メキシコ サラマンダー。 メキシコサラマンダーの飼育方法・販売価格・寿命について解説

アホロートルとは

メキシコ サラマンダー

大人になっても子供? 右の写真に写っている ひょうきんな顔の彼ら は、その名前を メキシコサラマン ダーと言いま す。 「あれ?同じような姿の生き物を、昔見たことあるような気がするけど、そんな名前だったっけ?」と思ったあなた、ご名答です。 そ う、 彼らこそが今から20年ほ ど前の1980年代に、日本中をブームに巻き込んだ、あの 「ウーパールー パー」君なのです。 というわけで現在30歳以上の方々には大変なじみ深いメキシコサラマンダー君なのですが、彼らには別名が多く(一説には40種類を超えると言われていま す)英語名は 「アホロートル (Axolotl)」 といい、現在は主にこちらの名前でも個人収集家の間などで親しまれています。 ウーパールーパーはよく知っていても、「ウーパールーパーの原産地はどこ?」と聞かれると困っちゃう人が多いと思いますが、メキシコサラマンダーの名前が 示すとおり、 彼らは中央アメリ カは メキシコにのみ生息しています。 そしてそ の中でもメキシコの首都であるメキシコシティに近い、 標高2200m以上の高地 にある、 チャルコ湖と ソチミルコ湖という2つの湖でしか見つかっていません。 つまり世界でもこれらの湖しかいない、 珍獣中の珍獣的な存在 となっています。 彼らの体の特徴は何といっても 首 の両側に付いている、ひらひらとした羽のような突起ですが、これは実は 呼吸をするための えらで 「外鰓(がいさい)」と呼ば れます。 多 くの両生類はオタマジャクシからカエルになるように、子供の頃はえら呼吸をして大人になると肺呼吸を行うようになりますが、これを 「変態」といいます。 こ れに対して メキシコサラマン ダーの場合、変態を行わず、多くの個体がこの子供の証であるえらを持ったまま大人になってしまいます。 変態を行わなずに成熟したメキシコサラマンダーは 大変寿命が長く 10〜15年、場合によっては 25年も生き続けることがあります。 しかし、ごくまれに 変態 を行い、えらを失って、肺呼吸を行うようになった、いわゆる 成体型の個体が現れますが、こ の場合は 変態後すぐに死んでし まい、 5年程度しか生きられないと言われてい ま す。 自然界ではこのような成 体型のメキシコサラマンダーはほとんど見ることができず、何がきっかけで変態が起こるのかは良く分かっていませんが、飼育下のものでは飼っている水槽の水 位を下げたり、甲状腺ホルモンの注射することで人工的に変態を引き起こすことが出来ると言われています。 カラーバリエーションが豊富 メキシコサラ マンダーの全長は 平均23cm、最大のものでは 30cmになると言われています。 体重はおおよそ 85gぐらいです。 体の後ろ側には大きなひれ の付いたしっぽがあり、彼らはこれを使って水中を泳ぎます。 メキシコサラマンダーはアクアリウムと呼ばれる家の中の水槽でペットとして飼われることも多く、金魚や鯉などと同じようにこれまで数多くの品種が開発され てきました。 もともと野生にいたものは上の写真の真ん中にいる者のように、緑がかった灰色をしていて、濃い色の斑点が全身に描かれています。 これに加えて 現 在では体全体が白いアルビノや黄色い色のゴールデン、真っ黒い色のメキシコサラマンダーなど、様々な色をしたものを見ることができます。 メキシコサラマンダーは卵を産むことで増えますが、 孵化後約一年でオスもメスも性的に成熟 し、繁殖が可能になります。 飼育下のものは繁殖を行う時期は決 まっておらず、一年中いつでも繁殖しますが、自然界における産卵の時期は3〜6月ごろであると考えられています。 そして繁殖の際にはオスとメスのメキシコ サラマンダーが互いにワルツを踊るように円を描いて泳いだ後、オスが精子の入った精包とよばれる袋を水底に置き、それをメスが卵を産むための排出腔という 穴に取り込んで受精します。 その後メキシコサラマンダーのメスは 100〜300個もの卵を水底に産みます。 通常両生類の 卵は、カエルのもののように全部の卵がひとまとめになって産み 落とされますが、メキシコサラマンダーの場合はゼリー状の保護膜で覆われた卵が一つずつばらばらに産み落とされます。 これは それぞれの卵が水に十分触れ、 多量の酸素を取り込むことが出来るようにするためであると言われています。 そして10〜14日ぐらいすると卵がふ化し、子供のメキシコサラ マンダーが産ま れてきます。 