パレート 最適 と は。 4

【パレート】「経済学講義」わかりやすく解説│Web大学 アカデミア

パレート 最適 と は

ゲーム理論とは最も良い選択をするための思考法 ゲーム理論とは「利害関係を持つ相手がいる状況で、自分と相手の利益を考え、最適な行動を決める」ための思考法です。 例えば交渉の場で、自分が得をする提案をしても、相手に利益がなければ成立する可能性は低いでしょう。 逆に、相手だけが得をするような内容も、こちらは容認できません。 関係者全員にとって最も良い選択は何かを数学的に導き出すのが「ゲーム理論」です。 元々は経済学の分野で使われていましたが、最近は経営、政治、軍事などあらゆる分野で応用されています。 ゲーム理論の基礎を築いたのは、「ジョン・フォン・ノイマン」というアメリカの数学者で、彼は数学だけではなく経済・物理学・気象学・計算機科学など様々な分野で成果を上げています。 ノイマンが発表した「ゲーム理論」の論文により、今まで不可能と思われていた「人間の意思決定が相互に影響をあたえることを数学的に展開できる形」にすることに成功しました。 その後、経済学者のオスカー・モルゲンンシュテルンと共同で『ゲームの理論と経済行動』を1944年に出版しました。 この書籍をきっかけにゲーム理論が確立、普及していきます。 ゲーム理論の代表例「囚人のジレンマ」とは ゲーム理論の代表的なモデルとしてよく挙げられるのが「囚人のジレンマ」です。 ある犯罪に関する容疑で捕まった2人の容疑者が、意思疎通の出来ない別々の部屋で尋問を受けています。 この2人が取る選択肢は「自白する」「自白しない」のいずれかですが、自白の状況によって受ける刑罰の重さが異なります。 ・1人が自白し、もう一方が自白しない場合、自白した方は無罪・自白しない方は懲役10年 ・2人共自白しない場合は懲役2年 ・2人共自白した場合は懲役5年 この場合、それぞれの容疑者がどの選択肢を取るでしょうか。 お互い「相手が自白せずに、自分が自白する」という選択肢が一番魅力的であることは間違いないでしょう。 しかし、相手も自白した場合は無罪にはならないというリスクもあります。 お互いが「自白しない」という選択肢をとった場合、懲役年数は最も短い2年となります。 A、B2人がお互いの利益を考えて協力したら「自白しない」選択肢をとり、懲役が最も軽くなります。 しかし、お互いが自分自身の利益だけを追求して「自白する」ことを選択したら、「自白しない」を選択したよりも長い「懲役5年」の刑が科せられます。 このように、 各人が自分にとって一番魅力的な選択肢を選んだ結果、協力した時よりも悪い結果を招いてしまうことを「囚人のジレンマ」と呼びます。 「囚人のジレンマ」の構造を理解する上で覚えておきたいのが「パレート最適」と「ナッシュ均衡」です。 全体の利益を優先する「パレート最適」と個人にとって合理的な判断となる「ナッシュ均衡」の矛盾 個人にとって合理的な選択は、必ずしも全体に良い影響を及ぼすとは限りません。 誰も不利益を被ることなく、全体の利益が最大化された状態(それ以上利益を出すためには誰かを犠牲にしなければいけない状態)を「パレート最適(またはパレート効率性)」と呼びます。 囚人のジレンマの場合、「お互い自白せずに懲役2年の刑罰を受ける」のがパレート最適と言えます。 しかし、相手が裏切って自白した場合、自分は懲役10年になってしまいます。 そのリスクを回避するためには自白するしかありません。 この状態では2人とも「自白する」という選択しかできず、そこから変える必要性はありません。 このように、 自分の選択を変えると利益が得られない状態=互いに現状から変わる必要のない安定した状態を「ナッシュ均衡」と呼びます。 囚人のジレンマにおけるナッシュ均衡は「お互いが自白する」こととなります。 しかしそれは「パレート最適」な状態ではありません。 個々人にとっての合理的な判断(リスクの少ない判断)である「ナッシュ均衡」と、全体の利益が最大化される「パレート最適」は必ずしも一致しません。 この矛盾を表現しているのが「囚人のジレンマ」です。

