尿酸 値 と は。 なぜ?尿酸が低い原因について。体のどこが悪い?食べ物で改善を!

痛風に良い食べ物・悪い食べ物一覧(食品のプリン体含有量)|痛風の原因から症状まで

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もっと見る 健康診断などで、「尿酸値が低い」と診断を受けたことはありませんか? 尿酸値が低いと『腎性低尿酸血症』が疑われます。 あまり聞きなれない病名ですが200~300人に1人が発症するといわれている病気です。 今回は、『尿酸値が低い』場合の原因・問題点・病気などについて解説します。 尿酸値が低いのはなぜ?原因について 1. 尿酸とは? プリン体が肝臓で分解されるときに作られる! 尿酸は、『プリン体』が肝臓で分解されるときに作られます。 プリン体のほとんどは体内で作られ、約2割が食べ物から取り込まれます。 そうして作られた 尿酸の約8割は「腎臓」から排泄され、残りは便や汗などで排泄されます。 腎臓のはたらきと、尿酸のはたらき 腎臓は、体内に残った尿酸の「産生量と排泄量」のバランスをとり、常に一定の量を保つために大きな役割を担っています。 また、 尿酸には老化やがんなどの原因となる『活性酸素』(酸素が体内で変化して強い酸化作用をもったもの) を 抑える 『抗酸化作用』 があるといわれています。 尿酸は、どの値から「低い」と診断される? 尿酸値の基準値は『2. 1~7. 尿酸値が、 『2. 尿酸が低い原因。 体のどこに異常がある? 腎臓は、 老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をろ過する働きがあります。 腎臓に運ばれた尿酸は『糸球体』でろ過されたあと、尿細管で必要なぶんだけ吸収され、その残りが膀胱へ送られ尿として排泄されます。 この働きがうまくいかず、 尿酸が大量に排泄された場合に尿酸値が低くなると考えられます。 尿酸が低いことの問題点 1. 低尿酸血症になる可能性が! 尿酸が低すぎる場合を、 『低尿酸血症』といいます。 女性のほうがもともと尿酸値が低いため、低尿酸血症と診断されやすいといわれています。 低尿酸血症は、尿素を作る酵素が生まれつき欠けている場合もありますが、ほとんどは 腎臓から尿酸を排泄しすぎる『腎性低尿酸血症』です。 尿酸値が低くても痛風になる? 痛風と似た症状があらわれる 腎性低尿酸血症の場合、尿中の尿酸濃度が非常に高くなり尿酸が結晶化しやすくなるため、尿路結石をおこしやすくなります。 『痛風』も、血中・尿中の尿酸値が高く尿路結石をおこしやすく、どちらの場合も、 尿路結石が体内を傷つけて血尿が出ることがあります。 自覚症状は? 尿路結石の多くは腎臓で作られますが、腎臓にあるときには自覚症状はありません。 しかし、尿とともに降りてきたときに、尿路で詰まると激痛が起こります。 尿酸値が低いまま放っておいても大丈夫? 低尿酸血症に対する治療は、とくにおこないません。 しかし、腎性低尿酸血症の場合は、重い合併症として運動後に『急性腎不全』をおこすことがあります。 そのため、 運動前にはじゅうぶんな水分補給が必要です。 尿酸値は自然に『正常値』になる? 低尿酸血症に対する治療はありませんが、体の状態によって尿酸値が基準値内になることもあります。 そのため、定期的に測定をして体の状態を把握することが大切です。 尿酸値が低い場合の対処法 1. 尿酸値を上げる食べ物 尿酸値を上げる食べ物として、「揚げ物」や「ラーメン」などの高エネルギーの食事や「お酒」があげられます。 しかし、塩分や脂肪分も多いため、 食べ過ぎると『高血圧』や『肥満』になり、ほかの病気になる恐れもあるので適量を摂るようにしましょう。 プリン体を多く含む、 『レバーなどの内臓類』『真いわし』『かつお』『干ししいたけ』などは尿酸のもとになるので、上手に料理に取り入れるとよいでしょう。 食べ物以外で尿酸値を上げる方法 尿酸のもととなる『プリン体』を増やすために以下の方法を取り入れるのがおすすめです。 