このまま 君 を 連れ て ゆく よ。 J 中西圭三 歌詞情報

嵐(櫻井翔) このままもっと 歌詞

このまま 君 を 連れ て ゆく よ

【僕は君を連れてゆく】 街の大路の灯りが消され、並ぶ格子の奥から見せすががきの音が途切れて数刻。 都に唯一の御免色里「鳳来」が遅い朝のまどろみからようやく目覚める頃、揚屋町の茶屋「よしみ屋」の主人は、店の台所で人を探していた。 「ふくだー ふくちゃーん ふくだくーん」 「何やねんな」 前掛けで手を拭きながらひょこひょこ出てきた、店を支える頼りの包丁人に、主人の徳井はにこりと微笑んだ。 「はいこれ。 今日の献立」 「お、できた? ほな見して……、……」 小さな目を細めて徳井の書いてきた献立に目を通す包丁人の福田を、徳井は静かに見つめる。 「どうや?」 「うん、美味しそ」 ぱっと笑った福田に徳井も笑い返す。 「あ、けどさ、これ、鰆使うん?」 「旬やから、ええかと思ってんけど。 あかん?」 「そか…… うん、そんでもええけど、ほしたら、こっちは…」 そのまま、立ち話でざっと打ち合わせを済ませ、では用意にかかろうときびすを返しかけた福田を徳井がとめた。 「あとなあ。 ひとつお願いがあんねやけど」 「……それはいやや」 「俺、まだ何も言うてへん!」 「言われんでもわかるわ。 どーせ月例会やろ。 イヤやって。 あんなんみんなお店の女将(おかあ)はんやらお姐はんやら出てはるのに、何でうちだけ俺が出なあかんねん」 「せやって、あれ、おとうはんは出たあかん決まりやし」 「うちにかて女将はんおるやんけ。 ハナコおかあはんに頼めや」 「ハナコおかあはんは女将おりてのおかあはんやから、例会はあかんのやって」 「ほな、板場のカミサマとか。 俺でええんやったら、カミサマやってええやろ?」 「……そら、カミサマがちゃんと聞こえるんならそんでもええけど」 「…………~~~~~もうっ!」 包丁人の福田は、がしがしっと項をかいた。 「ややこしなあ。 俺が行かんとあかんの?」 「うん。 悪いな」 嬉しそうに微笑んだ徳井に、福田はふうと息をつく。 「なあ、徳井」 「何?」 「俺はべつにええねんけどさ、……けどお前、やっぱええ加減、嫁さんもぅたほうがええんちゃう? いつまでこんなんできひんやろ?」 「うん。 まあ、それはそうなんやけど」 けど今は、福田がおるからええねん。 ひょうひょうとそんなことをつぶやいて、ほな例会明日やからよろしくな、と言い置くと、徳井は自分が先にきびすを返してしまった。 その後姿を見送って、福田はため息をつく。 「そら、俺はべつに……、ええけどさ」 :::::::::::::::::::::::::::::::::::: 都に色を売る街は数あれど、御免状をいただいている色里は、都広しといえども「鳳来」ただひとつしかない。 「鳳来」はこの世の極楽だ。 街の大門をくぐるとき、武士は大小を置き、豪商も駕籠を下りる。 この街でものをいうのはその男の人物ひとつだ。 女たちは蝶と呼ばれ花を売る。 男たちはその花を男ぶりで買う。 地位でも名誉でも懐具合でも蝶たちの売る花を買うことはできない。 すべては男の甲斐性にかかっている。 ゆえに「鳳来」は極楽なのだ。 徳井は、店の二階に上がり、ぼんやりと大路を眺め下ろした。 大門から続く大路を揚屋町にひとつ曲がったところに、「よしみ屋」はある。 元は蝶たちを招いて華やかな宴を催す揚屋だったけれど、先々代の主人の頃に宴会に座敷を貸す茶屋へと商売がえをした。 けれど昔の名残で板場だけは残してある。 顔も見たことのない先々代が、なぜこれだけを残したのか、徳井は知らない。 しかし、この板場があったればこそ、徳井に福田がもたらされたのだから、そういう意味では、まさに足を向けて寝られない場所であった。 「……何ぞ食いたなってきたな…」 一度階下に下りて、福田か板場の主におやつをもらってこようと腰を上げかけた徳井の耳を、誰ぞが思い切り引っ張りあげた。 「いった! いたたた! 痛い! 痛いですて!」 「あんた一人で何さぼってんの!」 「ハナコおかあはん、痛いて、もう…」 ぼやく徳井を見下ろして、叔母のハナコは憤然と座敷に仁王立った。 「義実、あんたまた、例会、福ちゃんに回したやろ」 「………」 「とぼけてもあかんで。 ちゃーんとネタはあがっとんのや」 せやったら、俺に聞くことないんちゃいますか。 と、言いたいのは山々だけれど、この叔母は、女の細腕でこの老舗を守りつつ、早くに親を亡くした徳井と妹の二人をこの年まで育ててくれた人だから、そうそうむげにもできない。 せいぜい殊勝にすみませんと頭を下げれば、大仰にため息をつかれた。 でも福田もちょっとは楽しそうにしてるんで、それはそれでええんかなーとも思うんですけども。 「口答えせんの!」 ぺしん、と頭をはたかれた。 けれど音のわりに衝撃は小さい。 叔母は厳しい人だけれど、こういうところが優しいと思う。 徳井だって、本当はよく承知している。 本来、こういった「蝶」の世界は「おかあはん」と呼ばれる女性たちが切り盛りするものだ。 それでいけば、「よしみ屋」の「おかあはん」はハナコなのだから、ハナコが見るべきところなのだけれど、都合があって、現在、「よしみ屋」には中心となる女性がいない。 幸か不幸か、蝶やお花を抱える類の店ではないし、福田は女子に受けがいいので、店に寄る蝶たちもそれでいいと言ってくれているけれど、勿論こんな状況はその場しのぎでしかない。 店の主人である徳井には、いずれお店を支える「おかあはん」を迎える義務があった。 「そら、福ちゃんはああいう子ぉやから、あんたがええ言うてればええかもしらんし、 あんたもそれでええかもしらんけど、 ……けど、ふくちゃんも男の子なんやから、いつかはお嫁さんもろて、自分のお店出したいやろ。 こんだけ奉公してもぅたんやから、ほんまはうちが出したってもええくらいなんやで」 徳井は押し黙った。 ぎゅっと唇を引き結んでしまった甥っこに、ハナコは、ふっと目元を緩ませる。 