味の素 コロナ。 味の素社長「新型コロナと闘う人のウエルネス実現」(オルタナ)

新型コロナ影響:味の素社、影響試算 3ヵ月最大6.5億円のコスト増

味の素 コロナ

味の素社は、中国・武漢市で発生して日本を含む世界で感染者数の増加が報告されている新型コロナウイルス感染症について、流行が3ヵ月間継続した場合の事業への影響を19日までに試算した。 それによると中国の現地工場が停止した場合の固定費増が最大6億円、滞る中国からの原料輸入の代替費用で同3億円と合計9億円のコスト増となる一方、中国の経済活動停滞に伴う原油の値下がりなどで原燃料費で最大2億5000万円のコスト減になる。 それらを合わせると3ヵ月で最大6億5000万円のコスト増になるという。 19日の2020-2025年度中期経営計画説明会で明らかにした。 この試算には、新型コロナウイルス感染症の流行が長引いた場合に最も大きいとみている素材事業やMSG(グルタミン酸ナトリウム)の市場への影響、同社が事業展開している日本と主要国での景気の影響は含まれていない。 それらの影響について、西井孝明社長は「MSGや動物栄養のコモディティー事業については、中国企業はグローバルマーケットで私どものコンペディターになっているので、中国企業の生産がどこまで滞るかによって、ポジティブ、ネガティブさまざまな要素が出てくるだろう」とした。 ただ、「工場停止による固定費増、中国からの原料輸入代替、燃料費、これらはいずれも金額としては業績の水準からは小さいので、今期の決算への影響は軽微」という。 今回の試算で、影響を受けるとした中国の現地工場は、海外向けの医薬用アミノ酸生成会社である上海味の素アミノ酸社と北米、日本へ冷凍食品を輸出する上海味の素調味料社。 2月の1ヵ月間、操業を停止すれば、収益は上げられなくても上海味の素アミノ酸社で1ヵ月当たり8000万円、上海味の素調味料社で同1億2000万円の固定費は負担しなければならないため、1ヵ月当たり2億円のコスト増となり、3ヵ月間続けば最大で6億円になる。 滞っている中国からの輸入原料は、日本向けの冷凍食品や加工食品の野菜原料、水産物原料のほか、一部の調味料、香辛料。 原燃料費については、MSGの原料となるタピオカの値下がり、原油の値下がりにより国内で2000万円、海外で2億3000万円のコスト削減効果が見込めるという。 新型コロナウイルス感染症に対してのリスクマネジメントは、栃尾雅也代表取締役専務執行役員グローバルコーポレート本部長兼コーポレートサービス本部長を本部長とする体制で臨んでいる。 19日の2020-2025年度中期経営計画説明会では、予定していた質疑応答後の45分間の懇親会の中止を17日に決定し、当日の会場への入場に当たっては、体温37. 5度C以上の発熱を確認した場合に入場を制限する前提での検温の実施、マスク着用、入場前の手の消毒への協力を呼び掛けた。 =関連記事2面 (川崎博之).

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味の素は、新型コロナウイルスが広がる中で、その影響などについて、このほど次のように回答した。 当社家庭用商品も即食性の高い「スープ」「おかゆ」などを中心に、2月度は前年を上回る売上げとなった。 (外食需要の落ち込みについて)さまざまな活動の自粛や規模の縮小により外食向けの落ち込みが顕著となっている。 一方で、加工食品向けについては、カレーや即席麺、冷凍食品、納豆、家庭用ハム・ソーセージなどでの生活者による買い占め、家庭内需要の拡大により、2月末から受注が増えているが、生産キャパシティの問題もあり、外食の落ち込みをカバーできる水準には至らないものと考えている。 (就業体制について)本社、事業所など在宅勤務可能な者の多くは、在宅勤務を活用している。 営業についてはお得意先さまの状況や要望(対面の商談禁止など)に従って、応対している。 商談中止などの場合、在宅勤務を活用しているが、今のところ業務への大きな影響は発生していない。 (通販やECビジネスについて)売上規模はまだ小さいが着実に伸長している。 越境ECについては京東で「アミノバイタル」の旗艦店を、天猫国際(アリババ)で味の素グループ旗艦店をオープン。 天猫国際(アリババ)での売れ筋は、味の素AGF社製品や「アジシオ」「やさしお」などとなっている。 今後、越境ECを中心に東アジア地区(中国、台湾、韓国)、東南アジアでもさらに展開していく。

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味の素社長「新型コロナと闘う人のウエルネス実現」(オルタナ)

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西井社長は、新型コロナウイルスとの闘いについて、「2020-2025中期経営計画の本格スタートという時に、新型コロナの影響を受け、3月終盤から2カ月間は、感染から社員を守り、生産活動を止めないことに現場はかかりっきり、言わば防衛戦だった。 ようやく日本、アセアン諸国は、コロナと共存しつつ社会・経済活動を再開するステージに入った。 事業継続できることへ深く感謝している」と語った。 味の素グループは、「新型コロナウイルス企業継続基本計画」を定めている。 優先順位は「1. 従業員およびその家族の安全確保」「2. 地域・社会への貢献」「3. 事業活動の継続(お客様へ製品・サービスを届ける)」だ。 「従業員およびその家族の安全確保」では、「従業員・工場入場者の健康管理の徹底」「全世界の生産現場で事業継続のために必要なマスク・消毒剤の手配」「生産現場でのソーシャルディスタンス確保」を定めている。 世界中の生産現場では、一定期間の生産調整も余儀なくされたが、従業員やパートナーが、医療・生活必需製品の生産を必至に守り続けている。 「地域・社会への貢献」では、日本国内では、WEBサイト「AJINOMOTO PARK」による毎日の「おいしい」食卓づくりのサポート、新型コロナウイルス感染症に関して知的財産を無償で使用できる宣言への参画、医療従事者への商品提供などを行っている。 海外では、ブラジルでの医療機器購入資金の提供、ペルーでの貧困家庭向けインスタント麺やスープ、ご飯、サラダの味付け用調味料の提供、インドネシアでの医療関係者や医療ボランティア向けの製品提供、フィリピンでのロックダウン地域向けの米飯に栄養を付加するトッピングミックスの提供などを実施した。 今後のコロナとの共存期の闘いの具体策として、5月初旬にグローバルコミュニケーションを改訂し「世界中のお客様に栄養バランスの良い食事と穏やかな毎日をサポートしたい」と呼びかけていること、減塩や高齢者の低栄養解決の健康価値製品、Eコマース・ネットスーパー・宅配チャネルの重点化を掲げた。 2020年3月期決算は、国内外の外食用調味料・加工食品・冷凍食品の販売減少が影響し減収増益となった。 2021年3月業績予測は、同社がビジネスを行う日本、米国、欧州、アセアン諸国、南米の経済回復が2021年以降になると想定し減収減益としている。 西井社長は、「2020年度は厳しい業績見通を立てざるを得なかった。 しかしこの環境は、『食と健康の課題解決』企業に生まれ変わるアクセルを吹かす『機会』でもあると捉えている。 味の素バイオファーマサービス(米国)は、CytoDyn社とCOVID-19臨床試験で使用される抗体治療薬「レロンリマブ」の製造パートナーシップ契約を締結したという明るいニュースもある。 2021年度には必ずV字回復を成し遂げ、中期経営目標を達成する」と締め括った。

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