驚異の再生能力 メキシコサラマンダーは大変大きな口を持っていますが、その姿にふさわしく 動くもので口に入るものなら何でも食べると 言っていいぐらい、多くの種類の獲物を捕 食することが知られています。 そんな彼らの主な獲物は軟体動物や魚、昆虫などの節足動物です。 一方彼らが生息していた チャルコ湖とソチミルコ湖という湖では彼らの天敵になる動物は水鳥のみでした。 しかし近年 これらの湖にそれまで生息していなかった 外来性の魚などが人間によって持ち込まれるようになり、 それによってメキシコサラマンダー達が次々と食べられてしまって、その数を急激に減らしてしまう状況になっています。 さらに近年メキシコでは人口増加に伴い飲料水の需要が増え、彼らの棲む湖からも水が大量に流出し、生活の場である水辺がどんどん減少しています。 特に チャ ルコ湖は完全に水が失われ 湖自体が消滅してしまっており、こ こに住んでいたメキシコサラマンダーは完全に 絶滅してしまい ました。 また も う一つの生息地であ るソチミルコ湖も小さな沼が点在するだけになっており、自然界におけるメキシコサラマンダーはほぼ絶滅してしまったのではないかと考えられ ています。 このため自然界におけるメキシコサラマンダーについて、その生態はあまりよく分かっていないのですが、現在のところ ペットや研究用に世界中で数多くの個体 が飼育されています。 メキシコサラマンダーは 体が傷ついた時に再生する能力が高く、中 にはは 脳の一部を再生した例も知られています。 このため特に再生医学などの研究では長年用いられてきており、その他発生学や神 経学などの研究にも彼らが役立っています。 そして実は現在飼育されているメキシコサラマンダーは全て 1864年にメキシコからフランスの パリへ送られた 33匹の個体がその祖先であると言われています。 この 140年の間に、たった33匹のメキシコサラマンダーから世界中で見られるまで増えたと思うと不思議な気がしてなりませんが、まさに彼らの人気のおかげと 言ったところでしょうか? また意外なことに彼らは現地で食用としても用いられる場合があり、焼いたりゆでたりした後、酢やトウガラシ、コショウ などで味付けして食べられているそうです。 そしてこのため数多くのメキシコサラマンダーが珍味として乱獲された歴史があるのですが、それほどまで彼らのお 肉は美味し いのでしょうか??なお現在は法律で保護されているため、採って食べることはできません。 メキシコじゃ神様なのに… メキシコサラマ ンダーはよく 「アホロートル」という言葉で 呼ばれますが、これは 現地のア ステカ人の神話に登場する 「ショロトル(Xolotl)」と いう神様の名前に由来していると言われています。 もともとこのショロトル神は 死と再生の象徴であり、太陽神であるトナティウから逃れるためにメキシ コサラマンダーに姿を変え水の中に逃げこんだという言い伝えが残っています。 しかしその後このショロトル神は捕らえられ、太陽神と月の神に 食べられてしまったということなのですが、 メキシコサラマンダーの驚異的な再生 能力が死と再生の神として神話の中に残されたのでしょうか? ちなみに日本では 「ウーパールー パー」の名前で有名ですが、このように呼ばれているのは 世界中で日本だけです。 な んでも、もともとはとあるプロデューサーが 「スーパールーパー」と して登録商標して売り出そうとしたところ、他にも「スーパー」の付く商標が多いため審査に時間がかかることから、 少しでも早く登録されるように 「ス」を 「ウ」に変えて申請したのがことの発端らしいです。 当の ウーパールーパー達からすれば 微妙なことこの上ない名前のつけられ 方なのですが、現在はそれよりも英語名の「アホロートル」と言う名前で人気を呼んでいるようです。

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ウーパールーパーの飼い方、飼育方法【生物堂】

メキシコ サラマンダー

