愛し の ニーナ。 いとしのニーナ

いとしのニーナドラマいつから?放送日/放送時間とFODオリジナルドラマの見方を紹介!

愛し の ニーナ

配信情報 動画配信サービス『FOD』にて今春より配信予定。 <新作>課金対象作品一覧• 名探偵ピカチュウ• 劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>• 翔んで埼玉• L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。 事前に「Amazon」アカウントの登録が済んでいる状態だと登録がスムーズです。 FODログイン画面 FODのサイトページには、上記画像のような「今すぐはじめる」と書かれたボタンがあるのでそれを押しましょう。 このボタンはページ内の複数箇所に設置してありますが、どのボタンを押しても大丈夫です! ボタンを押すと下記画像のような、決済方法の選択画面に移ります。 この際必ず、『Amazon Pay』の決済方法を選択してください。 『Amazon Pay』での決済方法の選択しないと、無料視聴の特典が受けられません! Amazonアカウントでのログインを促される画面が表示されます。 Amazonのメールアドレスとパスワードを入力 FOD Amazonログイン Amazonアカウントをすでにお持ちの方は、Amazonのメールアドレスとパスワードを入力しましょう。 まだAmazonアカウントを作成していない方は「新しいAmazonのアカウントを作成」ボタンからAmazonアカウントを作成することができます。 Amazonアカウントでのログインが完了すると、FODプレミアムの月額コース登録画面が表示されます。 確認ボタンを押して登録完了 FOD月額コース登録画面 月額コース登録画面には、FODの利用規約などが掲載されています。 文面を確認してから「確認画面へ進む」ボタンを押しましょう。 すると最終的な確認画面が表示されますので、そこに表示されているボタンを押せば登録完了です。 無料期間への登録は以上です。 マイメニューを開く• 月額コースの確認・解約を選択• この月額コースを解約するを選択 マイメニューを開く FOD解約マイメニュー FODのWebサイトを開くと画面上部に「メニュー」ボタンがありますので、それを押しましょう。 すると上記画像のようなFODのメニューが表示されます。 「月額コースの確認・解約」という項目がありますので、それを選択しましょう。 月額コースの確認・解約 FOD月額コースの確認・解約 「月額コースの確認・解約」画面には現在登録している月額コースが表示されていますので、あとは流れに沿って解約手続きを進めれば難しいことはないと思います。 解約手続きそのものは上記の通り難しくないのですが、知らないとつまずいてしまうポイントがあるのでお伝えします。 アプリを削除しただけではFODを解約したことにならない• 解約手続きはWebサイトからのみできる 特に2. の項目は要注意です。 スマホやタブレットにインストールしたアプリからは解約手続きを行うことができません。 SafariやChrome、インターネットエクスプローラーといったWebブラウザからFOD公式サイトにアクセスして解約手続きを進めるようにしましょう。 幼なじみが起こしたある拉致事件をきっかけに、高校生・外山厚志 岡田 は憧れの美少女・ニーナのボディーガードをすることに。 心に傷を負ったニーナの力になりたいと思ううちに、恋心を抱くようになる厚志の不器用だけど純粋で真っすぐなラブストーリーを描く。 ニーナは口をふさがれ、手を縛られていた。 厚志はマサに拉致した経緯を聞くと、好きだからと答える。 厚志はニーナの口のテープを外す、ニーナはぐったり倒れてしまう。 ニーナは目を覚まし、厚志、マサに誰にも言わないから、家に帰してという。 しかし、マサが許可を出さない。 するとニーナはふたりに罵声をあびせる。 すると、学校一の不良の牛島から「ニーナちゃん元気」と連絡が来る。 ニーナの拉致を、命令したのは、牛島だった。 牛島が来る前に厚志はニーナと逃亡する。 牛島からあと一歩のところで逃げられた。 