カカシは良く晴れた青い空を見上げながら、そう思った。 あれから三年。 カカシとイルカが付き合うようになって、三年が経っている。 出会ってほんの数カ月後には、一緒に暮らしていた。 自分の胸の一番大事な場所には、金色に輝いたあの人がいる。 そしてずっと気に掛けていた、あの子がいる。 だけどあの人はもう遥かに遠く、あの子はまだ小さくて………。 だから、埋められない淋しさを紛らすために、イルカを抱いた。 あの優しい、暖かな部分がとてもあの人によく似ていて。 駄目だと思いつつも、何も言わず抱き締めてくれたイルカに甘え、ずるずると関係を続けてきた。 『あなたは淋しい人だから』 そう言っていつも笑ってくれたイルカに、とても助けられた。 だからもう、解放しよう。 いつまでも自分が傍にいては、イルカ自身の幸せを掴む事ができない。 あの子も上忍になった。 あの人が俺に教えてくれたように、今度は俺があの子に伝える。 俺の全てを。 そして、あの子に愛していると伝えよう。 カカシは任務終了後、里への道をひたすら走った。 「今まで……我侭ばかり言ってすみませんでした」 カカシはイルカの家に辿り着いた時、「ただいま」とは言わなかった。 一週間の里外任務の間中、ずっと考えていた事をイルカに話す。 イルカは何も言わず、カカシの話を聞いている。 話ながら、酷い奴だと自分でも思う。 イルカを都合良く利用したにすぎない。 「……ごめんなさい。 俺はあなたの時間を奪ってしまいました。 もしかしたら今頃は……あなたの隣には可愛い奥さんと子供がいたかもしれない。 俺なんかに付き合わせて本当に申し訳ありませんでした………」 深く頭を垂れるカカシに、イルカは首を横に振る。 「カカシさんが謝る事はありません。 これは俺の意志です。 俺はあなたの傍にいる事を自分で決めました。 こんな俺でも上忍であるカカシさんに必要とされて、俺は嬉しかったんです。 それに、俺がもてないってカカシさんも知ってるでしょ?」 にっこり笑ってイルカは言う。 確かに無理強いした覚えはない。 現上司と元担任という出会いから何気ない挨拶や会話を交すようになった二人は中忍試験の諍い後、急激に親しくなり、気のおけない友人同志の付き合いをしていた時期がある。 その時に誰にも話した事のないあの人の事を、イルカにだけは話した。 とても綺麗で、とても強かったあの人。 幼いながらに、初めて「好き」という言葉を実感したあの日々。 殺伐とした子供時代の、唯一の光だった。 もっともっと強くなって……そして大きくなったら、報われなくてもいい、あの人に「好き」と伝える。 そして、愛してもらえなくてもいい、あの人に必要とされる人間になる。 その話をしながら、カカシは泣いた。 自分でも吃驚したが、後から後から涙は溢れてきて止まらなかった。 そんなカカシに、イルカはただ黙ったまま、傍に寄り添うように居てくれた。 その時から、イルカはカカシの中で「特別な人」となった。 愛している訳ではない。 だが、友人に対しての感情とも違う、何か言い表わし難いもの。 だから「特別な人」。 しかし身体の関係まで結ぶ気は更々なかったのだが、自分の奥底にあった物を晒したからか、それとも金色のあの子がまだ幼すぎるジレンマからか、イルカに温もりを求めてしまった。 一応「いいですか?」と断わりは入れた。 だけどイルカにしてみれば、どうだったのだろう。 上忍からの誘いを無碍に断る事が出来なかっただけかもしれない。 おまけに一緒に住みだしたものだから、里では所謂「公認の仲」というものになってしまっている。 そこまで考えて、カカシは今さらながらに自分の愚かさ加減に気が付いた。 上忍の慰みものになっていたイルカに、果たしてまともな縁談がくるのだろうか? 確かに忍びの里である以上、男同士の閨房術というのもある。 相手が誰もが女好きとは限らないからだ。 