「まあ、あんたが何を考えてるんか、わからんでもないけどな」 徳井の大きな目がぱしぱしと瞬かれる。 ホンマにいくつになっても子供みたいな子ぉやわ、と、ハナコは内心苦笑する。 「どーせ、このまんま福ちゃんがずーっとうちにいてくれたらええなあ、とか思っとんのやろ?」 徳井は答えない。 「そら、福ちゃんがそんでいい、ずーっとうちにいてくれる言うてくれたら、アタシやってめっちゃ嬉しいけど、けどそれ、ほんまに福ちゃんの幸せかなあ」 ハナコはぐるりと座敷を見渡した。 「ここはあんたに任せたお店やから、あんたがそうしたいんなら、どこぞから養子もぅても、どっかのお店の蝶花さんの中から見どころのある子をお姐さんにもぅても、そんなんナシであんたが切り盛りしてっても、アタシは、それに文句なんよぉ言わんよ。 けど、それが、あんたが福ちゃんを他所に出したないとか、そういう理由なんやったら、それはちょっとうんとは言えへんからね」 そこんとこ、よぉ覚えとき。 そう言い残して、それから、今度の例会はお目こぼしやで、とひとつ釘を刺して、叔母はとんとんと軽快に階段を下りていった。 その小さいけれどしっかりした背中を視界の端に見送って、徳井はどさっと座敷に体を投げ出した。 目を閉じて、息を吐く。 まぶたの裏に福田のまんまるい顔が浮かんだ。 幼い頃から変わらない、元気満点の笑顔は、思い返すと、ちょっとほおずき市のほおずきに似ている。 傾きかけた陽に照らされて、赤く染まっていた今より少し稚い福田の笑顔。 『ほな、俺がいったろか?』 それが、あとさきを考えていない、ただ徳井を喜ばせたいがために口からこぼれ出た言葉だとわかっていた。 わかっていてそれでも嬉しくて、だから、その言葉を身代にここまで、今日まで付き合わせてきた。 福田のいる今日が、徳井の幸福だった。 明日も明後日も、ずっとそれが続けばいいと思っていた。 それを、福田に告げたことはなかったけれど。 「今日は、いつまで今日なんかな…」 徳井のぼやきは、誰にも聞かれず、大路の虚空に浮かんで消えた。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「ふくだー!」 「はーい!!」 夕刻が近づいた台所は、てんてこ舞いの大賑わいだった。 とは言うものの、板場そのものにいるのは、たったの二人だ。 通称カミサマ(本名不明)と呼ばれる老人に、今日も今日とてこき使われながら、福田はてきぱきと献立の用意を進めていく。 「カミサマ、これなんすけど」 「あ?」 「せやから、これなんですけども」 「あ~??」 「~~~~ これ! どっちっすか!!」 こっち、と指差されてがくりと力が抜ける。 この老人ともなかなか長い付き合いになるが、いまだにもうひとつ呼吸が飲みこめない。 それでも、ようやく包丁のいろはを覚えたくらいの、ひよこにもなれていなかった福田を、いっぱしの包丁人に育ててくれた人だ。 恩を数えたら、富士山だって追い越すほど、どれだけ感謝してもし足りることはない。 実際、不思議な巡り会わせだ、と思う。 福田はもともと都の職人長屋の次男坊の生まれだった。 色里「鳳来」のことなど大人のする噂話にしか聞いたことのない、そしておそらくそんな場所を見ることもなく生涯を終えるはずの、平凡な子供だった。 徳井も同じ長屋の子供で、けれど彼は早くに親が流行病でなくなったために、まだ幼い頃にどこか遠くへ引き取られていった。 別れるときには二人して手を取り合ってわんわん泣いたけれど、所詮それも子供の思い出、長じる頃には名前と顔を思い出すことさえ稀になっていた。 その徳井が、突然福田の前に現れたのは、福田が仕出し屋に包丁の奉公に出てしばらくしてのことだった。 懐かしい顔にびっくりするやら嬉しいやら、頬を上気させてはしゃぐ福田に、兄弟子が少しだけ時間をくれた。 仕出し屋の裏で二人きりになり、改めて見上げた徳井は、面差しこそ大人びていたけれど、ぬばたまのように黒い髪もすいこまれそうに大きな瞳も幼い頃のままで、福田は、嬉しくてたまらなかった。 『お前、今、何してるん』 それを聞いたことに他意はなかった。 『……うん』 けれど、それに対する徳井の生返事を聞いて、ふと徳井が昔から会話に不器用な性分だったことを思い出した。 もう何年も会っていない友人だけれど、なぜか、今も変わっていないだろうという確信があった。 考えてみれば、こうして急に訪ねてくるのも奇妙な話だ。 きっと何かよくよくの用事があるのだろう。 しかし、徳井の性格を考えれば、すぐに本題を切り出すとも思えない。 だから福田は、徳井が話しやすいように、しばらくは世間話を続けることにした。 『何? 何や難しいことしとるん?』 『や、難しく、は、ないねんけど』 そこで福田は初めて、幼い徳井と妹が長屋を出た後、「鳳来」で茶屋を営む叔母に引き取られたことを教えられた。 『そやったんや…… あ、ほな、徳井…て、今はお茶屋のご主人なんや』 『そんな、ええもんちゃうけどな』 ふ、と笑った徳井の口元は半分歪んで、何だか泣くのを堪えている子供のように見えた。 『そっか、ん、けど、大変やろ、何や、そういうんって。 ……俺は、表向きのこととかよぉわからんけど、お店って何やいろいろあるって、兄さんらもよぉそんなん言うてはるの聞くし』 『大変とか…、ほんま、そんなんちゃうで。 ……、ただ、』 『……ただ?』 あのとき、福田が聞き返したのは、それこそ世間話を進めるための「ただ」の相槌だった。 けれど、それまではぽたりぽたりとさみだれのように言葉を落とすばかりだった 徳井が、その相槌をきっかけに、まるで何かに背中を押されるように滔々としゃべりだした。 『今の店、板場があって、ひとり爺ちゃんがおってくれはるんやけど、どうもやっぱ若い人もおらなよぉまわらんくて』 『ふんふん』 『ほんで、こないだっからけっこういろいろあっちこっち探しとんのやけど、俺も爺ちゃんもコイツや!