街が灰と化した悲劇の実話を基に製作された今作。 監督は『バイオハザード』等で有名なポール・W・S・アンダーソンということもあり、とにかく映像が迫力満点ですごい! 筆者のように歴史オンチの方でも、初見時は最初から最後までその映像技術のすごさに引き込まれてしまったのではないでしょうか。 とはいえ「何だかわからないけど映像はすごかった」という印象しか残っていない感じもあったりなかったり……。 そこで具体的に『ポンペイ』の何がすごいのかを筆者なりの視点で解説! これを知ることにより、二度見はさらにワクワクさせられながら鑑賞できるはずです。 3つの二度見ポイント 「ポンペイ」の二度見ポイント1:引きや視点を巧みに使った絶妙なカメラワーク まず何と言っても初見で誰もが引き込まれたのが、壮大なポンペイの街並みや噴火する火山の迫力。 その凄まじさに序盤から終盤まで一切目が離せず、その映像技術にただ驚かされた人も多いのでは? 実はこれ、ポール・W・S・アンダーソン監督お得意の様々なカメラワークによって、私たちは知らぬ間に作品の世界の中に引き込まれていたのです。 引きをうまく使った撮影技術 ただポンペイの美しい街並みを映したり、噴火する火山を大迫力で見せたりするだけであれば、その画を画面いっぱいに映せば良い話です。 しかし今作では近くから遠くに、遠くから近くに、という引きをうまく使ったカメラワークにより、街並みや火山の噴火を実際の何十倍も凄まじく見せていたのです。 ポンペイの街並みひとつを見せるにしても、目の前を走る道から徐々に上空へとカメラの視点をあげ、最後には街並み全体を盛大に映し出しています。 また火山が噴火した際は、反対に遠くの視点から徐々に火山へと近づく手法で、そこでいかに恐ろしいことが起こっているのかということをじわじわ映し出していたのです。 瞬間ごとに視点が変わる決闘シーン 今作において街並みや火山噴火と同じく、強く印象に残ったシーンと言えば奴隷たちが生死をかけて戦う剣闘会の様子。 大体このような決闘シーンってだらだらと決着がつかず、飽きてしまう場合もあるのですが。 今作にいたっては決闘シーンで見飽きることは一切なし。 それどころか1秒たりとも目が離せなかった方もいるはず。 その理由は次々に変わっていく映像の視点。 何なら1秒ごとに決闘シーンの視点がころころ変わっていくため、見ているこちら側にまばたきする暇さえあたえてくれないのです。 その一瞬で変わっていく視点効果により、剣闘会シーンは飽きることなくずっと見られていたのかもしれません。 まるで3D作品を見ているような不思議さ そして二度見で鑑賞する際は、ぜひともスマホやパソコンではなく、大画面でご鑑賞いただきたい限りでございます。 初見を映画館で鑑賞した方であればお分かりの通り、今作は2D作品であるにもかかわらず、まるで3Dを見ているかのような不思議な感覚を味わえるのです。 突然池の水が熱により沸騰し、次々と地表が爆発していく瞬間。 火山の噴火により、剣闘会が執り行われていた闘技場が破壊されていく瞬間。 終盤で背を向けたアルティカが、大量の溶岩流に飲み込まれていく瞬間。 それらどのシーンも、まるで自分の目の前で恐怖の瞬間が起こっているかのようなリアルさがあるのです。 もうリアルすぎて見ているこちら側にも絶望感しか漂ってきません。 そんな3Dさながらのリアリティを求める方は、大画面でご鑑賞することを強くおすすめします。 さすがはポール・W・S・アンダーソン監督作品 初見で「とにかく映像がすごかった」という不思議な感覚に陥った方は、もしかするとこれらの巧みなカメラワークにより、思わず作品の世界観に引き込まれてしまったのかもしれません。 さすが映像技術がすばらしいポール・W・S・アンダーソン監督作品! 二度見の鑑賞の際は、ただ「映像がすごい!」だけでなく、絶妙なカメラワークや視点の切り替わりに注目してみてはいかがでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント2:スローモーション撮影をうまく駆使した演出 また今作では、比較的それぞれの登場人物に感情移入しやすく、物語的にも一歩先の展開が読めるので、頭を使って疲れることもありません。 それもあり、じっくり作品の世界に入り込んで鑑賞しやすい作品となっています。 でもなぜ深く考えることなく、最初から最後まで鑑賞を終えることができたのでしょうか。 その理由はスローモーション撮影をうまく駆使していることに隠されていました。 スローにより登場人物の心境が読める 今作ではいたるところでスローモーションを使ったシーンが登場します。 たとえば冒頭でローマ軍にケルト騎馬民族が蹂躙されるシーンでは、少年時代の主人公マイロが、家族や仲間たちが目の前で無残に殺されていく様子を見ている姿がスローで映されています。 そこでのマイロのセリフは一切なし。 しかしそのスローで映し出された姿から「一体何が起こっているの?」と、マイロの思考が停止してしまっている心境がひしひしと伝わってきます。 また屋敷が崩壊するシーンでは、ヒロインであるカッシアの目の前で仕えていた侍女が崩れ去る屋敷とともに落ちていきます。 この場面もスローで映し出されているのですが、同じくセリフは一切ないにもかかわらず、カッシアと侍女がお互いの名前を呼びあっている様子がスローの画ひとつだけで伝わってきます。 今作の登場人物に対して、比較的感情移入しやすかったのは、スローモーションのシーンにより、ゆっくりと彼らの心境を読むことができたからなのです。 先の展開が読めるので作品の世界観に入り込みやすい 物語的には実際の歴史を基にした作品ということもあり、正直、歴史オンチの筆者は初見時から内容が理解できるか不安でした。 