文:高栖匡躬 犬の飼い主が見た加計学園問題。 その2回目です。 獣医師の平均年収616万円(出典:)というデータも、ネット上では見つかりますが、どういう計算でそれが算出されたか不明なので、公開された統計数値を元に、それをもう一度検証してみようという試みです。 これによって、動物病院の利益構造や、将来性のようなものまで浮かびあがってきます。 その理由は、これから考察を進めて行く中で、段々と分かってきます。 【目次】• ずばり、動物病院の売り上げは? 動物病院の売上を調べている内に、非常に興味深いデータを見つけました。 2013年2月13日に、大阪フレンドロータリークラブにて行われた、淀川中央動物病院の、菅木悠二院長による講演の記録です。 菅木院長は次のように語られています。 多くの動物病院の年間総売り上げは、グラフで示している通り1,000万~5,000万の枠が多いです。 我々動物病院業界では年間総売り上げがだいたい平均3,000万が通説になっています。 5,000万いったらなかなか順調だねぇと言われます。 個々の動物病院により差はありますが、売り上げの約半分が原価や医療環境の維持費、光熱費などで消え、残り半分のうち更に半分が人件費として消えます。 引用元: 総売り上げ3000万円の場合の利益は? それでは、上記で平均値として挙げられた、総売り上げ3000万円の動物病院で、利益を計算してみましょう。 上記にあるように、半分が原価として消えるとすれば、1500万円が粗利です。 更にその半分の750万円が人件費で消えて、残るは750万円が利益となります。 利益の経理上の解釈は? ここからは、この利益をどう解釈するかの経理上の話になります。 それは下記の考察によります。 何故看護師が必須かと言うと、動物医療は人間と違って、診察対象の動物が動かないように誰かが押さえる必要があるからです。 更に、獣医師と看護師が診察中に、外来を受け付け、会計を行うスタッフ(多くの場合は看護師が兼務)を置き、3名体制にする必要もあるでしょう。 そうでなければ、折角来院した顧客を取りこぼしてしまいますし、会計中に診察ができないとなれば、収益に響いてくるからです。 上記の3名は最低限での人員構成で、多くの動物病院は小規模であっても、獣医師が(院長を含めて)2名いることが多いように感じます。 (動物病院の看護師年収は280~350万円:) ここまでをまとめると ここまでの考察をまとめると、年間総売上3000万円の動物病院の利益は750万円であり、この中から院長の報酬が支払われるものと予想されます。 (飽くまで予想です) 獣医師(院長)の収入は? 上記で計算した動物病院の利益が、仮に全て院長の収入だったとして、その金額は750万円。 これを多いというのでしょうか? 少ないというのでしょうか? 他方、年間総売り上げ2000万円を下回る動物病院は、合計すると40. 8%もあります。 2000万円だったとすると、同じ計算をすると、収入は500万円。 1000万円だとすると、250万円となります。 割に会うのか? 難関とされる獣医大学に入り、6年間の専門教育を受け、国家試験をパスした上で、高価な医療機器を導入し、多額の開業(開院)コストを投じる事業と考えると、ちょっと割に合わないように感じてしまいます。 だが、成功者はいる。 しかし悪い事ばかりではありません。 一方では、年間総売り上げが1億円を超える動物病院も6. 1%もあるのです。 100人に6人がその成功を手にできるのだと考えると、むしろ成功者になれる確率は高いとの解釈もできます。 また、59,2%の動物病院の売り上げが2000万円を超えることからすると、例えば開業成功率10%と言われる飲食業などに較べると、事業として見たリスクは、高くはありません。 もしも上手くいかなかったとしても、それなりの収入は期待できるのです。 リスクをどう見るかのポジションで変わるのですが、もしかすると動物病院は、ハイリスク・ハイリターン、またはミドルリスク・ハイリターンの事業と言えるのかもしれません。 勤務医の場合は? 本記事では、獣医師が即ち開業医であるという視点で検討をおこなっていますが、その開業医の元で働く勤務医はどうでしょう? 開業にともなうコスト負担や、経営リスクはありませんが、利益構造から考えて、よほど成功している動物病院で働かない限り、給与は看護師とそう変わらないものを想われます。 恐らく、獣医大学を卒業した後、新米獣医の間は(安月給で)開業医の元で働き、力を付けてから独立と言うルートになっているのではないでしょうか? 人間の歯科医などと同じ構造のように思えます。 