だがそれは、あくまで任務の上の事。 同性愛者なら木の葉の里にもいるだろう。 しかしイルカは同性愛者ではない。 自分はあの二人以外の相手に興味を持った事はないし、女相手の方がやはり好ましい。 でもイルカを抱いた時点で、もしかして両刀使いというやつかな……という自覚はある。 あるが、イルカと暮らしだしてからも、そう頻繁にイルカを抱いていた訳ではない。 普段の性欲処理は、もっぱら玄人専門だった。 そこで同僚達と出くわすと『イルカに言い付けるぞ!』と、よくからかわれたものだ。 イルカと寝る時は、どうしても心が疼いてしまう時。 女達を抱いても癒されない心の乾きが、イルカを抱くと嘘のように治まった。 それは多分、自分があの人とイルカを重ね合わせて見ているせい。 そんなカカシの事情を知っているイルカは、いつも優しく抱き寄せては『あなたは淋しい人だから』と笑ってみせた。 それはイルカの幸せな将来を奪うのに、充分すぎる時間だったのではないか? 「何を考えているんですか?」 気が付くと、イルカはいつの間にかカカシの衣類をまとめたらしく、二個の大きな鞄がカカシの横にドスンと置かれた。 「はい、カカシさんの荷物です。 ある程度のものは詰め込みましたが、全部は入りきりませんでした。 後はこっちで処分しときますね。 それをじっと見つめたままのカカシ。 「カカシさん、何を考えているんですか?」 「…………あなたの事を……」 「俺の事?」 怪訝な表情でカカシの顔を覗き込むイルカ。 「俺、馬鹿だ………。 「頼みますからカカシさん、俺にも分かるように喋って下さい。 どうしたんですか、あなたらしくもない」 カカシはやっとイルカの方を見ると、さっき自分が思い付いた事をぽつぽつと話し出した。 「ホント、馬鹿ですね」 イルカは表情一つ変えず、カカシを切って捨てた。 「だってイルカ先生、そんな事になったら俺、あなたにどう償えば………」 「あなたに償ってもらう謂れはありません!」 「でも……」 「しつこい!!」 ギロッと鋭い眼差しで、イルカはそれ以上の言葉を遮った。 カカシもこれ以上はイルカを本気で怒らせると、短くない付き合いの中で熟知しているので止めた。 だが、心の中はスッキリしない。 もう一つ長い溜息を吐きながら「ああ、幸せが逃げちまう」とイルカは顔を曇らせる。 「いいですか? どんなに仲の良かった夫婦だって、恋人同志だって、別れる時は別れるんです。 それを分からないあなたじゃないでしょうに。 第一、そういう風に思われる事は、俺への侮辱です」 つんと唇を尖らせて、イルカは抗議する。 それでもカカシは頷けない。 想いは違えど、イルカだってカカシにとって大切な人なのだ。 後先考えてなかった自分が恨めしい。 「あなたは幸せにならなきゃ…………」 ぽつんと囁かれたイルカの声に、はっとしてカカシは顔を上げた。 「あなたは俺と違って、小さな頃から忍びとして働いてきた。 まだ親に甘えてもいい年頃なのに、あなたは戦ってきたでしょう?」 イルカの声はただただ、優しい。 それに誘われるようにコク…とカカシの頭が縦に動く。 「小さい頃ね、親にしっかりと愛されて育った子は、強いんです。 俺は途中でなくしてしまったけど、充分愛されて育ちました。 だから俺は強いんです。 どんな事にだって負けやしませんって!」 ドンと胸を叩くイルカが可笑しくて、つい笑みが零れる。 それにイルカも笑顔で返す。 「………ナルトを頼みます……。 俺に償いたいと言うのなら、二人で幸せになって下さい。 あなたならナルトの孤独が分かるし、多分、ナルトもあなたの孤独を理解できるでしょう」 「イルカ先生………」 本当に強いのはこの人。 己の強さは表面だけのもので、真に強いのはイルカの方だとカカシは思う。 「ありがとう……イルカ先生。 あんた、かっこいいよ」 「そうです、俺はかっこいいんです!」 