せい きょう びょう いん。 iPS細胞で病気を治す研究が進んでいる

強迫性障害[きょうはくせいしょうがい]

せい きょう びょう いん

これらの病変が比較的短期間(急性)に生じ、それにともなって急激に腹痛などの強い症状が現われ、さらに短期間で治癒(ちゆ)する傾向のものを、急性胃炎(きゅうせいいえん)、急性胃潰瘍(きゅうせいいかいよう)といっていました。 一般には胃炎と胃潰瘍の両者は区別して考えられていますが、近年では、これらを一括して急性胃粘膜病変(きゅうせいいねんまくびょうへん)と呼んでいます。 また最近は、病変が粘膜にとどまらないこともあるため、急性胃病変(きゅうせいいびょうへん)と呼ばれることもあります。 粘膜の病変の状態は、前述のように軽い発赤程度のものから、びらん、浮腫、出血、さらに潰瘍形成をともなうものまでさまざまで、これらが混在することもしばしばあります。 少し専門的になりますが、びらんとは粘膜表面の細胞(上皮細胞(じょうひさいぼう))がはがれ落ちた状態、潰瘍とはそれがさらに深くなって粘膜下組織以下にまで組織欠損がおよんだ状態と考えればよいでしょう。 ですから、潰瘍が深くなれば胃の反対側に突き抜けることもあります。 たいていは、原因の項で後述するような誘因(ゆういん)に引き続いて、激しい胃痛(いつう)、あるいは腹痛、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)が現われます。 ときには、粘膜からの出血によって、吐血(とけつ)(嘔吐とともに血液を吐く)や下血(げけつ)(便といっしょに血液を排出する)がおこることもあります。 これに対して慢性胃炎(まんせいいえん)(「」)や慢性に経過する胃潰瘍(「」)などは、症状は比較的軽いことが多いのですが、月単位で持続します。 急性胃粘膜病変の原因はいろいろです。 精神的および肉体的ストレス(手術、外傷(がいしょう)、熱傷(ねっしょう)など)、薬剤をはじめとする化学物質(かがくぶっしつ)(解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬、抗生物質、抗がん剤、農薬、洗剤、酸、アルカリなど)の使用、飲食物(アルコール、コーヒー、お茶、香辛料(こうしんりょう)、熱いもの)の摂取(せっしゅ)などが原因としてあげられます。 また、食中毒(しょくちゅうどく)、特定の食物に対するアレルギー反応、アニサキスなどの寄生虫(きせいちゅう)の感染(かんせん)なども原因となり得ます。 また肝臓(かんぞう)や腎臓(じんぞう)をはじめとする重症の内臓疾患をもった患者さんに発症しやすいこともわかっています。 そして、原因は不明ですが、胃内視鏡検査(いないしきょうけんさ)を受けた後に発症する場合があることも知られています。 古くから、胃粘膜の傷害には粘膜に対する攻撃因子(こうげきいんし)と防御因子(ぼうぎょいんし)のバランスが大きくかかわっているという考え方があります。 つまり、攻撃因子としては、おもに胃液中の酸が、防御因子としては胃の粘液や胃粘膜の血流があげられています。 攻撃因子が、相対的に防御因子を凌駕(りょうが)すれば、胃粘膜の傷害が生じるという考え方です。 前述したさまざまな原因によって、胃液(いえき)(胃酸(いさん))分泌(ぶんぴつ)の亢進(こうしん)や粘液(ねんえき)分泌の低下、胃粘膜の血液循環(けつえきじゅんかん)の悪化、さらに粘膜への直接傷害がひきおこされ、胃粘膜の傷害がおこると考えられています。 コラム「」でも触れるように、最近、ヘリコバクター・ピロリという細菌が、いろいろな胃の病変と関係することがわかってきています。 この細菌は、急性胃粘膜病変の原因としての可能性も指摘されていますが、詳しいことは今後の研究の成果を待たねばなりません。 比較的急激に、しかも強い症状が出現するのが特徴です。 慢性胃炎などの場合には、胃に炎症があっても症状がない場合がしばしばありますが、急性胃粘膜病変の場合は症状がないことはまれです。 