さらば愛しき人よ。 さらば愛しき女よ

さらば愛しき人よ : 作品情報

さらば愛しき人よ

南方仁(大沢たかお)は牢屋敷に入れられ、牢名主(宇梶剛士)とその手下たちから、ひどい仕打ちを受けてました。 突然に牢名主が耳に虫が入ったと苦しみだしたのを、仁が耳から油を入れ、助けます。 野風(中谷美紀)は横浜港崎町の遊郭の門をくぐろうとすると、誰かが肩をたたきました。 恭太郎(小出恵介)は勝海舟(小日向文世)から、皇女和宮(黒川智花)の毒殺事件が表に出れば、公武合体が吹っ飛ぶので極秘裏に始末される。 京へ上って力になってくれる人に会って欲しいと頼まれます。 牢屋敷には、牢名主を筆頭に、添役、金庫番・穴の隠居(佐藤蛾次郎)囚人の出入りを見張る隅の隠居、食事の世話をする五器口番などの階級があって、使う畳の数で序列が決まっているのです。 最下層が平囚人で、1枚の畳に4人が寝起きしていました。 役人が運んできた干し魚は、仁の知り合いの者からで、ツル(わいろ)が入ってます。 牢名主から添役にと言われますが、仁は平囚のままでいいので畳を敷きつめてとお願いしました。 牢名主が平囚を減らせばいいと言うと、平囚たちが暴れ出します。 平囚の1人が胸をつくと、牢名主が意識不明になってしまいました。 仁が胸をパンチし、心臓マッサージをすると、牢名主は気がつきます。 囚人たちが頭を下げましたね。 * 橘咲(綾瀬はるか)は役人から仁のことを聞き、少し安心します。 京の寺田屋で、恭太郎と坂本龍馬(内野聖陽)は、新門辰五郎(中村敦夫)に会いました。 一橋慶喜とも親しい辰五郎は、仁の話を聞くと「どうかしちまってんじゃねえか、お上は!あの男は江戸の宝だぜ」と怒ります。 佐分利祐輔(桐谷健太)は松本良順(奥田達士)から「医学館の調べの次第が伝えられてきた。 南方殿が持参した菓子の1つからヒ素が見つかってしまったそうだ」と聞かされました。 仁は牢屋敷から出されますが、吟味与力の取り調べを受けます。 仁が毒を入れてないと言うと、釣責(つりぜめ)を命じられました。 仁が自白しないと、今度は正座させられ石を積まれます。 石抱きです。 福田玄孝(佐藤二朗)は佐分利に責められ、多紀元琰(相島一之)に公正な調べをして欲しいと土下座しました。 咲を助けようと、仁が罪を認めようとすると、他の役人が吟味与力に耳打ちし、仁は奉行所へ連れて行かれます。 篭(かご)で運ばれる仁の元に、龍馬と恭太郎が慶喜の一筆を持ってきますが、偽物だと相手にされません。 お白洲に引き出された仁に、奉行は「構いなし」を言い渡しました。 ** 仁が奉行所を出ると、咲や佐分利、山田純庵(田口浩正)八木(斉木テツ)横松(中江大樹)が待ってましたね。 仁が倒れそうになると、咲は仁の足を支えるように抱き「先生、今宵は何をお食べになりとうございますか」と聞きます。 仁が「あげだし」と答えると、咲はうなずきました。 仁友堂へ帰ると、良順が「宮様が使った茶碗が仏壇の裏から見つかりまして、その茶碗からヒ素が」と説明してくれます。 ある奥女中に疑いがかかりますが、吟味の前にヒ素を飲んで自害してしまったのです。 さらに、元琰が和宮に、茶碗を探すと頼んでくれたのでした。 元琰が福田に「医学館へ戻ってこないか」と話していると、仁たちがやってきます。 仁は元琰に礼を言って、ペニシリンの製造方法を示した紙を渡しました。 