て思えるヤツって、なかなか、こう、見つからんで』 『うんうん』 『鳳来ん中だけやなぁて、都のツテとかも頼ってみてんけど、まず俺が爺ちゃんに会わせたいと思える、うん、何ちゅうか、そういうヤツが ……、なあ!』 自分で話しているうちに収拾がつかなくなったらしい徳井のフリにも、福田は素直に頷く。 『あー、うん。 これやっちゅーのがな』 『せやねん。 おらんねん』 『そうかぁ』 勢い込んで語る徳井の口調は明るかったけれど、眉間はぎゅっと引き寄せられていて、きっとこのことでずいぶん困っているのだろうということは容易に窺えた。 そこで、福田ははっと気づいた。 もしかしたら、徳井は、その店で探している人材を求めて福田の元へやってきたのかもしれない。 『な、徳井。 ほんなら、俺、その話、うちの兄さんらに聞いたろか?』 もしも徳井の店に世話になることになれば、当然今の店は暇を貰わねばならなくなるから、実際のところ、福田の兄弟子たちがその人物になることは難しいだろう。 しかし、兄たちの知人友人を当たれば、格好の人材に当たらないとも限らない。 そうだ。 都のツテを頼って鳳来の外にも出るくらいだ、十数年ぶりに幼馴染を訊ねようというのもきっとそれが用事なのだろう。 ところが、ようやく本題にたどり着いたと思った福田に、徳井は答えもせず、ただじっとそのまなざしを福田の顔に注いでいた。 『徳井?』 返事のないことを訝る福田を見つめて、徳井が口元をゆがめる。 『ちゃ……、ええねん、そんなんとちゃうねん』 『え?』 話を見失った福田に、徳井は力なく微笑んだ。 『……もうな、俺、正直諦めてん』 『あきらめ? え?』 『しゃあないやんか。 おらんもんはおらんし。 ああいう店って、間に合わせでできるもんちゃうし』 『そら… そらそうやけど』 打って変わった話の流れに、福田はうまくついていけない。 『ええねん。 しゃあないって思えるとこまでやって、ほんでしゃあないなら諦めよ、思って、こっちまで、今日、出てきたんやし』 『え… ほな、何でうち来たん?』 思わず突っ込んで聞いてしまってから、福田ははっと息を呑んだ。 いくら何でも、十数年ぶりの友人に、ずいぶんぶしつけな言葉をぶつけただろうか。 けれど、徳井は、焦る福田に気づいた様子もなく、首をかしげた。 『ん? んー……何て言うの』 少し考える風を見せていた徳井のまなざしが、ふわりと福田に降りてくる。 『たぶん店たたんだら、鳳来だけやのうて、都からも出てかんとアカン思うし、ほしたら福田に会うことなん、もう一生ないかもなあ、思ったから』 徳井は、照れくさそうに笑った。 『最後に、福ちゃんの顔だけ、見ておきたかってん』 福田はぱちぱちと目を瞬いた。 『……俺ぇ?』 『うん。 忘れたことなんなかった』 徳井は、福田よりほんの少しだけ背が高い。 子供の頃からそうだったし、それは再会したその時も変わっていなかった。 拳一つ分ほど高い位置から、やわらかくあたたかく瞬きさえ惜しむように見つめられて、福田は、ふわぁと息を吐いた。 『……そんっなに…… 大事なお店なんかぁ……』 『ん……うん?』 『今までずっと、友達に会われへんでもええくらい、そんだけ一生懸命やってきたお店なんやろ。 えらいなあ、お前』 徳井はちょっと目を瞠ったようだけれど、福田はそれには気がつかなかった。 すっかり縁が遠のいたと思っていた友人が、そこまで情熱を傾けたものを諦めようとしていることが、ただただ気の毒だった。 『何とかならんの? 何か他にアテとかツテとか、探せばどっかにあるんちゃう?』 『……ありがとぅ。 けど、ほんまにもうええねんて』 気を取り直したように、徳井が笑った。 目は細まり口角も上がったその顔は、けれど、少しも幸せそうでなくて、今度はその笑顔が福田の背中を押した。 いったい、何でそんなことを言ってしまったのか、それはいまだにちょっと不思議なのだけれど。 『な、ほな、俺が行ったろか?』 『え?』 『俺。 うん、まだほんの下働きやし、お前んとこで全部いちから教えてもらわなアカンし、せやからお前の探してるヤツとはちゃうかもしらんけど、けど、お前がお客様に出したい思う料理、俺、一生懸命作るから』 やから、俺とお前と、それからその爺ちゃんと、お店やったらどないやろ。 そう言った福田を見つめて、徳井の目玉が、それこそ転げ落ちそうに丸くなる。 『ほ、ほんまに? ほんまに、え、福田が来て、来てくれんの?』 『何どもってん。 妙なやつやなあ。 お前さえ えぇんやったら、俺は全然ええよ? あ、けど俺、ほんまに何っも何もでけへんから、すぐに板前で、こう、ぱーっとでけるヤツがええんやったらそれはそういう人探してもらわんとあかんけど…』 『……、ええよ!』 徳井が笑った。 そのときの徳井の笑顔を何と言えばいいか。 福田は、何度思い出しても、そのときの徳井をうまく形容できる言葉を見つけられない。 突然再会してからこっち、福田はずっと、会話を交わす徳井が笑ってくれていると思っていた。 けれど、本当はそうではなかったことを、目の前で思い知らされた。 福田の申し出に、嬉しそうに目を細めて、目尻にはくしゃくしゃの笑い皺を浮かべて、せっかくの男前がちょっと残念なくらいに相好を崩して笑うその顔は、まるでこの世のいいものを全部詰め込んだみたいに、きらきらと輝いて、それはそれは幸せそうだった。 こいつ、こんなふうに笑うんや。 福田はちょっとくすぐったいくらいに嬉しくなった。 それまでおざなりの笑顔を浮かべていた彼を、ここまで喜ばせている自分が、とても誇らしかった。 『身ぃ一つで来てくれたら、そんでええよ! 福!』 だから、その言葉に、素直に、うん、と頷いた。 徳井の言葉通り、まるで嫁にでも行くかのように、それから先の話はとんとん拍子に進められた。 お世話になった奉公先には、徳井と徳井の叔母が、二人で頭を下げに来てくれた。 望まれてゆくのなら、と奉公先の主人は快く福田を送り出してくれた。 それから、カミサマと名乗る(というか、そう呼ばないと返事をしてくれない)「よしみ屋」の老体に、板場のすべてを叩き込まれた。 