ルビコン 川 を 渡る。 検察は「ルビコン川を渡った」−ローマ=自民党本部が「本丸」−解散か総辞職へ

ルビコン川を渡るとはどんな意味?使い方や例文・類義語を簡単に解説

ルビコン 川 を 渡る

背景 [ ] 共和政ローマではによる一連の改革に始まり、やによる支配、(平民派)と(閥族派、元老院派)の争いなど後世「」と呼ばれる政情不安な状態が続いていた。 にポンペイウス、カエサル、はと後に呼ばれる統治体制を構築して権力を握り、カエサルは自身の娘をポンペイウスへと嫁がせたことで基盤を固めた。 その後、カエサルはガリアなど3つの属州の総督として赴任してを戦い、にはポンペイウスとクラッススが共に(コンスル)を務めた。 しかし、にユリアが死去、にとのでクラッススも戦死したことで第一回三頭政治が崩壊した。 また、カエサルがガリア戦争の成功によりポンペイウスと同等の軍事上の権限を得たことに対し、元老院派はカエサルの権力拡大を危惧してポンペイウスと接近した。 には暗殺に伴うローマ国内の混乱へ対処するため、ポンペイウスを唯一のコンスルに選出した。 元老院はカエサルがガリア総督としての任期切れ後にコンスルに立候補する意向であることを知り、カエサルから軍隊を引き離すことを模索した。 12月、カエサルはポンペイウスも軍隊を解散させるならば自分も軍隊を手放すと元老院に伝書を送ったが、元老院はカエサルが不法に軍を維持するのならば「国家の敵」と宣告するとした。 カエサルの幕僚である及びはカエサルからの「応じられない」とする意向を元老院へ伝えたが、元老院はこれを拒否した。 紀元前50年、ポンペイウス及び元老院派は(前執政官)としてのカエサルの任期が終わったことを受けて、ローマに戻り軍を解散するよう指示し、カエサルがコンスルに立候補するのを禁じた。 カエサルはコンスルの地位も軍隊の力もなしにローマに戻るなら、のごとく罪に問われ、政治的に失脚させられると考えた。 紀元前49年1月、元老院はカエサルに対して「」を発した。 経過 [ ] ルビコン川を渡る [ ] 紀元前49年1月10日、カエサルは子飼いの部隊であると共に、とイタリア本土の境界であるを渡るという決定的な一歩を踏み出した(イタリア本土(ルビコン以南、以北)へ軍隊を率いて侵入することは禁じられていたが、実際は過去にマリウスやスッラも攻め込んでいる)。 なお、この際にカエサルは alea iacta est()と言ったとされる。 ローマへのカエサルの進撃に対して、無防備なローマにいることを嫌ったポンペイウスはローマから逃れた。 ポンペイウスには影響下にある軍隊がいくつかあり、その中のに対してカエサルがローマに着く前に途中で追捕するよう指示を出したものの、カエサルはドミティウス軍をコルフィニウム(現:)で打ち破った。 カエサルはローマへ向かわずにポンペイウスを追ってさらに南下。 ポンペイウスは自身の地盤である東方属州へ向かうためにブルンディシウムを目指し、やら元老院議員もポンペイウスに合流するため南へ逃れた。 カエサルはポンペイウスへ会談をするように申し出たが、ポンペイウスはこれを拒否。 その後カエサルもブルンディシウムへ到着したものの、紀元前49年3月にポンペイウスは自軍の船隊と共にギリシアまで逃れていた。 この時カエサルの金庫は空っぽになっていたので、彼は元老院派との戦いに備えてローマの国庫の金を軍資金に充てた。 ポンペイウスが軍を集めている間、カエサルはポンペイウスへの合力が予想される軍隊を排除すべく元老院派の牙城であったへ進軍。 でや、らが率いる元老院派軍を破り、元老院派に組して抗戦したマッシリア(現:)もらが陥落させた()。 一方、同じ元老院派の勢力下にあった北アフリカへは、が総指揮を執るカエサル軍がの州都であるへ侵攻したものの、元老院派は王の加勢も受けて(現:)でカエサル軍を壊滅させ、クリオを討ち取った。 カエサルはローマへ戻ると元老院によってのコンスルに選出され、ギリシアにポンペイウスを追討するためカエサルは海峡の向こう側のに約15,000人の軍隊を集結させた。 ファルサルスの戦い [ ] 「」も参照 紀元前48年7月、カエサル軍は元老院派の兵站基地でもあったデュッラキウム(現:)の包囲戦を展開したが()、元老院派軍の前に敗走した。 