財務諸表監査は、 上場会社や 大会社(資本金5億円以上又は負債200億円以上)に義務付けられています。 具体的には、上場会社は金融商品取引法193条2項、大会社は会社法328条の規定により、 公認会計士(監査法人)による監査を受ける義務が定められています。 一方で税務はどうでしょうか? あらゆる企業や 私たち個人は、 1年間で得た利益(所得)に対して、税金を自ら計算して納める義務があります(ただし会社員の場合は会社が代わりに行ってくれます)。 そして日本の税制は非常に複雑で、かつ申告内容を間違えたり、申告期限を過ぎるとペナルティがあります。 そこで 企業は税理士と顧問契約を結び、税務申告書の作成をサポートしてもらいます。 それに併せて、日々の取引の記録(記帳代行)や財務諸表の作成(決算業務)、経営・財務面のアドバイスに至るまで包括的に税理士に依頼するケースが多くあります。 公認会計士は、登録要件(後述)に実務経験が必要なため、 多くの合格者はまず監査法人へ就職(転職)します。 国内には約200社の監査法人があります。 その中で、大手監査法人が4社あり「BIG4」とも呼ばれています。 どのくらい「BIG」かと言うと、4社で国内上場会社の監査業務シェアの 約8割を占めています。 所属する公認会計士が3,000名を超える法人もあり、人気の就職先となっています。 税理士にも、BIG4系列や独立系の大手税理士法人があります。 しかし税理士法人の数は、大小合わせても税理士業全体の1割に満たず、 大多数を占めるのは「個人開業の税理士事務所」です。 税理士の就業エリアも大都市圏が多い傾向はありますが、監査法人と異なり全国に幅広く事務所が存在します。 資格取得後、地元にUターンして独立開業する人もいますし、自宅マンションの一室で開業するケースもあります。 税理士業は自分1人でサービスを完結することができます。 かつ開業コストが低いため、 独立開業がしやすいのです。 給料や年収は、企業規模・業務内容・地域・個人のスキルや経験等に応じて決まるため、一概に比較することはできません。 強いて挙げるならば、「 安定性を重視」なら 公認会計士、「 独立して稼ぐ」なら 税理士、というイメージでしょうか。 一方で、独立開業する公認会計士もいますし、組織内で安定して働く税理士もいます。 また、上記以外のキャリアパスも幅広く存在します。 例えば、コンサルティング会社、金融機関、上場企業の経理・財務部門、会計参与(役員)、スタートアップ企業のCFO(最高財務責任者)などです。 専門職ゆえに働き方のバリエーションは多種多様です。 いずれも 自らのキャリアを自らの意思で切り拓くことができる資格と言えるでしょう。 [参考リンク] [参考リンク] 公認会計士登録には前述の通り 3要件が必要です。 [ 1 ] 業務補助2年は、合格後に監査法人で就業することでクリアできます(一般企業で満たせるケースもあります)。 [ 2 ] 実務補習3年は、実務を学ぶ「実務補習所」と呼ばれる機関に3年間通い、一定の単位を取得することで満たせます。 通常は監査法人で働きながら週1~2回程度、平日夜(もしくは土日)の講義に参加します。 なお一定要件を満たせば期間短縮も可能です。 [ 3 ] 修了考査は、言わば実務補習所の卒業試験(年1回)です。 合格率は60~70%と高く、再受験も可能で、合格期限もありません。 税理士登録は 実務経験2年の 1要件のみです。 これは試験合格前後を問いません。 そのため、2~3科目合格時点で税理士事務所などに就職・転職をして、将来の独立を見据えて実務を学びながら(実務経験も満たしながら)合格を目指す人が多いです。 比較項目 公認会計士 税理士 使命 < 公認会計士法 第1条> 公認会計士は、 監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて 国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。 < 税理士法 第1条> 税理士は、 税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された 納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。 業務 < 公認会計士法 第2条1項> 公認会計士は、他人の求めに応じ報酬を得て、財務書類の監査又は証明をすることを業とする。 < 税理士法 第2条> 税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。 一 税務代理 二 税務書類の作成 三 税務相談 独占業務の 根拠法 < 公認会計士法 第47条2項> 公認会計士又は監査法人でない者は、法律に定のある場合を除くほか、他人の求めに応じ報酬を得て第2条第1項に規定する業務を営んではならない。 < 税理士法 第52条> 税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。 1% [ 短答 ] 25. 7% [ 論文 ] 35. 4% 15. 0歳 非公表 40歳前後と推測されます 合格者の最高年齢 55歳 非公表 合格者の最低年齢 18歳 非公表 合格者の 女性割合 20. 4% 25.
次の目次【クリックして移動できます】• 公認会計士試験の難易度や合格率は? 公認会計士になるためには、公認会計士試験に合格しなくてはなりません。 実際に最近の合格率を見ていくと、以下の通りです。 ・平成27年度……志願者数10180人中、1051人が合格(合格率10. 3%) ・平成28年度……志願者数10256人中、1108人が合格(合格率10. 8%) 非常に狭き門ですが、近年は合格率が2桁%に達することが多いようですね。 公認会計士になるための勉強時間は? 平均学習期間は3年程度で、3000時間の勉強が目安になるようです。 このように膨大な勉強時間を経て、公認会計士試験の突破を目指します。 筆者の学生時代の友人にも、公認会計士になった人物がいます。 彼は、大学3年時から資格学校と大学のダブルスクールを実行し、大学4年時には毎日8時間以上勉強していました。 そんな彼曰く 「1日が24時間では足りない」とのこと。 人間は無限に勉強できるわけではなく、集中して勉強できる時間は限られていますよね。 難関試験の勉強ですから、体力的にも精神的にもエネルギーを要するわけです。 そこで、リフレッシュしながら勉強していく必要があるのですが、期間が長いため、やはり途中でダレてしまいます。 そんな時は、「インプットはやめて、ひたすら問題だけ解く」ということを繰り返し、勉強を習慣化していったようです。 彼が公認会計士試験を突破したのは大学卒後2年目で、足掛け4年近くかかったことになります。 その後は地元の監査法人に所属し、今では全国各地に散らばるクライアントのもとを訪れるため、飛び回っていますね。 仕事は非常にやりがいがあるらしく、本人の印象も学生時代とはまるで違っていました。 公認会計士の受験資格や試験の内容は? 公認会計士試験には、これといって受験資格がありません。 つまり、 どんな人間でも、何歳からでも挑戦することが可能です。 もちろん、学歴も関係ありません。 2006年までは、大卒者のみ1次試験が免除されていたのですが、現在はこの1次試験が撤廃されています。 次に 公認会計士試験の試験内容ですが、「短答式試験」と「論文式試験」の2部構成になっていると考えてください。 「短答式試験」の合格者しか、後日行われる「論文式試験」を受験することができません。 短答式試験とは、一問に対しての答えが一つの選択肢や言葉になっている形式の試験を指します。 マークシートによる選択式がイメージしやすいでしょう。 実際に公認会計士試験の短答式試験でも、マークシートを採用しています。 公認会計士試験の内容は?短答式試験編 短答式試験では、以下4つの大きなカテゴリーが設けられています。 ・財務会計論……簿記や財務諸表論、その他企業の意思決定にまつわる情報提供に関すること ・管理会計論……限界計算、その他業績管理に役立つ情報提供などに関すること ・監査論……金融商品取引法や監査基準について問われること ・企業法……会社法、商法、記入商品取引法、その他監査対象となる組織に関すること これらそれぞれのカテゴリーの正答率が最低4割以上、全体として7割以上の正答率で合格となるようです。 全体で70点をとっても、企業法で35点をとってしまうと危険ということですね。 また、この短答式試験に合格すると、2年間の免除期間があります。 つまり、一度短答式試験に合格すると、翌年と翌々年の試験では論文試験のみを受ければよいのです。 このことから、まずは短答式の合格を目指す方という方法も可能ですので、しっかり覚えておきましょう。 公認会計士試験の内容は?論文式試験編 短答式試験に合格すると、次は論文式試験です。 短答式と異なり、問題に対する回答を論文形式で記述するため、内容に対する正確な理解と、一定以上の情報量が必要になります。 つまり、運の要素が少なくなるわけですね。 論文式試験は以下のカテゴリーから出題されます。 ・会計学……財務会計論(簿記や財務諸表論)、管理会計論(原価計算など) ・監査論……金融商品取引法や監査諸基準、監査理論など ・企業法……会社法、商法、金融商品取引法、その他監査対象となる組織に関すること ・租税法……法人税法、所得税法、租税法総論や消費税法、相続税法など ・科目選択制……経営学、経済学、民法、統計学から選択してひとつ 実はこの論文式試験にも免除制があります。 公認会計士試験全体として不合格であったとしても、論文式試験のカテゴリーのうち合格基準に達したものについては「科目合格」となるのです。 これによって、2年間の免除が可能になり、不合格の科目だけに集中することができます。 短答式試験の免除制と合わせて、覚えておきましょう。 その他の免除制度 公認会計士試験では、ほかの分野で一定の資格や学位を持っている人材を対象に、免除制を導入しています。 例えば、短答式試験では、以下のような人材が免除を受けられます。 ・大学等で3年以上、商学関連の教授や准教授に在職していた人……会計学及び経営学が免除 ・商学関連の博士号取得者……会計学及び経営学が免除 ・法学分野で博士号取得者……企業法及び民法が免除 ・大学等で3年以上、経済学関連の教授や准教授に在職していた人……経済学が免除 ・経済学分野で博士号取得者……経済学が免除 ・司法試験合格者……企業法及び民法が免除 ・不動産鑑定士試験合格者……経済学または民法が免除 ・税理士試験合格者……租税法が免除 ・企業の会計制度の整備など実務従事者……会計学が免除 ・監査制度の整備など実務従事者……監査論が免除 このように免除規定が充実しているのは、さまざまな分野から会計の分野へ人材流入を狙っているという背景があります。 実務レベルの知識をもっている方や、他分野(特に法学関連)で専門知識がある方は、有利な条件で挑戦できることになりますね。 【最新版】公認会計士試験実施スケジュール 公認会計士試験は、毎年6月に試験施行の官報公告が出され、8月から9月及び、翌年の2月から3月に受験願書が配布されます。 これは、短答式試験が年2回実施されるためです。 (12月と5月) 論文式試験は1回で、8月下旬に行われます。 平成31年のスケジュールを例にすると、イメージしやすいでしょう。 非常に長丁場ですよね。 しかし、ある程度ターゲットを絞りつつ、期間ごとに重点対策する分野を決めながら挑戦できる試験ともいえるでしょう。 この試験に見事合格すると、2年間の実務経験や実務補修(研修)期間を経て、公認会計士となるのです。 試験合格後、さらに2年間が必要となることも覚えておいてください。 公認会計士になったあとの就職先は? 公認会計士の就職先として最も多いのが、「監査法人」です。 さまざまな企業をクライアントとし、法律上正しい経営を行っているかをチェックします。 日本の法律上、企業に対して監査を行うことができるのは公認会計士だけのため、独占業務です。 さまざまなクライアントと接しながら、公認会計士としてのスキルを磨いていくことになります。 また、 通常の企業への就職も可能です。 