細胞の新陳代謝をよくする 「適度に体を動かす」「体を冷やさない」「栄養バランスのよい食事を摂る」「ストレスをためない」「じゅうぶんな睡眠をとる」などを意識して生活しましょう。 筋肉の新陳代謝が活発にする たんぱく質を補給し、体をこまめに動かすことです。 ATP(アデノシン三リン酸)を使う運動をする 「ATP」はプリン体を合成する材料になるため、尿酸に分解されます。 「筋トレ」など、ハードな無酸素運動を取り入れるとよいでしょう。 しかし、『腎性低尿酸血症』の場合、激しい運動は合併症のリスクを高めることもあります。 必ず主治医に相談してからとり組みましょう。 病院を受診するタイミングは? 自覚症状がないため健診で尿酸値が低ければ、内科や腎臓内科で継続して検査をおこないます。 定期的に、腎臓の機能低下や尿路結石ができていないかを確認することが大切です。 まとめ 高尿酸血症も低尿酸血症もあまり自覚症状がないので、健診で気づいたらまず病院を受診してみましょう。 とくに、『低尿酸血症』は合併症が非常に危険です。 運動後に急性腎不全になった場合は、「腰や背部の痛み」、「吐き気」や「嘔吐」などの症状があらわれます。 ふだんから水分をじゅうぶんにとって予防に努め、定期的な受診で合併症がないか確認することをおすすめします。

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なぜ?尿酸が低い原因について。体のどこが悪い?食べ物で改善を!

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健康診断の項目のひとつに「 尿酸値」があります。 これは血液中の尿酸の濃度を示す値のことです。 尿酸が産生される量と体の外に排泄される量とのバランスによって、わたしたちの体のなかで毎日一定量に保たれています。 しかし近年、食生活の欧米化などライフスタイルの変化に伴って尿酸値の高い方が増える傾向にあります。 尿酸値が高くなるとどういったことが起こるのかといいますと、痛風や尿路結石といった激痛を生じる病気につながります。 高尿酸血症の患者には「肉食」「大酒飲み」「肥満」といった特徴がみられ、脂質異常症や糖代謝障害を合併することが多く、動脈硬化が起こりやすくなるといいます。 尿酸の原料はプリン体ですから、尿酸を下げる方法というなら「 プリン体の含まれている食品の摂取を控えればいいのでは?」と思われる方が多いかもしれません。 残りの尿酸は新陳代謝によって細胞が分解された際やエネルギー消費の際に体内にあるプリン体を原料として作られているのです。 痛風の原因となる血清尿酸値が7. 尿酸が作られる量が多すぎる• 尿酸が上手に排泄されない およびその両方が重なることが大きな原因となります。 ですから食事からのプリン体の摂取はもちろんのこと、体内で作られる尿酸を増やさないことが必要なのです。 Contents• 尿酸値が高い原因 尿酸値が高い原因には具体的に次のようなものが考えられます。 プリン体は動物の内臓や魚介類、干物などに多く含まれています。 7mg イサキ白子 305. 5mg あん肝(酒蒸し) 399. 2mg 鶏レバー 312. 4mg マアジ 245. 8mg サンマ 208. 8mg 大正エビ 273. 2mg 牛肉レバー 219. 8mg 豚肉レバー 284. 7mgと意外と少ないです。 飲酒 お酒を飲むことは、おつまみを合わせて食べることも含め尿酸値を上げる要素がたくさんあります。 アルコールを摂取すると体内の尿酸値が上がります。 さらに尿中への尿酸の排出を阻害します。 さらにアルコールの利尿作用によって尿酸が濃縮されます。 酒類に含まれる尿酸+高プリン体のつまみにより尿酸値が高くなります。 アルコールは代謝の際に尿酸値が上がるのでどの種類のお酒でも尿酸値を高くする要因にはなるのですが、プリン体の多さはビールがもっとも多くなります。 ビール大瓶1本 50mg程度 白子やレバー100gあたり 300mg程度 高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインでは、「生活指導」の食事療法にプリン体として1日の摂取量は400mgを超えないようにするのが実際的、としています。 