いい方をかえれば、特徴的な症状があってはじめて診断される病気だということです。 一般的には、胃のあたりを中心とした強い痛みをうったえることが多く、さらに吐き気、嘔吐もしばしば現われます。 病変が出血性胃炎(後述)であったり、出血をともなう胃潰瘍の場合は、吐血や下血がおこることもあります。 さらに、出血がひどければ、いわゆるショック状態におちいることもあります。 急性胃粘膜病変の診断の第一歩は、現われた症状からこの病気を疑うことです。 この病気では、前述したように、急激に出現する胃痛や腹痛、吐き気、嘔吐、吐血・下血などの症状があります。 また、診察すると胃のあたりの圧痛(あっつう)(圧迫(あっぱく)したときの痛み)があり、出血がある場合には、貧血(ひんけつ)などもみられます。 しかしこれらの症状だけでは、胆嚢(たんのう)や膵臓(すいぞう)の病気、さらには心臓(しんぞう)の病気などとの鑑別(かんべつ)が困難なこともあるので、そういった可能性があれば、それらの病気の診断に必要な検査も受けておく必要があります。 診断の決め手になるのは、胃(上部消化管(じょうぶしょうかかん))内視鏡検査です。 軽度の場合は粘膜の発赤のみですが、ひどい場合には、粘膜が一部欠損したびらん(びらん性胃炎(せいいえん))や出血(出血性胃炎(しゅっけつせいいえん))、さらに粘膜が深く掘れた潰瘍(急性胃潰瘍(きゅうせいいかいよう))などが生じているのがみられます。 急性胃粘膜病変は、一般にはこれら3つの病変に分類されることが多いのですが、これらが混在する場合が多いのも実情です。 内視鏡検査が普及する以前の胃の検査は、おもに造影剤(ぞうえいざい)のバリウムを飲んでX線透視する胃(上部消化管)X線検査が行なわれていましたが、この検査では胃粘膜の色調がわからないので、軽度の病変の診断は困難です。 また、症状の強い時期にバリウムを飲むのはなかなかたいへんでもあり、現在は急性胃粘膜病変の診断に使われることはほとんどありません。 また一般的には、血液検査などでは特徴的な結果が得られません。 急性胃粘膜病変の治療を一般療法、薬物療法(やくぶつりょうほう)、その他の治療法の順に解説します。 軽症であれば、これに加えて内服剤を服用し、経過を観察していけば、短期間で症状は消えるでしょう。 しかし比較的重症の場合は、入院したうえでの絶食、点滴(てんてき)、さらに出血がひどい場合には輸血が必要なこともあります。 胃粘膜防御因子増強薬には、胃の粘液を増やしたり、胃粘膜の血流を増やすなど、さまざまな作用をもったものがあります。 患者さんの状態に合わせて、これらの薬が単独で、あるいは組み合わせて使われます。 これには、純エタノールや高張食塩水(体液より浸透圧の高い食塩水)などを局所注射するなどのさまざまな方法があります。 これらの方法でも止血できない場合は、外科的手術が行なわれることもまれにはあります。 つまり精神的および肉体的ストレス、薬剤をはじめとする化学物質の使用、刺激のある飲食物の摂取などを避けることです。 また、喫煙(きつえん)は胃粘膜の血流を低下させ、粘膜防御因子を減弱させると考えられており、できれば避けたほうがよいでしょう。 実際に急性胃粘膜病変にかかった場合にも、こうした予防的な注意事項を守ることが病気の治癒(ちゆ)を早めることになります。 また前述した症状が現われて、この病気にかかったことが疑われたら、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。 出血している場合はただちに対処が必要ですし、胃以外の病気や胃がんなどでも同様の症状をおこすことがあるからです。 また、急性胃潰瘍で発症した患者さんが、いったん治癒した後、再発と治癒をくり返し、慢性の経過に移行することも考えられるため、治療および検査に関しては、医師との緊密な連携(れんけい)が必要です。 出典 家庭医学館について.

