サクラ大戦 夜叉。 久保帯人氏が語る「新サクラ大戦」キャラクターデザイン制作秘話。新生・花組はどのようにして生まれたのか

久保帯人氏が語る「新サクラ大戦」キャラクターデザイン制作秘話。新生・花組はどのようにして生まれたのか

サクラ大戦 夜叉

2019年12月19日発売の週刊ヤングジャンプ2020年3号で、『新サクラ大戦 the Comic』10話が掲載されました。 帝国歌劇団の公演は大盛況を成し遂げ、来るべき世界華撃団大戦に臨む帝国華撃団のメンバー達。 各国の華撃団が登場する中、空中戦艦が撃墜される事態が起こります。 襲撃した犯人と思わしき仮面の女性が言葉を紡ぐ中で、天宮さくらはその声から正体を察し、その場に座り込んでしまいました。 言葉を紡ぎ終え、仮面を外したその女性の正体はかつて天宮さくらが憧れを抱き、自らの夢のきっかけを与えてくれた真宮寺さくらその人でした。 真宮寺さくらが何故空中戦艦を撃沈させたのか? 真宮寺さくらは何故に強大な妖力を放出させることが出来るのか? かつての帝都を守り抜いたヒロインは帝国華撃団の敵となってしまったのか? 本記事では、『新サクラ大戦 the Comic』10話『夜叉の慟哭』のあらすじと感想を紹介していきます。 新サクラ大戦 the Comic 10話のあらすじネタバレ 天宮さくらは力なく「真宮寺さくら」の名を呼びました。 質問を投げかけた彼女の思いは「どうして」と言うもの。 それに呼び掛けに対して真宮寺さくらと思わしき者は自らを「夜叉であり、幻都 げんと よりの使者」であると返します。 そして、その場に居る者達へ「封印の鍵である帝鍵を差し出すように」と通達します。 夜叉の言葉を戯言と断じ、剣を抜く倫敦 ロンドン 華撃団アーサーでしたが、夜叉の放つ強大な妖気によって引き起こされた重圧によって、その場に足止めされてしまいます。 天宮さくらがアーサーの名を呼び、神山隊長は夜叉の放つ凄まじい妖力に驚愕します。 「帝都で好き勝手はさせない」との言葉と共に夜叉の背後に現れた甲武。 その甲武には上海 シャンハイ 華劇団のシャオロンが乗り込んでいました。 夜叉と鍔迫り合いを行いながらも、鍔迫り合いの隙を突いて夜叉の後背に回り込んだ上海華劇団のユイは「亜細亜の平和は自分達が守る。 帝都は第二の故郷」との掛け声と同時に夜叉へ甲武よる一撃を見舞います。 そのユイの言葉に「守る? 貴方達が?」と冷たく言い放つ夜叉。 背後からの完璧な奇襲による一撃を顔面に受けた夜叉に「決まった!」と確信するシャオロンとユイ。 その一撃を受けた夜叉は平然と笑い、「帝都の平和は貴方達には守れない」と告げ、ユイの搭乗した甲武に剣を向けます。 天宮さくらが逃げるようにと叫ぶ間もなく、全身から血の如きオイルを撒き散らして敗残するシャオロンとユイの2人。 事態の緊急性に狼狽する者達を余所に、夜叉は仮面の下から涙を流しつつ、「私を忘れたのか。 私に刃を向けるのか」と会場の皆に告げます。 そして、両の掌を上に向け、「偽りの帝都、偽りの華撃団」と激昂するのでした。 その夜叉が居る場所に目掛けて突如として煌めきながら炸裂する砲弾。 会場の一部が破壊され、さくらに伏せるようにと彼女を庇う犬山隊長。 爆音の正体はWLOFの秘密兵器46センチ砲によるものでした。 秘密兵器が完成していたことに驚く犬山隊長と咳き込みながら夜叉の居た場所を確認するさくら。 その場所に夜叉の姿はなく、忽然と姿を消した夜叉にさくらは俯きながら「嘘だ」と顔を両手で覆うのでした。 シャオロンとユイノの容態を確認し、事態の収束に動く会場のスタッフ達。 時が経ち、シャオロンとユイの容態を確認する東雲初穂はとクラリス。 犬山隊長は2人に意識が戻っていないことを告げ、事態の深刻さと夜叉と名乗った者の詮索を始める帝国華撃団のメンバー達。 それに対して目を伏せて夜叉の名を否定するさくら。 さくらは夜叉の正体は真宮寺さくらであったと強く主張します。 真宮寺さくらが「帝都と帝国歌劇団を恨んでいた」ことを涙目ながらに口にするさくら。 それに対して、神崎すみれ司令は「違う」と断定します。 「真宮寺さくらとは帝都を愛しこそすれ、恨むような人」ではないと続ける神崎すみれ司令。 