ビールに白子、焼き鳥のレバーなどといったお酒とおつまみの組み合わせは、尿酸値を高くするのにある意味最強の組み合わせだということがわかると思います。 血清尿酸値への影響を考えてお酒を飲むのであれば、目安量は1日• 日本酒1合• ビール500ml• ウィスキー60ml 程度と考えておきましょう。 そのため、短距離走や筋トレなどの激しい運動(無酸素運動)を行いますと、新陳代謝が活発になって尿酸値は急上昇してしまいます。 肥満 肥満は体内でのプリン体の合成を促進します。 また肥満になるとインスリン抵抗性によって尿酸の再吸収が促進され、結果尿酸の排泄低下を招きます。 ストレス ストレスは尿酸値を上昇させてしまうだけでなく、ストレスによって痛風発作が起こりやすくなります。 尿酸値を下げる方法は? 厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイトによりますと、高尿酸血症の食事療法では、• 細胞由来の尿酸を増やさない• 食事由来のプリン体を増やさない• 尿酸を上手に排泄させる この3つのことを目的としています。 具体的には以下のような生活改善が必要です。 食事の量を減らす• すべてのアルコールの量を減らす• 脂肪分の多い食事やプリン体の多い食事を控える• 水分と野菜を多くとる• プリン体の過剰摂取を控える プリン体はほとんどの食品に含まれるものなので摂取しないというのは無理ですが、過剰な摂取を制限するため、プリン体の多い食品に気をつけるように心がけましょう。 アルカリ性食品で尿をアルカリ性にする 尿がアルカリ性だと尿酸が溶けやすく排泄されやすいため、アルカリ性食品を積極的に摂ることも大切です。 通常の尿は弱酸性なのですが、飲酒やプリン体の多い食事などにより酸性に傾きがちになります。 尿酸は、アルカリ~中性によく溶けますので、海藻類や野菜、芋類などのアルカリ性食品を毎日摂るようにしましょう。 海藻類 ひじき わかめ 昆布 きのこ類 干し椎茸 野菜類 ほうれん草 ごぼう にんじん キャベツ 大根 かぶ なす 芋類 さつまいも 里芋 じゃがいも 果物類 バナナ メロン グレープフルーツ アルカリ性食品とは…?と思われる方もいらっしゃると思います。 食品には「酸性食品」と「アルカリ性食品」とがあるのです。 食品の場合、食品そのものではなく食品に含まれるミネラルが酸性なのかアルカリ性なのかで判断します。 たとえば梅干しの場合、いかにも「酸性」というイメージがありますが、実は梅干しはからだのなかに入るとアルカリ性に変化する「アルカリ性食品」です。 牛乳やヨーグルトなどの乳製品を食べる 乳製品は血清尿酸値を低下させて痛風のリスクも増加させないため、積極的摂取がおすすめです。 牛乳やヨーグルトに含まれるカゼインという成分は胃腸で分解され、アラニンという成分に変わります。 このアラニンが腎臓の働きを助け、尿酸の排泄を促してくれるのです。 納豆は痛風に良くない? 生活習慣病予防に役立つと言われいかにも体にいいというイメージのある納豆ですが、痛風に関しては「プリン体が含まれているから良くない」という意見もあります。 実際のところは納豆のプリン体は100gあたり113. 9mg、納豆1パックあたりは50g程度なので、57mg程度といったところでしょうか。 プリン体含有量は200~300mg以上は多いとされますが、50~100mgは少ないとされていますし、納豆のプリン体含有量は多くないと言えるでしょう。 よいとされる食品にはこのようにいくつかあるわけですが、大切なのは適正な量をバランス良く食べることです。 良いと言われるものでも偏って食べ過ぎないよう注意しましょう。 尿酸値を下げる飲み物 水 尿酸値を下げる飲み物として、まず大切なのは水です。 飲水量を多くして尿量を増やすことは、尿酸の排泄を助けます。 目安として1日2リットル以上の尿量を保つように、十分な飲水を心がけましょう。 十分な飲水といっても、糖分の多いジュースやアルコール飲料を水代わりに飲むことはNGです。 