動物病院の収益は改善されるのか? さて今後、動物病院の収支は改善するのでしょうか? それを知るためには、1頭の犬または猫が、動物病院に投じる医療費の推移を見る必要があります。 この数字は、ペット保険で有名なアニコム損害保険株式会社が一般に公開している、の中でにありました。 出典: 推移を把握するために、同社の毎年の資料を追いかけ、本項目の調査が行われた、2010年以降をグラフにまとめてみました。 下記がそれです。 (単位は円) 犬の治療費の推移(2010年~2016年) 出典: 猫の治療費の推移(2010年~2016年) 出典: このグラフを見ると、犬も猫も2014年をピークに、医療費の支出は減少をしていることが分かります。 今後1頭あたりに医療費は上がるのかどうか? 残念ながら、統計的な見地からは、このグラフから正確にその傾向を掴むことはできないように思えます。 しかし敢えて筆者の予想を書くとすれば、微減あるいは横ばいではないでしょうか? 医療費が減少した理由を推察 医療費が減った理由は、色々と考えられます。 その中でも大きな理由は、下記の3つではないかと筆者は推測します。 1つ目は獣医師間の競争で診療報酬が下がって来ている可能性です。 動物病院は自由診療なので、同じ治療、同じ薬でも病院ごとに費用が異なるのです。 2つ目は原価の低下です。 一例を挙げると、筆者は過去に愛犬が胆管閉塞となり、高度医療によって九死に一生を得ました。 寛解後に処方された薬が、当時はまだ犬用のものがなかった強肝薬のウルソです。 今では一般的なこの薬も、当時はまだ高度医療に属しており、専門のラボで精密な血液分析を行いながらの処方でした。 金額はこの場には書きませんが、大変に高額でした。 高価だった薬が一般化して、劇的に値段が下がることは一般的に起こり得ることですし、ジェネリックも医療コストの低下に寄与することでしょう。 我々飼い主にとっての僥倖は、医療現場から見ると、売上の減少を意味する場合もあるわけです。 今後、来院数は増えるのではないか? 今後も医療費が下がるのであれば、動物病院に来院する患者数が、増えることが期待できそうです。 もしもそうであれば、動物病院の売り上げは、医療単価が下がったとしても、減少はしないはずです。 それを推測するために、ペット1頭あたりの1年間の通院回数の推移を、追ってみました。 この数字は、一般社団法人ペットフード協会が毎年行なっている、『全国犬猫飼育実態調査』の中に見る事が出来ます。 上記の資料は平成28年版です。 これだけだと推移が掴みづらいので、本項目の調査が行われた2013年以降の資料を読み取り、グラフにまとめてみました。 (縦軸の単位は回です) 出典:一般社団法人ペットフード協会 残念ながら期待に反して、通院回数は2013年以降は、犬も猫もほぼ横ばい(単純に年数割ると犬が4. 44回、猫が2. 21回)でした。 結論 今回の考察の中で、筆者の結論は下記です。 こうしてみると、筆者の愛犬がお世話になった街の動物病院は、何れも大変なご苦労の中で経営をされていたのだと感じました。 実際に動物病院を経営されている獣医師の方に、実情をお伺いしてみると、ここでの考察を裏付けるような内情を語ってくださいました。 動物病院は、本当に動物が好きでないと、なかなか出来るものではないようにも思います。 実はこの計算は、既に行ってはいるのですが、紙面の関係から、そこまで言及ができなかったのです。 本記事で主に扱ったのは、動物病院の現場の実数値です。 それは今回触れる事のできなかった、統計上の理論値と大きな違いがあります。 加計学園問題のポイントである、産業獣医について語るところまで、なかなか行きません。 しかし、この長い前置きもそのための準備なので、どうかご容赦ください。 それではまた。 このシリーズ記事の全体構成は.
次のようこそ! Pet QLifeは全国約7000病院を網羅した日本最大級の動物病院口コミサイトです。 多くの口コミを参考にして、相性の良い獣医さんを見つけてください。 そしてもし、良い獣医さんを、ご存知でしたら、是非、教えてください! 春日部緑どうぶつ病院の口コミです。 セキセイインコの腫瘍で断翼していただきました。 インコを5羽飼っています。 今までも何度か診ていただいています。 腫瘍が確認出来てから数回通院し、介護の甲斐もなく日に日に膨れ上がっていく腫瘍。 小滝橋動物病院の口コミです。 ホームページで見ると、最新の医療機器を備え、設備もすごく、最初はセレブの病院と思っていました。 しかし、実際は全く違います。 