新ウルトラマンはタロウの息子！『ウルトラマンタイガ』7月6日TV放送開始！宿敵は『劇場版ウルトラマンＲ／Ｂ』にも登場したトレギア
初のウルトラマンタイガの作品となります。 タイトルの通りヒロユキがピンチになります！ニュージェネレーションズも登場しますが、ヒロユキと出会うのは本編後の映画ですがこれはその前に出会うことになっています。 ある作品を見て確かにタイガとヒロユキは12年間も一緒だったんだし、そんなに簡単に離れることなんて出来ないんじゃないだろうか？と思い書きました。 話は前中後編の3部となります。 時系列はトライストリウム誕生後、17話後の話です。 この話ではカナが更生させた宇宙人を殺したのは謎の黒マントの男となっています。 トレギアが姿を隠してこの前中後編の話で判明することになっていますのでご注意ください。 「ヒロユキ！おい、ヒロユキしっかりしろ！！」 「お願い死なないでヒロユキ！あの人みたいに私を置いて行かないで！！」 「ヒロくんしっかり！！」 『ヒロユキ死ぬなよ！？アイツを倒せていないうちからまだ逝くなーー！！』 『気をしっかり持てヒロユキ！！』 『兄ちゃん、しっかりしろ！今助けをーー！！』 ーー皆の声が、聞こえる……。 でも口が開かない、手足が動かせない。 ーー呼吸がし辛い…鼓動がだんだん弱くなっていく……。 ーーどうして……こう、なったんだっけ…？ ーー僕はただ、いつも通り、依頼を受けて、ホマレ先輩と……。 『長い時間一緒だったタイガと君を離したら一体どうなるんだろうね？』 そうだ……確か霧崎…トレギアに遭遇して、いきなり僕の心臓辺りに右手を当てたと思ったら、急に苦しくなって……。 それでーーー………。 トレギアの策略により闇に堕ちたタイガをタイタスとフーマと共に救い出し、4人が1つになった姿のトライストリウムになりトレギアを撃破した。 だが、あのトレギアだ。 どこぞやの悪のウルトラマンやそいつに取り憑いた亡霊星人みたいに復活してもおかしくないのだ。 警戒するのに越したことはないだろう。 タイガとタイタスとフーマはヒロユキの肩に乗ってワチャワチャ騒いでいる。 騒がしいのにあの出来事があってからはとても安心するものになっていた。 「平和だね〜〜。 ゆっくり出来る時間が増えて落ち着くよ……」 『初めての変身以来、何かとバッタバタな日々だったもんな〜！』 『トレーニングの時間が増やせて私は鍛えることが出来るのが嬉しいな！』 『ただでさえムキムキなのにこれ以上鍛えてどうするんだよ旦那…』 ヒロユキ達はビルの屋上に来ていた。 風が吹いて少し肌寒いが街を眺められるし、1人で 実際はあと3人いるが ゆっくりしていたいのだ。 コンビニで買った温かいハニーシロップを少し入れたコーヒーを飲みながらタイガ達と会話を楽しんでいた。 「……そう言えば、バレていないかな？」 『？何がだ？』 「先輩達が僕を助けるために精神世界みたいなとこに来てくれた時、タイタスとフーマをがっちり見ている筈なんだよ…」 『『ああ〜〜……』』 そう、社長の佐々木カナとヒロユキの先輩の宗谷ホマレ、オペレーターの旭川ピリカがヒロユキの精神世界に来て助けてくれたのだ。 しかし彼の背後から闇が迫っていて、それを阻止してくれたのがタイタスとフーマ。 つまり、3人はバッチリ2人のウルトラマンの姿を見ている、自然にヒロユキとウルトラマンが会話しているのも聞いている。 普通なら当然疑問に思う事の筈で……なのに戻ってきてからも、戦いが終わってからも誰1人ヒロユキ本人に直接聞いてこないのだ。 『もしかしたら自分から話してくれるのを待っているのかもしれんな…』 「えっ？」 『事情は知らないが仲間がウルトラマンとして戦ってこの地球を守ってくれている、最近まで……か、どうかは知らないが正体を気づけなかった自分達がどうこう言えることではない、自分がウルトラマンだと言えない理由があるのだったら話してくれるのを待とうと思っているのではないか？』 