また、牛乳などの乳製品が血清尿酸値を低下させると紹介しましたが、こちらも水代わりにはなりませんので水分は水分で十分摂るようにしましょう。 アルカリ性食品は尿酸を排泄しやすくするので「それならアルカリイオン水もいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。 たしかに「痛風の予防に」などと紹介されていることがありますが、アルカリイオン水はその内容に誇大な宣伝が多いとして国が通達を出したこともあります。 飲水量を多くして尿量を増やすことは厚生労働省がすすめています。 特別な水ではなく普通の水で大丈夫ですから、飲水量は意識して増やしてみましょう。 牛乳 前述のとおり、牛乳などの乳製品は血清尿酸値を低下させます。 さらに、牛乳はプリン体がゼロです。 ただし、豆乳にはそうした成分は含まれておらず、また豆乳はプリン体を含んでいます。 豆乳は確かに健康に良い成分が豊富に含まれていますが、尿酸値のことに特化して考えるのであれば牛乳のほうがおすすめです。 コーヒー 痛風の発症リスクについて、コーヒー摂取量が多い集団は痛風になりにくいという結果があるそうです。 お茶 お茶が尿酸値を下げるというよりも、飲水量を増やすという点で水やお茶を飲むといいでしょう。 酢(黒酢) お酢の健康効果は疲労回復効果などで良く知られていますね。 黒酢に含まれる酢酸は体内に入るとクエン酸に変化します。 クエン酸は体内で吸収されるとアルカリ性に変わるため尿のアルカリ化に効果的といわれています。 尿酸値を下げる運動 運動といってもジムでの筋トレなど特別なダイエットをする必要はありません。 尿酸値を下げるためには激しい運動ではなく、ジョギングなどの軽い有酸素運動を行うようにしましょう。 高尿酸血症の患者の7割にメタボリックシンドロームの可能性があると言われています。 メタボリックシンドローム改善のためにも、内臓脂肪を減少させることが重要です。 そして有酸素運動はその有効な手段のひとつになります。 尿酸値を下げるサプリメント 尿酸値を下げるのに役立つと言われている成分には、次のようなものがあります。 アンセリン アンセリンは動物の筋肉中に含まれているペプチドで、そのなかでもマグロやカツオ由来のアンセリンには尿酸を作りすぎない・尿酸を体外へ排出しやすくするといった効果があるそうです。 尿酸値にはたらきかけるサプリとしていろいろなものが販売されています。 クエン酸 クエン酸はレモンや梅干しなどに含まれる成分ですが、前述のとおり体内でアルカリ性に変わります。 尿がアルカリ性だと尿酸が溶けやすく、排泄されやすくなります。 DHA、EPA 尿酸値を下げるサプリで検索しますとDHA・EPAのサプリが出てくることがあります。 DHA・EPAといえば血液サラサラ成分として一般的に知られていますね。 DHAや EPAが尿酸値にどのように働きかけるか、はっきりとその根拠となるものは見つけられなかったのですが、尿酸の排出を促してくれる効果が期待できるとも言われています。 基本的には栄養の摂取は食事から摂取が望ましいですが、なかなかバランス良く野菜もあれもこれも摂るのは難しい…という方も多いのではないでしょうか。 日々の食生活を見直してみて、自分に足りていないかも?という成分をサプリメントで補うのも一つの手ですね。 サポニン 痛風が発症する原因は尿酸値が高いだけが理由ではなく、活性酸素が過剰発生しているケースが多いという研究結果もあります。 田七人参に多く含まれるサポニンには、活性酸素を抑制する効果があります。 また、腎臓の機能を向上させて体内の老廃物を排出することで、過剰な尿酸を体外に排出するのです。 さらに消腫効果もあるため、痛風による腫れにも効果があると言われてます。 おすすめのサプリメントは「」です。 尿酸を作る働きを抑える薬(尿酸生成抑制薬)• 高尿酸血症の治療は生活習慣を是正する食生活の指導がもっとも大切になりますが、痛風関節炎を繰り返したりや痛風結節がある場合には生活指導だけでは難しく、薬物治療となります。 薬物治療の目安• 血清尿酸値7. 血清尿酸値8. 血清尿酸値9.