ペットと飼い主の立場に立って、最善の治療をできるだけリーズナブルな費用... ファミーユどうぶつ病院の口コミです。 長年色々な動物病院へ行きましたが、こんなに良い病院はありませんでした。 他院で今すぐ手術と言われた際も、先生は手術をしない方法を提案してくださいました。 「ゆっくり治していけば大丈夫。 手術は最終手... 亀井動物病院の口コミです。 もう20年ほど前に、飼っていた猫がお世話になっていた病院です。 当時は自身も幼少だった為に、動物の病院という記憶でしかありませんでした。 大人になり、自身で猫を飼う機会があり、病院を検索したところ、... かねこ動物病院の口コミです。 いままで行ったことのある病院の中で一番信頼をしています。 何件も動物病院をまわって毎週のように血液検査をしたり注射をしたりお薬の投与をしていただいても痩せ細る一方で回復しなかった(どんな病気かすら... エキゾチックペットクリニックの口コミです。 5年前に他の動物病院からの紹介で危険な状態のフェレットを見てもらいました。 すごく対応がよく、詳しく説明をしてくれました。 受付の方も毎回対応がよくて安心です。 結局その子は亡くなってしまったのです... 診療動物を選択するとここに説明が表示されます。 犬は人類が最も古くからパートナーとした動物です。 元々群れで行動する社会性があり、訓練すれば人間の命令に従順に従います。 大型犬から小型犬まで様々な種類があり性格なども異なります。 愛玩動物として広く一般で飼われる一方、嗅覚は人間の数千倍から数万倍、聴覚も鋭く可聴周波数は 40~47,000 Hzと人間に比べて高音域が優れている。 この特性を生かし盲導犬や警察犬など人間を補佐する仕事を持った犬もいます。 体の大きさはネコ科の他のほとんどの動物に比べて小さく。 体重は2. 5~7. 5kgの範囲に収まるものが多い。 待ち伏せ型の捕食者としての能力に長け、鋭い爪や牙、瞬発力、爪を自由に出し入れできるため足音も非常に小さく、体臭も少ないなど様々な身体的特徴をもっている。 人間が猫をかわいいと思うのは、身体のバランスがちょうど人間の赤ん坊に似通っているため、本能的に親近感を持つためと言われている。 ウサギは絵本や童話にも多く登場するポピュラーな動物です。 外敵から身を守るために発達した四方に旋回する大きな耳と脱兎の如(ごと)くなどと例えられるような俊足ぶりや、立って遠くの音を聞くことが出来るように発達した長い足が特徴的です。 古来から狩猟の対象とされてきましたが、現代は、愛嬌があり人になつく品種も多ため、ペットとして飼われる他、小学校などでもよく飼育されています。 ネズミの一種で、体長は約7cm~13cmで体重は約30~40g。 大きさや仕草のかわいさから人気が高い。 性格はおとなしく、人間にもなれやすいものが多いので、子供に根強い人気のある動物。 多くは夜行性で日中は寝ている事が多い。 繁殖力が強いのでオスとメスを飼うと、多くの子供を生む。 モルモットは、ネズミの一種で、頭が大きくずんぐりとした容姿が特徴的。 体長は約20~40cm。 小さくて丸い耳をもち、尾椎はあるものの尻尾はない。 見た目によらず繊細で環境変化などによるストレスによって胃腸内(とりわけ盲腸内)の細菌のバランスが崩れると、摂取した食物の消化が困難になり衰弱する。 また、人間と同じく、体内でビタミンCを作る事が出来ないため、餌には注意する必要がある。 フェレットは、イタチの仲間である。 性格は、まるで成長しない子猫のようであり、活発で好奇心が強い。 また、一般的に猫よりも人間になつき、飼い主との遊びを好む。 リスには、フサフサとした大きな尾を持ち、木の上で生活する樹上性リスと、尾が短く、草食性の地上で生活するリスの、2タイプがある。 またシマリスのように地上で生活するリスでも木に登ることが得意なリスも存在する。 樹上性リスの仲間にはムササビやモモンガのように、木から木へ滑空する能力を持つ種も存在する。 ちなみに、リスという名前は、漢字の「栗鼠」の音読み「リッソ」が転じたものである。 羽毛の生えた翼によって飛び、細くて歯が無いクチバシをもつ。 前足(翼)は親指以外が退化し、表面に羽毛を生じる。 後肢は歩脚型。 尾骨はごく短い。 全身の毛はいわゆる羽毛型になり、体表面を覆う。 堅い殻のある卵を産卵し、新陳代謝が非常に良い。 また、軽くて強い骨格をしている。 クチバシを使って全身の毛づくろいをする。 体表は鱗か甲板でおおわれ、4本の脚と尾をもつ。 移動の際は4本の脚で前進するが、2本の後脚だけで走るものもいる。 なお、ヘビや一部のトカゲは脚が退化していて、体をくねらせて移動する。 爬虫類の特徴の一つが、体内で熱を作ることができない変温動物であるという点で、活動には外部からの熱が必要である。 このため、爬虫類の多くは、太陽が昇るとまず日光浴をして体温を高めた上で活動を始める。 カエルが代表的。 爬虫類と同じく変温動物であるが、両生類の皮膚はなめらかである。 これは皮膚呼吸が多くの割合を占めているからであるが、それゆえ乾燥に弱いという弱点にもなっている。 水の管理が最も重要で、飼っている両生類に異常が生じたら、直ちに獣医に相談すべきである。 上記のいずれにも属さない種や愛玩動物ではない、家畜などの場合はこちらから検索できます。