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パレートの法則

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Lecture 4: パレート改善 - Pareto Superior - 2003. 12 大幅加筆 今日は、ちょっと経済学の観点から交渉についての話をしてみようと思います。 ミクロ経済学の教科書にはだいたい、パレート最適、パレート改善の話が載ってると思うので、もし私の説明じゃわからん、もっとちゃんと勉強したいという方は、本だなの奥からむかし使った教科書でも探し出してみてください。 大して難しい話でもありませんし、ここで伝えたいことはグラフを描かなくても常識で概念的に理解できることです。 以下、またたとえ話でお話します。 いま、ここにAさん、Bさんがいて、Aさんは紅茶を1kg、Bさんは日本茶を500g持っているとしましょう。 Aさんはべつに紅茶が大好きで、日本茶が嫌いなわけでもないし、Bさんも日本茶が大好きなわけでもありません。 どっちも好きでも嫌いでもないかな、という感じです。 ここで、これからの話の大前提となる「限界効用逓減の法則」をお話しましょう。 何かをたくさん持っている状態だと、その何かを少ししか持っていない状態に比べて、追加でその何かを余計に獲得した時のうれしさは比較的少ない、という仮定をしています。 端的に言えば、あなたの貯金が20万円のときにお小遣いで1万円貰うのと、あなたの貯金が2,000万円のときに1万円貰うのと、どっちがうれしいか、ということです。 当然(多くの人が)、前者だと思いますよね。 Aさん、Bさんの話に戻すと、Aさんは紅茶をいっぱい持っているけど、日本茶は全く持っていないので、紅茶を少し失ったとしても日本茶を誰かに貰えると幸せになれそうです。 Aさんにとっての限界効用(追加の1単位によって得られる追加の満足度)は、紅茶よりも日本茶のほうが大きいわけです。 そこで、AさんはBさんに、「紅茶と日本茶、少しとりかえっこしましょう。 」と話をもちかけました。 当然、Bさんは喜んで承諾しました。 Bさんも同じ状況にいますから。 2人はまず、紅茶と日本茶を200gずつ交換しました(取り引き1)。 Aさんは、もっと日本茶が欲しいような気がしたので、Bさんにあと200gずつ交換しようと持ち掛けました。 でも、Bさんはあと300gしか日本茶が残ってないのでそれはちょっと困ります。 結局、Aさんの紅茶200gと、Bさんの日本茶100gを交換しました(取り引き2)。 Aさんは、もっともっと日本茶が欲しいような気がしたので、さらにBさんに話を持ちかけました。 しかし、Bさんは半分以上の日本茶をAさんにあげてしまったので、さすがにもう交換はできません。 そこで、Bさんは「紅茶500gくれたら、日本茶100gあげるよ」と言いました。 さすがにAさんはこれは無理だわ、と思いあきらめました。 このAさんとBさんの間の物々交換で、AさんもBさんも、はじめの状態(それぞれ紅茶しか持っていない、日本茶しか持っていない状態)よりは満足できました。 この取り引きを表にまとめると下のようになります。 表: AさんとBさんの取り引きのまとめ Aさん Bさん 紅茶(g) 日本茶(g) 紅茶(g) 日本茶(g) はじめ 1,000 0 0 500 取り引き1のあと 800 200 200 300 取り引き2のあと 600 300 400 200 このように、物々交換を行うことで双方の満足度が向上することを、 「パレート改善」といいます。 そして、物々交換を繰り返していって、もうこれ以上交換はできないというところまできたら、そのことを 「パレート最適」といいます。 AさんとBさんの最終交渉結果は、パレート最適と言うことができるでしょう(理屈をこねればこれは否定することもできます)。 パレート最適はパレート限界と呼ばれることもあります(注:講座7では「限界」のほうを使っています)。 私が交渉学講座で述べている「交渉」とは、基本的にこの物々交換のことを指しています。 自分が持ってるものと、相手が持ってるものを取り引きすることで、自分も相手もよりよい状態になろうとすることが、交渉学の極意です。 そういう意味では、自分から(有形、無形問わず)何も差し出さないで相手から何かを取り上げようというのは交渉ではありません。 また、交換する物件は、自分と相手で異なる価値づけをしていることが鍵です。 紅茶と日本茶、数百グラムについて、AさんとBさんが最初は異なる価値を置いていたことが交渉を始めるきっかけとなったのです。 ちなみに「パレート」というのは今世紀初めのイタリアの経済学者、Vilfredo Paretoの名前が由来です。 その人が考え出したので、パレート最適、パレート改善って名前がつけられています。 今日はこのへんで。