逃げた厚志とニーナは駅に向かう。 ニーナは一人で帰っていった。 次の日、マサから連絡がくる、今回は牛島は厚志の行動を許すらしいという連絡だった。 厚志は通学バスに乗ってると、ニーナの親友の麻美に「ニーナの事なんか知ってる」と聞かれる。 麻美はニーナに電話してもつながらず、つながったと思ったら「ニーナはかごの中」と言われた。 麻美は「井之頭公園で待ち合わせ」と厚志に約束をした。 麻美に、拉致した日の事を、厚志は話す。 麻美は、厚志に、ニーナの家に行こうというが厚志は怖くて、中に入れない。 ニーナは外で待つ厚志のもとに行くが、ケーキを投げつけた。 しかし、ニーナを拉致した犯人がマサではない事を話すがニーナは納得しなかった。 しかし、ニーナは「私を守りなさいよ」と厚志に言った。 ニーナは「朝はいいよ、帰り、迎えに来て」と言われ、厚志は大喜びした。 ニーナの拉致騒動から、マサとは連絡が取れなくなってしまった。 そして、学校では相変わらず、牛島からの脅迫に恐れる日々であった。 ニーナと厚志はカラオケに行き、帰りに厚志はニーナを家まで送ることになった。 ニーナは夜12時に電話をするように厚志に言った。 その夜、ニーナは拉致されたことやバスで痴漢されたことなどを思い出し、気が滅入っていた。 その時、厚志から電話がかかってきた。 くだらない話をして、ニーナは電話を切った。 電話後、ニーナと厚志は眠れずにいた。 ある日、マサは厚志を呼び出し、マサはこれ以上、牛島と関わらず、学校にも行かないと厚志に言った。 一方、ニーナは学校の保健室で過去のトラウマで眠れないことを先生に話した。 放課後、いつも通り厚志はニーナを家まで送り届けた。 翌日、厚志は牛島に声をかけられた。 牛島はニーナの捕獲作戦を手伝ってくれないかと厚志に言った。 厚志は牛島に怒りをぶつけた。 いつもの厚志なら逃げ腰になってしまうが今回は牛島に立ち向かうのであった。 血を出して体育館の倉庫で倒れていた。 厚志は気を失いながら、ニーナの心からの笑顔を見たいと思っていた、ニーナは厚志に連絡するが 出ない。 そんな厚志のもとに友人がかけつける。 すると、牛島が逮捕されたと聞いた。 次の日、厚志は牛島が逮捕された理由は婦女暴行だったと知る。 ニーナではないかと一瞬、心配するも、相手は社会人だった。 放課後、ニーナを厚志が迎えに行くと、麻美とニーナは厚志の顔の怪我に驚く。 厚志がニーナたちに 牛島が逮捕されたと伝えると、ニーナは、腰を落とし、被害者がすり替わっただけという事実に泣いてしまう。 その姿を見た厚志は、ニーナに謝る。 不登校だったマサが登校してきた。 厚志はニーナに対して、このままでいるのは良くないとニーナに謝る事をすすめるが、マサは厚志は友達とは思ってないような素振り をした。 厚志がニーナたちに会う。 ニーナはマサが謝りたいなら会ってもいいと言い、厚志はマサにそれを伝えた。 マサはニーナと二人で会いたいと言った。 ニーナは二人で会う事を拒否するが、厚志が見張ってくれているならいいよと言う。 マサとニーナが公園で会うと、マサはニーナに土下座した。 ニーナは厚志が今は見守ってくれてるから最近は寝れてるし、もういいよとマサに告げるが、マサは厚志を侮辱し、友達でもないと言う。 ニーナは厚志に電話すると、 そばに隠れていた厚志が現れ、厚志はマサの発言を聞いていた。 まず、若手キャストの瑞々しい演技についてです。 この作品は、高校生たちの物語ということなので、出演者の方々も10代から20代前半の若手俳優の方々が大半を占めると思います。 その中で、若手俳優の方々がそれぞれの若さを活かして、視聴者が高校生時代に思いを馳せてしまうような演技をして頂けることを期待しています。 次に、主人公の成長が魅力的に描かれることについては、主人公を演じるのが、数々の作品に出演され、その存在感と演技力の高さが評価されている岡田健史さんということなので、主人公が徐々にカッコよくなっていく過程を、丁寧に魅力的に演じて頂けることを期待しています。

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第1話

愛し の ニーナ