仁が「他に礼もできませんし、それに本道の先生にもペニシリンを使えるようになって欲しいんです。 この国の医療のためにも。 ですが福田先生はお返し頂きませんでしょうか」と頼むと、元琰は笑って許してくれました。 三隅俊斉(深水三章)がヒ素のビンを返してましたね。 きれいな洋服を着た野風が馬に乗って仁友堂へやってきます。 ルロンという外国人も一緒で、いずれは正式な夫婦になるというのです。 流龍は龍馬でなく、ルロンだったのでした。 野風はルロンからもらった支度金を、ツルとして役立てたのです。 野風は「あちきはこれより、女子の幸せはすべて手に入れるつもりでおりんす。 ゆえに、これより先の心配はご無用でありんす。 先生も我が身のお幸せだけをお考えください」と話します。 *** 咲が「野風さんはあの日の話をお聞きに」とたずねると、野風は「せっかくお助けできた、お2人でありんす。 あちきのためにも幸せになってくださんし。 先生と幸せになると約束してくださんし。 では咲様、おさらばえ」と咲の手を取ってから、去って行きました。 部屋へ戻った仁は、友永未来(中谷美紀)との写真が入っていた箱を開け「ごめんな。 未来」とつぶやいて、咲の所へ行って「ちょっとお話があるんです」と本郷台地へ誘います。 仁は未来へ戻りそうになったと打ち明け「そのとき、戻りたくないって思ったんです。 未来に会えなくなるより、咲さんに会えなくなる方がつらいって思ってしまったんです。 戻りたくないって思っても、いつか戻されてしまうかもしれないし、そんな人間がこんなこと言ってわかりませんけど、咲さん、私と一緒になってもらえませんか」とプロポーズしました。 咲は空を見て「美しい夕日ですね。 こんなに美しくて良いのでしょうか。 お断り申し上げます。 私の幸せは先生と一緒になることではございませぬ。 私の幸せは後の世に仁友堂を残すことにございます。 私は先生がいつかお戻りになる世のことを考えていらっしゃるのが、情けなく感じることがございました。 それは何ゆえかと心に問うてみますれば、先生がお戻りになる未来に、私がいないからにございまする。 ならば残せば良いと思いました。 私が私たちが束の間先生と過ごした日々を」と話します。 仁が「戻らないかもしれませんよ」と聞くと、咲は「いいえ。 きっとお戻りになります。 実はそれも大きゅうございます。 いつかおられなくなるとわかっている方と、人生を共にする勇気は私にはございません。 親不孝ばかりの身、せめて結婚は母も兄も素直に喜べるお相手とと思っております。 なれど今まで通り先生の弟子としてできる限りのことをいたしますので、これからもよろしくお願いいたします。 では食事の支度がございますので、先に」と帰ってしまいました。 仁はふられてしまいましたね。 **** 竹林で会った恭太郎に「何かあったのか」と聞かれ、咲は「私だけ幸せになれる訳がないではございませぬか」と泣き、本心を明かします。 咲の心が切ないです。 仁は「ふられたところでみんなを幸せにしたいと思った。 あの気持ちはうそじゃない。 だったらやることは1つだ。 全力で今を生きる。 自分自身の志を持って。 この時代の明日を変えていくんだ」 と考えました。 龍馬は薩長同盟の構想を、勝と仁に語ります。 龍馬が去った後で、仁は頭痛を感じますが、頭を振って歩き出しました。 野風の万華鏡が動き、ホルマリン君!?.