しかし、ポンペイウスは寄せ集めの自軍がカエサルの精鋭軍を破ったと信じられず、カエサル軍の後退も罠と信じて掃討戦は行わなかった。 結果、ポンペイウスは内戦を早期に終わらせる機会と勝機を失った。 8月に両軍はギリシア北部のファルサルスで再度激突、カエサル軍より歩兵も騎馬兵共にはるかに多勢の元老院派軍であったが、敗北した()。 この戦闘の結果、元老院派の中でドミティウスが戦死、やヒスパニアで敗北したウァロ、、やらが陣営を離れ、カエサルに降伏した。 ポンペイウスとは再起を図るべくエジプトに逃がれたが、9月に国王の側近によって殺害された。 メテッルス・スキピオ、アフラニウスとペトレイウス及びカトは北アフリカに逃れた。 ローマ元老院はカエサルを(ディクタトル)に任命したが、11日後にディクタトルを辞職してコンスル(2期目)に選出された。 カエサルはポンペイウスを追ってへ渡ったが、既にポンペイウスは殺害されていた。 ではプトレマイオス13世及び彼の姉と、プトレマイオス13世の妻として共同でファラオの座にあったが争う状態であったが、ポンペイウスを殺害したプトレマイオス13世の責任を強く見た(贈り物としてプトレマイオス13世の侍従が手渡したポンペイウスの首を見てカエサルは涙したと伝えられる)こともあって、カエサルはクレオパトラ7世の側について彼女を勝利に導き、クレオパトラ7世がプトレマイオス朝の実権を握った(名目上はとの共同統治)。 ファルサルスの戦い以降 [ ] 「」および「」も参照 のうち、1か月をエジプトで過ごしたカエサルは、ローマ内戦の間隙を突く形で王がローマ領へ侵攻したのを受けて、を経てポントスへ向かい、ファルナケス2世にで勝利。 この際、カエサルはローマの友人へという内容の手紙を送っている。 ファルナケスはまで退去して、族と族からなる軍を構成し、いくつかの都市を支配下に置いたが、軍内部の人間によって殺害された。 紀元前47年、カエサルは北アフリカ・に逃れた元老院派の残党を追討するため出発。 メテッルス・スキピオらが率いる元老院派及びユバ1世率いるヌミディア連合軍を4月にで撃破し、メテッルス・スキピオ、アフラニウスらは殺害された。 さらにカエサル軍はウティカを攻撃しウティカに籠城していたカトは支えきれずに自殺、ユバも逃亡を図ったがペトレイウスと共に自殺してヌミディア王国は断絶した。 ポンペイウスの長男グナエウス・ポンペイウスと次男、そしてらはヒスパニアに逃れて、当地で兵を集めた。 ヒスパニアを守備していたを圧迫する勢いであったため、紀元前46年夏にを終えたカエサルはヒスパニアへ出兵し、3月で元老院派を撃破してラビエヌスは戦死、グナエウス・ポンペイウスは逃亡途中で殺害された。 セクストゥスは大西洋岸まで逃亡したものの、ムンダでの勝利を以て一連の内乱は終結を見た。 ローマ内戦・年表 [ ]• - カエサル軍によるルビコン渡河、内戦開始。 - カエサル軍、コルフィニウムを包囲。 19日に陥落。 - ポンペイウス、ブルンディシウムよりギリシアへ逃れる。 - カエサル軍、マッシリアを包囲()。 カエサル、ローマへ入城。 - カエサル軍、で元老院派に勝利。 - 元老院派とヌミディア連合軍がでカエサル軍に勝利。 - マッシリアがカエサル派に降伏。 - カエサル、ギリシアへ到着。 デュッラキウムの元老院派を包囲。 元老院派がカエサル派を破る。 カエサル、テッサリア方面へ撤退。 - でカエサル派が元老院派に勝利。 ポンペイウスはエジプトへ逃亡、メテッルス・スキピオやカトらは北アフリカへ逃れる。 - ポンペイウス、アレクサンドリアで殺害される。 - カエサル、エジプトへ上陸。 - でローマ軍(カエサル派)が勝利。 カエサルと同盟したクレオパトラ7世がプトレマイオス朝の実権を掌握。 - でローマ軍(カエサル派)がポントス王国軍を撃破。 - カエサル、北アフリカへ上陸。 カエサル派全軍も年内にほぼ上陸完了。 - でカエサル派が元老院派およびヌミディア連合軍に勝利。 メテッルス・スキピオ、カトらは敗死。 ユバ1世も自害してヌミディア王家は断絶。 - カエサル、ヒスパニアへ上陸。 - でカエサル派が元老院派(ポンペイウス派)に勝利。 ラビエヌスらは戦死、セクストゥス・ポンペイウスは逃亡。 - カエサル、ローマ元老院議場で暗殺される。 脚注 [ ].