次の文:高栖匡躬 犬の飼い主が見た加計学園問題。 その2回目です。 獣医師の平均年収616万円(出典:)というデータも、ネット上では見つかりますが、どういう計算でそれが算出されたか不明なので、公開された統計数値を元に、それをもう一度検証してみようという試みです。 これによって、動物病院の利益構造や、将来性のようなものまで浮かびあがってきます。 その理由は、これから考察を進めて行く中で、段々と分かってきます。 【目次】• ずばり、動物病院の売り上げは? 動物病院の売上を調べている内に、非常に興味深いデータを見つけました。 2013年2月13日に、大阪フレンドロータリークラブにて行われた、淀川中央動物病院の、菅木悠二院長による講演の記録です。 菅木院長は次のように語られています。 多くの動物病院の年間総売り上げは、グラフで示している通り1,000万~5,000万の枠が多いです。 我々動物病院業界では年間総売り上げがだいたい平均3,000万が通説になっています。 5,000万いったらなかなか順調だねぇと言われます。 個々の動物病院により差はありますが、売り上げの約半分が原価や医療環境の維持費、光熱費などで消え、残り半分のうち更に半分が人件費として消えます。 引用元: 総売り上げ3000万円の場合の利益は? それでは、上記で平均値として挙げられた、総売り上げ3000万円の動物病院で、利益を計算してみましょう。 上記にあるように、半分が原価として消えるとすれば、1500万円が粗利です。 更にその半分の750万円が人件費で消えて、残るは750万円が利益となります。 利益の経理上の解釈は? ここからは、この利益をどう解釈するかの経理上の話になります。 それは下記の考察によります。 何故看護師が必須かと言うと、動物医療は人間と違って、診察対象の動物が動かないように誰かが押さえる必要があるからです。 更に、獣医師と看護師が診察中に、外来を受け付け、会計を行うスタッフ(多くの場合は看護師が兼務)を置き、3名体制にする必要もあるでしょう。 そうでなければ、折角来院した顧客を取りこぼしてしまいますし、会計中に診察ができないとなれば、収益に響いてくるからです。 上記の3名は最低限での人員構成で、多くの動物病院は小規模であっても、獣医師が(院長を含めて)2名いることが多いように感じます。 (動物病院の看護師年収は280~350万円:) ここまでをまとめると ここまでの考察をまとめると、年間総売上3000万円の動物病院の利益は750万円であり、この中から院長の報酬が支払われるものと予想されます。 (飽くまで予想です) 獣医師(院長)の収入は? 上記で計算した動物病院の利益が、仮に全て院長の収入だったとして、その金額は750万円。 これを多いというのでしょうか? 少ないというのでしょうか? 他方、年間総売り上げ2000万円を下回る動物病院は、合計すると40. 8%もあります。 2000万円だったとすると、同じ計算をすると、収入は500万円。 1000万円だとすると、250万円となります。 割に会うのか? 難関とされる獣医大学に入り、6年間の専門教育を受け、国家試験をパスした上で、高価な医療機器を導入し、多額の開業(開院)コストを投じる事業と考えると、ちょっと割に合わないように感じてしまいます。 だが、成功者はいる。 しかし悪い事ばかりではありません。 一方では、年間総売り上げが1億円を超える動物病院も6. 1%もあるのです。 100人に6人がその成功を手にできるのだと考えると、むしろ成功者になれる確率は高いとの解釈もできます。 また、59,2%の動物病院の売り上げが2000万円を超えることからすると、例えば開業成功率10%と言われる飲食業などに較べると、事業として見たリスクは、高くはありません。 もしも上手くいかなかったとしても、それなりの収入は期待できるのです。 リスクをどう見るかのポジションで変わるのですが、もしかすると動物病院は、ハイリスク・ハイリターン、またはミドルリスク・ハイリターンの事業と言えるのかもしれません。 