バーバラ ミント。 楽天ブックス: 考える技術・書く技術ワークブック(上)

ロジカルシンキング

バーバラ ミント

Situation:本書「考える技術・書く技術」は米国での初版が1973年で、ロジカルシンキングや論理的な文書作成のテキストとして評価が高く、この分野では古典となっている。 1996年に改定され、書く技術、考える技術に加え、問題解決の技術を追補し、表現の技術と合わせて4部構成となっている。 Complication:私自身が、論理的思考が極めて苦手であり、文書の作成能力も低いことを嘆いていたところ、コンサルをしている友人が本書をすすめてくれた。 これによると、論理的思考も文書作成能力も、問題の根っこでは同じであるという。 なるほど、考えたものを文書にするのだから、自分自身の考えが「論理的」に整理されていないと、それに導かれる文章もまた理解されにくいものになる。 Question:著者であるバーバラ・ミントは、その解決法の原理・原則をピラミッド・プリンシプルと名付け、論理的な考え方やあるべき文書の組み立て方について明確にしている。 では、その魅力的なピラミッド・プリンシプルとはどのようなものか? Answer: 1.文書作成時のピラミッド・プリンシプルの基本について (1)ピラミッド・プリンシプルの利点 聞き手や読み手は、頭の中で受け取った情報を関連付け整理しようとする。 まず主要な情報(大きな考え)を受け取り、次にそれに根拠を与えるいくつかの情報を受け取ることができれば一番理解しやすい。 ピラミッド型に考えや文章を構成することで、受け手の頭の中の作業を容易にし、理解しやすくする。 文書作成や問題解決、物事を考える際には、ピラミッド・プリンシプルに立ち返ってブラッシュアップしていきたい。 感想 *300ページある内40ページを読んだ感想* とにかくわかりづらい。 コンサル業界では知らない人はいないマジのバイブルであるが、文字通り聖書なみにわかりにくい。 本書では自分の考えのまとめ方をピラミッド構造というフレームワークを使用して紹介されているが、本書自体がそもそもピラミッド構造にはなっていないように感じる。 20年前に出版され、今も高い評価を誇るがイマイチその理由がわからなかった。 憶測であるが、既に本書で紹介されているような思考ができている人物がこれを読んで、自身の漠然とした考え方を言語化していることに評価しているのであり、ゼロから学ぶには不適切なのではないかと感じた。 本書ではComplication(複雑化)という言葉が何度も出てくるが、これが一体何なのかの説明がなく、翻訳の問題かと感じたので原書を読んでみようと思う。 ・どのレベルであれ、あるメッセージはその下位グループ群のメッセージを要約したものでなければならない。 ・各グループ内のメッセージは同じ種類のものでなければならない。 ・各グループ内のメッセージは論理的な順序で配属されなければならない。 ・導入部は疑問を思い出させる。 なぜならば、より確信できる物事から考え始めるのが人の常であるため。 初心者はまずはトップダウン型に構成する事を考え始める。 ・よい導入部を書くための理論 1. 導入部とは、知識を与えるものではなく、思い起こさせるためのものである。 導入部にはストーリーの3要素(状況、複雑化、解決)を含ませる。 導入部の長さは読み手の必要性ち文書のテーマによる。 ・帰納法は類似の考えや関連する行動をグループ化する。 ・キーラインレベルでは、帰納法の方が演繹法よりも望ましい。 ある結果の原因を特定する。 全体を部門に分ける。 類似のもので分類する。 ・同一結果を導くアクション群をひとつのグループとする。 ・グループ化の根拠になるプロセスや構造を明らかにし、その順序に従い配置する。 ・見落としたアクション・ステップがないかどうかチェックする。 ・同じ種類で表現される考えをひとつのグループとする。 ・グループ化の根拠となる構造や分類を明らかにする。 ・各ポイントを主語・述語を備えた文章形式に書き直した後、配置の順序を決める。 ・見落としたポイントがないかどうかチェックする。 ・状況の考えを要約する場合、それらポイント群の類似性の意味を述べる。 ・各考えがすべて同じアクションを必要とする。 ・各考えがすべて同じ対象に対するアクションについて述べている。 ・各考えがすべて同じ洞察結果を意味している。 ・各グループのレベル(階層)の違いを明らかにする。 ・各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とする。 ・アクション群の実行から直接得られる結果を述べる。 ・各ポイントをできるだけ狭くグループ化する。 ・そのグループ化が何を意味するのか(推論)を述べる。 ・今まで安定を覆すような出来事を述べる。 ・望ましくない結果を明らかにし、望ましい結果を具体的に述べる。 ・その問題を解決するために、今まで何らかのアクションが取られたかどうか明らかにする。 ・分析の目的、すなわち分析より答えるべき疑問を明らかにする。 それによって、物事を分類する癖をつける。 「なぜ?」「だから何?」というワードを投げかける。 どのように考え、そして効果的に文字に落とし込めるか。 その具体的方法を悪文と添削を交えて学ぶことができる。 論理を述べるためにはグループ化や要約の思考プロセスを伴う ピラミッドを作り始める前に、文章全体として読み手のどんな疑問に答えようとしているのか、を知る必要がある あらかじめ道筋を示し、トップダウンに話を組み立てる 正しいピラミッド型になっているかチェックする 1. どのレベルであれ、メッセージはその会のグループ群を要約するもの 2. 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のもの 3. その疑問に答えていく。 そして導入部は飛ばさない(いきなりキーラインポイントまで飛ばない) 過去の出来事は導入部で述べる 読み手が知っていることだけを書く 主題に関する物語を伝え、読み手の興味を高める トップダウン型アプローチ 1. 主題を書く 2. 読み手を思い浮かべ、主題に対する疑問を書く 3. 答えを書く 4. 状況を明確にする 5. 複雑化へと発展させる 6. 何をすべきか(方針を与える、選択肢の中から決定する) 2. どのように実行すべきか(方針を与える、how to を説明する) 3. 実行すべきか(支出の承認を求める) 4. なぜ起きたのか 演繹的理由づけ 1. 世の中に実在する状況について述べる 2. 同時にもうひとつ世の中に実在する関連状況について述べる。 この記述は最初の記述の主部か述部のどちらかについて注釈することで、最初の記述と関連を持つことになる 3. 言いたいポイントをすべてリストアップする 2. それらのポイント同士の関係性を考える(図示) 3. 結論を導く グループ内の考えを要約するためには、白紙の主張を避け、テーマを絞る。 そのためにも、グループ化の根拠を明確にする。 問題解決 ・問題を定義する(望ましくない結果と望ましい結果のGAPを理解する) 1. 問題がありそうか or 改善の機会がありそうか 2. 問題はなぜ存在するのか ・解決を発見する 4. 問題に対し何ができるか 5. 問題に対し何をすべきか 読み手の頭にイメージを創り出す イメージを言葉にコピーする ビジネスは、顧客の関心を喚起し、信頼を獲得、その結果としての契約を勝ち取り、顧客と長期関係の維持を目指す。 一連の業務遂行において、多くの文書、プレゼンテーション資料を作成し伝達しているはずである。 その中で、論理的ではない、具体的ではないなど叱責を受けた経験も多いだろう。 また部下育成のためにどのように論理的な文書手法をもって指導すれば良いのだろうかと悩ませている人も多いはずである。 本書はそんな悩みを解決してくれる一助になる。 本書はグロービス「ロジカル・ライティング」コース同様に、 ・論理的な妥当性 ・説得力ある表現力 ・相手の立場の理解 をコンセプトにデザインされている。 私にとって、特に役に立ったのは「自分の考えを練り上げる」訓練になることであった。 内容はコンサルタントの基本スキルレベルまで達しているため、一般ビジネスパーソンにとって理解するのは骨が折れるかもしれない。 しかし一読する価値がある良書である。