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「ルビコン川を越える」とはどういう意味ですか?

ルビコン 川 を 渡る

古代ローマの大英雄、ユリウス・カエサルの故事に由来する言葉です。 あなたの言うように、ルビコンとは、川のことで、それが、ローマ本国と、属州との国境線でした。 「賽(サイ)は投げられた」と共に、「ルビコン川を渡る」は、後戻りできない決定的状況に至る、というような意味です。 賽は投げられた、とは、「サイコロがふられ、ゲームが始まった」というような意味。 カエサルの故事の解説をしましょう。 当時のローマでは、属州の総督を務めた者は、軍隊を従えたままで、国境を越え、ローマに戻ることは許されませんでした。 属州総督は、国境線の手前で軍隊を解散し、入国しなければ、すなわち、「謀反の疑いあり」とされ、処罰されたのです。 ガリアの総督を務めたカエサル(シーザー)も、本来ならば、国境線たるルビコン川を、軍隊を従えずに渡らなければなりませんでした。 しかし、武力を失った丸腰の状態で帰国すれば、元老院の政敵に陥れられ、失脚することは目に見えていました。 そうなれば、カエサルは、己の理想とする国家建設は不可能になります。 カエサルを嫌う政敵たちは、あれこれと理由をつけて、カエサルを失脚させようと躍起でした。 そして、「カエサルは、反乱を企てている」というデマを流し始めます。 カエサルは、己の地位の保全を目論む一方で、なんとか内乱だけは避けようと、元老院に手紙を送り続け、妥協案を探ろうとしていました。 しかし、カエサル憎し!の元老院は、一方的に要求を突き付けるばかりで、交渉のテーブルに着こうとしません。 そして、ついに元老院は、カエサルに謀叛の疑いあり、というデマを根拠とし、一方的に、カエサルを「国賊」と認定します。 それは、法に乗っ取らずに、カエサルを処刑できる、という最終手段。 ここにきて、カエサルは、ついに決断します。 己の理想と野望を実現するため、ルビコン川を、軍隊を従えて渡る決意をし、川の手前で、部隊に対し、演説しています。 「ここを渡れば、人間世界の悲劇(つまり内乱の発生)、渡らなければ我が身の破滅、行こう!宿敵の待つローマへ!賽は投げられた!!」と。 そこで、国家への反逆者となってでも、軍隊を従えてルビコン川を渡ったのです。 元老院は、カエサルが国賊となってまでも反抗してくるとは思ってもいなかったようで、カエサル、ルビコンを渡る!の報を受けると、大混乱に陥ります。 デマを根拠に一方的に彼を陥れようとしながら、反撃されることは考えていない、という、なんともお粗末な彼らは、ローマを開け渡し、ギリシャまで落ち延びています。 その後、カエサルは、各地を転戦し、ギリシャで宿敵ポンペイウスを倒し、残党を討ち、ローマ統一を成し遂げます。 ルビコン川を渡る、という行為は、一世一代の大勝負を仕掛けた、ということ。 その際、部下に対し行った演説の一説が、「賽は投げられた」です。 サイコロはふられ、ゲームが始まった以上、後戻りはできない、ということ。 ですので、「賽は投げられた」、「ルビコン川を渡る」の二つの言葉は、同じように使われる場合がありますね。 カエサルについては、こちらを。 一読の価値あり、と思いますよ。

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川幅わずか1m?英雄カエサルが渡ることを躊躇したルビコン川とは

ルビコン 川 を 渡る

辣腕検事として知られ、郷原コンプライアンス法律事務所の郷原信郎主任弁護士の断言によると、河井克行前法務相、河井案里参院議員を公職選挙法(買収)容疑で18日逮捕に踏み切ったということは、「検察はルビコン川を渡った」ことを意味するとのことで、ローマ=自民党本部を「本丸」に定めているという。 このことは自民党内部でも承知しており、早期解散か「花道引退論」による内閣総辞職後の解散を目指す動きが活発化している。 内閣の支持率は各種世論調査で危険水域に相当する30%前後以下に落ち込んでおり当然、事実上自民党公認の小池百合子現職知事に対しても不利に働かざるを得ない。 