この場合、ベンチャー企業で合併や買収(M&A)に関する戦略立案を行ったり、経営全般のコンサルティングに従事したりといった仕事になるでしょう。 特にM&A業務は動く金額も大きく、この分野で成功すればかなりの報酬が見込めます。 ただし、実務レベルでさまざまな業界の知識を求められます。 その他、 個人が運営する会計事務所に就職する方法もあります。 監査法人やベンチャー企業にくらべると、案件の規模は小さくなるかもしれません。 しかし、財務書類の作成やコンサルティングを通して、地に足のついた実務スキルを磨くことが可能です。 このように、監査法人、一般企業、個人事務所と大きく3つの就職先があると考えてください。 士業飽和の時代でもまだまだ強い! 公認会計士は、その専門性の高さと業務独占資格であることから、まだまだ目指し甲斐のある資格です。 ただし、何年も不合格を重ねると後戻りがキツくなりますので、年数を区切って挑戦してみるのが得策かもしれません。 2016年時点では売り手市場となっており、大手の監査法人からも内定が得られやすい状況のようですね。 少しでも会計分野に興味があり、専門的なスキルを身に着けたいのであれば、決して悪くない選択肢といえそうです。 不安定な時代だからこそ、安定した需要のある専門的なスキルを身に着けておきたいものですね。 会計士の求人にはマイナビ会計士がおすすめ マイナビ会計士は、人材サービス大手マイナビが提供する会計士専門の転職サービス。 業界に精通した会計士専門のキャリアアドバイザーが求職者一人一人に寄り添い、転職活動をサポート。 非公開求人も豊富で希望に沿った求人を紹介してくれます。 転職はもちろん、会計士試験に合格したばかりの方の就職にはなおのこと、頼りになる転職エージェントなのです。
次の公認会計士になるには? 公認会計士になるには、4つの条件をクリアする必要があります。 試験は2種類あり、短答式試験に合格者すると論文式試験を受験できます。 修了考査に合格すると、公認会計士の資格が付与され、はれて公認会計士として働くことができます。 例えば大学の経済学部や商学部などで、会計士に必要な知識を学ぶことも可能です。 学費は大学によって異なりますが、4年制の私立大学で約450万円、公立で約250万円ほどかかります。 ほかに、会計や資格取得の専門学校もあります。 学費は運営企業やコース、地域などによって異なり、入学金や授業料、テキスト代を合わせると平均して60~70万円ほどになります。 公認会計士になるための資格や試験の難易度は? 公認会計士試験は、医師・弁護士とともに三大資格ともいわれています。 公認会計士試験のうち、短答式試験の合格率は11. 1%で、論文式試験の合格率は35. 公認会計士 中島さんの場合現役公認会計士の中島さんは1日10時間以上勉強して、勉強期間約1年半で公認会計士の試験を合格したそうです。 公認会計士の給料・年収は? 厚生労働省の調査によると2015(平成27年度)の公認会計士(税理士含む)の年収は6,727,200円でした。 独立している公認会計士であれば年収1000万円以上という人も珍しくありません。 民間企業に勤務する公認会計士の場合は、企業規模によって年収が大きく左右されますが基本的には高給といえるでしょう。 公認会計士の仕事内容とは? 公認会計士の主な仕事は、「監査」「税務」「コンサルティング」です。 「監査」業務では企業の財務書類や財務状況をチェックし、適正に会計管理が行われているかチェックします。 「税務」業務は、税に関する業務全般を指します。 公認会計士は税理士の仕事もすることができるため、税務業務に携わることも可能なのです。 「コンサルティング」業務は、専門的な知識や経験を生かし、会計のプロとしてクライアントに提案やアドバイスを行うものです。 公認会計士の主な就職先は? 公認会計士の主な就職先として、監査法人や一般企業、個人の会計事務所などが挙げられます。 監査法人は、企業から監査業務やコンサルティングなどを請け負い、雇用された公認会計士がその仕事を行います。 監査法人の規模はさまざまです。 一般企業では、経営戦略に関する部署や、会計に直結する経理・財務担当部署に配属されることが多いです。 