満天の星空に浮かぶ満月、それにより空の色は暗い紫色に輝く。 なぜ紫かと言えば、遠くの海岸沿いの道に沿って植えてあるヤシの並木が燃えているからだ。 砂浜ではイルカに似た仇が青く光った四足を持つ奇妙な生き物が二匹連なって、紅白の台に乗りカラフルな衣装をまとった、顔を白く染めている道化師に芸を仕込まれている。 道化師にとって遠い場所の火事などどうでもよいのかもしれない。 火が迫ってきて自分と愛する商売道具であろう奇妙な四つ足の生き物がただの燃えカスになるとしても。 高橋義男はこの絵を「ニーナ」と名付けた。 彼は十九のときこの絵を描き、日本美術界はこの奇異なる若い画家を一気に時代の風雲児に押し上げた。 彼は今、サンクトペテルブルクを拠点として活動している。 彼は「ニーナ」を描いた十九のときから数百にも及ぶ作品を残してきた。 彼がなぜサンクトペテルブルクを拠点においたかと言えば まずこの街が古都であるということ、そして川が流れていることが理由だ。 彼は京都の鴨川流域に生まれた。 彼の家は江戸の時代から続く古い旅館であった。 京都の古都とロシアの古都が似ているとは思えないが、彼から言わせればどこであれ、古都には同じ風が吹いているということだ。 彼は今年、四九歳になる。 彼は風景画を得意とし、一枚として人物画を描いたことがない。 彼はあくまでリアルな風景を描くことにこだわる。 しかし、彼の描く場所の多くはこの世に存在しない。 ところで、なぜ例の絵は「ニーナ」というのか。 そのことについては誰も知らない。 彼自身もそのことについて説明したことはなかった。 しかし、私はこの絵と関係を持っている。 そして彼に尋ねた。 「先生はあの絵のアイディアをどこで得たのでしょう?」 「夢です。 十九のとき見たね。 しかし、この質問はもう何百回も答えたはずだが」 「ええ、これは形式的な質問です。 私が聞きたいのはニーナについてです」 「私がそれについて一度も答えたことがないのを君も知っているだろう」 「だからもう誰も聞かない」 「私はニーナについて有力な情報を知っています」 「有力な情報?」彼は苦笑して言った。 「なぜ、君が私の夢について有力な情報を知っているんだい」 「私の家系は陰陽道なのです」 もちろん嘘だ 「そうかい。 なら、その情報とやらを聞こうじゃない」 「三つあります」 「一は世間一般に言われているようなニーナという女性が先生にとって愛し女性というのは間違えであること」 「二目はもう一人重要な女性がいること」 「三目はあなたが大きな罪をせおっているということ」 しばしの沈黙の後に、彼はポケットから外国産の両切り煙草を取り出し、オイルライターで火をつけた。 私もポケットからキャビンを取り出し行きつけのバーのマッチで火をつけた。 「紙タバコを吸うのは日本にいるときだけだ」 彼は煙草を吸い煙を天井めがけて吹いた。 「加藤君と言ったね、君は運命というものを信じるかい?」 「ええ、多少は」 「僕は運命というものの力は善悪の概念ではどうしようもないと思っている。 たとえその力が悪しきことを起こしたとしてもしょうがない。 」 彼は煙草を強く吸ってから再び天井めがけて煙を吹いた 「もちろんその罰からも逃げられない」 彼は何かを悟ったようだった。 そして記憶をかみしめるように話し始めた。 「ニーナが夢の中に出てきたのは僕が一九の時だ。 美大の課題を書き上げて、そのまま椅子にもたれて寝てしまったんだ。 夢の中で僕は当時友人だった佐藤と海辺のヤシの木で作ったバーで働いていた。 そこはおそらく日本にあるものではなく、どこか南国のようだった。 海にいる人々は上半身全裸の色の濃い日焼けした黄色人種と色とりどりの水着を着た白人種。 時刻は夕方から夜にかけてで、見る見るうちに太陽の色は濃くなりながらそして消えていき、代わりに月が昇っていく。 僕らは白人の女のためにダイキリを作っている。 しばらくすると色の白いおそらく日本人と思われる水着を着た少女が入ってくる。 僕は彼女を木屋の裏に呼んで彼女の首すじに触れて顔をうずめる。 その時の首筋の匂いと感触は今でも忘れない。 どこか南国的で甘いにおいがして、それに少女特有の薄いけど、どこかとげのある匂いが混ざっている。 触れた感触は柔らかさと硬さの混ざったこの世のものとは思えないもので。 