ずいぶん叱られたし、失敗もした。 けれど、不思議と、元の奉公先や実家に帰りたいとは思わなかった。 ここで徳井とがんばるのだ。 あの日、きらきら笑ってくれた徳井のために。 珍しいものなんか作らなくて良いのだと老人に叩き込まれた。 それよりも、同じものを何度出しても美味しいと喜ばれる職人になれと仕込まれた。 福田は決して器用でも頭の回転のいい男でもなかったけれど、飲み込みは悪くなかったし天性料理に向いていた。 アンタこんなええコおんならさっさと連れてきぃや、と、女将のハナコは、豪快に笑った。 先代の女将であるハナコは、本当は徳井が主人になるのと同時に女将を退くつもりだったらしいけれど、福田が一人前になるまではと、出戻り女将を引き受けてくれた。 ありがたいと思う。 その気持ちにこたえたいと思う。 たとえ、それがひと時のことであっても。 「ふくちゃーん」 「うは?!」 うっかりもの思いにふけってしまったところへ、突然、徳井が顔を出した。 「な、ななな何やお前、び、びっくりするやんけ!」 「あーごめん。 なあ、俺、何や小腹すいてもーてんけど」 「は?」 「何かおやつ作ってくれへん?」 慌てふためく福田を意に介さず、徳井はなぜかしきりに耳を気にしている。 「おやつ……、て、まあ、おやつはええけど、お前、耳どないかしたん?」 「んー、さっき、おかあはんにどやされた」 「はい? 何で?!」 「……福ちゃんに、例会頼んだんがバレた」 「あほかお前、せやから早よどーにかせぇ言うてんのに!」 思わず噴出すと、釣られたように徳井も笑った。 それで福田もやっと気を取り直し、何か徳井がつまめるようなものを考える。 実際のところ、女将の代わりに例会に出るくらい、福田は何とも思っていなかった。 この街の女の人たちはみんな優しくてかわいくてちょっとしょーもなくて、大好きだ。 確かにその生命力の強さに参ることもあるけれど、それでもそこに福田のいることが徳井の役に立つのなら、つらいことも面倒だと思うこともない。 けれど、福田は決して身の程知らずではなかったから、それが己の分を超えた考えであることもちゃんと承知していた。 こんな無茶がきくのは今だけだ。 いずれ店のために徳井は嫁を貰うだろうし、そうなれば福田にもやがては用がなくなる。 勿論、包丁人として勤め続けることはできるだろうけれど、徳井が自分以外の誰かと新しい店を作っていくのを見ていくことは想像するだけで辛かった。 だから、福田は、自分がここにいるのは徳井が嫁を貰うまでだと決めていた。 徳井のそばで徳井のために磨いてきたこの腕を、徳井のいない場所でどう生かして生きていくべきなのか、福田には想像もつかないけれど。 それでも、あの笑顔を、誰かに渡してあげるその日までがんばるのが俺の役目。 それが今日まで引き立ててもらってきた恩返し。 俺みたいなもんに出来ることなんてそれくらいだと、ずっと心に決めていた。 「ふくだー アタシにもおやつー」 「ちょ、カミサマまで何を言うとんのですか!」 それでも、こんなふうにおだやかな日が続くと心が揺れる。 身の程知らずとわかっていながら、もっともっと、こんな日が続けばいいのにと願ってしまう。 「ずーっと、今日が今日なら、ええのになあ」 福田が小さく漏らしたため息は、誰にも届かず、板場の水に流れて消えた。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ちょっと外に出してあるものを取って来ると出て行った真ん丸い背中を見送って、徳井はふっと息を吐いた。 「ね、カミサマ。 ……、ずーっとこのまんまでおれる方法ってないですかね」 「あん?」 熱心に鍋をかき回す老人は、徳井に目を向けようともしない。 「最近ね、思うんすよ。 俺らどないなってんのかなーって。 来年とか再来年とか……10年後とか」 「あたしゃ知らないよ」 「せやけど、カミサマやないですか」 「何言ってんだい。 あたしゃカミサマだよ」 相変わらずかみ合っていそうでかみ合っていない会話に苦笑する徳井へと、ようやく振り返って、老人は目を細めた。 「あんたたちの人生なんて、あたしはどうだか知らないけど」 ぺろりと味見をして、うん、と頷く。 「けど、ずーっとこの店やるんじゃないの?」 仮にも店の主人に向かって敬意のかけらもない言葉だが、その裏にこめられた愛情の響きを、徳井はありがたいと思う。 「店、好きでしょ? だからがんばってつぶさずにきたんでしょ?」 老人がふふんと口元を吊り上げる。 「あたしは職人ていうか、まあ不器用だからね、他の事なんかできないから、一生懸命やるだけだけどさ、それは御主人も福田もいっしょじゃないの?」 「できますかね… ずっと」 「さあ。 だから、あたしは知らないって言ってるじゃないのさ。 …… けど、やりたいんでしょ?」 「やりたいです」 「じゃあ、やれるんじゃない?」 見えないから不安になる明日も、今日になればただの朝になる。 ならば、来る朝をすべて捕まえて、全部今日にしてしまえるだろうか。 「まあ、人生って、けっこう長いからね?」 白髯を自慢げにしごいて、老爺は笑う。 「そうですね」 ずっとこのままでいたかった。 福田は、徳井が福田を必要とする限りずっとそばにいてくれるだろう でもきっと、もう徳井に自分が必要ないと思ったら、たとえどれほど徳井が頼ん でも、福田は振り向いてくれることもせずいなくなってしまうだろう。 そんな潔い覚悟が彼の中にあることは知っていた。 けれど、だったら、そんな明日はいらなかった。 それが甘えだと自覚はしていた。 でも、徳井の今日は、福田のくれた今日だ。 あの日、福田が一緒に来てくれたから、今日の徳井がある。 福田がいなくなったら、徳井にはもう、明日なんて永遠に来ない。 「お待たせー」 福田が戻ってくる。 老人は、何も言わない。 だから、徳井も何もなかったかのように福田を迎える。 今日の果てがどこにあるのか、誰も知らない。 ただ、いつまでも、今日が続けばいいと、心から祈った。 end.