なのに何でもてないかな……とぶつぶつ呟くイルカ。 カタン……とイルカに出してもらった茶を飲み終え、カカシは立ち上がった。 明日から、自分の新しい1ページが始まる。 だがイルカの家を出て行く前に、これだけは伝えておきたかった。 「大好きだよ、イルカ先生。 今まで言った事なかったけど、あんたは俺にとって特別な人だよ。 だって、これで付き合いが切れる訳じゃない。 いつか……そう遠くない将来、ナルトと自分、イルカと誰か。 その四人で笑いあえる日が早くくればいい。 あんな時もあったねと、話し合える日がくればいい。 カカシはそう思いながら、長い間使う事のなかった自分の家へと向かった。 こうしてイルカとの暮らしは幕を閉じた。
次のまた、左肩に雷の字の刺青を刻むことをエーからただ1人許された忍で、右肩には水の刺青を入れている優れた忍です。 風貌は、色黒の肌で左目を前髪で隠しています。 「ダルい」や「すみません」が口癖で、ことあるごとに言ってしまいながらもやる時にはしっかりとやることができます。 ダルイの能力 ダルイは水と雷という2つのチャクラ性質を持ち、血継限界の1つの嵐遁も使用します。 水遁・水陣壁、雷遁・感激波といった技や、「嵐遁・励挫鎖苛素 レイザーサーカス 」というチャクラをレイザービームのように乱射する術は特に威力が強く、ダルイだけが使える術でもあります。 強さに関してだけではなく、六道仙人の宝具の効力についてもすぐに見抜くなど頭脳も申し訳なく、雷影からの信頼を寄せられる程の実力があります。 五影会談 初登場した五影会談の時にはシーと共に雷影のエーの護衛として帯同しました。 そこに忍び込んだを追いかけたエーを更に追い、蛇のメンバー達との戦闘に加わります。 そこで水遁や雷遁を使ってサスケの千鳥を流した刀を受け流したり、サスケに攻撃を仕掛けたりしました。 金閣・銀閣戦 ダルイは第4次忍界大戦の際には、戦闘中距離部隊でやテンテンのいる第1部隊の隊長に抜擢されました。 海岸沿いで布陣し、穢土転生で蘇った金角と銀角の兄弟を敵にし、アツイとと共に応戦します。 そこで六道仙人の宝具を用いられて、本人が最も言った言葉を言うことで封印されつしまう紅葫蘆のキーワードを言ってしまい吸い込まれかけます。 しかし、土壇場で2番目に多く言っていた「すみません」を連発して口にしたことで回避します。 そこから七星剣と紅葫蘆を奪い、見事に銀角を封印します。 の術で送られてきた琥珀の浄瓶を使い、そこに猪鹿蝶の3人トリオのシカマルといのとチョウジとの連携で以前食らった尾獣チャクラを使って尾獣化した金角を巧みに翻弄しました。 その後のダルイ 一難去ってまた一難で、ダルイはその後にはイズモとコテツと共にかつての暁のメンバーで複数の心臓を持つ角都と戦います。 この時にはチョウジの力を借り、制圧していきました。 最終的には外道魔像と現れたオビトに、苦労して封印した金角と銀角を奪われてしまい、同時に攻撃も受けてしまいます。 「BORUTO」でのダルイ 「NARUTO」の第4次忍界大戦の数年後に五代目雷影に就任し、「BORUTO」でもそのまま雷影を務めています。 やや老けた様子でフードを被り、以前には生やしていなかったちょび髭を口元に生やしています。 木ノ葉の里での五影会談に参加したり、ナルトの結婚を祝ったりと、雷影になっても相変わらずの様子を見せます。 ダルイの声優 ダルイの声を務めたのは、竹下良太さんです。 代表作は「ハイキュー!! 」の牛島若利、「魔法使いの嫁」のエリアス・エインズワース、「クロスファイトビーダマン」のドラヴァイスなどがあります。 ちなみに、ダルイはデビューしてからわずか1年程で演じたキャラクターであり、「NARUTO」では他に木の葉の暗部、火の寺の忍僧の声も担当しています。 ダルイの名台詞・名シーン 「オレはボスの右腕だ。 類似品じゃねェ!」.