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JIN-仁-2 第3話 さらば愛しき人

さらば愛しき人よ

南方仁(大沢たかお)は牢屋敷に入れられ、牢名主(宇梶剛士)とその手下たちから、ひどい仕打ちを受けてました。 突然に牢名主が耳に虫が入ったと苦しみだしたのを、仁が耳から油を入れ、助けます。 野風(中谷美紀)は横浜港崎町の遊郭の門をくぐろうとすると、誰かが肩をたたきました。 恭太郎(小出恵介)は勝海舟(小日向文世)から、皇女和宮(黒川智花)の毒殺事件が表に出れば、公武合体が吹っ飛ぶので極秘裏に始末される。 京へ上って力になってくれる人に会って欲しいと頼まれます。 牢屋敷には、牢名主を筆頭に、添役、金庫番・穴の隠居(佐藤蛾次郎)囚人の出入りを見張る隅の隠居、食事の世話をする五器口番などの階級があって、使う畳の数で序列が決まっているのです。 最下層が平囚人で、1枚の畳に4人が寝起きしていました。 役人が運んできた干し魚は、仁の知り合いの者からで、ツル(わいろ)が入ってます。 牢名主から添役にと言われますが、仁は平囚のままでいいので畳を敷きつめてとお願いしました。 牢名主が平囚を減らせばいいと言うと、平囚たちが暴れ出します。 平囚の1人が胸をつくと、牢名主が意識不明になってしまいました。 仁が胸をパンチし、心臓マッサージをすると、牢名主は気がつきます。 囚人たちが頭を下げましたね。 * 橘咲(綾瀬はるか)は役人から仁のことを聞き、少し安心します。 京の寺田屋で、恭太郎と坂本龍馬(内野聖陽)は、新門辰五郎(中村敦夫)に会いました。 一橋慶喜とも親しい辰五郎は、仁の話を聞くと「どうかしちまってんじゃねえか、お上は!あの男は江戸の宝だぜ」と怒ります。 佐分利祐輔(桐谷健太)は松本良順(奥田達士)から「医学館の調べの次第が伝えられてきた。 南方殿が持参した菓子の1つからヒ素が見つかってしまったそうだ」と聞かされました。 仁は牢屋敷から出されますが、吟味与力の取り調べを受けます。 仁が毒を入れてないと言うと、釣責(つりぜめ)を命じられました。 仁が自白しないと、今度は正座させられ石を積まれます。 石抱きです。 福田玄孝(佐藤二朗)は佐分利に責められ、多紀元琰(相島一之)に公正な調べをして欲しいと土下座しました。 咲を助けようと、仁が罪を認めようとすると、他の役人が吟味与力に耳打ちし、仁は奉行所へ連れて行かれます。 篭(かご)で運ばれる仁の元に、龍馬と恭太郎が慶喜の一筆を持ってきますが、偽物だと相手にされません。 お白洲に引き出された仁に、奉行は「構いなし」を言い渡しました。 ** 仁が奉行所を出ると、咲や佐分利、山田純庵(田口浩正)八木(斉木テツ)横松(中江大樹)が待ってましたね。 仁が倒れそうになると、咲は仁の足を支えるように抱き「先生、今宵は何をお食べになりとうございますか」と聞きます。 仁が「あげだし」と答えると、咲はうなずきました。 仁友堂へ帰ると、良順が「宮様が使った茶碗が仏壇の裏から見つかりまして、その茶碗からヒ素が」と説明してくれます。 ある奥女中に疑いがかかりますが、吟味の前にヒ素を飲んで自害してしまったのです。 さらに、元琰が和宮に、茶碗を探すと頼んでくれたのでした。 元琰が福田に「医学館へ戻ってこないか」と話していると、仁たちがやってきます。 仁は元琰に礼を言って、ペニシリンの製造方法を示した紙を渡しました。 仁が「他に礼もできませんし、それに本道の先生にもペニシリンを使えるようになって欲しいんです。 この国の医療のためにも。 ですが福田先生はお返し頂きませんでしょうか」と頼むと、元琰は笑って許してくれました。 三隅俊斉(深水三章)がヒ素のビンを返してましたね。 きれいな洋服を着た野風が馬に乗って仁友堂へやってきます。 ルロンという外国人も一緒で、いずれは正式な夫婦になるというのです。 流龍は龍馬でなく、ルロンだったのでした。 野風はルロンからもらった支度金を、ツルとして役立てたのです。 野風は「あちきはこれより、女子の幸せはすべて手に入れるつもりでおりんす。 ゆえに、これより先の心配はご無用でありんす。 先生も我が身のお幸せだけをお考えください」と話します。 *** 咲が「野風さんはあの日の話をお聞きに」とたずねると、野風は「せっかくお助けできた、お2人でありんす。 あちきのためにも幸せになってくださんし。 先生と幸せになると約束してくださんし。 では咲様、おさらばえ」と咲の手を取ってから、去って行きました。 部屋へ戻った仁は、友永未来(中谷美紀)との写真が入っていた箱を開け「ごめんな。 未来」とつぶやいて、咲の所へ行って「ちょっとお話があるんです」と本郷台地へ誘います。 仁は未来へ戻りそうになったと打ち明け「そのとき、戻りたくないって思ったんです。 未来に会えなくなるより、咲さんに会えなくなる方がつらいって思ってしまったんです。 戻りたくないって思っても、いつか戻されてしまうかもしれないし、そんな人間がこんなこと言ってわかりませんけど、咲さん、私と一緒になってもらえませんか」とプロポーズしました。 咲は空を見て「美しい夕日ですね。 こんなに美しくて良いのでしょうか。 お断り申し上げます。 私の幸せは先生と一緒になることではございませぬ。 私の幸せは後の世に仁友堂を残すことにございます。 私は先生がいつかお戻りになる世のことを考えていらっしゃるのが、情けなく感じることがございました。 それは何ゆえかと心に問うてみますれば、先生がお戻りになる未来に、私がいないからにございまする。 ならば残せば良いと思いました。 私が私たちが束の間先生と過ごした日々を」と話します。 仁が「戻らないかもしれませんよ」と聞くと、咲は「いいえ。 きっとお戻りになります。 実はそれも大きゅうございます。 いつかおられなくなるとわかっている方と、人生を共にする勇気は私にはございません。 親不孝ばかりの身、せめて結婚は母も兄も素直に喜べるお相手とと思っております。 なれど今まで通り先生の弟子としてできる限りのことをいたしますので、これからもよろしくお願いいたします。 では食事の支度がございますので、先に」と帰ってしまいました。 仁はふられてしまいましたね。 **** 竹林で会った恭太郎に「何かあったのか」と聞かれ、咲は「私だけ幸せになれる訳がないではございませぬか」と泣き、本心を明かします。 咲の心が切ないです。 仁は「ふられたところでみんなを幸せにしたいと思った。 あの気持ちはうそじゃない。 だったらやることは1つだ。 全力で今を生きる。 自分自身の志を持って。 この時代の明日を変えていくんだ」 と考えました。 龍馬は薩長同盟の構想を、勝と仁に語ります。 龍馬が去った後で、仁は頭痛を感じますが、頭を振って歩き出しました。 野風の万華鏡が動き、ホルマリン君!?.