次の

「びょう」で始まる言葉(5文字以上)

せい きょう びょう いん

[どんな病気か] ジフテリア、破傷風(はしょうふう)、狂犬病(きょうけんびょう)、ボツリヌス菌による中毒、ハブやマムシなどの毒ヘビにかまれる蛇咬症(じゃこうしょう)など、に毒が入った場合、この毒を(こうげん)とする、ほかの動物(ウマなど)の抗体(こうたい)を与えて、抗原抗体反応(こうげんこうたいはんのう)をおこして毒性をなくすことで治療します。 この抗体は、ウマなどの動物の血清に含まれているものを注射するので、注射された人の血液には、この血清を抗原とする抗体ができ、反応(免疫のしくみとはたらきの「 アレルギー反応」)がおこることがあります。 これを血清病といいます。 [原因] 以前は、細菌や動物の毒によっておこる中毒症に対して、ウマなどからつくる血清剤(けっせいざい)((こうけっせい))を使用したため、アレルギー反応が生じ、血清病がおこることが多かったのです。 しかし、アレルギー反応がおこりやすい、種の異なる((いしゅ))動物の抗血清を使うことは激減しており、最近では、ペニシリンなどの抗生物質、サルファ剤、ヒダントイン系、サイアザイド(チアジド)系利尿薬などの薬物を使用することでおこる血清病が増えています。 血清病では、異種動物の抗原に対してつくられた抗体が反応して、免疫複合体(めんえきふくごうたい)というものが血中にできます。 これが、血管、腎臓(じんぞう)、関節などに沈着して、アレルギー反応をひきおこし、組織の障害がおこるのです。 [症状] 発熱、発疹(ほっしん)、リンパ節の腫(は)れ、関節の痛みなどが、よくみられる症状です。 抗血清の注射では、注射後1~2週間で、発熱、全身のだるさ、(しん)、リンパ節の腫れ、関節の痛み、むくみ、白血球(はっけっきゅう)の減少、尿へのたんぱくのもれ(たんぱく尿)がみられます。 2回目の注射では、より少ない量で、より早く(8日以内)、より激しく症状が現われます。 薬物が原因である場合は、発熱、全身のだるさ、じんま疹、関節の痛み、腎炎(じんえん)、神経炎といった症状が、薬物を使用してから、1~3週間で現われます。 ふつう、これらの症状は、薬物の使用を中止すれば数日で消えます。 [検査と診断] 血清病だけにみられる検査結果はありません。 血液中の免疫複合体の増加、炎症反応(えんしょうはんのう)(血液沈降速度、血中のC反応性たんぱく質の増加)、軽いたんぱく尿、血尿などがみられます。 [治療] ふつう、症状は軽く、数日で自然によくなるので、それぞれの症状を抑えるようにします。 じんま疹には、抗ヒスタミン薬が効きます。 発熱や関節の痛みには、消炎鎮痛薬(しょうえんちんつうやく)が効きます。 重症の場合は、ステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)が使用されます。 [予防] 抗毒剤として異種動物の血清を使うことを避け、ヒトの血液でつくるヒト血清を使用するようにします。 やむをえず異種動物の血清を使う場合は、まず皮膚をひっかいて血清を滴下させるなどのテストをして、反応をみきわめてから、慎重に使います。 出典 家庭医学館について の解説 異種の免疫血清である異種抗血清(おもにウマ免疫グロブリン)の注射による過敏反応として生ずる一定の症状群をいう。 注射後発症までの日数により、次の3型に分けられる。 1 一次性血清病 注射後1~2週間の潜伏期を経て発熱、皮疹 ひしん (じんま疹型のことが多い)、関節痛(関節炎)、リンパ節腫脹 しゅちょう などを生じ、心・腎 じん 障害や神経炎が出現することもある。 大量の抗原を注射すると、それに対する抗体が産生され、残存している抗原と結合して免疫複合体が形成されるためで、症状は通常、数日で消失する。 2 促進型血清病 再注射により生じ、すでに抗体が産生されているので症状の出現が1~4日と早い。 3 アナフィラキシー型血清病 ときに注射後ただちにアナフィラキシーショックがおこることがある。 アトピー素因者に生じやすい。 血清病は、予防的能動免疫の実施、抗生剤の開発、ヒト抗毒素血清(たとえば破傷風)の使用などにより減少しているが、現在でも蛇毒 じゃどく 、ガス壊疽 えそ 、ボツリヌス中毒などウマ抗毒素血清を使用せざるをえないものもある。 通常、血清病という場合には一次性ないし促進型血清病を意味するが、種々の薬剤(とくにペニシリン)により同様の症状を生ずることがあり、広義に用いられることもある。 対症的治療が行われ、皮膚症状に対しては抗ヒスタミン剤、発熱や関節痛に対しては消炎鎮痛剤を用いる。 これらの薬剤が無効のときにはステロイド剤を使用する。 In: UpToDate, Feldweg AM (ed), UpToDate, Waltham, 2010. 出典 内科学 第10版 内科学 第10版について 世界大百科事典 内の血清病 の言及.