「…………そうかもね。 僕嘘つくの下手だし、すぐ顔に出るって昔から言われてたから多分話したら『バレバレだよー！』って言われるかも…」 『E. はいいチームだなヒロユキ…』 「うん、カナさんとホマレ先輩とピリカさんに出会えて本当によかったよ！」 話が弾みコーヒーも飲み終わった頃、カナから通信が入る。 依頼が入ってきたのでホマレと一緒に依頼人との待ち合わせ場所まで行くようにと言われ、コーヒーが入っていた紙コップをゴミ箱に捨ててホマレと共に現場へ向かった。 ーー光を覆い尽くそうとする闇がすぐそこまで迫っていることも知らずに………。 依頼人は宇宙怪獣保護団体で、不法に母星から連れ出されて地球に持ち込まれてた所を保護したので母星にいる卵を待つ家族の元へ帰してやりたいとのこと。 珍しい怪獣の卵と言うので悪徳商法の奴らとかギャングラーやギルドなどが邪魔してこないか心配だったが何故か一切そういう奴らは現れなかった。 ちょっと怪しいなとはヒロユキ達は思ったものの、依頼を無事に完了させる事が優先なので一旦その考えは置いといて、依頼に集中した。 そして依頼は無事に完了することが出来た。 「でも本当に変ですよね？今回の依頼は何かしら邪魔が入ると思って警戒していたのに……」 「ああ、俺もそう思った。 誰かが裏で糸を引いているのかもしれん…」 「 …………… 」 ホマレの言葉でヒロユキの頭の中に浮かんできたのは霧崎ーーウルトラマントレギアだった。 トライストリウムになって倒したことで何か恨まれたかもしれない。 トレギアの計画をヒロユキがタイガを助けたことで台無しになったのだから……。 あの戦い以来受けた仕事はそうでもなかったが今回はもしかしたらトレギアが関わっている可能性が高い。 『念の為、気を付けろよヒロユキ』 「 ありがとうタイガ… 」 タイガ達にも言われてホマレと戻る最中も注意してたというのにーー……。 結局、あんな出来事が起きてしまった……。 ホマレがカナにもうすぐ着くことを伝えて、カナから「戻ったら美味しい秋の味覚のフルコースが待っているわよ！」と言われて聞いたホマレと彼から聞いたヒロユキはテンションが上がっていた。 「 鮭、秋刀魚、さつまいも、りんごとぶどうと梨、柿にきのこに栗！ 」 『俺達は実態がないから食えない……』 『ヒロユキと共有はできるぞ？』 『旦那、違うんだ。 実際に口にするからこそ、美味いんだよ……』 実態がない自分達は食べれないと落ち込むウルトラマンと対照的にご機嫌なヒロユキ。 そんな明るい空気を切り裂くように奴が現れた。 「やあ、ご機嫌だねヒロユキ君？」 「『『『お前ーー！！！！』』』」 「誰だお前は！」 「ーー霧崎……いや、トレギア！！」 現れたのは人間の姿をした霧崎ことウルトラマントレギア、右手を振りながらヒロユキに声をかけてきた。 ヒロユキの隣にいるホマレには目もくれず、普通の人には見えないとはいえ霧崎には見えてる筈のヒロユキの前に守るように立つタイガとタイタスとフーマを無視して近づいてくる。 「今回はね、個人的に君に用があって来たんだよヒロユキ君？」 「…………」 「おいヒロユキ。 『ヒロユキに近づくな！』 『すぐにこの場から立ち去れ！！』 『兄ちゃんに手出しはさせないぜ！？』 「何の目的があるのかは知らんが、ヒロユキに近づけさせるわけにはいかないな」 「先輩…… タイガ、タイタス、フーマ… 」 ピタリと霧崎が止まるとその隙にホマレがタイガ達のようにヒロユキの前に出て守るように警棒を霧崎に突き付けた。 「……チッ、邪魔だな」 「『『『うわぁっ！！』』』」 「！！ホマレ先輩！タイガ！タイタス！フーマ！」 