大人になっても子供? 右の写真に写っている ひょうきんな顔の彼ら は、その名前を メキシコサラマン ダーと言いま す。 「あれ?同じような姿の生き物を、昔見たことあるような気がするけど、そんな名前だったっけ?」と思ったあなた、ご名答です。 そ う、 彼らこそが今から20年ほ ど前の1980年代に、日本中をブームに巻き込んだ、あの 「ウーパールー パー」君なのです。 というわけで現在30歳以上の方々には大変なじみ深いメキシコサラマンダー君なのですが、彼らには別名が多く(一説には40種類を超えると言われていま す)英語名は 「アホロートル (Axolotl)」 といい、現在は主にこちらの名前でも個人収集家の間などで親しまれています。 ウーパールーパーはよく知っていても、「ウーパールーパーの原産地はどこ?」と聞かれると困っちゃう人が多いと思いますが、メキシコサラマンダーの名前が 示すとおり、 彼らは中央アメリ カは メキシコにのみ生息しています。 そしてそ の中でもメキシコの首都であるメキシコシティに近い、 標高2200m以上の高地 にある、 チャルコ湖と ソチミルコ湖という2つの湖でしか見つかっていません。 つまり世界でもこれらの湖しかいない、 珍獣中の珍獣的な存在 となっています。 彼らの体の特徴は何といっても 首 の両側に付いている、ひらひらとした羽のような突起ですが、これは実は 呼吸をするための えらで 「外鰓(がいさい)」と呼ば れます。 多 くの両生類はオタマジャクシからカエルになるように、子供の頃はえら呼吸をして大人になると肺呼吸を行うようになりますが、これを 「変態」といいます。 こ れに対して メキシコサラマン ダーの場合、変態を行わず、多くの個体がこの子供の証であるえらを持ったまま大人になってしまいます。 変態を行わなずに成熟したメキシコサラマンダーは 大変寿命が長く 10〜15年、場合によっては 25年も生き続けることがあります。 しかし、ごくまれに 変態 を行い、えらを失って、肺呼吸を行うようになった、いわゆる 成体型の個体が現れますが、こ の場合は 変態後すぐに死んでし まい、 5年程度しか生きられないと言われてい ま す。 自然界ではこのような成 体型のメキシコサラマンダーはほとんど見ることができず、何がきっかけで変態が起こるのかは良く分かっていませんが、飼育下のものでは飼っている水槽の水 位を下げたり、甲状腺ホルモンの注射することで人工的に変態を引き起こすことが出来ると言われています。 カラーバリエーションが豊富 メキシコサラ マンダーの全長は 平均23cm、最大のものでは 30cmになると言われています。 体重はおおよそ 85gぐらいです。 体の後ろ側には大きなひれ の付いたしっぽがあり、彼らはこれを使って水中を泳ぎます。 メキシコサラマンダーはアクアリウムと呼ばれる家の中の水槽でペットとして飼われることも多く、金魚や鯉などと同じようにこれまで数多くの品種が開発され てきました。 もともと野生にいたものは上の写真の真ん中にいる者のように、緑がかった灰色をしていて、濃い色の斑点が全身に描かれています。 これに加えて 現 在では体全体が白いアルビノや黄色い色のゴールデン、真っ黒い色のメキシコサラマンダーなど、様々な色をしたものを見ることができます。 メキシコサラマンダーは卵を産むことで増えますが、 孵化後約一年でオスもメスも性的に成熟 し、繁殖が可能になります。 飼育下のものは繁殖を行う時期は決 まっておらず、一年中いつでも繁殖しますが、自然界における産卵の時期は3〜6月ごろであると考えられています。 そして繁殖の際にはオスとメスのメキシコ サラマンダーが互いにワルツを踊るように円を描いて泳いだ後、オスが精子の入った精包とよばれる袋を水底に置き、それをメスが卵を産むための排出腔という 穴に取り込んで受精します。 その後メキシコサラマンダーのメスは 100〜300個もの卵を水底に産みます。 通常両生類の 卵は、カエルのもののように全部の卵がひとまとめになって産み 落とされますが、メキシコサラマンダーの場合はゼリー状の保護膜で覆われた卵が一つずつばらばらに産み落とされます。 これは それぞれの卵が水に十分触れ、 多量の酸素を取り込むことが出来るようにするためであると言われています。 そして10〜14日ぐらいすると卵がふ化し、子供のメキシコサラ マンダーが産ま れてきます。 驚異の再生能力 メキシコサラマンダーは大変大きな口を持っていますが、その姿にふさわしく 動くもので口に入るものなら何でも食べると 言っていいぐらい、多くの種類の獲物を捕 食することが知られています。 そんな彼らの主な獲物は軟体動物や魚、昆虫などの節足動物です。 一方彼らが生息していた チャルコ湖とソチミルコ湖という湖では彼らの天敵になる動物は水鳥のみでした。 しかし近年 これらの湖にそれまで生息していなかった 外来性の魚などが人間によって持ち込まれるようになり、 それによってメキシコサラマンダー達が次々と食べられてしまって、その数を急激に減らしてしまう状況になっています。 