それらはあいまって魔性的な首を作り出している。 そうして僕がその首に取りつかれていると。 どこかで叫び声が聞こえてくる。 海岸沿いのヤシの木の並木が燃えている。 僕は彼女を置いて火事を見に行くと。 上半身全裸の白髪で長いひげを生やした男の老人が誰かを探している。 その男はその探している相手の名前を叫んでいる。 最初それは独特なまりを持っていて聞き取れなかったが、しばらくするとその叫んでいる名前がニーナということに気付いた。 僕は老人と一緒にその名前を叫びながら海岸を走り回る。 しばらく走り続けると海岸の最も先にあるコンクリート造りの高層ホテルから頭の真ん中で白髪の髪の毛がぱっくりと別れているとし老いた女性が手錠をかけられ、警察に引っ張られながら入り口の大きな回転ドアから出てくる。 男は彼女にすがりつき、よかったよかったと言っているようだったが、警察はすぐに男を引きずり返離して、「この火事を起こしたのはこの女だ。 こいつは放火の常習犯で、先日東京のホテルで起こった大火災の犯人もこの女だ」と日本語で言った。 「ここで目が覚めた。 君のおっしゃるとおりニーナ以外に重要な女性がいる。 」 「魔性の首を持った」 「そうさ、永遠に忘れることのできないね」 「あなたはその少女を、いやその首を探している」 「しかし、僕はその少女の顔は思い出せなかった。 」 「手がかりは首だけ」 彼は新しい煙草に火をつけ、口にくわえ、煙を肺に入れた。 「人間の中には恐ろしく何かに取りつかれてそのためだけにしか生きられないのがいる。 その何かは煙草を吸うことかもしれない古い切手を集めることかもしれない。 ただその何かがいかれてるものだった場合地獄のような人生を送らなければならない。 」 「あなたにとって必ずしもそれは絵ではなかったあなたに取りついたのは首だった」 「君はそれが性的なことだと思うかい?」 「ええ、少なくともノーではない」 彼は横を向いて窓から東京の街を眺めた。 「あの夢を見て以来、女の首を視ずにはいられなくなった。 一つとして夢の中の少女のような首を持った女はいなかった。 そのうちに僕は女を絞殺する夢を見るようになった。 必ずそうゆう夢から覚めると。 股間は怒張していた。 僕は人としてそれが間違いであることはわかっていた。 しかしどうにかなることではなかった。 スケッチブックに何枚も女の首を描いたが、自分の求めているものは紙に書かれた絵ではなかった。 芸術家の中には自分の狂った感情を作品で表現し満足する者もいるが、僕はそうではなかった。 僕が求めたのは首そのものだったんだ」 「だからあなたは罪をおこしたと?」 「十年、我慢し続けた付き合った女性の中の何人かは自分の首を僕に締め付けさせてくれた。 首を絞める感触、そして女の苦しがる声 それは僕にとってどんな名画よりも崇高で芸術的に感じるものだった」 「しかし、あなたはそれでは我慢が出来なくなった」 僕はこういいながら遠い過去に思いをはせた杉並木の道で僕の五歩先を歩く彼女は輝いていて、そこには少しの穢れもない。 僕の目から見て世界は彼女を中心に回っていた。 おそらくそれは杉並木の道のわきにブルーシートで作られた小屋にひっそりと住む年老いたホームレスの彼の目にもに同じだったはずだ。 しばらくすると彼女は後ろに振り返って僕に 問いかける。 「ねぇ、さっきの話どう思う」 僕はこの何気ない出来事を鮮明に記憶している。 彼女が選んだ判断は結局として彼女を殺した。 もし、彼女が生きていたらどうだったのだろうか。 彼女も僕自身も。 おそらく彼女は幸せになったのだろう。 あそこまで美しさとやさしさを兼ねそろえた女性が不幸になる可能性は天文学的確率だろう。 彼女はたまたまその確立にはまってしまった。 彼女の死体を見たとき私は涙を流さなかった。 あまりにも死体は美しかったし魅力的だったしかし、火葬された彼女の燃えカスはただの燃え燃えカスだった。 彼女はどこへ行ってしまったのだろうか。 私は彼女の葬式で彼を見た。 あの時のこの男の濁りを持った目。 そんな目をしている人間はあの場にほかに居なかった。 「そのとおりさ、どうすることもできなかった」彼はどこともない方向を濁った目で見ながら言った。 「彼女はあなたの絵がとても好きでしたよ」.