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このまま 君 を 連れ て ゆく よ

死者が身近な人を連れていくことなんてあるのでしょうか? 友人の祖父が半年前に亡くなったのですが、ちょうど半年後のおとといに祖父の弟さんが亡くなったようです。 弟さんは何か病気があった訳ではなく、急死だったようです。 友人と、「おじいちゃんが連れていっちゃったのかな」なんて話していたのですが・・・ こんなことってあるのでしょうか?もちろん現実的には、ないとはわかっているのですが。 ただ祖父と祖父の弟さんは昔は仲が良かったものの、最近は疎遠になっていたようです。 連れていくにしても、一番仲の良い人を連れていくのではないかとも思うのですが。 何か経験がある方、このような死後の世界に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。 皆さん誤解されている方が多いと思いますが 「死は自然にやってくる」とお思いでしょう。 生き続けることを選択できるように その「死」を選択できるのも、生命の特権なのです。 兄弟は不思議な絆で結ばれています。 お互い見えない信頼関係で築かれています。 お兄さんを支え続けた弟さんは 「自分の役目を終えた」と感じ。 選択したのかも知れません。 全ての出来事には、理由が存在します。 人が考えられないような境地にもまた、理由が存在し 人が干渉できない世界でも、物事は進んでいます。 アリが人間に触れた時 人間の全貌なんて把握できません。 何かボヤ~っと「大きなもの」としか知覚できません。 それと同じように 人間にもまた 何かボヤ~っとしか知覚できない存在があります。 それらとの相互関係によって世界は成り立っていますので 「 霊的 」な体験もまた、確かに存在すると言えます。 そうではなく。 普段ご飯を食べるのと同じくらい自然に 人間もまた「 霊的 」な作業を行っています。 「あの人、元気にしてるかな?」 と、人を想うことなどが良い例です。 こんにちは。 最初に認識していただきたいのは極楽浄土とかは信じていませんが、死後の世界はあると信じている者です。 人は死んだら、魂は離れます。 その魂が物理的な現実世界に干渉することはできないです。 なぜなら物理世界に干渉できる肉体がもう無いからです。 そこで私の価値観を押し付けるのはいかがなものかと思いまして、か~るく日本の文化から語らしていただくと・・・お盆ってありますよね?あれは地獄の釜が開いて死者が戻ってくるらしいのですが、お盆が終われば死者を地獄に帰しています。 それなら、お察しの通り死者の魂が誰かを連れていくなんて事ありえませんよね? >ただ祖父と祖父の弟さんは昔は仲が良かったものの、最近は疎遠になっていたようです。 勝手な憶測ですが、お兄さんが亡くなって精神的にがっくりきたのではないでしょうか。 歳も高齢のようですから。 友達も気落ちせず、元気になるといいですね。 2年ほど前ですか、知り合いの老夫婦のうち旦那さんのほうが急性肺炎にて急逝されました。 どちらかというと奥さんのほうが心臓に持病があって、失礼ながらも先にいかれるのではないかと思っていました。 その息子さんたちご家族も同様に思っていたようです。 ところが旦那さんの葬儀が終わり納骨を済ませた日の翌日に、奥さんが心臓発作で倒れて亡くなられました。 息子さんたちは「お父さんが連れて行ったんだね」と話しています。 あの世へ一人でいってしまってさびしいだろうと呼んだのかもしれないとも想いを語っていました。 確かにそれだけ仲の良いご夫婦だったんです。 亡くなられた人が他の人を呼ぶ。。。 あるかもしれないし、無いかも知れない、これは誰もがわからないことです。 だいたい本当に呼べるのかどうかだって証明することはできません。 これまで故人が生きてこられた上での人間関係により、残された人が感じることだと思います。 ある意味ではそうあってほしいと願いもあるのではないかと思います。 もし呼べるとするならば、誰を呼んだっていいわけで、一番仲の良い人が一番最初にくるかどうかは本人の意思ですから、それはなんとも言えないですよね。 亡くなっていなくても生きているときからそうですからね。 全然関係ない人から呼ばれるとか、恨みを買っていてひきずりこまれるとか。。。 あるのかないのかはわかりませんけど、偶発的にそういうふうに見えることもあるかもしれませんが、さすがにそれだけは勘弁してほしいものです。。。 ただいずれにせよ本人の寿命が尽きて亡くなられるわけですから、ご冥福を祈るばかりです。 Q 末期癌~死ぬまでの状況を教えてください。 末期癌の母は現在ホスピスケアを受けています。 これから母の面倒を見るのは私の役目なのでこれからどうなるのか不安です。 母がすいぞう癌だと宣告されたのはおよそ1年前です。 肝臓にも転移しており既に手遅れでした。 今年の3月頃までは癌だと思えないほど元気な母でしたが 4月頃から急に階段を転げ落ちる様に容態が悪くなってしまいました。 あらゆる箇所の骨に転移し、強い痛みも出てきました。 肺へも転移し、咳がひどいです。 今ではほんの少し動いただけでも息切れがひどく、時々咳き込んで嘔吐してしまいます。 急に食欲もなくなりました。 一日、一日ごとにどんどん体力がなくなり弱くなっていきます。 母はこれからどうなっていくのでしょうか。 苦しみが増しますか? 意識は最後まであるものですか? 自分でトイレにも行けなくなったらどうすればいいのですか? この状態で、あとどのくらいと考えていればいいでしょうか。。。 文章がうまくまとまっていなくてすみません。 少しでも心の準備ができればと思います。 宜しくお願いします。 A ベストアンサー 「人はがんでは死なない」という言葉があります。 がんが特別な毒素を出すわけではありません。 では、なぜ、人はがんで死ぬのか? それは、がんが増殖することで、臓器に様々な障害が起き、 その障害が引き起こす様々な症状によって、死にいたるのです。 様々な症状の一つには、疼痛もあります。 これは、モルヒネなどによりかなりコントロールできるようになってきました。 気管支のがん細胞が増殖して気管支を塞げば、窒息の危険があります。 肝臓のがんが増殖して、肝臓の機能が低下すれば、体内の様々な化学作用 が止ることになり、肝性昏睡などの様々な症状を起こします。 大きな血管にがんができて、血管が破れるということも起きます。 腎臓の機能が低下すれば…… 脳の機能が低下すれば…… つまり、がんがどこにあり、その臓器は、どんな仕事をしているのか、 ということです。 何が起きても不思議ではない、ということです。 「苦しみが増しますか?」 軽くなるということはないでしょう。 出てきた苦しみを押さえるということになります。 「意識は最後まであるものですか?」 わかりません。 先に昏睡状態になる場合もありますし、最後まで、意識がはっきりしている 場合もあります。 「自分でトイレにも行けなくなったらどうすればいいのですか?」 状況によりますが、オムツということも考えてください。 尿はカテーテルを留置することになります。 残酷な言い方ですが、何らかの理由で昏睡状態になった場合、 「それを治療して、昏睡から醒めさせて、延命をする」ということを しないという選択肢もあります。 末期症状は、医師や看護師がよく知っています。 