個人の会計事務所に就職した場合は、顧客企業を訪問して会計をサポートすることもあります。 公認会計士の一日は? 公認会計士の1日のスケジュールは、就職先や業務内容などによって異なります。 今回は、監査法人で働く公認会計士の1日を紹介します。 8時30分 顧客企業に直行 メールのチェック 9時00分 顧客企業の経理担当者とミーティング 顧客企業の経理担当者と、監査法人の担当チームとで、今日の業務、準備するものなどを確認をする 10時00分 決算書のチェック 顧客企業の経理担当者が作成した決算書と、他書類と突き合わせ、内容をチェック 12時00分 昼食 監査法人の担当チームと外に出て昼食 13時00分 決算書のチェック 午前中に引き続き、決算書の内容をチェック 15時00分 顧客企業の経理担当者とミーティング 決算書の不明点などを細かくヒアリング。 必要に応じて、他書類の提示を依頼。 17時30分 勤務先の監査法人に連絡 勤務先である監査法人に電話連絡を入れ、今日の進捗や、明日の予定を報告。 18時00分 帰宅 監査法人に業務日報を提出し、顧客企業から直帰 公認会計士のやりがいとは? 公認会計士のやりがいは、 会計の専門家として、自分の知識や経験をフル活用しながら仕事できる点です。 企業の財務状況は、その企業の事業活動や信頼に関わる非常に重要な部分です。 公認会計士としてさまざまな企業の財務状況をチェックすることによって、経営実態を知り、業界の経済状態を幅広く把握できるのは、会計のプロとして非常に有意義であるといえるでしょう。 また、企業の監査業務には大きな責任を伴うため、重要な仕事をしていると強く感じられます。 多数の企業から任されるようになれば、その重みは一層強くなるでしょう。 この点も、やりがいにつながります。 公認会計士 中島さんの場合現役公認会計士の中島さんは経営者に経営の相談を受けるのはもちろんのこと、家族や従業員の処遇などについても相談を受けることがあり、そのようなことをやりがいと感じているとのことでした。 公認会計士のつらいことは? 公認会計士は国家資格の必要な専門職です。 誰でもできる仕事ではないことから、人手が不足してもなかなか簡単には増員できないという側面もあります。 人手が足りなければ1人が担当する業務量が多くなり、激務になってしまうので、つらいと感じることがあるでしょう。 また、多くの企業で決算期が重なっているため、監査業務が集中する繁忙期には心身ともに負担が大きくなるでしょう。 そのほか、形式に沿った監査の繰り返しをつまらなく感じる、さまざまな取引先とほどよい関係を保ちながら接することに疲れる、といった点も、つらいことに挙げられる要素です。 公認会計士に向いている人、向いていない人は? 公認会計士には、さまざまな能力が必要ですが、 細かい数字や書類に強く、論理的な思考ができる人は公認会計士の適性があります。 例えば、多くのデータや情報、根拠から多角的に物事をとらえて的確に分析できる人は、公認会計士に向いているでしょう。 さまざまな企業と接するため、コミュニケーション能力が高いことも役立ちます。 業務量が多いため、体力に自信があることも適性の一つといえます。 一方、数字を細かくチェックしたり、膨大な書類に目を通したりといったように、地道な作業をこつこつ行うことが苦手な人は、公認会計士には向いていません。 加えて、公認会計士は必ず相手がいる仕事なので、自分1人で完結できるような仕事をしたいと考える人にも向いていないでしょう。 公認会計士になった人の志望動機は何だった? 公認会計士になった人の志望動機で多いのが、 「専門分野におけるプロフェッショナルとして働きたい」というものです。 会計に関する豊富な知識をもち、さまざまな企業の会計状況をチェックしたり、経営のコンサルティングを行う公認会計士の仕事は、経済界のなかでも非常に重要な役割を担うものです。 その点に仕事のおもしろさややりがいを見出す人は少なくありません。 ほかの職種と比較して高収入を得られることも、志望される理由の一つです。 