次の

開竅:漢方・中医学用語説明

せい きょう びょう いん

これらの病変が比較的短期間(急性)に生じ、それにともなって急激に腹痛などの強い症状が現われ、さらに短期間で治癒(ちゆ)する傾向のものを、急性胃炎(きゅうせいいえん)、急性胃潰瘍(きゅうせいいかいよう)といっていました。 一般には胃炎と胃潰瘍の両者は区別して考えられていますが、近年では、これらを一括して急性胃粘膜病変(きゅうせいいねんまくびょうへん)と呼んでいます。 また最近は、病変が粘膜にとどまらないこともあるため、急性胃病変(きゅうせいいびょうへん)と呼ばれることもあります。 粘膜の病変の状態は、前述のように軽い発赤程度のものから、びらん、浮腫、出血、さらに潰瘍形成をともなうものまでさまざまで、これらが混在することもしばしばあります。 少し専門的になりますが、びらんとは粘膜表面の細胞(上皮細胞(じょうひさいぼう))がはがれ落ちた状態、潰瘍とはそれがさらに深くなって粘膜下組織以下にまで組織欠損がおよんだ状態と考えればよいでしょう。 ですから、潰瘍が深くなれば胃の反対側に突き抜けることもあります。 たいていは、原因の項で後述するような誘因(ゆういん)に引き続いて、激しい胃痛(いつう)、あるいは腹痛、吐(は)き気(け)、嘔吐(おうと)が現われます。 ときには、粘膜からの出血によって、吐血(とけつ)(嘔吐とともに血液を吐く)や下血(げけつ)(便といっしょに血液を排出する)がおこることもあります。 これに対して慢性胃炎(まんせいいえん)(「」)や慢性に経過する胃潰瘍(「」)などは、症状は比較的軽いことが多いのですが、月単位で持続します。 急性胃粘膜病変の原因はいろいろです。 精神的および肉体的ストレス(手術、外傷(がいしょう)、熱傷(ねっしょう)など)、薬剤をはじめとする化学物質(かがくぶっしつ)(解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬、抗生物質、抗がん剤、農薬、洗剤、酸、アルカリなど)の使用、飲食物(アルコール、コーヒー、お茶、香辛料(こうしんりょう)、熱いもの)の摂取(せっしゅ)などが原因としてあげられます。 また、食中毒(しょくちゅうどく)、特定の食物に対するアレルギー反応、アニサキスなどの寄生虫(きせいちゅう)の感染(かんせん)なども原因となり得ます。 また肝臓(かんぞう)や腎臓(じんぞう)をはじめとする重症の内臓疾患をもった患者さんに発症しやすいこともわかっています。 そして、原因は不明ですが、胃内視鏡検査(いないしきょうけんさ)を受けた後に発症する場合があることも知られています。 古くから、胃粘膜の傷害には粘膜に対する攻撃因子(こうげきいんし)と防御因子(ぼうぎょいんし)のバランスが大きくかかわっているという考え方があります。 つまり、攻撃因子としては、おもに胃液中の酸が、防御因子としては胃の粘液や胃粘膜の血流があげられています。 攻撃因子が、相対的に防御因子を凌駕(りょうが)すれば、胃粘膜の傷害が生じるという考え方です。 前述したさまざまな原因によって、胃液(いえき)(胃酸(いさん))分泌(ぶんぴつ)の亢進(こうしん)や粘液(ねんえき)分泌の低下、胃粘膜の血液循環(けつえきじゅんかん)の悪化、さらに粘膜への直接傷害がひきおこされ、胃粘膜の傷害がおこると考えられています。 コラム「」でも触れるように、最近、ヘリコバクター・ピロリという細菌が、いろいろな胃の病変と関係することがわかってきています。 この細菌は、急性胃粘膜病変の原因としての可能性も指摘されていますが、詳しいことは今後の研究の成果を待たねばなりません。 比較的急激に、しかも強い症状が出現するのが特徴です。 慢性胃炎などの場合には、胃に炎症があっても症状がない場合がしばしばありますが、急性胃粘膜病変の場合は症状がないことはまれです。 