ボタン ホール 変形。 手指伸筋腱損傷(しゅし しんきんけん そんしょう)

ボタンホールにもいろいろな形があるんだね!

ボタン ホール 変形

ボタン穴変形とは? PIP関節の伸展障害による屈曲位とDIP関節の過伸展を呈する状態をボタン穴変形と呼び、写真のように変形の軽度なものから進行するとPIP関節が90度以上曲がったまま伸びなくなりDIP関節も曲がらなくなります。 DIP関節の屈曲障害があるとpulp pinchは可能でもtip pinchは困難となり、細かい物の摘み動作が障害される。 ボタン穴変形の治療 保存的療法 変形の初期で関節破壊がほとんどなければ、ステロイドの関節内注射を併用しPIP関節の可及的伸展位での固定とDIP関節の屈曲を励行する。 PIP関節を伸展位で十分な期間保つことにより中央索は短縮し、DIPの屈曲により掌側に偏移していた側索が背側にもどされる。 手術適応 PIP関節の腫脹が強く、ステロイドの関節内注射が無効な場合は関節破壊を予防する意味でも積極的に滑膜切除を勧める。 20代の女性、ステロイドの関節内注射後も中指PIP関節の腫脹が持続した。 両側の横切開で滑膜切除術のみ行う。 レントゲンで変化を認めない早期であったが、膨隆した滑膜を認めた。 術後はPIPは伸展位で固定し、DIPの屈曲を励行した。 創の治癒後コイルスプリングによる装具(Capener splint)を使用。 術後5年で変形なく、屈曲も良好。 やや進行した変形に対する変形矯正術 中等度(PIPの伸展障害が30度以上)の場合は伸張した伸筋腱の縫縮縫合と側掌側方向に転位した側索を中央に引き上げる術式(V-Y伸筋腱再建術)を図示します。 皮膚切開後、伸筋腱にV字切開を加えて中節骨付着部を基部とした三角状のフラップとしてPIP関節を展開し、滑膜切除を行う。 三角フラップ状の伸筋腱を近位の切開部下部に引き込み5mm程度重ね合わせて縫合、dorsal retinacular ligamentも中央に重ね合わせて縫合することにより、側掌側方向に転位した側索を背側に引き上げることになります。 Y字状の縫合よなり、縫合部も強固となります。 関節固定術 リウマチにより変形が進行したボタン穴変形では屈曲位で固まったPIP関節よりは軽度屈曲位で関節固定術を行った方が、外観と機能面共に改善する。 特に示指では変形の程度によらず、結果が確実な関節固定術を推奨する教科書が多い。 40代前半女性の症例 30年以上前に経験した症例で、現在であれば、人工関節の選択肢もありますが、その時点では、示指だけに限局した変形であったこともあり、教科書通り関節固定術としました。 PIP関節は、他動伸展も不可能な90度以上の屈曲位でほぼ固定した状態で、DIP関節も30度以上の過伸展から他動的屈曲も制限されていました(写真右赤矢印)。 PIP関節は皮膚拘縮もあり、保存的治療(手術以外で)では伸びることはないので、もう少し伸展位で固めることにより手掌が開くこと、摘み動作が改善することを説明し手術となりました。 背側からPIP関節の関節面を切除し約20度でワイヤーで固定、DIPの過伸展の原因となっている伸筋腱に横切開を加えて延長した。 術後3か月の写真(中央)では、外観が改善しDIPも10度程度屈曲可能となり摘み動作が改善した。 50代女性、両側の著しいボタン穴変形 両側のPIP関節がすべて120度以上屈曲し外観の醜状より、手掌が開かないので、顔を洗えないなどの機能的障害も認めた。 極端な屈曲位のために、側面のレントゲンでは、中節骨が基節骨に食い込んでいる状態なので人工指関節も当時(30年近く前)不可能と考えPIPの関節固定術を選択した。 右手は術後半年の状態、MP関節の動きは問題なく外観の改善と手のひらがひらいたので、術後3か月の時点では反対側も同様の手術を希望された。 しかし、右手が自由に使える様になり家事を始めると、右手はペットボトルの把持や,手のひらで物を抑えたりすることができるようになったが包丁を握ることができないことに気づいた。 結局、左手は手術せずに左右の手を上手く使い分けて使用できるようになったと、右手の手術結果には満足の評価をいただいた。 伸筋腱移植術 PIP関節自体に関節破壊がない場合、PIPの伸展を目的とした腱移植術があります。 伸筋腱の中央策に力源を求めず、両側の側索(手内筋)が基節骨に直接作用するような術式です。 強皮症に合併した示指のボタン穴変形 示指PIPの伸展が全く不能、他動的伸展も制限。 Fowler法で移植腱を緊張させて側索近位に縫合 強皮症では血行障害が問題となるので、関節外手術のFowler法を選択したが、掌側の皮膚延長も追加しPIP伸展位でワイヤーにより仮固定した。 術中に駆血帯を緩めて血流を確認できたが、きわどい選択であった。 通常の固定術で得られる20度程度までの自動伸展と、75度の屈曲が獲得できた。 人工指関節置換術 ボタン穴変形が進行すると、PIP関節の屈曲拘縮が強くなり手の平が開かなくなります。 他動的にも伸展不能で、レントゲンで関節軟骨の消失や関節破壊が生じると可動域を温存するためには人工関節置換術が必要となります。 当院ではチタン製ステムとコバルトクローム合金の骨頭、高分子ポリエチレン樹脂のソケットで構成されるSelf Locking Finger Joinを使用しています。 【症例67才女性】.