その言葉に少しだけ勇気付けられるさくらに神崎すみれ司令は「自らが共に戦っていた中であること分かるのだ」と彼女を諭します。 真宮寺さくらは「幻都にいるはずなのですから」と説明を続け、幻都の存在に疑問を抱く犬山隊長に対して「かつて世界中の歌劇団が消滅する要因となった二都大戦」について語り始めるのでした。 新サクラ大戦 the Comic 10話の感想と考察 世界華撃団大戦中に会場を襲った夜叉と名乗る謎の仮面の女。 その正体はかつて帝都を守り、その為に命を賭して戦った真宮寺さくらと思わしき人物でした。 しかし、彼女は自らを夜叉と名乗り、上海華劇団のシャオロンとユイの甲武による攻撃をいとも簡単に防ぎ、逆に返り討ちにしてしまします。 夜叉はシャオロンとユイの「帝都を守る」と言う発言に嘲笑し、シャオロンとユイを圧倒する実力の持ち主でもありました。 夜叉の凄まじい妖力を用いた攻撃は会場全ての華撃団を圧倒し、「偽りの帝都、偽りの華撃団」と激昂します。 自身に攻撃を仕掛ける華撃団達へ涙を流す姿も夜叉が真宮寺さくらであるのか、どうかなのかと謎は深まるばかり。 砲弾の一撃で夜叉は姿を晦ますも、憧れの存在であった真宮寺さくらの変わり果てた姿に絶望する天宮さくらの葛藤。 実力で言えば、世界中から集められた強豪達を圧倒する力は帝都を脅かす脅威と言えます。 しかし、帝都を愛する故か涙を流し憤る夜叉の姿はやはりかつて帝都の平和を守る為に命を懸けて戦った真宮寺さくらを彷彿とさせるものでした。 夜叉が封印を解く帝鍵を渡すように通達したこと、幻都の存在とは一体何なのか? そもそも、封印とは何を封印したものなのか? 二都大戦で世界の華撃団が崩壊することになったのは何故なのか? 謎は深まるばかり、突如として現れた強敵の存在に今後も目を離せない展開となることでしょう。

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新サクラ大戦はもうムチャクチャ。この夜叉っていう敵(味方?...

サクラ大戦 夜叉

2019年12月12日,セガゲームスはPlayStation 4用ソフト「」を発売した。 2005年の「サクラ大戦V 〜さらば愛しき人よ〜」から数えて14年ぶりの復活となる本作は,戦闘パートがシミュレーションRPGからアクションゲームに変わったことに加え,メインキャラクターデザインを漫画家の 久保帯人氏が務めることでも話題となった。 久保氏といえば,シャープでパワフルな筆致と魅力的なキャラクターで漫画 「BLEACH」を執筆していたことで知られる。 これまでのシリーズでは藤島康介氏と松原秀典氏が華やかなイメージでキャラクターを作っていたことを考えると,大きなイメージチェンジと言えるだろう。 そうなると気になってくるのが「なぜ,久保氏がメインキャラクターデザインを務めることになったのか」だ。 今回4Gamerでは,発売直前に久保氏にインタビューする機会を得た。 氏がデザインに携わることになった経緯や制作秘話など聞いてきたので,その模様をお届けしよう。 なお,「新サクラ大戦」シリーズディレクターである 寺田貴治氏にも同席してもらっている。 さっそくですが,久保さんがメインキャラクターデザインを務めることになった経緯を教えてください。 久保帯人氏 久保帯人氏(以下,久保氏): セガさんからオファーが来たのは「BLEACH」の連載が終わってすぐ,2016年9月ごろのことです。 そのとき僕は連載疲れで体調を崩していて,すぐに仕事には取りかかれないような状態でした。 なので,お断りしようとしたんですが,セガさんから 「身体が治るまで待ちます!」というお返事をいただいたんです。 そこまでのお気持ちがあるのなら……ということでやらせていただくことを決め,11月からメインキャラクターデザインとしての仕事をスタートしました。 4Gamer: 最初に話を聞いたときのお気持ちはいかがでしたか。 久保氏: ほかの漫画家でもキャラクターデザインの仕事をやっている人はたくさんいるので,「もしかしたら自分にもそういうお話があるのかな」という気持ちはありました。 