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さらば美しき人

さらば愛しき人よ

解説 ヤクザという非情な世界に生きる男が、ある日、幼なじみの女と出会った……。 甦った思い出と再燃した《愛》を抱きかかえて、男はバイオレンスの闇を突きすすむ。 「プルシアンブルーの肖像」の脚本家・西岡琢也の原作を、「おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!」の原田眞人が脚本化し、自ら監督している。 撮影は藤沢順一。 1987年製作/103分/日本 配給:松竹 ストーリー 修史(郷ひろみ)は標的を待っていた。 やがて、闘竜会の会長・木内剛三(安岡力也)が、愛人のアパートから現われる。 修史の銃が一瞬にしてボディガードを倒し、木内に向けられる。 懸命に命乞いする木内。 とどめを刺さず、修史は銃をしまい、弟分・哲夫(木村一八)の車で去る。 早坂修史は暴力団大東連合の若手幹部だ。 会長の新田(高品格)は修史に目をかけているが、闘竜会との和平工作をすすめる兄貴分の加東は、彼をけむたがっていた。 そんな折、都心の一流ホテルで、新田の娘の結婚披露宴が行なわれた。 そこで修史は、ひとりのメイドに声をかけられた。 女の名は海老沢ひとみ(石原真理子)。 幼ななじみの、忘れえぬ女性だ。 心に反し、修史は「人違いです」と答え、その場を去る。 その後、闘竜会の報復をかわすため、修史は愛人のホステス・由美子(南條玲子)のマンションに身を寄せる。 しかし、10年ぶりの再会に心揺れる修史の足は、いつしかひとみのもとへ向かっていた。 早朝まで語り明かす二人は、木内の弟・義政(佐藤浩市)の雇ったヒットマン・間柴(嶋大輔)がつけ狙っていることを知らなかった。 突然の銃声。 一命をとりとめたものの、ひとみは脳内出血のため、視力を失った。 由美子も間柴の拷問から逃れるため自ら命を断った。 押えに押えていた激情が、修史を包み込む。 「なさけはおまえ、義理は由美子」--ひとみの寝顔に語りかけ、夜明けの街に出る修史。 哲夫と二人、向かうは大東連合と闘竜会合体の発会式場。 そこには修史の身を案じたひとみの姿もあった。 修史の銃が、義政を、間柴を、木内を、次々と倒していく中、哲夫が命を落とした。 激しい銃撃戦の果て--なつかしい少年の日々に別れを告げる修史とひとみの姿があった。

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