さらに近年メキシコでは人口増加に伴い飲料水の需要が増え、彼らの棲む湖からも水が大量に流出し、生活の場である水辺がどんどん減少しています。 特に チャ ルコ湖は完全に水が失われ 湖自体が消滅してしまっており、こ こに住んでいたメキシコサラマンダーは完全に 絶滅してしまい ました。 また も う一つの生息地であ るソチミルコ湖も小さな沼が点在するだけになっており、自然界におけるメキシコサラマンダーはほぼ絶滅してしまったのではないかと考えられ ています。 このため自然界におけるメキシコサラマンダーについて、その生態はあまりよく分かっていないのですが、現在のところ ペットや研究用に世界中で数多くの個体 が飼育されています。 メキシコサラマンダーは 体が傷ついた時に再生する能力が高く、中 にはは 脳の一部を再生した例も知られています。 このため特に再生医学などの研究では長年用いられてきており、その他発生学や神 経学などの研究にも彼らが役立っています。 そして実は現在飼育されているメキシコサラマンダーは全て 1864年にメキシコからフランスの パリへ送られた 33匹の個体がその祖先であると言われています。 この 140年の間に、たった33匹のメキシコサラマンダーから世界中で見られるまで増えたと思うと不思議な気がしてなりませんが、まさに彼らの人気のおかげと 言ったところでしょうか? また意外なことに彼らは現地で食用としても用いられる場合があり、焼いたりゆでたりした後、酢やトウガラシ、コショウ などで味付けして食べられているそうです。 そしてこのため数多くのメキシコサラマンダーが珍味として乱獲された歴史があるのですが、それほどまで彼らのお 肉は美味し いのでしょうか??なお現在は法律で保護されているため、採って食べることはできません。 メキシコじゃ神様なのに… メキシコサラマ ンダーはよく 「アホロートル」という言葉で 呼ばれますが、これは 現地のア ステカ人の神話に登場する 「ショロトル(Xolotl)」と いう神様の名前に由来していると言われています。 もともとこのショロトル神は 死と再生の象徴であり、太陽神であるトナティウから逃れるためにメキシ コサラマンダーに姿を変え水の中に逃げこんだという言い伝えが残っています。 しかしその後このショロトル神は捕らえられ、太陽神と月の神に 食べられてしまったということなのですが、 メキシコサラマンダーの驚異的な再生 能力が死と再生の神として神話の中に残されたのでしょうか? ちなみに日本では 「ウーパールー パー」の名前で有名ですが、このように呼ばれているのは 世界中で日本だけです。 な んでも、もともとはとあるプロデューサーが 「スーパールーパー」と して登録商標して売り出そうとしたところ、他にも「スーパー」の付く商標が多いため審査に時間がかかることから、 少しでも早く登録されるように 「ス」を 「ウ」に変えて申請したのがことの発端らしいです。 当の ウーパールーパー達からすれば 微妙なことこの上ない名前のつけられ 方なのですが、現在はそれよりも英語名の「アホロートル」と言う名前で人気を呼んでいるようです。

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ウーパールーパーの生息地

メキシコ サラマンダー

エラが消えることは無い ここまでを整理すると「 ウーパールーパーは変態しない幼生成熟のサンショウオ」ということですね。 ウーパールーパーのルーツ・生息地 実はウーパールーパーのルーツは日本ではありません。 海外に棲む「 メキシコサラマンダー」というサンショウオがウーパールーパーのルーツにあたります。 メキシコサラマンダーについて ウーパールーパーの元になったメキシコサラマンダーはその名の通り、北アメリカのメキシコ合衆国に生息しており、メキシコのうち首都である メキシコシティのソチミルコ湖およびその周辺に生息しています。 メキシコサラマンダーは先述した幼生成熟を行う非常に珍しいサンショウウオでした。 加えてメキシコサラマンダーは 驚異的な再生能力を持ち、手足やシッポ、エラのみならず損傷した臓器までも再生する能力を持っています。 このことから採取され、実験・研究動物として長い歴史を持つことになりました。 白色個体の出現 実験動物として何代にもわたって増やされている中、 突然変異により白いタイプが現れました。 これを品種改良により固定化したものが今の白いウーパールーパーであります。 ウーパールーパーは 人に作られた生物と言っても過言では無いでしょう。 