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尿酸値を本気で下げるには?|医師向け医療ニュースはケアネット

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尿酸値が高い原因は?尿酸値を下げるお薬は一生飲み続けるの? 突然の激痛、痛風発作を発症し、検査の結果、尿酸値が高いことが判明。 尿酸値を下げるお薬が処方されたが、一生飲み続けていかないといけないのか、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?尿酸値が高い原因は、食生活の乱れだけではなく、体質、遺伝的な要因などもあります。 尿酸値を下げるお薬の服用によって、痛風発作などの合併症を起こさないようにすることができます。 また、体質、遺伝的な要因などがあるとはいえ、食生活に気をつけることや肥満を解消させることも大切です。 今回は、尿酸値が高くなる原因について解説するとともに、尿酸値を下げるお薬の種類と、お薬だけに頼らない生活習慣の改善法を説明していきます。 記事を参考に、ご自身の健康管理の参考にしていただけますと幸いです。  1. 尿酸値が高くなる原因 高尿酸血症は、血液中の尿酸値が7. 通常、体内では、毎日、一定量の尿酸が作られ、一定量が腎臓をとおして尿中に排泄されます。 尿酸は古い細胞が死んでこわれたときに、その老廃物として細胞の中の遺伝子を構成していたプリン体が放出、分解され、尿酸がつくられるのです。 またさまざまな身体活動を行うとき、そのエネルギー源として体内にある「ATP」という物質がつかわれますが、このATPもプリン体を含んでいますのでATPが分解されたときにも尿酸が作られます。 この尿酸が作られる量(産生量)と排泄される量(排泄量)のバランスが崩れることによって、血液中の尿酸の量が増え、高尿酸血症となります。 (ちなみに、高尿酸血症のタイプとしては3つに分類され、尿酸が過剰に作られるタイプを「尿酸産生過剰型」、尿酸の排泄が低下するタイプを「尿酸排泄低下型」、両者が混在するタイプを「混在型」といいます。 ) 産生と排泄のバランスが崩れる原因としては、まだはっきりと解明されているわけではないですが、生まれつきの体質(遺伝的背景)、食生活や飲酒、肥満、ストレスなどの生活習慣の影響、他の病気や薬などが原因で起こる二次的なものなどが挙げられます。 メタボリック症候群を伴いやすいことも多く、動脈硬化の危険因子でもあることが明らかになっています。 尿酸値が高いことで起こりやすい「痛風症状」を贅沢病(ぜいたくびょう)と言われることもありますが、単に生活習慣が影響しているわけではなく、生まれつきの体質もあるため、その考慮が必要です。 スポーツ選手などのアスリートであっても尿酸値が高いケースもあるのです。 尿酸値が高いことで起こる合併症 血液中の尿酸の量が過剰になると、尿酸が溶けきれなくなり、針状に結晶化します。 この尿酸の結晶が関節など体のあちこちに沈着することによって、様々な合併症を起こします。 ・痛風症状(痛風関節炎・痛風結節) ・腎障害 ・尿路結石 ・メタボリックシンドローム など 高尿酸血症では、脂質異常症、高血圧、耐糖能異常、肥満などのメタボリックシンドロームが高率に合併することが知られており、こうした合併症が原因で、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気になるリスクを高くしていることが推察されています。 高尿酸血症が続いて、関節に炎症が起こり激痛や腫れが生じたもの(急性関節炎)を痛風発作といいます。 尿酸値が高いというと、足の親指の付け根に激痛を起こす痛風症状のイメージが強いのですが、実は痛風症状だけではなく、 透析につながるような腎障害を発症したり、心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気になるリスクを高める可能性がある全身疾患です。 