郷原弁護士によると、通常は国政、地方自治体の選挙告示日前後から買収行為を行った者を逮捕・起訴の対象にしてきた。 日本の選挙土壌からして、告示日よりかなり前からだと逮捕すべき人物があまりにも多すぎるからだ。 大概は、検察が逮捕に踏み切ろうとしても法務相刑事局が止めていたようだ。 河井夫妻の場合は、昨夏の参議院選挙の3カ月以上前から、河井前法務相が「中間リーダー」になって、溝田顕正参議院議員(当時)を落選させ、妻の河井案里容疑者を当選させるため、事実上の買収活動を行ってきた。 これは、自民党党本部の最高責任者=安倍晋三総裁が自分に敵対してきた溝田参院議員(当時、5期参院議員を務めてきた重鎮)に対して河井克行容疑者の妻の河井案里容疑者を刺客として送り込むとともに、1億5000万円の巨額の買収資金を供与し、溝田陣営側の多数の広島県の各地方自治体の首長、議員らに現金を配って、「寝返り」をさせてきたためだと見られている。 検察としては、夏の参院選告示のかなり前からであるとしても、国民の血税が原資の政党助成金から通常の10倍に当たる1億5000万円もの巨額の資金供与がなされてきたことを重視し、しかも、本来は国政選挙の総責任者である二階俊博幹事長の一存では供与できない金額であることから、その実質的な最高責任者は安倍総裁であると見ており、少なくともある程度の確証は得ていると推察される。 だから、郷原弁護士は「検察はルビコン川を渡った」と表現し、「本丸」は自民党本部に党総裁の椅子がある安倍総裁と推測しているわけだ。 ちなみに、この故事は次のような歴史的事実に基づく。 ルビコン川を渡ったユリウス・カエサル 古代ローマの共和制末期の紀元前70年頃からローマが大量の奴隷を大量の奴隷を国内に入れたため、大地主貴族や一部の商人はどんどん儲かっていったのに対して、一般の中小地主の多くは、安い労働力や国外から輸入した安い穀物に対抗出来ずに没落し、社会の中に大きな格差が生まれてしまった。 このため、剣闘士スパルタクスが紀元前73年にスパルタクスの反乱を起こすなどローマは大混乱に陥った。 スパルタクスの乱の鎮圧によりどうにか混乱は収まっがその後は、軍人ポンペイウスと、経済界を支持層に持つクラッスス、平民から人気があったカエサル(シーザー)の3人が政治をコントロールする「三頭政治」が、紀元前60年に確立する。 しかし、 しかし、クラッススが死んでしまうと、当時国外の様々な地を平定(カエサルの「ガリア戦記」)して大きな実績を残していたカエサル対して、ポンペイウスはローマの元老院は恐れをなし、カエサルの追放ないし殺害を企てる。 そこで、カエサルがローマへ戻るために、軍も一緒に引き連れて渡ったのがルビコン川であり、この時にカエサルは、「後戻りできない」という決断をして、有名な「賽は投げられた(さいはなげられた)」という言葉と共に、ルビコン川を渡ってローマ市内に進軍、ボンペイウスを追い出し暗殺、元老院貴族を滅ぼして、強大な権力を持つ執政官の地位に就く。 ルビコン川 ちなみにルビコン川はイタリア北西部に位置し、一つの境界線(国境)として認識されていた場所で、実際は小さな川だが、カエサルがこのルビコン川を渡るということはローマの政権に反逆することであり、ローマ市内の制圧に失敗すれば、自分の死刑を意味することを承知していた。 そのため、「熟慮の末、後戻りできない決断をする」という故事として「ルビコン川を渡る」という言葉が用いられるようになったという歴史的経緯がある。 郷原弁護士が「検察がルビコン川を渡った」と表現したのは、河井夫妻の逮捕は中間目標であって、本丸は自民党本部の安倍総裁だろうという意味である。 その根拠は、公職選挙法第221条「次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮こ又は五十万円以下の罰金に処する」にある。 第一項では、当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき」になっている。 要するに、公選法に言う買収罪というのは、「当選を得る、又は得させる目的」で、選挙人又は選挙運動者に対して「金銭の供与」をすることである。 