まずは、医師や看護師と相談してください。 「人はがんでは死なない」という言葉があります。 がんが特別な毒素を出すわけではありません。 では、なぜ、人はがんで死ぬのか? それは、がんが増殖することで、臓器に様々な障害が起き、 その障害が引き起こす様々な症状によって、死にいたるのです。 様々な症状の一つには、疼痛もあります。 これは、モルヒネなどによりかなりコントロールできるようになってきました。 気管支のがん細胞が増殖して気管支を塞げば、窒息の危険があります。 肝臓のがんが増殖して、肝臓の機能が低下すれば、体内の様々な化... A ベストアンサー ひとつにはお仕事柄、ほかの方々より敏感でいらっしゃいますからかもしれません。 もうひとつ矢張り高齢化社会の影の部分が顕著になってきた、つまり高齢者のご夫婦の一方がなくなられると当然年齢的にも後追いの型でなくなられる率が高くなるのでしょう。 特に奥さんに先立たれるとご主人も比較的早くなくなられます。 以前統計的にそのようである記述を見たことがあります。 しかし、ご主人に先立たれても奥様のほうは永らえるお方が多いのもこれは昔から変わりありません。 >昔から「後を追う」とよく聞きますが、これはある程度其の死を美化して来た帰来があります。 主にご主人に先立たれ奥さんが後を追うような逝去によくに引き合いに出されることが多い気がします。 ご夫婦の一方がなくなられるとがっくりきてなくなられるとしたら 男女同じくらいに後を追うような逝去になるわけですが女性の平均年齢が男性より約7年ほど長いのは一概に夫婦の絆だけでない消息を物語るものでないでしょうか。 小理屈を並べただけの回答で申し訳ありません。 Q 母の死からもうすぐ100日になります。 母が亡くなった後、ヘルパーさんから不思議な話を聞きました。 ヘルパーさんのお母様が亡くなった後、百箇日位まで親戚の霊感がある人から、ちょくちょく電話がかかってきてお母様からのメッセージを伝えてきたそうです。 それは、ヘルパーさんの家の中の事で、遠くに住む親戚の人は知らないはず事ばかりでびっくりしました。 百箇日が近づくと、親戚の人に見えるお母様の姿もだんだん薄くなり、メッセージも減ってきたようです。 私の母と同じ病気で亡くなった方だったのですが、亡くなってすぐの様子は 入院中に出来なかった色々な事をして結構気楽にやってるよという話だったので、死んでも無ではないんだなぁ、母も病気から解放されて楽になったかな、ということが私の支えでした。 ホーキング博士の「死後の世界はない」という発言がちょっと淋しくて、でも博士もまだ生きているわけだしと思うのですが、 「無ではないかもよ」というエピソードを聞かせて頂いたら嬉しいです。 今回は、死後の世界があるかないかではなく、(生きている人にはわからないのだから) 「無ではないかも」限定でお願いします。 百箇日過ぎたら、より前向きに生きて行きますのでよろしくお願いいたします。 母の死からもうすぐ100日になります。 母が亡くなった後、ヘルパーさんから不思議な話を聞きました。 ヘルパーさんのお母様が亡くなった後、百箇日位まで親戚の霊感がある人から、ちょくちょく電話がかかってきてお母様からのメッセージを伝えてきたそうです。 それは、ヘルパーさんの家の中の事で、遠くに住む親戚の人は知らないはず事ばかりでびっくりしました。 百箇日が近づくと、親戚の人に見えるお母様の姿もだんだん薄くなり、メッセージも減ってきたようです。 私の母と同じ病気で亡くなった方だったので... A ベストアンサー うちのじいちゃんが死んだ時。。。 霊感の強い従兄の子が、葬式で「あそこにじいさんいるよ」と言っていた。 自分は霊とか信じないタイプだから「ふ~ん」って流していたけど、その従兄の子は、葬式までうちに来た事がなかったんだよね。 んで、じいちゃんが生前、部屋の出入りに使っていた窓があったんだけど、そこから出入りしているよ~と従兄が教えてくれたのには驚いたよ。 そこの窓から出入りしているのを知っているのは、うちの家族だけ。。。 どう見ても、通常は出入りに使うような窓ではないから、従兄が知る訳ないんだよね。 「マジで。。。 ?」と思ったけど、それを聞いたうちの父ちゃんは「そうか、じいさんが歩いているか。。。 」と嬉しそうにしていたよ。 うちのじいちゃん、死ぬ時はもう歩けなかったからね。 死んでから、膝の痛みも無く、歩けるようになったんだな~と思ったな。 怖い幽霊とかは見たくはないけど、家族とか「もう一度会いたい」と言う人であれば、幽霊でもいいから会いたいと思うよね。 Q タイトルどおりなんですが… 亡くなった大切な人(ペットも可)が「そばにいる」「見守ってくれている」と思った瞬間はありますか? 私は先日母を亡くしましたが、その数日後に夢を見ました。 母より3年前に父が亡くなっているんですが、夢の中で私は遺族として家族の葬儀に参列していました。 私が「おかしいな、この光景は母の葬儀の時の光景なのに…」と思った瞬間、参列している人たちが私に 「お母さん残念だったね」 と声をかけました。 はっとして母の姿を探すと母はどこにもおらず、祭壇に母の遺影がありました。 私は慌てて「お母さん、消えちゃ嫌だ!」と叫び、その声で目を覚ますと、右手を誰かが握っている感触がありました。 母が末期がんで入院している時、私が病院に行くと必ず私の右手をぎゅっと握って離さなかった、その時と同じ感触でした。 それからはっきり目が覚めると徐々にその感覚もなくなっていきましたが、母がそばにいてくれると思いました。 皆さんの、「見守ってくれている」と思った体験をお聞かせください。 タイトルどおりなんですが… 亡くなった大切な人(ペットも可)が「そばにいる」「見守ってくれている」と思った瞬間はありますか? 私は先日母を亡くしましたが、その数日後に夢を見ました。 母より3年前に父が亡くなっているんですが、夢の中で私は遺族として家族の葬儀に参列していました。 A ベストアンサー 妹が20代で癌で亡くなっているのですが、3.11の前に、何回も何回も夢に現れて、なにかを私に必死に伝えようとしていました。 いっしょに津波の映像が出てきて、うちは内陸県なのになんで津波?と思っていました。 3月10日に、ちょうど2時ごろ家でうたた寝をしていたら、妹の影がすっと見えた気がして、直後ものすごい揺れに襲われ、大地震だ、と叫びながら起きました。 それで翌日、3.11が来ました。 うちは6弱の揺れで、被害はなかったのですが(花瓶やお皿はたくさん割れましたが)私が極度の地震恐怖症なのを妹は知っていたので、ああこれを教えに来ていたんだな、と思いました。 亡くなってからもう30年近いのですが、見守ってくれてるんだな、と思えました。 Q 86歳の祖母が今月5月の17日から点滴のみで寝たきり状態です。 4月に酸素濃度が低いと言われ入院。 そのままご飯を飲み込むのが難しくなり、鼻から食事を取るようになりました。 5月の15日に胃ろうの手術を行う予定でしたが、体調が悪そうなので断念。 そして17日の朝に危篤と言われ、あと30分しかもたないでしょうと連絡があり、家族で病院に駆けつけました。 病院に着いた時は安定しつつあり、それでも2. 3日が山でしょうと言われました。 今10日以上経ちましたが、変わらず点滴のみで酸素を鼻から送っています。 心拍数は70くらいで酸素濃度は時々80代まで下がってしまうようですが基本的に95以上はありますし、おしっこもちゃんと出ているようです。 