霧崎が右手をスーッと横に切ると物凄い衝撃がホマレ達を襲い、ヒロユキ以外の4人が弾き飛ばされてしまった。 ホマレは衝撃が強かったのか軽い脳震盪と痛みで起き上がれず、タイガ達は実態がないので関係ないのだが何故か見えないバリアが張られているのかヒロユキに近づくことができない。 「 なん、で、うごか、ない…？ 」 「先程彼らを飛ばした時にヒロユキ君が動かないように術をかけてもらったよ」 「なにが、した、いんだーー！！」 「特に何かしたいわけじゃないんだ。 ただ… 長い時間一緒だったタイガと君を離したら一体どうなるんだろうね？」 「はっ、なにをーーーー…！！？」 ーードクンッ！ 「カハッ……！」 ヒロユキの心臓がある場所に霧崎が右手を当てると、急に何か無理矢理引き剥がされたような…繋がりを断ち切られた感覚とそのあとすぐに来た倦怠感と激痛に足元から崩れ落ち、倒れてしまう。 「ーーー！？ヒロユキ！！」 『兄ちゃん！？』 『ヒロユキ！！』 『ーーー！これは…大丈夫かヒロユキ！？』 脳震盪と痛みがようやく治まり倒れたヒロユキを抱き起こし呼びかけてカナとピリカに緊急連絡を入れるホマレ、何が起こったかすぐに理解が出来ず混乱寸前のタイタスとフーマ、そして霧崎がヒロユキに対して何をしたか気付いたタイガが霧崎に何をしたのか睨みながら聞いた。 「タイガ、君なら分かるだろう？12年間ずーーっとヒロユキ君と一緒にいたのだから…」 『テメェ……！』 「 アイツ誰に向かって話してるんだ？それにタイガって… おい、お前ヒロユキに何したんだ！」 「長年一体化していたウルトラマンタイガをヒロユキ君から引き剥がしただけさ」 「なっ……！？」 霧崎がヒロユキからタイガを引き剥がしたと聞いて言葉を失う。 タイタスとフーマはヒロユキが苦しんでいる理由が分かり体の奥底から冷えていく感覚に襲われた。 以前にもトレギアによってヒロユキとタイガは分離してしまったことがあった。 だが完全に繋がりが切れたわけではなかった 一本の細い糸くらい危なかった が少しの間だけ分離していただけでも体調がおかしくなったり、心が不安定になったのだ。 今回再び奴によって2人は引き離され、繋がりを完全に断ち切られて、今のヒロユキは命の危機にさらされている状態である。 「ヒロユキ大丈夫！？」 「ヒロ君一体何があったの！？」 そこへカナとピリカがやって来た。 2人はホマレの腕の中にいるヒロユキのあまりにも酷い状態を見て青ざめ泣きそうな顔になる。 その場にいた全員がヒロユキを心配する中、ただ1人霧崎だけは無駄だと言わんばかりに嘲笑う。 「タイガを完全に引き離された工藤ヒロユキ君はもう少しでその命の炎が消える…。 もう、何をしても無駄さ！アハハハハッ！！」 「ヒロユキ！おい、ヒロユキしっかりしろ！！」 「お願い死なないでヒロユキ！あの人みたいに私を置いて行かないで！！」 「ヒロ君しっかり！！」 『ヒロユキ死ぬなよ！？アイツを倒せていないうちからまだ逝くなーー！！』 『気をしっかり持てヒロユキ！！』 『兄ちゃん、しっかりしろ！今助けをーー！！』 救急箱を持って来ていたピリカが何とかしようとするがこれと言っていい効果は出ず、カナとホマレは必死になって呼びかける。 タイガは何とかヒロユキの中に入り同化を試みるが霧崎の力によるものなのかバチバチと強力な電気が走るように阻まれ、更に見えないバリアーで同化することが出来ない。 タイタスとフーマはヒロユキを回復させる為に力を注ぎ込むが、ただ彼の死ぬまでの時間を少し伸ばすだけのもので完全に回復するまでには至らない。 どんどんヒロユキの顔色は悪くなる一方で時間がない、このままでは霧崎の言う通り死んでしまう……。 「無駄な足掻きを………何をしてももう無理だと言うのになぁ？」 凶悪な笑みを浮かべて笑う霧崎に全員の怒りが頂点に達したその時だった。 