「供与」というのは、「自由に使っていただいて結構」ということだ。 金銭の提供を受けた側(地方自治体の首長や県市町村議員)がその認識をしていたことを立証できれば良い。 マスコミは「現金の提供が票の取りまとめを依頼する趣旨だったかどうか」が裁判での争点になると解しているようだが、それは狭い捉え方でしかない。 供与の時期は問わず、「当選を得る、又は得させる目的」であることを認識していたことが立証できれば、それで公選法に言う「買収罪」になる。 これについて、広島地検は大規模な東京地検特捜部、大阪地検特捜部の応援を得て、現金の供与を受けた側の多数の供述を得ている。 資金供与を受けた溝田派の首長、県市町村議員が「政治資金規正法」を意識して「政治資金収支報告」に供与額を献金として記載していてもだめである。 供与を受けた側も、起訴ないし略式起訴される。 広島県の政界は大騒動になる。 河合容疑者夫妻の買収はもちろんほぼ確実である。 次に、「ルビコン川を渡る」目標である「自民党本部」である。 これについては、第五項「第一号から第三号までに掲げる行為をさせる目的をもつて選挙運動者に対し金銭若しくは物品の交付、交付の申込み若しくは約束をし又は選挙運動者がその交付を受け、その交付を要求し若しくはその申込みを承諾したとき」に言う「交付罪」が相当する。 交付罪容疑で自民党本部の交付責任者(恐らく、安倍総裁)を逮捕・起訴することが検察の最終目的になるだろう。 しかし、たかが党勢拡大用のパンフレットの作成に1億5000万円も必要だろうか。 広島県によると、昨年7月の広島県の人口は281万人。 世帯数は明記されていない。 100万世帯がいいところだろう。 パンフレットは版下を作成すれば後は印刷代と紙代だけだから、1部10円程度だろう。 だから、全世帯に配布するとしても、1000万円から1500万円、人件費も入れると高々2000万円。 河合案里容疑者の昨年の政治活動資金収支報告書は最初のものと問題がないように修正したものとの2つあり、これらを含めた昨年の政治資金収支報告では2500万円程度であり、1億5000万円とはほど遠い。 公認会計士が厳密にチェックしているとも言い難い。 朝日デジタルによる。 また、河井克行・案里容疑者の買収資金約2600万円に河井案里容疑者の昨年の政治活動資金を加えても5000万円程度にしかならず、国民の血税から自民党が得た政党助成金の中から賄われたと見られる1億5000万円のうち、1億円程度は使途不明だ。 こちらの使途不明金の流れの解明も、検察の河井夫妻逮捕の主要目的だ。 こうした経緯から、安倍首相(総裁)側近からは早期解散の「観測気球」が上げられている。 しかし、早期に解散すれば、甘利明・小渕優子不起訴疑惑から始まって森友学園、財務省での公文書改竄問題、加計学園疑惑、桜を見る会前夜祭疑惑、桜を見る会疑惑に加えて、今回の河井夫妻逮捕問題、コロナ禍対策の遅れと支離滅裂さから、安倍内閣、自民党の支持率は大幅に低下している。 参議院会長を務め参議院のドンと呼ばれた青木幹雄氏の経験則(青木の法則)によると、内閣支持率と自民党支持率の合計が50%を割り込むと、自民党は国政選挙で敗北するという。 政権を忖度するマスコミ世論調査でさえ、この50%を少し上回る程度に内閣・党の支持率は急低下しているから、当選回数の浅い国会議員を中心に早期の解散・総選挙による正面突破には落選不安が続出している。 少なくとも、50議席は失うとの見方が、非大手メディアから出ている。 また、新型コロナウイルス感染者も、移動自粛要請を取り下げたこともあり、再び増加に転じている。 朝日デジタルによると、昨日6月23日の全国の感染確認者は57人であり、2020年6月23日19時35分に投稿した「東京で新たに31人が感染 19人は感染経路が不明」によると、「東京都は23日、新型コロナウイルスの感染者が31人新たに確認され、60代の男女計2人が死亡したと発表した。 (中略)現時点で感染経路が不明な人は19人いたという」。 小池百合子都知事率いる東京都が「東京アラート」の運用を廃止した直後から、感染確認者数がジワリと増大してきている。 