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考える技術・書く技術 ワークブック〈上〉

バーバラ ミント

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員] 1954年生まれ。 78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。 「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。 著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。 いまこそ読みたい! ダイヤモンド社100年100冊 ダイヤモンド社は2013年5月1日に創立100年を迎えることになりました。 雑誌を追う形で始まった書籍事業も、ビジネスジャンルを中心に刊行点数は1万点を優に超えています。 書籍は、その時々の経済環境や流行など世相を色濃く反映しているものが多数を占めますが、時代を超えて読み継いでもらいたい名著が、私達の書棚にはたくさん並んでいます。 本連載は100周年を記念し、普遍の名著と呼ばれる作品から、今だからこそ読みたい隠れた名作まで、有名無名織りまぜた100冊を紹介していきます。 ダイヤモンド社が誇るベテラン執筆陣の、単なる書評にとどまらない論説をご期待ください! バーバラ・ミント著『新版 考える技術・書く技術』 1999年3月刊。 見た目以上にぎっしり内容がつまった一冊です。 最初の版は1973年に出版され、81年、86年、そして96年に改訂されています。 本書は96年版の邦訳です。 十数年以上、版を重ねているロングセラーで、多くの読者に評価されているメソッドなのです。 全体は4部に分かれ、以下のように構成されています。 第1部 書く技術 第2部 考える技術 第3部 問題解決の技術 第4部 表現の技術 単なる作文の技術ではなく、「演繹法」と「帰納法」に関する分析など、思考法を含む論理学のイロハまで含まれています。 ミントの独創的な方法論は、常にピラミッド構造を前提に置く点にあります。 一つのメッセージ(テーゼ)には必ず下部にピラミッド状の要素を配列する、という考え方です。 一種の要素還元主義であり、近代科学の基本的な思想でもあるでしょう。 ある事柄についてあなたの書いたものを読み、あなたが伝えようとしていることを理解しようとする。 このことは、実は読み手にとって大変に複雑な作業を意味しています。 たとえあなたの書類が2ページ程度の短いものであっても、その中にはおおよそ100の文章(センテンス)が含まれています。 読み手は、これらを一つずつ読み取り、理解し、関連づけ、全体を把握しなければなりません。 もしこれらの文章がトップダウンに展開するピラミッド型で構成されていれば、読み手の作業ははるかに楽なものになるでしょう。 ピラミッド型の展開は、読み手の頭の中で起こる基本的なメカニズムを反映しているからです。 (5ページ) したがって、論理的な序列をピラミッドにして構成を考えれば、読み手も短時間で理解できるというわけです。 基本的には、論理的な並べ方には4つの方法しかありません。

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考える技術・書く技術 by バーバラ ミント / The Minto Pyramid Principle by Barbara Minto|まとメモ

バーバラ ミント

「伝える」のゴールには、2段階あります。 一段階目は、理解。 二段階目は、行動です。 理解の為には正しく考えられた内容が、分かりやすく伝わることが。 行動の為には気持ちを動かすことが大切です。 内容と構成:ピラミッド原則 正しく考え、わかりやすい構成をするための技術に、ピラミッド原則があります。 ピラミッド原則とはなにか ピラミッド原則とは、図のように、考えをピラミッド型に配置し、構成すると、「わかりやすく提案できる」というスキルです。 ピラミッド型に構成する、というのは、「メッセージ=得たい反応 理解or行動 を記述したもの」が頂上にあって、小さな主張がそれを支える、という構成です。 バーバラ・ミント『考える技術・書く技術 』より すなわちピラミッド構造とは:• 縦の関係:ある階層のメッセージとそれをサポートするメッセージは、Why So? なぜそう言えるのか? だから何なのか? の関係にあり、上は下の要約になっている。 また、サポートする方法は演繹的論理づけか、帰納的論理づけのどちらかである。 横の関係:ある階層のメッセージは、同じ種類で、かつ論理的な順序づけがされている。 相手に望む反応 となっている。 の3点を満たすものです。

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