いい方をかえれば、特徴的な症状があってはじめて診断される病気だということです。 一般的には、胃のあたりを中心とした強い痛みをうったえることが多く、さらに吐き気、嘔吐もしばしば現われます。 病変が出血性胃炎(後述)であったり、出血をともなう胃潰瘍の場合は、吐血や下血がおこることもあります。 さらに、出血がひどければ、いわゆるショック状態におちいることもあります。 急性胃粘膜病変の診断の第一歩は、現われた症状からこの病気を疑うことです。 この病気では、前述したように、急激に出現する胃痛や腹痛、吐き気、嘔吐、吐血・下血などの症状があります。 また、診察すると胃のあたりの圧痛(あっつう)(圧迫(あっぱく)したときの痛み)があり、出血がある場合には、貧血(ひんけつ)などもみられます。 しかしこれらの症状だけでは、胆嚢(たんのう)や膵臓(すいぞう)の病気、さらには心臓(しんぞう)の病気などとの鑑別(かんべつ)が困難なこともあるので、そういった可能性があれば、それらの病気の診断に必要な検査も受けておく必要があります。 診断の決め手になるのは、胃(上部消化管(じょうぶしょうかかん))内視鏡検査です。 軽度の場合は粘膜の発赤のみですが、ひどい場合には、粘膜が一部欠損したびらん(びらん性胃炎(せいいえん))や出血(出血性胃炎(しゅっけつせいいえん))、さらに粘膜が深く掘れた潰瘍(急性胃潰瘍(きゅうせいいかいよう))などが生じているのがみられます。 急性胃粘膜病変は、一般にはこれら3つの病変に分類されることが多いのですが、これらが混在する場合が多いのも実情です。 内視鏡検査が普及する以前の胃の検査は、おもに造影剤(ぞうえいざい)のバリウムを飲んでX線透視する胃(上部消化管)X線検査が行なわれていましたが、この検査では胃粘膜の色調がわからないので、軽度の病変の診断は困難です。 また、症状の強い時期にバリウムを飲むのはなかなかたいへんでもあり、現在は急性胃粘膜病変の診断に使われることはほとんどありません。 また一般的には、血液検査などでは特徴的な結果が得られません。 急性胃粘膜病変の治療を一般療法、薬物療法(やくぶつりょうほう)、その他の治療法の順に解説します。 軽症であれば、これに加えて内服剤を服用し、経過を観察していけば、短期間で症状は消えるでしょう。 しかし比較的重症の場合は、入院したうえでの絶食、点滴(てんてき)、さらに出血がひどい場合には輸血が必要なこともあります。 胃粘膜防御因子増強薬には、胃の粘液を増やしたり、胃粘膜の血流を増やすなど、さまざまな作用をもったものがあります。 患者さんの状態に合わせて、これらの薬が単独で、あるいは組み合わせて使われます。 これには、純エタノールや高張食塩水(体液より浸透圧の高い食塩水)などを局所注射するなどのさまざまな方法があります。 これらの方法でも止血できない場合は、外科的手術が行なわれることもまれにはあります。 つまり精神的および肉体的ストレス、薬剤をはじめとする化学物質の使用、刺激のある飲食物の摂取などを避けることです。 また、喫煙(きつえん)は胃粘膜の血流を低下させ、粘膜防御因子を減弱させると考えられており、できれば避けたほうがよいでしょう。 実際に急性胃粘膜病変にかかった場合にも、こうした予防的な注意事項を守ることが病気の治癒(ちゆ)を早めることになります。 また前述した症状が現われて、この病気にかかったことが疑われたら、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。 出血している場合はただちに対処が必要ですし、胃以外の病気や胃がんなどでも同様の症状をおこすことがあるからです。 また、急性胃潰瘍で発症した患者さんが、いったん治癒した後、再発と治癒をくり返し、慢性の経過に移行することも考えられるため、治療および検査に関しては、医師との緊密な連携(れんけい)が必要です。 出典 家庭医学館について.

次の