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手指に起こる関節リウマチ特有の変形|リウマチ専門医監修|関節リウマチの総合情報サイト リウマチクラス

ボタン ホール 変形

質問一覧• していて、最近前よりも、そこまで痛いというわけでも麻痺してるわけでもないですが、曲がっている部分に違和感を感じています。 あとは、物をつまむのが苦手で、それは自分でも抑えられないくらい手が震えてしまうことがありま... 調べてみると麻酔は激痛とのことでした。 自分は痛みに弱いらしく、みんなが痛くないといっていたピアス の痛みでさえ激痛でした。 大人でも悲鳴をあげるほどだと伺っています。 もぅ、不安しかないです。 どなたか、皮膚を手術した... 調べてみたのですが詳しいことがよく分かりませんでした。 一つだけわかった事は、どちらの病気も徐々に指が変形して行き最終的には、物がつかめなかったり、握ることが出来なくなるなど筋力の低下が起こるらしいのですが、それは... 3週間位包帯でぐるぐる巻いて固定をしていました。 固定を外した後、指は90度以上曲がりませんし、真っ直ぐ伸びません。 その後病院に行ったところ、『ボタンホール変形』と診断されました。 出来れば治したいと思っているの...

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手指に起こる関節リウマチ特有の変形|リウマチ専門医監修|関節リウマチの総合情報サイト リウマチクラス

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先日、アメフト部の学生が、中指のボタンホール変形で初診しました。 3ヵ月ほど前の練習中に中指を突き指したそうです。 そのまま放置していたところ、徐々にPIP関節が曲がってしまったので思い切って受診したとのことでした。 診察すると、既にPIP関節に屈曲拘縮を併発しています。 開放性の伸筋腱中央索損傷が原因であるボタンホール変形では、手術治療が第一選択です。 しかし、非開放性の伸筋腱中央索皮下断裂症例では、保存治療を選択することが多いです。 今回の症例の場合、既にPIP関節の屈曲拘縮を併発しているので、まずはPIP関節の拘縮を改善する必要があります。 その後に、PIP関節を伸展位に固定するスプリントを常用します。 装着期間は4週程度でOKという文献が多いですが、その程度の期間では少し不安を感じます。 に準じて8週間ほど固定した方が安心な印象です。 しかし、今回の症例は既に拘縮をきたしていることから考えても、保存治療ではなく手術治療も検討するべきかもしれません。 ボタンホール変形に対する手術法はたくさんあります。 最も有名なのはMatev法です。 Matev法では、両側の側索を段違いで切離して、短い一方を中央索に移行し,長い一方を交叉して他方の側索の末梢に縫合して終末腱を延長します。 このように、非開放性のボタンホール変形は伸筋腱中央索の皮下断裂であるため、開放性のボタンホール変形と少し治療方針が異なるので注意が必要だと思います。

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