血圧も標準です。 何を言っているか聞き取れないのですが、1日2. 3回は口を動かして言葉を発します。 寝返りもうちます。 時々笑ってくれたりもします。 帰りたいのに帰れない、言葉も伝わらないことで怒って弱々しくですがパンチしたりもしたそうです。 それでも病院側はまた鼻から管を入れて食事するのは難しいでしょうと言います。 このまま点滴だけで... と言う感じです。 重度ではないですがもともとパーキンソン病も持っています。 身長140cmない位で体重は今25kgあるかないか位です。 今は歩くことは不可能です。 身内として見てるのも辛い、可哀想で仕方ありません。 私達の家から祖母のいる病院まで片道3時間程かかるので、次また危篤の連絡が来た時、最後一緒にいてあげられないんじゃないかと母といつもヒステリックになってしまってしまいます。 私も仕事が忙しく、母も父方の祖父祖母の世話をしていてずうっと付きっきりにはなれない状態です。 鼻からの管がこれから先出来ないと断定された時、点滴だけでどれ位生きられるのでしょうか? 昼間はKN3号と言う点滴を入れているようです。 4月に酸素濃度が低いと言われ入院。 そのままご飯を飲み込むのが難しくなり、鼻から食事を取るようになりました。 5月の15日に胃ろうの手術を行う予定でしたが、体調が悪そうなので断念。 そして17日の朝に危篤と言われ、あと30分しかもたないでしょうと連絡があり、家族で病院に駆けつけました。 病院に着いた時は安定しつつあり、それでも2. 3日が山でしょうと言われました。 今10日以上経ちましたが、変わらず点滴のみで酸素を鼻から送っています。... A ベストアンサー 水分と最低限の栄養素だけ点滴で賄えれば、何年も生きる方もいますよ。 自発で呼吸ができず人工呼吸器をつけ、点滴だけで数年生きて、数年ぶりに目覚めたといった話を聞いた事はありませんか? KN3は維持薬ですね。 水分の維持をする為のものです。 これだけでも生きられますが、胃ろうができない方に高カロリーの点滴を使う事もありますが、高齢でその状態ではちょっと難しいかも知れませんね。 人間は、食事をせずとも点滴だけで生きていられるんですよ。 ただし高齢で体重も少ないですからどうしても感染症等の危険もあるでしょうし、臓器の状態、おそらく血液検査や胸部、腹部エコー等もされているでしょうが書かれていませんからなんとも。。 前日まで元気そうに見えていても、翌日急変してその数時間後にはという方もいれば、数か月の方もいますしね。 余命は、現場にいても医師でも数時間前~数日前まで判断できないものです。 残された時間を大事にお過ごしください。 お大事に。 Q 仕事上の付き合いの人が、6月の終わりから祖父か祖母が危篤ということで、県外の実家へ帰省しました。 (実家には、父親、母親が健康でいるそうです) 9月になっても戻ってきません。 まだ危篤状態とのことです。 いつ戻れるか、と聞いても「わからない」と答えます。 通常、危篤状態になってから臨終するまでの期間はどれ位なんでしょうか? 普通2~3日か、長くても1週間くらいかと思っていましたが、3ヶ月近くも危篤状態が続くことはあるのでしょうか? それから、危篤になったら通常、臨終まで親戚家族はたとえ県外に住んでいても、仕事や学校とかがあっても、帰省してそばにいるものなのでしょうか? 不謹慎な内容かもしれませんが、私の身の回りの人でこのような亡くなり方をした人がいず、全くわからず困っているので回答お願いします。 A ベストアンサー 聞いた話しですが、 体重や体の大きさなどを考慮して焼き時間を算出します、 そして、火葬炉の種類ですが、台車式とロストル式(ロースターと同義)があり(大抵はどちらかを使用しています、形が変わっても基本的には替わらないです)、台車式は時間がかかりますが、棺とお骨受けの落差が少なく、骨が落ちても比較的バラけることなく落ちるそうです。 (骨そのものの破損も少ない)。 ロストル式の場合は、格子の上に棺を置き、お骨になったときに格子の隙間から落ちます。 格子の下には骨受けがあり、棺があった場所との落差がかなりあり、破損し易くなります、ただし、時間が短いです。 また、失礼ですが、祖母君様の年齢が90を超え、骨が衰えていたりした場合(骨粗相症など)や、薬物治療などを長期に渡って行っていた場合、骨がもろくなっていて残らない場合があります。 私の知っている斎場では、導入したバーナーの火力が弱く焼け残りがたまにあるそうです。 A ベストアンサー こんにちは。 あなたの質問のタイトルに思わず拝見せずにはいられませんでした。 長文になります、お時間のある時に読んでみてくださいね。 1年前、本当に最近ですね。 どうしていいかわからなくて当然だと思います。 勝手ながら、自分の話をさせてください。 私も、決して忘れることのできない人がいます。 彼を亡くして、この冬で16年になりますが、 未だにこの季節になると、彼の面影や当時のことを、街中に探してしまう自分に気づきます。 初めの一年は本当に、彼の死すら現実味が湧かず、どこか夢の中の事のようで、 悲しみや喪失感に向き合うことからすら逃げていました。 彼との別れから10年後に、「亡くなった彼を忘れられない君を受け入れる」と告白してくれた友人と恋人として付き合いましたが、結局自分の中でどこかに彼を重ねたり探したりしていることに耐えられなくなり、お別れしたり。。。 やはり、愛する気持ちのまま、存在ごと失ってしまった人は、永遠になるのだと思うんです。 彼は、物理的にはもう存在しないし、会うことも叶わないけれど、 自分の記憶や心の中には永遠に存在し続ける。 ただ、最近思ったことは、心の中の彼は永遠に16年前の彼のままで、彼を思う「私」も16年前のまま。 そこには決して時が流れないんです。 私の肉体は、あれから16年の年月を生きて、社会的なステータスも、外見も変化しているというのに。 だからふと、彼のことは永遠にこのまま、16年前の私自身の一部として抱き続けて、 私は私の「この先」を生きたらいいのではないか、と思ったんです。 来年、私は、彼ではない人と結婚します。 それも、彼とは全く違うタイプの人と。 それまでに彼を忘れるわけもないし、彼を今も大切な人だったと思っていますが、 16年前の私が、そしてその後の16年間私が彼に感じていたような愛情を、 今その人に対して持っています。 それは、私がこんなにも長い年月をかけて引きずってきた後ろ向きでかつ絶対的な愛情を、 過去の自分に任せる決心がついたからではないかなと考えています。 完全に、忘れることなんでできません。 同じように愛することも、また、同じ何かを他の人に求めることもできない。 かつて彼が贈ると約束してくれた物を婚約者がくれようとしたとき、思わず拒否すらしてしまいました。 それでも、今生きている私は、16年前の彼よりも、今隣にいる婚約者を愛せています。 何年かかるかわからないけれど、いつかあなたも、彼に対する愛情を過去のあなたに任せて、 今を生きるあなたが愛したいと思える人を愛せるようになると思います。 それまでは焦らないで、思う存分悲しんでください。 悲しいだけ、あなたは彼を愛して、彼に愛されていたということなのですから。 亡くなった彼に頼ってもいいと思います。 彼には、いつでも会えますよ。 寂しいとき、悲しいとき、嬉しいときでも、ただ想えばいいだけだから。 