ただ,僕は「BLEACH」のイメージが強いはずなので,依頼が来るとしたら男性キャラクターのデザインだろうと思っていたんです。 まさか女性キャラクターメインの「新サクラ大戦」のお話が来るとは思いませんでした。 嬉しかったですし,意外な話だなと。 4Gamer: 久保さんは今まで「サクラ大戦」シリーズを遊んだことはありますか。 久保氏: ないですね。 名前は知っていたんですが,プレイしたことはなくて。 お受けしたときの話に戻ってしまいますが,長く続いているうえにファンの方も多いシリーズじゃないですか。 なので「遊んだことのないヤツが関わるのはどうなんだろう」とも思ったんです。 そこはお話があったときにも相談したんですが,セガさんからは「我々は『サクラ大戦』を新しく作り直すつもりでいるので,それくらい新鮮な人にやっていただきたい」とお返事をいただきました。 4Gamer: 名前に「新」を冠するくらいの新作だからこそ,セガ側にもキャラクターデザインに新しい息吹を入れたいという思いがあったんですね。 セガから「久保さんのこの部分に惚れました!」みたいなお話はありましたか。 「BLEACH」49巻 久保氏: そうですね……「『BLEACH』49巻の表紙を見てビビっときました!」というお話はありました。 寺田貴治氏(以下,寺田氏): ファーの付いた服を着た一護(「BLEACH」の主人公・黒崎一護)がバストアップになった,陰のあるイラストです。 カッコイイですよね。 「新サクラ大戦」の企画自体,長年チャレンジを続けていて,毎年企画書を出して没を食らって練り直してを繰り返していましたが,「久保先生にやってもらいたい!」という思いは最初から変わらずに抱き続けていてました。 引き受けていただけて本当に嬉しかったですね。 4Gamer: 熱烈なラブコールを送っておられたんですね。 小物にもバックボーンを与え,キャラクターに生命を吹き込む 4Gamer: キャラクターデザインにあたって,今までのシリーズのデザインを意識はされましたか。 イメージを変えたいというオファーではあったんですが,まったくの別物にしてしまうのは違うなと。 突飛すぎず奇抜すぎず,どこかに懐かしさがあり,今までの「サクラ大戦」にいてもおかしくないものにしようとデザインしていきました。 4Gamer: なぜそういった意識で取り組まれたのでしょうか。 久保氏: 僕は結構ゲームを遊ぶほうなんですが,それだけに「シリーズファンの人なら,あまり変わらないことを望まれるんじゃないだろうか」という思いが強かったんです。 4Gamer: セガからのオファー段階では,キャラクター設定はどの程度固まっていたのでしょうか。 久保氏: 名前やバックボーン,テーマカラー,大まかな髪の長さと色,そして肌の色に特徴がある場合はその色ですね。 ここまでは決まっていました。 それ以外の設定が決まっていない部分は,僕が自由に作った形です。 衣装にまつわるバックボーンでは,こちらから提案させていただいたこともありましたね。 4Gamer: 衣装の設定といえば,あざみの設定資料に書かれた履き物に関するメモが印象的でした。 「意識していないとつい足音を消してしまうので,あえて歩くと音がするような重いぽっくりを履いている」というものでしたが,これだけであざみの人となりを想像できてしまい,すごいと思ったんです。 久保氏: 細かいことを考えるのが好きなんですよね。 思いついたらとにかく描いて,その中に使えるところがあれば使ってくださいというスタンスでした。 服はキャラクターのたたずまいや振る舞いにも関係するものですし,資料には書かれていないけれど,いろいろ想像しながら作っていけば,説得力のある絵ができるんじゃないかなと思いながらデザインしました。 いろいろなものに厚みを持たせるのが僕の仕事ですから。 寺田氏: いただいた久保さんのデザインから,キャラクターのしゃべり方が決まっていくこともありました。 デザインだけでなく,影響範囲はかなり大きかったですね。 4Gamer: 花組の隊長である神山誠十郎のデザインで意識された部分は? 久保氏: 「奇抜すぎない主人公」です。 彼は重い過去で心が折れかけたところから立ち上がって隊長になる人物なので,「心境の変化に合わせて髪型を変えてはどうでしょうか」と提案したこともありました。 