ただ実際に見てみると次々に先の展開が読めるため、頭をフル回転することなく、あっさり作品の世界の中へと入り込めたのです。 この理由も、やはりスローモーションを使った手法によるもの。 剣闘会で仲間がピンチに陥った際、マイロが飛び出す場面がスローで映されているのですが、その一瞬のスローで「仲間の助太刀に行くのだ」と、あっさり先が読めてしまう。 またさらわれたカッシアを追いかける際は、途中で地割れが起きるのですが、ここでもスローのシーンが入るため「この割れた地面を馬に乗ったマイロが飛び越えるのだな」と、やはりあっさりと先が読めてしまう。 なによりこのスローモーションのシーンは、あっさりと先の展開が読めるだけでなく、その一瞬の映像が非常にカッコよく、今作における見どころをつくっているため、先の展開が読めても飽きることなく見続けることができるのです。 ときにはスローが恐怖を煽ることも 今作でのスローモーション技術は登場人物に感情移入したり、見どころをつくったりしているだけではありません。 ときにはスロー再生されることにより、私たちはなんともいえぬ恐怖を感じさせられていたのです。 火山が噴火したとき。 襲ってきた津波に何十隻もの船が飲み込まれたとき。 そしてラストにふたりが溶岩流に飲み込まれていくとき。 これらの恐ろしいシーンは、すべてスロー再生により映し出されています。 終盤にかけて何とも言えないドキドキハラハラする恐怖感に陥った方は、おそらくこのスローモーション技術により、より一層の恐ろしさを与えられたのかもしれません。 通常とスローのシーンを比較してみると楽しい 今作において、いたるところで登場するスローモーション撮影の技術。 そんなスローモーションを使った撮影技術により、私たちはその場で何が起こっているのか、登場人物が何を考えているのかを、無意識に考えさせられる時間をつくりだされていたのです。 二度見の際はそんなスローモーションシーンのことも頭に置きつつ、火山噴火のシーンや決闘中のシーンが、通常とスローでいかに迫力が違うかを見比べてみてはどうでしょうか。 「ポンペイ」の二度見ポイント3:映像技術と並んですばらしい音楽の演出 終盤の火山噴火のシーンだけでなく、序盤から中盤にかけての決闘シーンなど、終始ドキドキさせられる今作。 そこには映像技術による見せ方が理由のひとつであるのはもちろん、バックで流れる音楽の力もあったのです。 音楽によりうまく場面を切り替えている 映画作品にとって欠かせない、音楽。 今作でもポンペイの街並みで人々が楽しく過ごす様子を描いたシーンでは、軽快でポップな音が流れています。 しかし次の瞬間には、映像が奴隷たちを閉じ込めている檻のシーンに早変わり。 同時に音楽も先ほどとはまったく正反対の恐ろしい音へと変わっています。 そのように音を早変わりさせることにより、作中内での陰と陽をうまく表現している手法。 この手法によって一瞬でシーンが切り替わった際も、さっと次の場面に頭を切り替えることができるのです。 音の抑揚が決闘シーンを盛り上げていた また序盤から中盤にかけて多かった喧嘩や決闘のシーンでも、映像だけに限らず音楽が大活躍しています。 特にマイロとアティカスの決闘シーンでは、ふたりの会話中はほぼ音楽も流れず、ただ静かにセリフが響き渡るだけ。 ……かと思えば次の瞬間、いきなり決闘を始めるふたり。 ここで音楽も一気に大爆音で流れ始めます。 そしてまた会話に戻るとバックの音量は下がり、再び決闘が始まると大爆音が流れるという繰り返し。 この音の抑揚も相まって、決闘シーンは1秒たりとも目が離せない、固唾をのむ展開が続いていたのです。 逆に一切音楽を使わない演出も そんな音楽をうまく使用している今作ですが、実は逆に一切音を使わないことにより、一つひとつのシーンをリアルに表現していることもあります。 たとえばポンペイの街並みを映し出したシーンでは、音は一切使わず、人々の笑い声だけが響いています。 それにより市民の普段の暮らしぶりがよく分かる瞬間にもなっているのです。 また火山噴火直前の異変を知らせるシーンでは、こちらも音を一切使わず、異変に気付いた馬の鳴き声や天上から落ちる砂の音だけで、何か嫌な予感がするということを伝えています。 そして火山噴火により闘技場が崩壊していく瞬間においては、今作の見せ場であるにもかかわらず、またまた一切の音を使わず、観客の逃げ惑う叫び声と崩れるがれきの音だけで恐怖を再現。 大音量にドキドキハラハラさせられる反面、音がない場面では違った意味で恐怖を煽られてしまいます。 映像と合わせて注目したい音楽の演出 初見の際、ドキドキハラハラや謎の恐怖感や絶望感など何とも言えない感情を抱いた方は、おそらく映像と共にこの音をうまく使った演出に引き込まれたのかもしれません。 二度見では映像と合わせて、そんな音楽がかもしだす演出にも注目してみてください。 「すごかった」の一言で終わっている方にこそ二度見をしてほしい 大迫力の映像の数々に圧倒されつつも、物語としては、比較的鑑賞しやすい『ポンペイ』。 ただ初見では「映像がすごかった」「火山噴火の恐怖しか印象に残っていない」と感じた方も多いかもしれません。 その感想の理由は、巧みに製作された映像技術と音楽による演出にあったのです。 もし「すごかった」の一言で見終わったままの方がいれば、二度見以降は映像や音楽の一つひとつに注目しながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。 必ず初見時とはまた違った迫力を味わえるはずです。 『ポンペイ』を配信中の動画サービス 動画サービスで『ポンペイ』を観よう!.

次の