小池現職都知事が、東京アラート制度を簡単に止めてしまったことは、この制度が全く科学的根拠のないものだったことを如実に示しており、その背後には都知事選の選挙対策が狙いであったこと、それに選挙対策のために気前よく使ってきた財政調整基金の枯渇がある。 都民の血税を使って、テレビコマーシャルにもよく出ていた。 都税の不正使用である。 こうしたことから、「自粛要請」は「自衛要請」に変更した。 これは、自粛協力基金は出さないし、新型コロナウイルス感染防止対策は自己責任ということだ。 さらに、これまでは世界保健機構のテドロス・アダノム事務局長はブラジルなど南半球が冬入りし、感染確認者、死亡者数が急増していることから、パンデミックは新たな局面に入りつつあるとして。。 、「新たな警戒宣言」を発出した。 自民党の不祥事(端的に言えば、憲法・法律無視の安倍首相)とコロナ禍のため、早期に解散・総選挙を行って正面突破を図ることはできない。 また、「ルビコン川を渡った」検察。。 の最終目標は安倍首相にあると見られているが、これは選挙の有無には関係ない。 このため、自民党内では安倍首相の花道退陣論が出ている。 8月24日に佐藤栄作首相(故人)の首相在任最長記録を更新するから、それを花道に退陣するということだ。 石破茂元幹事長や菅義偉官房長。。 官、石原伸晃元幹事長、河野太郎防衛相らをかつぐ声がある。 石破元幹事長は党員の間に人気はあるが、党所属国会議員には人望がない。 安倍首相が影響力を残せる岸田文雄政調会長は発信力が弱く、まともな政策がないから人気がない。 これに、政局感には優れていると見られるが、権謀術数の(安倍首相は9月に予定されている党役員人事で幹事長から外したいとの意向と言われている)の二階俊博幹事長が絡む。。 要するに、首相の「解散権」を封じ込めようと言うものだ(日本国憲法では首相の解散権を明示的に定めているわけではない。 本来は、内閣不信任案が可決された場合のみ解散することができるというのが筋だ。 天皇の国事行為としての解散は、国政に関する権限を有しない天皇を政治利用するものでしかない)。 朝日デジタルによる。 二階幹事長と石破元幹事長、小池現職都知事は戦術的に「仲が良い」が、小池候補が再選されたとしても、都政を投げ出して国政に復帰することはないというのが、一部メデイアの見方だ。 ただし、国民新党の前原誠司衆院議員ら国民民主党の一部と日本維新の会が急接近している。 「共同代表」のような形を使って、自民党か維新か、それとも両方を支援するかも知れない。 ただし、年も年だし、総理大臣に就くようなことはまず、あり得ないだろう。 その意味で重要なのは、有権者の都民は主権者としての力を示せる投票を棄権すべきでは。。。。。。 小池現職都知事候補の実像を主権者都民はよく知るべきだし、実像を知った反小池陣営が最終的に、宇都宮健児候補とれいわ新選組代表の山本太郎候補の合計得票数が小池票を上回りそうな状況になれば、両者が1対1で対話を行い、それぞれの政策を取り入れることで候補者を一本化するという手もあり得る。 フランスの大統領選では、どの候補も一回目の投票で有効投票数の過半数に達しなかった場合、決選投票を行い、三位の陣営がどちらの候補の支持に回るかで、勝敗が決まる。 今回の都知事選で有権者の都民は、最後に何が起きるか分からないから、期日前投票は出来るだけ引き伸ばし、当日投票という戦術をとるべきだ。 投票所はたくさん設置されているから、新型コロナウイルス感染を避けるための適当な距離は取れるだろう。 ただし、自民党が解散・総選挙に打って出た場合のことを考えると、現代貨幣理論(MMT、通貨発行権を持っている政府と中央銀行を合わせた統合政府が通貨発行権を持っている限り、財政破綻は有り得ず、長期デフレからの脱却とコロナ禍対策のためには、インフレ率を考慮しながら反緊縮=積極財政に転換することが最善の策と提言している)を視野に入れて、コロナ禍を「災害」に位置づけ、使途の制限を撤廃し、地方債を発行して財源に充てるという山本候補の政策が一番優れていると思う。 財務省も財政破綻は否定している。

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