次の新世代忍のは従妹。 物語序盤でに弟子入りし、それ以来ナルトを「兄ちゃん」と慕っており彼とは実の兄弟のように仲が良い。 両親は未登場ではあるが、共に暗部に所属している。 (2015年ジャンプ36号特別短編より) アスマを「叔父ちゃん(親兄弟の弟の方)」と呼んでいるので、木ノ葉丸の親のどっちかがアスマの兄か姉である可能性が高い。 第二部で下忍となる。 口癖は「〜コレ」。 第一部 浅葱色のマフラーに帽子を被っている。 後にナルトを真似てゴーグルを着用。 木ノ葉丸軍団と称して、とよく一緒に行動している。 「火影の孫」として扱われ誰も自分自身を一人の人間として対等に見てくれないことに不満を持ち、ふてくされて家庭教師のや祖父に反抗し悪戯や脱走ばかりしていたが、自分を「木ノ葉丸」として対等に見てくれるに出会い火影になる目標を立てる。 エビスを倒すためにナルトを親分としてをレクチャーしてもらう。 その結果、短期間の内にかなり上達している。 第二部 全体的に大人っぽくなり、下忍となったことによりゴーグルから額当てに変わる。 ナルトに教えられたの術とを使い、木ノ葉の里に攻めてきた地獄道にダメージを与えた。 (但し、習い始めたのは第二部より少し後で、その期間は勘違いの連続で習得できたのはこの実践ではじめてらしい。 アニナル『』公開記念特別編より) 里をあずかった猿飛一族として勇敢に戦う姿は第一部からの成長がうかがえる。 「姓は猿飛、名は木ノ葉丸!」 大戦終結後の700話では叔父のアスマに似た青年へと成長し、上忍に昇格している。 に先生呼びされている。 ナルトの息子とは、かつてのナルトとのような間柄にあるらしい。 劇場公開された短編アニメで、第四次忍界大戦直前に行われた中忍選抜試験で、当時まだ下忍だったナルトと戦うストーリーがある。 対戦相手がナルトということもあり、観客からは「負けたらさっさと引っ込め」とすら言われるほど期待されていなかったが、不屈の闘志や祖父や叔父が得意としていた術を披露することで次第に観客からも応援されるようになり、 この際、かつて木の葉丸に「殺したくなる」とすら言い放ったカンクロウも「やるじゃん」と評価を改めている 最後にはナルトに拳を当てることに成功する。 結果はナルトの反則負け 一種のハンデとして仙術を禁止されていたが、木ノ葉丸の成長を目にして本気になり、使ってしまった )で幕を閉じ、その結果、ナルトよりはやく中忍に昇格した。 (この短編アニメが本編とつながっているかは不明だが、『』では下忍の設定になっている) 『』 担当上忍としての班長を務め担当する下忍は、、。 嘗てのヤンチャぶりは鳴りを潜めており、悪戯をするボルトを叱っているものの、彼個人にとっては「先生」よりもプライベートでは 年上の 「兄ちゃん」と呼ぶ関係にある。 その一方、仕事部屋は散らかり放題で頻繁にミライに怒られているらしい。 酒け癖が悪く、ハナビと一緒に飲酒して酔いが回りグチグチと「過保護で悪いか!」と愚痴を漏らしていた。 恋愛に付いては「忍道が恋人」にあるらしいが、が初恋と呼べる人かも知れない。 「三代目火影の様な火影になる」事を夢見ている。 ボルトには劇中に於いて、螺旋丸を教える。 術だコレ NARUTO• (主に黒髪のセミロング~ロングの美女だがナルトよりバリエーションが多い)• 多重影分身の術• ハーレムの術• おいろけ・女の子どうしの術• おいろけ・男の子どうしの術• 手裏剣影分身の術(劇場版第8作及びゲーム版)• 火遁・灰積焼(同上) BORUTO• 螺旋丸• 封印術 三方封印• 口寄せの術(ガマ吾郎:ナルトから契約書を継いでいるが、系統は猿羅後年になってから)• 金剛封印 猿陽封殺• 火遁・焔流星 特に第一部から第二部に描けての2年間ではおいろけの術を修行していたらしい。 だが、開発したバリエーションには趣味を疑うものもあった。 螺旋丸や影分身の術など高等忍術、難易度Aの術を短期間でマスター(時期的にはナルトの里帰還後からペイン襲撃まで)するなど将来を期待させるものの、封印術に付いてはチャクラ量を含め現在でも発展途上。 関連イラストだコレ.
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