そのため、痛風症状がおさまっているから問題無い、もう病院に行かなくて良いと安心するのではなく、しっかりと尿酸値を一定値に下げておくことが大切です。 尿路結石が尿管という腎臓と膀胱をつなぐ管につまると、やはり激痛が起こります。 尿酸を下げることで、尿酸結晶による尿路結石も予防することができます。 痛風の発作も尿路結石も一度経験すると、二度と味わいたくないと思うほどの痛みです。 尿酸値を下げるお薬 参考として、尿酸値を下げるお薬による治療がはじまる基準としては次のものがあります。 ・コルヒチンは痛風発作の特効薬で、発作の前兆期に飲むと発作の痛みを和らげることができます。 痛風発作を起こしている場合には、尿酸値を下げるお薬を使用すると発作を憎増悪させる可能性があるので、原則、新規投与を開始しないません。 ・尿酸値が7. 1 尿酸生成抑制薬:尿酸が過剰に作られている方 体内で、プリン体から尿酸ができる過程の代謝を阻害することによって、尿酸が作られるのを妨げるお薬です。 代表的なお薬は3つあります。 ・ザイロリック(一般名:アロプリノール) ・フェブリク(一般名:フェブキソスタット) ・ウリアデック、トピロリック(一般名:トピロキソスタット) 2 尿酸排泄促進薬:尿酸の排泄が低下している方 腎臓にはたらき、尿中に排泄する尿酸の量を増やします。 具体的には、尿細管といわれる部位で、尿酸の再吸収を阻害することによって、尿中に排泄する尿酸の量を増やし、血中の尿酸の量を下げる作用があります。 代表的なお薬(3つ): ・ユリノーム(一般名:ベンズブロマロン) ・ベネシッド(一般名:プロベネシド) ・パラミヂン(一般名:ブコローム) また、尿酸排泄促進薬を服用中は、尿中の尿酸の量が増加して、尿路結石を発症させやすいことがあります。 そのため、尿路結石を防ぐために、次のような尿アルカリ化薬を併用することがあります。 水をやや多めに飲むようにすることも大事です。 <尿アルカリ化薬> 尿が酸性であるほど、尿酸は結晶化しやすいため、尿をアルカリ性にし、尿酸を溶けやすくして尿路結石を予防します。 代表的なお薬: ・ウラリット(一般名:クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム水和物) 痛風発作に対するお薬 痛風発作に対するお薬としては、「コルヒチン」「鎮痛薬NSAIDs(非ステロイド生抗炎症薬)」「副腎皮質ステロイド」などが用いられます。 <コルヒチン:前兆を感じたときに服用> 痛風発作の前兆(患部に違和感、鈍い痛み、ピリピリなど)を感じた時に服用することで、発作を抑えることができます。 痛風発作がおきるのは、痛風結節のところに白血球が集まってきて、炎症が起きるためと考えられています。 コルヒチンは、それ自体には消炎・鎮痛作用はないとされていますが、炎症を起こす要因となる白血球のはたらきを弱めることで発作を抑え、結果的には痛みを抑える作用があります。 <鎮痛剤NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):発作時の炎症を抑える> 痛風発作による炎症を抑える作用がある、いわゆる痛み止め(消炎鎮痛剤)です。 痛風発作が起こってしまったらまず用いられる薬です。 体内の炎症を引き起こす原因となるプロスタグランジンが作られるのを抑えることによって、炎症を和らげる作用があります。 NSAIDsとしては、ロキソニンなどが有名ですが、実は、実際に痛風に保険適応があるNSAIDsは限られています。 代表的なお薬: ・インテバン(一般名;インドメタシン) ・ナイキサン(一般名:ナプロキセン) ・アルボ(一般名:オキサプロジン) ・ニフラン(一般名:プラノプロフェン) <副腎皮質ステロイド:NSAIDsが無効だったときに> 鎮痛剤NSAIDsが使用できない場合や、無効だった場合、または、多発性に関節炎を生じているような場合には、副腎皮質ステロイドを服用することがあります。 