公認会計士 中島さんの場合現役公認会計士の中島さんは公認会計士は規制産業なため、競争率が低く商売するには最適だと判断して公認会計士を目指したそうです。 公認会計士の雇用形態は? 公認会計士はさまざまな形態で働くことができます。 例えば、監査法人や一般企業などに正社員として雇用されて働く形態では安定して働くことができ、正社員に用意された福利厚生などを受けることができます。 フルタイムでの勤務を希望しない場合は、アルバイトや非常勤スタッフとして雇用されるパターンや、派遣スタッフ・契約社員など契約に基づき一定期間雇用されるパターンもあります。 公認会計士の勤務時間や休日は? 監査法人や一般企業などに雇用された公認会計士の場合、勤務時間や休日は勤務先企業のルールや雇用契約で決められます。 9時から18時を就業時間とするケースが多いですが、顧客企業を訪問して監査業務を行う場合は、顧客企業の営業時間を考慮します。 休日は土・日・祝日が多く、勤務日と休日が定期的ではっきりしている傾向があります。 ただし、決算期など業務量が膨大になる時期は、残業や休日出勤をしなければならないこともあるでしょう。 公認会計士の求人・転職状況は? 公認会計士は、近年は売り手市場であるといわれています。 監査法人の求人に加え、一般企業などの求人も増えており、比較的就職しやすい状況であるといえるでしょう。 公認会計士の将来性は? 公認会計士といえども、仕事内容によっては、将来AI(人工知能)が担当するようになるものもあるでしょう。 それでも、顧客の細かいニーズに対応したり、会計のプロとして取引先の相談に乗り適切な提案をするような仕事は、今後も残っていくのではないかと考えられています。 取引先の満足度を常に考えながら仕事することによって、将来的にも有望な会計士となれるでしょう。 公認会計士 中島さんのアドバイス現役公認会計士の中島さんは、競争率の低い会計業界は業務の効率化に励んでいるところが少ないので、将来そこを変えていきたいとおっしゃっています。 公認会計士の仕事で身につくスキルは? 公認会計士の仕事で身につくスキルは、 経営状態を分析する力です。 お金の流れを細かく知ることにより、どこがうまくいっているのか、どこに問題があるのか、ということを分析する力が身につきます。 さらに顧客企業に適切な会計ソフトの導入を勧めたり、今後の経営戦略の助言をする機会も多いので、提案力も身につきます。 公認会計士のキャリアアップの選択肢は? 公認会計士のキャリアアップの選択肢として考えられるのは、 勤務先企業で仕事の幅を広げていくパターンや、独立を目指すパターンなどがあります。 勤務先企業でのキャリアアップは、企業内で良い評価を積み重ね、高い役職などに登用されることが考えられるでしょう。 自分をより高く評価してくれる企業を求めて、転職することも、キャリアアップの一つといえます。 そして、経験を積んだ後、独立して自分で事務所や法人を立ち上げるパターンもあります。 公認会計士のメリット・デメリットは? 公認会計士のメリットは、高収入であること、専門職で就職先を見つけやすいことなどが挙げられます。 独立を考えやすい点は、起業を目指している方にとって魅力的なポイントでしょう。 デメリットは、公認会計士の資格を取得するために難関試験を突破しなければならないことです。 勉強のために多くの時間を費すのはもちろん、実務経験を積み、単位を取得する必要もあるので、5年以上の年月がかかります。 公認会計士についてのまとめ 公認会計士と聞くと会計にまつわる計算業務ばかりしているイメージですが、実際は経営者と伴走しており、経営の全ての問題を経営者とともに改善していく、非常に責任感とやりがいのある仕事です。 公認会計士になることによって、さまざまな経営者と出会え他業種の経営を見れることから、公認会計士は会計のプロという以外にも多くの知識を身につけることができます。 相当量の勉強をすることが大前提にはなりますが、経営に興味がある方であればとても魅力的な職種だと言えます。
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