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エッジワースの箱と契約曲線とは?

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参考文献・URL マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編 分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。 以下、ヤフーニュースより引用 引用元URL: 同性婚ができないのは、 憲法で定められた婚姻の自由を侵害し、 法の下の平等に違反するとして、 複数の同性カップルが来年2月から3月にかけて、 東京地裁など全国数カ所の地裁で 国に損害賠償を求める訴訟を一斉に起こす。 代理人の弁護士らが28日、明らかにした。 1月末までに原告の数や提訴する地裁などを確定する予定だ。 以上引用終了 今回の記事テーマはパレート最適です。 パレート最適とは誰かの満足を犠牲にしないと 他の誰かの満足を高めることができない状態のことです。 逆に誰にも迷惑をかけなければ 社会にとって何の問題もないってことです。 同性婚を国が認めると 日本人にとって日本という国にとって不利益があるのでしょうか? もしないのなら、同性婚はパレート最適な状態にないので 認めてもよいのではないでしょうか。 あなたはどう思いますか? この記事ではパレート最適とはどういうことなのか、 分かりやすく詳しく解説していきたいと思います。 この記事を最後までご覧いただき、 同性婚の是非を考えていただければ幸いです。 パレート最適とは誰かの満足を犠牲にしないと他の誰かの満足を高めることができない状態のことです。 わかりやすくするために 図で解説したいと思います。 以下の図は1枚のピザをそれぞれ表しています。 左側はパレート最適な状態、 右側はパレート最適でない状態です。 左側のパレート最適な状態だと もしX君が「もっとピザを食べたいな」 と思ったとしたら、Y君のピザを奪うしかありません。 つまり、ある人(X君)が今よりも有利な資源配分を 得ようと思ったなら必ず、他の誰か(Y君)が 損してしまいます。 こういった状態のことをパレート最適といいます。 パレート最適はパレート効率的ともいいます。 なので、パレート最適というのは 非常に効率的な状態ともいえますね。 逆にこちらの図の右側はパレート最適な状態とは いえませんね。 たとえばX君がもっとピザを食べたいと思ったら 白い部分は余っている部分なので、この余っている部分を食べることで、X君自身の満足度を高めることができますね。 なので最適な資源配分になっていないといえるでしょう。 スポンサードリンク パレート最適における公平性と効率性 男女平等とか公平といった議論がされることがあります。 もし男性の権利と女性の権利が平等になったけど まだ、守られなければならない権利が保障されてない。 そんな国があるとしたら それってパレート最適な状態なのでしょうか? 上の図では保障されている権利が 男女同じになっています。 ある意味公平性がある状態です。 でもパレート最適の議論において 公平性は関係ありません。 なので、この状態は公平な状態になってます。 でも公平性でなくて効率性を考えているのが パレート最適です。 だから男女平等であるから パレート最適な状態か?というと そんなことはありません。 そもそも同性婚が認められないなら まだまだ認めるべき権利があるでしょうから。

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