僕自身も楽しんで描いていました。 寺田氏: 久保先生からは神山の失意を表現する,髪を下ろしたデザインもいただいていたんですが,物語上の都合もあって髪型を変えるという要素はなくなりました。 彼の重い過去自体は第一話で触れているので,楽しみにしていてください。 4Gamer: 一番デザインしやすかったキャラクターは誰ですか? 個人的には,アナスタシアは実に久保さんらしいデザインだと思いました。 久保氏: 確かに,アナスタシアには僕のいろいろな趣味が出てますね(笑)。 イメージも固まりやすく,セガさんに一発でOKをいただけたキャラでした。 あと,初穂も早い段階でデザインが決まりました。 どっちも巨乳なので,やりやすかったです。 ただ,アナスタシアの「銀のショートヘア,褐色の肌,女性的な体つき」というのはセガさんからのオファーです。 4Gamer: では,逆にデザインが一番難航したキャラクターは誰ですか。 久保氏: 難航した……というほどではないですが,リテイクが多かったのはクラリスです。 オーダーをいただいたときはメガネをかけているキャラクターだったんですが,途中から「やっぱりメガネなしで!」ということになって(笑)。 4Gamer: クラリスは「重魔導」という技の使い手で,鎖で繋いだ魔導書を持っているというキャラクターです。 久保氏: そこは魔導書で戦うという設定を膨らませていきました。 ゲーム内で使うことはないそうですが,実は髪留めも魔導書の栞(しおり)になっていたりします。 4Gamer: 神崎すみれだけが旧作からの続投,つまり久保さんがゼロからデザインされていないキャラクターになります。 デザインする際,心構えの違いはありましたか。 久保氏: それはもちろん違いましたね。 セガさんから送られてきたリストにすみれが入っているのを見て「これは僕が描かずに,藤島(康介)さんにお願いしたほうがいいんじゃないですか」と問い合わせたくらいですから。 寺田氏: そこは,世界観を統一するために,こちらから久保さんに再度描いていただきたいとお願いしたんです。 4Gamer: 「新サクラ大戦」の世界観に基づいた,新たなすみれが必要だったわけですね。 すみれのデザインはどのように進められたのでしょう。 久保氏: 前作から「新サクラ大戦」までの間に,どんな出来事があったのかを聞いてからデザインを始めました。 寺田氏: すみれ役の富沢美智恵さんとも話し合って,もう少し昔のすみれに寄せる形になったんです。 痛みを背負ったキャラクターであることは一貫しているんですが,それを表に出さないことになりました。 4Gamer: さまざまな視点からの意見を取捨選択して,現在の形になったわけですね。 「新サクラ大戦」の戦闘パートはシミュレーションRPGからアクションゲームに変わりました。 アクションゲームであることが,キャラクターデザインに影響を及ぼしたところはありますか。 久保氏: 戦闘服のスカートはそれぞれ長さを変えています。 アクションシーンでどれくらい脚を見せるかを意識してデザインしました。 どうしても長すぎるキャラクターも出てきて動きが見えづらくなったら,そこは斜めにカットしたりといった手を加えて見え方を調整しています。 寺田氏: 戦闘では霊子戦闘機を操るので,実際にはキャラクター自身が戦闘服でアクションする部分は少ないんですが,アナスタシアは見せ場がありますのでご期待ください。 名前からすべてが生まれる。 久保帯人流,ネーミングへのこだわり 4Gamer: キャラクターが身に付けている小物のデザインも久保さんによるものですか。 久保氏: 名前を付けるところからすべて,僕がやっています。 こちらからバックボーンを提案した小物も存在していて,さくらが持つ剣の 「天宮國定」は僕が仮に付けた名前を正式に採用していただいたものです。 4Gamer: 久保さんはネーミングに対するこだわりが強い方なのかなと感じていました。 「BLEACH」を読んでいても,ネーミングに日本語,英語,ドイツ語,スペイン語が入り乱れていましたし,霊界にも「尸魂界(ソウル・ソサエティ)」という英語の名前が付いていました。 