そうしていつか、彼に愛された事を自分の命に刻んで、幸せになって下さい。 こんにちは。 あなたの質問のタイトルに思わず拝見せずにはいられませんでした。 長文になります、お時間のある時に読んでみてくださいね。 1年前、本当に最近ですね。 どうしていいかわからなくて当然だと思います。 勝手ながら、自分の話をさせてください。 私も、決して忘れることのできない人がいます。 彼を亡くして、この冬で16年になりますが、 未だにこの季節になると、彼の面影や当時のことを、街中に探してしまう自分に気づきます。 初めの一年は本当に、彼の死すら現実味が湧かず、どこか夢の中の事... A ベストアンサー このような体験って、 人に言いにくいですね。 あなた様のように視覚的に捉えられる方もいらっしゃれば、 他の五感で接触するもいらっしゃるようです。 また、物質を通じて受け取る方もいらっしゃるようです。 私の兄が病院で急逝した時の事です。 その日は朝から気持ちが落ち着かず、 何をしていてもシラケていました。 気がついたら病院へ向かって歩いていました。 病院の前に親戚の人が立っていました。 まるで私を探しているかのようでした。 私が病院に向かうまでの間、 兄が私を呼び続けていたそうです。 私が病院に着くちょっと前に、 兄は亡くなりました。 家族が亡くなるときには必ず、 カラスが家の周りに集まってきて、 うるさく鳴きます。 幼いころからいろんな形での 不思議な体験をしています。 それで、 その方面を独学してきました。 以下はあくまでも、 私が知る範囲での解釈です。 このような形而上学的現象は 科学的に立証が困難なのはご存じと思います。 現在の実験測定方法と機器では感知できず、 稀に感知できたとしても、 その状況の再現方法が確立していないからです。 誰であろうがいつでも繰り返して同じ結果が出ないからです。 それゆえに、 未だに不可解な領域とされています。 しかし一方では、 そのような能力を有する方が 急激に増えているようです。 課題は将来に向けてその能力を 正しい方向へ活用することだと思います。 そして、更なる確証を得るために、 世界が協同して巨大な実験装置を作っている最中です。 そのきっかけとなったのは、 物質はエネルギーで出来ていて、 そのエネルギーを変化させるのは意識だということです。 人の意識が物質に影響を与えている。 または、何らかの意識によって宇宙は動いている。 意識が無ければ宇宙は存在しない。 このような時点にまで探求が進んでいるのです。 <オーラに関して> 30年ほど前は、 オーラの話をすると、 誰しもが疑いの念を持っていました。 現在ではそのような事は無くなり、 オーラが見えるかどうかとに関わらず、 日常的にオーラという言葉に抵抗感を示さなくなりました。 霊的レベルが急激に上昇しつつあるからです。 現在、 オーラが見える人は 20人に一人位だと言われています。 微細なので認識できない方もいれば、 あなた様のように鮮明に見える方もいらっしゃる。 実はかなり以前に、 オーラが誰にでも見える装置が開発されていました。 私が設計図を入手したので、 電子工学の専門家に見てもらったら、 「理論的には間違いありません、可能です」と おっしゃっていました 近代量子物理学では、 オーラは当然のこととしています。 宇宙はエネルギーで出来ていて、 現象は様々な光となっているそうです。 人が目で光を見たときに、 その光は脳の中で変換されて物質化されます。 つまり、人は正しく見ていないのです。 光そのものが真実です。 脳の変換が少ないと、 物質と光が重なって見えるらしいのです。 脳が変換を止めると そこは光の世界だそうです。 そもそもオーラが見える方は 目で見ているのでは無くて、 心眼(脳の中心、眉の間の中心から1cmほど上の奥)で 観ているそうです。 そこには心霊的視覚中枢があります。 ここが活動するとオーラが見えます。 <オーラを正しく理解して、正しく使う> オーラに限らず、 不可解な事は沢山あります。 テレパシー、幽体離脱、物質変換などなど。 神話からはじまり現代にいたるまで 古今東西、話に事欠かない迷信めいた話、 超能力者の出現。 神がかったふりをして人を騙そうとするやから。 一方において、 心の底から探求しようとしてきた方々。 科学の力で解明しようと努力している方々。 今まさに、 真実が明らかにされるレベルにきています。 私が中学生から現在(58才)に至るまでに勉強した中で、 医学、哲学、地学、天文学、物理学など。 霊的存在、オーラ、幽体離脱、瞑想、呼吸法など。 総合的かつ実験をもってして、 最も誠実なる確証を与え、 謎を解き、真実を垣間見せてくれた団体を紹介します。 でも決して参加をおすすめしているのではありません。 amorc. このような体験って、 人に言いにくいですね。 あなた様のように視覚的に捉えられる方もいらっしゃれば、 他の五感で接触するもいらっしゃるようです。 また、物質を通じて受け取る方もいらっしゃるようです。 私の兄が病院で急逝した時の事です。 その日は朝から気持ちが落ち着かず、 何をしていてもシラケていました。 気がついたら病院へ向かって歩いていました。 病院の前に親戚の人が立っていました。 まるで私を探しているかのようでした。 私が病院に向かうまでの間、 兄が私を呼び続...

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丘の上から 村下孝蔵 歌詞情報

このまま 君 を 連れ て ゆく よ

おしりって、気持ちいいんだ… 智くんの中にとっても気持ち良くなる場所があって ソコを掠めるたびにさらに高い甘い声をだす。 「あ…んぅ…ソコ…すごぉいよぉ…」 ソコだけを狙って指を動かしたら智くんの両脚が フルフル震えて脚の指を突っ張って… このままだとまた、イッちゃいそうだ。 もうすでに2度もイッてるし… それに俺も中に入りたい… 「智くん…入ってもいい?」 指の動きを止めたら、ゆっくり目を開けた智くん。 全身で呼吸していて、うつろな眼差しは さらに俺を駆り立てる。 「好きだよ…」 両脚を開いて抱え俺を押し付けた。 体にあまり力が入らないようで プチュと俺の先端を押し込むとそのまま中に 導かれるように入っていった。 「あぁ…は…んぅ…」 「智くん…すげぇ…」 奥まで 智くんと身体が重なった。 幸せだ。 すげぇ、気持ちいい… 締め付けに耐えていると智くんの腰が動き出した。 やべぇ… 智くんの顔の両側に肘をついて頭を、頬を 撫でるように覆い被さる。 智くんに誘われて俺も… ぐちゅ、ぐちゅ、と俺たちの動きに合わせて 出るこの音。 肌と肌のぶつかる音。 智くんの漏れる声。 全部が堪らない。 「さと…し、好き…だ…よ」 ズンズンと腰をぶつける。 「あ…んぅ!あ…ぁあ!しょ…ちゃ…」 智くんの好きなトコロを狙って。 俺ももうすでに限界で俺と智くんの腹で擦れる智くんのものをガチガチだ。 「一緒にいこ…」 智くんのを握った。 腰を動きに合わせて手も動かす。 「イッ…イク!」 俺の手と智くんの腹が智くんのから溢れた 快感に染まって その刺激でギュッと閉まり、俺も智くんの中に 快感を溢れさせた。 「ドクドクしてる…」 おへその下辺りを触りながら智くんは言った。

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