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いとしのニーナ 1 (バーズコミックスデラックス)

愛し の ニーナ

満天の星空に浮かぶ満月、それにより空の色は暗い紫色に輝く。 なぜ紫かと言えば、遠くの海岸沿いの道に沿って植えてあるヤシの並木が燃えているからだ。 砂浜ではイルカに似た仇が青く光った四足を持つ奇妙な生き物が二匹連なって、紅白の台に乗りカラフルな衣装をまとった、顔を白く染めている道化師に芸を仕込まれている。 道化師にとって遠い場所の火事などどうでもよいのかもしれない。 火が迫ってきて自分と愛する商売道具であろう奇妙な四つ足の生き物がただの燃えカスになるとしても。 高橋義男はこの絵を「ニーナ」と名付けた。 彼は十九のときこの絵を描き、日本美術界はこの奇異なる若い画家を一気に時代の風雲児に押し上げた。 彼は今、サンクトペテルブルクを拠点として活動している。 彼は「ニーナ」を描いた十九のときから数百にも及ぶ作品を残してきた。 彼がなぜサンクトペテルブルクを拠点においたかと言えば まずこの街が古都であるということ、そして川が流れていることが理由だ。 彼は京都の鴨川流域に生まれた。 彼の家は江戸の時代から続く古い旅館であった。 京都の古都とロシアの古都が似ているとは思えないが、彼から言わせればどこであれ、古都には同じ風が吹いているということだ。 彼は今年、四九歳になる。 彼は風景画を得意とし、一枚として人物画を描いたことがない。 彼はあくまでリアルな風景を描くことにこだわる。 しかし、彼の描く場所の多くはこの世に存在しない。 ところで、なぜ例の絵は「ニーナ」というのか。 そのことについては誰も知らない。 彼自身もそのことについて説明したことはなかった。 しかし、私はこの絵と関係を持っている。 そして彼に尋ねた。 「先生はあの絵のアイディアをどこで得たのでしょう?」 「夢です。 十九のとき見たね。 しかし、この質問はもう何百回も答えたはずだが」 「ええ、これは形式的な質問です。 私が聞きたいのはニーナについてです」 「私がそれについて一度も答えたことがないのを君も知っているだろう」 「だからもう誰も聞かない」 「私はニーナについて有力な情報を知っています」 「有力な情報?」彼は苦笑して言った。 「なぜ、君が私の夢について有力な情報を知っているんだい」 「私の家系は陰陽道なのです」 もちろん嘘だ 「そうかい。 なら、その情報とやらを聞こうじゃない」 「三つあります」 「一は世間一般に言われているようなニーナという女性が先生にとって愛し女性というのは間違えであること」 「二目はもう一人重要な女性がいること」 「三目はあなたが大きな罪をせおっているということ」 しばしの沈黙の後に、彼はポケットから外国産の両切り煙草を取り出し、オイルライターで火をつけた。 私もポケットからキャビンを取り出し行きつけのバーのマッチで火をつけた。 「紙タバコを吸うのは日本にいるときだけだ」 彼は煙草を吸い煙を天井めがけて吹いた。 「加藤君と言ったね、君は運命というものを信じるかい?」 「ええ、多少は」 「僕は運命というものの力は善悪の概念ではどうしようもないと思っている。 たとえその力が悪しきことを起こしたとしてもしょうがない。 」 彼は煙草を強く吸ってから再び天井めがけて煙を吹いた 「もちろんその罰からも逃げられない」 彼は何かを悟ったようだった。 そして記憶をかみしめるように話し始めた。 「ニーナが夢の中に出てきたのは僕が一九の時だ。 美大の課題を書き上げて、そのまま椅子にもたれて寝てしまったんだ。 夢の中で僕は当時友人だった佐藤と海辺のヤシの木で作ったバーで働いていた。 そこはおそらく日本にあるものではなく、どこか南国のようだった。 海にいる人々は上半身全裸の色の濃い日焼けした黄色人種と色とりどりの水着を着た白人種。 時刻は夕方から夜にかけてで、見る見るうちに太陽の色は濃くなりながらそして消えていき、代わりに月が昇っていく。 僕らは白人の女のためにダイキリを作っている。 しばらくすると色の白いおそらく日本人と思われる水着を着た少女が入ってくる。 僕は彼女を木屋の裏に呼んで彼女の首すじに触れて顔をうずめる。 その時の首筋の匂いと感触は今でも忘れない。 どこか南国的で甘いにおいがして、それに少女特有の薄いけど、どこかとげのある匂いが混ざっている。 