ですがこの時点ではウーパールーパーとはまだ呼ばれていません。 ウーパールーパーとしての始まり ウーパールーパーが始まったのは1985年に遡ります。 日清のカップ焼きそば「UFO」のTV CMに 宇宙からやってきた「ウーパールーパー」というキャラクター名で白色固体のメキシコサラマンダーが起用されたのです。 ポップなキャラクターソング(ウーパー・ダンシング)とともにTVに登場。 TV CMを見た世間は物珍しさと愛くるしい姿から一躍ウーパールーパーとして知られるようになり、ブームとして大流行しました。 これが ウーパールーパーの始まりです。 ブームがあったからこそメキシコサラマンダーとしてではなくウーパールーパーとして現在知られるようになったのです。 その後のブームが落ち着いてからもTV番組スタジオの水槽で泳がされていたりと ウーパールーパーは一定の地位を獲得しました。 つまりウーパールーパーの正体って? 情報を整理すると、ウーパールーパーの正体は「 メキシコに生息するネオテニー(幼生成熟)のサンショウウオであるメキシコサラマンダーを改良品種したもの」ということです。 ややこしいので箇条書きにしますね。 ウーパールーパーはメキシコサラマンダーと言うサンショウウオが元になったイキモノ• メキシコサラマンダーは変態して陸化しない幼生成熟(ネオテニー)である• 実験動物として飼育されている中、突然変異で白いものが出現• 日清焼きそば「UFO」のPRでウーパールーパーというキャラクター名で白いメキシコサラマンダーが登場して広まった ウーパールーパーの生態・大きさ ウーパールーパーは先述したとおりメキシコサラマンダーと呼ばれるサンショウウオです。 メキシコサラマンダーはサンショウウオのうち トラフサンショウウオと呼ばれるグループに属しており、よく似た仲間として「タイガーサラマンダー」や「」がいます。 本来の生息地であるソチミルコ湖は 標高が2240mにもなっており、最も暑い時期で最高26度・最低10度、寒い時期で最高21度・最低5度と 年中ヒンヤリな気候。 普段は岩陰や木の陰に隠れて生活しており、水中にいる小魚や虫、甲殻類などを食べて生活しています。 大きさ ウーパールーパーは 23~27センチ程の大きさに成長します。 野生では30センチを超えることもあるそうですが、飼育下でこのサイズまで成長する個体は稀です。 見た目の愛嬌さとショップでは子供のサイズで売られていることもあり小さな生物と思われがちですが、 残念ながら大きく成長してしまうのが事実です。 関連 ウーパールーパーは絶滅危惧の恐れがある!? ウーパールーパーの原種であるメキシコサラマンダーはメキシコのソチミルコ湖及びその周辺に生息しています。 しかしながらソチミルコ湖は土地開発や埋め立てなどによりほぼ残っておらず、もはや湖とは呼べなくなっています。 生息地の減少や食料として捕獲されることもあり、個体数が激減。 そのため絶滅しないように ワシントン条約附属書(CITES及びサイテス にリストされ保護対象の動物になりました。 ワシントン条約は、 絶滅の恐れのある野生動物、植物を保護することを目的とした条約です。 メキシコサラマンダーはこのサイテスの附属書2類にリストされてます。 国同士の取り引きを制限しないと、将来、絶滅の危険性が高くなるおそれがある生き物 引用元: 実は ウーパールーパーの元になった生き物は絶滅の可能性がある生物なのです。 ウーパールーパーを取引、飼育するのは違法? 「絶滅危惧で保護されているということは飼育自体も禁止なのでは?」と思うこととおもいます。 ワシントン条約附属書2類の規制内容は以下の通り定義されています。 ウーパールーパーじゃないよ () とはいえアホロートルと言えば本種を指すことがほとんど。 学校の理科の教科書にはこの名前で載っていましたし、他にも水族館や動物園ではこの名前で表記される場合があります。 名前の由来は見た目がアホっぽからではなく 英語表記からの「Axolotl」が由来だとするのが正しい説。 発音的にはアショロトルが近いと思います。 Axolotlの由来 「 Axolotl」は古代メキシコであるアステカ文明で表記されていたもので、 「Alt」は水を意味し 「Xolotl」は犬を意味し、つなげて 水に棲む犬という意味があります。 またXolotl(ショロトル)は アステカ神話の崩壊と死を司る神で、ゲームでよくモチーフにされているケツァルコアトルの双子とされています。 アステカではAxolotl、ウーパールーパーも神の化身と考えられて、神聖な動物であった歴史を持っています。 