あとは,瞬間移動1つ取っても勢力ごとに「瞬歩(しゅんぽ)」「飛廉脚(ひれんきゃく)」「響転(ソニード)」と呼び方が違う。 久保氏: 何かデザインするにしても,名前があったほうがイメージしやすいんです。 寺田氏: 実は「世界華撃団連盟」の略称, WLOF(World Luxuriant Opera Federation)も久保先生の提案です。 久保氏: 事務総長のプレジデントGをデザインする際,服に「世界華撃団連盟」のマークを付けたいと思ったんです。 マークを作るならイニシャルが必要ですし,世界的な組織であれば,日本語の「世界華撃団連盟」に加えて,海外での呼ばれ方はあるだろう……と膨らませていたらWLOFという名前が出てきました。 寺田氏: 「もうこのネーミングだろう!」という感じがありました。 ほかにも久保先生からご提案いただいた名前が正式名称になることがありましたし,いろいろと助けていただきました。 4Gamer: 和のテイストと刀についてはいかがでしょうか。 どちらも「BLEACH」では象徴的なポイントでしたが。 久保氏: 実は僕自身,そこまで和と刀にこだわりがあるわけではなく,「BLEACH」も描いていくうえで面白かったから取り入れているだけなんです。 「BLEACH」の個性は,和の中に洋風のイメージが適度に混じっていることだと思っていますし。 ただ,あくまで太正時代は架空史ですから,そこの考証はやや緩めにしているところもありますけれど。 4Gamer: 確かに,帝国華撃団技師長の司馬令士の設定資料にも「時代的にはまだないものだけれど,エンジニアブーツを履かせている」というメモがありましたね。 普段漫画を描かれているときと,キャラクターデザインの仕事では違いはありますか。 久保氏: やはり一番の違いは, キャラクターに名前を付けていないところですね。 僕のキャラクター作りは名前を付けるところから始まりますから。 久保氏: そうですね。 自分で名前を付けたキャラクターたちは「自分の家の庭にいる子たち」という感覚があります。 一方,今回の仕事は「人さまの家の子たちを綺麗にプロデュースした」といったイメージでしょうか。 4Gamer: 漫画を描いていると「キャラクターが自立して勝手に動き始めた」ということがあるそうですが,そうした感覚とは少し違うと。 久保氏: そうですね。 漫画を描き続けていると「(このキャラクターと)今,ちゃんと知り合ったな」という瞬間がありますが,これには時間が必要です。 今回の仕事ですと,そこまで長い時間を共有できず,キャラクターたちのことを想像しながら描いていました。 4Gamer: 3Dキャラクターを初めて見たときはどんな感想を抱きましたか。 久保氏: 大変だったろうな……と思いましたよ。 3Dキャラクターで元の絵と似せるのはなかなか難しいはずですから。 寺田氏: 形を似せていくのはできるんですが,久保さんらしさを残すために,モデルデザイナーが大変な思いをしていました。 とくに,さくらは何回作り直したか分からないです。 久保氏: さくらについては,僕らしさがすごくよく再現されているなと思いました。 デザインするとき,特に3Dの仕上がりを意識してはいませんでしたから。 4Gamer: 作家のテイストを表現するために,モデルデザイナーの職人芸が発揮されているわけですね。 今回のキャラクターデザインにおいて,注目してほしいポイントはありますか。 久保氏: いろいろなところに小ネタを散りばめていますが,答えを出してしまうと見つけてもらう楽しみがなくなってしまいます。 「気づいてくれたら嬉しい」というスタンスですから,こちらから喧伝するようなものではないですね。 4Gamer: なるほど。 そういった小ネタを細かく観察しながら遊ぶのも楽しそうですね。 連載の中で遊ぶ時間をひねり出す。 ゲームへの愛 4Gamer: 少し話が逸れますが,先ほど久保さんは結構ゲームを遊ばれるとうかがいました。 今はどんなゲームをプレイされているんですか。 久保氏: 今は「」を遊んでます。 「」もやろうと思ったんですけど,ちょっとグロそうなので保留してます(笑)。 