触れた感触は柔らかさと硬さの混ざったこの世のものとは思えないもので。 それらはあいまって魔性的な首を作り出している。 そうして僕がその首に取りつかれていると。 どこかで叫び声が聞こえてくる。 海岸沿いのヤシの木の並木が燃えている。 僕は彼女を置いて火事を見に行くと。 上半身全裸の白髪で長いひげを生やした男の老人が誰かを探している。 その男はその探している相手の名前を叫んでいる。 最初それは独特なまりを持っていて聞き取れなかったが、しばらくするとその叫んでいる名前がニーナということに気付いた。 僕は老人と一緒にその名前を叫びながら海岸を走り回る。 しばらく走り続けると海岸の最も先にあるコンクリート造りの高層ホテルから頭の真ん中で白髪の髪の毛がぱっくりと別れているとし老いた女性が手錠をかけられ、警察に引っ張られながら入り口の大きな回転ドアから出てくる。 男は彼女にすがりつき、よかったよかったと言っているようだったが、警察はすぐに男を引きずり返離して、「この火事を起こしたのはこの女だ。 こいつは放火の常習犯で、先日東京のホテルで起こった大火災の犯人もこの女だ」と日本語で言った。 「ここで目が覚めた。 君のおっしゃるとおりニーナ以外に重要な女性がいる。 」 「魔性の首を持った」 「そうさ、永遠に忘れることのできないね」 「あなたはその少女を、いやその首を探している」 「しかし、僕はその少女の顔は思い出せなかった。 」 「手がかりは首だけ」 彼は新しい煙草に火をつけ、口にくわえ、煙を肺に入れた。 「人間の中には恐ろしく何かに取りつかれてそのためだけにしか生きられないのがいる。 その何かは煙草を吸うことかもしれない古い切手を集めることかもしれない。 ただその何かがいかれてるものだった場合地獄のような人生を送らなければならない。 」 「あなたにとって必ずしもそれは絵ではなかったあなたに取りついたのは首だった」 「君はそれが性的なことだと思うかい?」 「ええ、少なくともノーではない」 彼は横を向いて窓から東京の街を眺めた。 「あの夢を見て以来、女の首を視ずにはいられなくなった。 一つとして夢の中の少女のような首を持った女はいなかった。 そのうちに僕は女を絞殺する夢を見るようになった。 必ずそうゆう夢から覚めると。 股間は怒張していた。 僕は人としてそれが間違いであることはわかっていた。 しかしどうにかなることではなかった。 スケッチブックに何枚も女の首を描いたが、自分の求めているものは紙に書かれた絵ではなかった。 芸術家の中には自分の狂った感情を作品で表現し満足する者もいるが、僕はそうではなかった。 僕が求めたのは首そのものだったんだ」 「だからあなたは罪をおこしたと?」 「十年、我慢し続けた付き合った女性の中の何人かは自分の首を僕に締め付けさせてくれた。 首を絞める感触、そして女の苦しがる声 それは僕にとってどんな名画よりも崇高で芸術的に感じるものだった」 「しかし、あなたはそれでは我慢が出来なくなった」 僕はこういいながら遠い過去に思いをはせた杉並木の道で僕の五歩先を歩く彼女は輝いていて、そこには少しの穢れもない。 僕の目から見て世界は彼女を中心に回っていた。 おそらくそれは杉並木の道のわきにブルーシートで作られた小屋にひっそりと住む年老いたホームレスの彼の目にもに同じだったはずだ。 しばらくすると彼女は後ろに振り返って僕に 問いかける。 「ねぇ、さっきの話どう思う」 僕はこの何気ない出来事を鮮明に記憶している。 彼女が選んだ判断は結局として彼女を殺した。 もし、彼女が生きていたらどうだったのだろうか。 彼女も僕自身も。 おそらく彼女は幸せになったのだろう。 あそこまで美しさとやさしさを兼ねそろえた女性が不幸になる可能性は天文学的確率だろう。 彼女はたまたまその確立にはまってしまった。 彼女の死体を見たとき私は涙を流さなかった。 あまりにも死体は美しかったし魅力的だったしかし、火葬された彼女の燃えカスはただの燃え燃えカスだった。 彼女はどこへ行ってしまったのだろうか。 私は彼女の葬式で彼を見た。 あの時のこの男の濁りを持った目。 そんな目をしている人間はあの場にほかに居なかった。 「そのとおりさ、どうすることもできなかった」彼はどこともない方向を濁った目で見ながら言った。 「彼女はあなたの絵がとても好きでしたよ」.

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