ウーパールーパー 「 ウーパールーパー」は先述したとおり1985年に 日清やきそば「UFO」の商品PRで使われたキャラクター名です。 いわばニックネームのようなもので、やはり可愛い名前だと注目度も上がりますね。 1985年のブームによりこの名前が現在の主流になっています。 水族館のパネル。 メキシコサラマンダーの名前とともに学名も記載されています。 (鳥羽水族館) 参考:他の動物では・・・ 学名は馴染みがありませんが、他の動物にも必ずついています。 例えば「ライオンはPanthera leo(ヒョウ属のレオ)」、「トラはPanthera tigris(ヒョウ属のtigris)」です。 学名からそのまま日本語になっている生物もいます。 そのため現在では 様々なタイプがあり、基本的な5種類のカラーバリエーションを紹介します。 リューシスティック 「 リューシスティック」は 白い体で目が黒いタイプのことで、最もよく知られたウーパールーパーです。 ホワイト黒目とも呼ばれます。 ファンの間では略して リューシと呼ぶことがあります。 詳しく!」 アルビノ 「 アルビノ」は 目も含め全身が白いタイプのカラーバリエーションです。 黒の色素が無いものを「アルビノ」と呼び、先述したリューシスティックと比べ 目が白または赤なのが特徴です。 リューシスティックは成長過程や個体差により顔やカラダにソバカスと呼ばれる黒い点々が表れることがありますが、アルビノは黒の色素を持たないためそのようなことがありません。 他のタイプと比べ視力が弱く餌と思って何でも 食いつく性質が強いのも特徴です。 詳しく! マーブル 「 マーブル」は 緑っぽい色に黒の斑点があるタイプです。 ひとくくりにマーブルと言っても迷彩柄に近い色をしていたり、薄い茶色ベースに黒の斑点があるタイプだったり、緑が強いものがいたりと マーブルの中のバリエーションも多様です。 その野性味ある体色から根強い人気があるウーパールーパーです。 メキシコサラマンダーの 野生個体に最も近いカラーをしているのもこのマーブルです。 詳しく! ゴールデン 「 アルビノ」の中で特に 黄色が強く、シッポや体にキラキラしたラメ模様が入るものはゴールデンと呼ばれます。 もっとも美しいウーパールーパーとも呼ばれ名前通りゴージャスな体色は目を奪われます。 アルビノでもあるため視力が弱いのですが、食欲旺盛なので 見た目よりはとてもタフです。 詳しく! ブラック 「 ブラック」は 全てが黒に近い一色のタイプです。 小さい時は体色に青みが見られ、この青みが強いものを 「ブルー」と区別されて販売されていることもありますが、成長すると青みは消える傾向にあるためアダルト時の違いはほぼありません。 見た目が完全にサンショウウオの幼生であるため、サンショウウオの愛好家にも人気があるカラーです。 詳しく! どれくらい生きるの? 正しく飼えばウーパールーパーは 10~20年ほどの寿命になります。 しかしながら正しく飼育している人は少なく、実際は5年未満で死んでしまっていることが実情です。 関連 ウーパールーパーの餌 餌は ウーパールーパー専用の人工飼料が販売されており、多くの愛好家はこちらを与えています。 常温で保存できフタをあけて数粒与えるだけなので、一部を除いてミミズやムシなどを与えなくとも飼育可能です。 ただし人工飼料はデメリットも多く、成長ステージに応じて冷凍アカムシなどのより良いエサを与えたほうがベストではあります。 ウーパールーパーが食べるモノについては他にも色々ありますので詳しくは「」をご覧ください。 関連 ウーパールーパー日頃のお世話 餌は1日1回、食べ残さない量を与えます。 大きくなってくれば一週間に数回でも構いません。 飼育する水は 水道水をカルキ抜きしたものを使って下さい。 より良い設備を使うことで水換え頻度を減らすことができますよ。 詳しい飼い方については以下の記事をご覧ください。 関連 終わりに ウーパールーパーは認知度の割に意外とよく知られていない生き物です。 そんな不思議な生物ですがペットとしての側面もあり、実は 金魚を飼うのと同レベルの飼育難易度。 飼っているのはむしろ女性の方が多く、主婦でも飼育されている方は沢山います。 安価で入手もしやすいペットですので気になってしまった場合はお迎えしてみてはいかがでしょうか。 のんびり愛嬌ある見た目に癒やされること間違いなしのペットです。

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