好きで遊んでるだけで,そこまでうまいわけではないですよ。 ゴア描写が苦手というのは少し意外です。 「BLEACH」でも結構血しぶきが飛んでいた印象がありますから。 久保氏: 自分で描くのはいいんですけど,見るのが得意じゃないんですよね(笑)。 4Gamer: 激しいアクションものやバトルがあるものを遊ばれるんでしょうか。 自分の見た目を変えたり,ハウジングでいろいろといじれたりするのがいいですね。 ゲームを遊ぶために仕事を集中して早く終え,時間を作っていたくらいにはハマっていました。 でも一番好きなゲームは 「どうぶつの森」シリーズなんですよ。 キャラの見た目をカスタマイズできるゲームが好きなのかもしれません。 4Gamer: 「どうぶつの森」ではどんな遊び方をされていたんですか。 久保氏: 地面の石畳や,マイデザインをいろいろ作って遊んでいました。 上半身が裸に見える服を作って,南の島の呪術師のイメージでお面と腰ミノを組み合わせてみたり。 4Gamer: 裸に見える服! 勝手に「BLEACH」っぽいスタイリッシュな服を作っているのだと思っていました。 独裁政権の村では,村長の自分が話しかけたときと,友達が村に来たときで村人のリアクションを大きく変えてました。 自分(村長)は独裁政権の主だから,村人に話しかけても「村長様万歳!」としか言わない。 でも,外の世界から来た友達だと「この村には絶望しかねえ……」みたいな苦痛を訴えてくるんです。 4Gamer: 秘められたドラマがすごいですね(笑)。 さて,そろそろお時間も迫ってきました。 最後に今後のことについてお聞かせください。 キャラクターデザインのお仕事は,これからも続けたいと思っていますか。 久保氏: そうですね。 今後も何か惹かれるようなお話があったらやりたいと思っています。 個人的にはハウジングができるゲームがいいですね(笑)。 4Gamer: 小物までとなると,それはまたデザイナーさんが大変そうですね(笑)。 新サクラ大戦がシリーズ化した場合は,再び久保さんがメインキャラクターデザインを手がける未来も期待してしまいますが。 久保氏: もしかしたら,そういうことがあるかもしれませんね。 僕自身,今回のキャラクターを描いてから2年が経っていることもあって,心情的には完全にユーザー側になっているんですよ。 僕と同じように皆さんも,「新サクラ大戦」を楽しんでもらえたならいいなと思っています。 4Gamer: 今後もご活躍を期待しています。 本日はありがとうございました。

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『新サクラ大戦』横山智佐さん演じる謎のキャラクター“夜叉”が公開!【TGS2019】

サクラ大戦 夜叉

叉とは、用『』に登場するである。 はが担当。 概要 撃団大戦開会式に、災禍とともに突如都に現れた上級降魔。 元にを付けて素顔を隠してはいるものの、その貌そしてそのは10年前の大戦で他の撃団と共に消滅したはずのかつての・組のスタァであるの姿に似ており、に強い憧れを持つはで大きなを受けている。 一方、かつて組で同僚だったは、「あれはんじゃありませんわ」という見解を述べているが、その正体は…… 「鍵」と呼ばれる具を探しており、引き渡しを要。 応じない場合は数日毎に各地の撃団本部破壊を宣言する。 その妖によって「傀儡機兵・滅」を操縦し、限を翻弄するほどの俊敏な機動と、を用いた強な攻撃によって組に襲い掛かる。 また、としてが使用していた北一流の「破邪征・放」を使う。 9においてが発表され、かつてのの顔というべきにそっくりな姿と担当からの反は大きく、「いったい何宮なんだ?」などその正体と的についてが活発になわれ、本作品の大きなとして注されるようになった。 また、を務めたはァーを受けた際、渡された叉の口調などがとかけ離れていたという理由などから二度断った経緯があり、ァーを引き受ける際に設定についてのを出している。 キャラクターソング 「狂い咲け都に」 歌:叉() 関連動画 関連商品 関連項目•

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