「そこまでだトレギア」 シュンッと霧崎の顔をよこぎった。 どうやら掠ったようで、頬から血が流れている。 皆が驚いて声がした方を振り返ってみるとそこには男性が8人と少女が1人立っていた。 タイガとタイタス、フーマは驚いていた……だって、彼らは12年前のトレギアとの戦いで一緒に戦っていたのだから。 「貴様らはーー……」 「無理矢理繋がりを断ち切って命を奪おうとするのは許せねーな？」 「悪い事をする人にはお仕置きですよ！」 「タイガ達が別次元の地球で無事だって聞いたから会いに来てみれば……」 「またお前が何か企んでやってるし」 「彼らの大切なバディーを殺そうとするなんてーー」 「生命を脅かすお前を許すわけにはいかないな…」 「12年前の雪辱戦してもいいよな？」 「無駄な足掻きって言うけど、彼らは諦めていないし僕達も諦めるつもりはない」 「覚悟しろトレギア！」 流石にこの状況では部が悪いと思ったのか、霧崎は本来のトレギアに姿を変えてその場から消えていった。 トレギアが消えたことに安堵したがヒロユキの命がもうすぐ消えそうなのには変わらず、どうすれば良いのか分からず何をしてもダメなことに絶望しそうだった。 すると、ヤンチャそうなどこかの隊員服を着た青年とふわふわとした少女がヒロユキに近づいて来た。 トレギアの事があったため、カナとピリカとホマレは警戒していたが悪い人達ではない、ヒロユキを助けてくれるかもしれないと思い警戒を解く。 青年はブレスレットが付いてる方の手を、少女は【真 まこと 】と書かれたクリスタルをヒロユキに近づけて目を閉じる。 すると、ブレスレットとクリスタルが光り、ヒロユキを包み込んでいく。 顔色が幾分か良くなり、体が温かく鼓動も落ち着いてきた。 「……どう、なったの？」 「真クリスタルと、ゼロさんのイージスブレスに宿るノアの力で、せめて24時間は持ち堪えれることが出来ます」 「だが完全回復ってなるとトレギア……の奴を探し出してヒロユキを覆っている力を解除しなきゃ解決しねー。 これのせいでタイガがヒロユキと同化出来ないしタイタスとフーマもヒロユキの中に戻ることは無理だ」 やはりトレギアをどうにかしないといけないらしい。 ヒロユキを事務所に連れて帰りベッドに寝かせるため、ホマレは背中に彼を背負う。 「色々お前達に聞きたい事がある。 なんで奴がヒロユキを狙ったのか、………ヒロユキとウルトラマンの関係も……」 「「うん……」」 『！！やはり正体に気付いていたか…』 『だよな〜…』 『ああ……』 「ちなみにヒロユキ君？の側に実体はないので普通の人には見えないですけど3人ウルトラマンがいるの知っていますか？」 「以前力を持つ女性がヒロユキの側に守護霊が3人いると言っていた…。 最近ヒロユキを助けるために精神世界に入った時に見ている」 歩きながら話すE. の面々は暗い表情だ。 仲間が死ぬかもしれない、それが深く心に突き刺さっているのだ。 カナとピリカは2人が帰ってきたら、ウルトラマンになって傷つきながらも地球を守ってくれているヒロユキにありがとうの意味を込めて女性2人でたくさんの料理を作っていたのだ。 楽しく和やかな雰囲気だったのがまさかこんな事になるなんて思ってもいなかった…。 「ヒロ君……助かるよね？」 「絶対助かる、ヒロユキだって苦しいけど頑張っているもの。 の皆が言いたい事が分かったのかタイガ達は改めてヒロユキを絶対助ける！と誓う。 青年と少女……通称《ニュージェネレーションズ》と呼ばれるウルトラマンに変身する彼らはE. とトライスクワッドの皆が愛するヒロユキを必ず救うと思うのと同時に何故こんな事をしたのかとトレギアに怒りを募らせた。 ーー果たして、ヒロユキの運命は……？ 【中編に続く】.
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