代表的なお薬: ・プレドニゾロン など 4. お薬は一生飲み続けないといけないのか? 尿酸を下げるお薬が処方された場合、お薬は一生飲み続けないといけないのか?という不安があることでしょう。 実際には、いったん薬をやめると尿酸値が再上昇することも多いので、薬をすぐにやめることはできなこともあります。 しかし、2年間はくらい薬を飲み続けて、それをやめても尿酸値が上がらないようであれば、薬を減量したり、中止できる可能性がみえてきます。 痛風発作が起きないよう治療の目標値である6. 尿酸が高くなる原因として、生まれつきの体質(遺伝的背景)はあるものの、やはり生活上の習慣を正すことや減量することにより、尿酸値が下がることも多く、また、脂質異常症、高血圧、耐糖能異常、肥満などのメタボリックシンドロームの改善にもつながります。 次に、どのようなことに気をつけたほうが良いかを解説します。 1 食事療法 厳密にプリン体を摂らない食事を毎日続けることは難しいため、プリン体を多く含む食事を極力控えることが大切です。 プリン体を多く含む食品としては、レバー等の動物の内臓、干し椎茸等の乾物、マイワシ、サンマなどの魚の干物などがあります。 また、尿酸の排泄を促すためや、尿中の尿酸濃度を低下させるために、水分は多めに摂るようにしましょう。 また、過剰なカロリー摂取は、肥満の原因です。 肥満傾向のある方の場合は、摂取カロリーを適正化し、減量することが大切です。 2 飲酒制限 アルコール飲料は、プリン体を多く含む含まないかとは無関係に、その代謝に関係し、血液中の尿酸値を上昇させるとされています。 そのため、過剰なアルコール飲料の摂取は控えるようにしましょう。 また、ご存知の方も多いと思いますが、ビールはプリン体を多く含み、他の酒類と比較すると高カロリーのため、肥満につながる可能性もあります。 お酒を飲む機会が多い方や、多量に飲む習慣がある方は、意識して、飲酒を控えるようにしましょう。 3 運動の推奨 運動は、肥満の解消(減量)につながることはもちろんのこと、それに伴い尿酸値にも好影響で、また、メタボリックシンドロームの改善にもつながりなど様々な効果を期待することができます。 過度の負荷がかかる運動や無酸素運動は、尿酸値を上昇させる可能性があるため控えるようにしましょう。 1日30分以上のウォーキングなどの有酸素運動を定期的に続けることをお勧めします。 代表的な有酸素運動としては、早歩き、ゆっくりジョギング、サイクリング、水泳などがあります。 例えば、朝に散歩をする、1駅前で降りて歩いていく、できるだけ階段を使うようにする、など、日常生活の中に自然に運動を取り入れることが、続けるためのコツです。 まずは、無理のない範囲で、運動する習慣をつけるようにしましょう。 医師との相談の上、無理のない範囲で少しずつ行っていくようにしましょう。 おわりに 今回は、尿酸値が高くなる原因について解説するとともに、尿酸値を下げるお薬の種類と、お薬だけに頼らない生活習慣の改善法について解説しました。 尿酸が高くなる原因としては、生まれつきの体質(遺伝的背景)はあるものの、それとともに、生活習慣(食事、飲酒、運動)などが影響していることがあります。 尿酸を下げるお薬は、説明のとおり何種類かあり、その方のタイプに合わせて適したお薬が処方されます。 また、お薬による治療をはじめるとともに、食事や運動などの生活習慣の改善も心がけていくようにしましょう。 参考: 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版.

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