勤務医の場合は? 本記事では、獣医師が即ち開業医であるという視点で検討をおこなっていますが、その開業医の元で働く勤務医はどうでしょう? 開業にともなうコスト負担や、経営リスクはありませんが、利益構造から考えて、よほど成功している動物病院で働かない限り、給与は看護師とそう変わらないものを想われます。 恐らく、獣医大学を卒業した後、新米獣医の間は(安月給で)開業医の元で働き、力を付けてから独立と言うルートになっているのではないでしょうか? 人間の歯科医などと同じ構造のように思えます。 動物病院の収益は改善されるのか? さて今後、動物病院の収支は改善するのでしょうか? それを知るためには、1頭の犬または猫が、動物病院に投じる医療費の推移を見る必要があります。 この数字は、ペット保険で有名なアニコム損害保険株式会社が一般に公開している、の中でにありました。 出典: 推移を把握するために、同社の毎年の資料を追いかけ、本項目の調査が行われた、2010年以降をグラフにまとめてみました。 下記がそれです。 (単位は円) 犬の治療費の推移(2010年~2016年) 出典: 猫の治療費の推移(2010年~2016年) 出典: このグラフを見ると、犬も猫も2014年をピークに、医療費の支出は減少をしていることが分かります。 今後1頭あたりに医療費は上がるのかどうか? 残念ながら、統計的な見地からは、このグラフから正確にその傾向を掴むことはできないように思えます。 しかし敢えて筆者の予想を書くとすれば、微減あるいは横ばいではないでしょうか? 医療費が減少した理由を推察 医療費が減った理由は、色々と考えられます。 その中でも大きな理由は、下記の3つではないかと筆者は推測します。 1つ目は獣医師間の競争で診療報酬が下がって来ている可能性です。 動物病院は自由診療なので、同じ治療、同じ薬でも病院ごとに費用が異なるのです。 2つ目は原価の低下です。 一例を挙げると、筆者は過去に愛犬が胆管閉塞となり、高度医療によって九死に一生を得ました。 寛解後に処方された薬が、当時はまだ犬用のものがなかった強肝薬のウルソです。 今では一般的なこの薬も、当時はまだ高度医療に属しており、専門のラボで精密な血液分析を行いながらの処方でした。 金額はこの場には書きませんが、大変に高額でした。 高価だった薬が一般化して、劇的に値段が下がることは一般的に起こり得ることですし、ジェネリックも医療コストの低下に寄与することでしょう。 我々飼い主にとっての僥倖は、医療現場から見ると、売上の減少を意味する場合もあるわけです。 今後、来院数は増えるのではないか? 今後も医療費が下がるのであれば、動物病院に来院する患者数が、増えることが期待できそうです。 もしもそうであれば、動物病院の売り上げは、医療単価が下がったとしても、減少はしないはずです。 それを推測するために、ペット1頭あたりの1年間の通院回数の推移を、追ってみました。 この数字は、一般社団法人ペットフード協会が毎年行なっている、『全国犬猫飼育実態調査』の中に見る事が出来ます。 上記の資料は平成28年版です。 これだけだと推移が掴みづらいので、本項目の調査が行われた2013年以降の資料を読み取り、グラフにまとめてみました。 (縦軸の単位は回です) 出典:一般社団法人ペットフード協会 残念ながら期待に反して、通院回数は2013年以降は、犬も猫もほぼ横ばい(単純に年数割ると犬が4. 44回、猫が2. 21回)でした。 結論 今回の考察の中で、筆者の結論は下記です。 こうしてみると、筆者の愛犬がお世話になった街の動物病院は、何れも大変なご苦労の中で経営をされていたのだと感じました。 実際に動物病院を経営されている獣医師の方に、実情をお伺いしてみると、ここでの考察を裏付けるような内情を語ってくださいました。 動物病院は、本当に動物が好きでないと、なかなか出来るものではないようにも思います。 実はこの計算は、既に行ってはいるのですが、紙面の関係から、そこまで言及ができなかったのです。 本記事で主に扱ったのは、動物病院の現場の実数値です。 それは今回触れる事のできなかった、統計上の理論値と大きな違いがあります。 加計学園問題のポイントである、産業獣医について語るところまで、なかなか行きません。 しかし、この長い前置きもそのための準備なので、どうかご容赦ください。 それではまた。 このシリーズ記事の全体構成は.
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