しゅう げーむ ず。 おもしろさとチャンネル登録者が比例しないYoutuber「しゅうゲームズ」

ぱちしゅうのげーむ屋さん

しゅう げーむ ず

名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。 吾輩はここ で始めて人間というものを見た。 しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。 この書生というのは 時々我々を捕えて煮て食うという話である。 しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。 ただ彼の掌に 載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。 掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわ ゆる人間というものの見始であろう。 この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。 第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつ るつるしてまるで薬缶だ。 その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。 のみならず顔の真中があまりに突 起している。 そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。 どうも咽せぽくて実に弱った。 これが人間の飲む煙草というものであ る事はようやくこの頃知った。 この書生の掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。 書生が動くのか自分だけ が動くのか分らないが無暗に眼が廻る。 胸が悪くなる。 到底助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。 それまで は記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。 ふと気が付いて見ると書生はいない。 たくさんおった兄弟が一疋も見えぬ。 肝心の母親さえ姿を隠してしまった。 その上今までの 所とは違って無暗に明るい。 眼を明いていられぬくらいだ。 はてな何でも容子がおかしいと、のそのそ這い出して見ると非常に痛い。 吾輩は藁の上から急に笹原の中へ棄てられたのである。 ようやくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。 吾輩は池の前に坐ってどうしたらよかろうと考えて見た。 別にこれと いう分別も出ない。 しばらくして泣いたら書生がまた迎に来てくれるかと考え付いた。 ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来な い。 そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。 腹が非常に減って来た。 泣きたくても声が出ない。 仕方がない、何でも よいから食物のある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池を左りに廻り始めた。 どうも非常に苦しい。 そこを我慢して無理や りに這って行くとようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。 ここへ這入ったら、どうにかなると思って竹垣の崩れた穴から、とある 邸内にもぐり込んだ。 縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、吾輩はついに路傍に餓死したかも知れんのである。 一樹の蔭とはよく云ったものだ。 この垣根の穴は今日に至るまで吾輩が隣家の三毛を訪問する時の通路になっている。 さて邸へは忍 び込んだもののこれから先どうして善いか分らない。 そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、雨が降って来るという始末でもう 一刻の猶予が出来なくなった。 仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。 今から考えるとその時はすでに 家の内に這入っておったのだ。 ここで吾輩は彼の書生以外の人間を再び見るべき機会に遭遇したのである。 第一に逢ったのがおさんで ある。 これは前の書生より一層乱暴な方で吾輩を見るや否やいきなり頸筋をつかんで表へ抛り出した。 いやこれは駄目だと思ったから 眼をねぶって運を天に任せていた。 しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。 吾輩は再びおさんの隙を見て台所へ這い 上った。 すると間もなくまた投げ出された。 吾輩は投げ出されては這い上り、這い上っては投げ出され、何でも同じ事を四五遍繰り返 したのを記憶している。 その時におさんと云う者はつくづくいやになった。 この間おさんの三馬を偸んでこの返報をしてやってから、 やっと胸の痞が下りた。 吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、この家の主人が騒々しい何だといいながら出て来た。 下女は吾 輩をぶら下げて主人の方へ向けてこの宿なしの小猫がいくら出しても出しても御台所へ上って来て困りますという。 主人は鼻の下の黒 い毛を撚りながら吾輩の顔をしばらく眺めておったが、やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入ってしまった。 主人はあ まり口を聞かぬ人と見えた。 下女は口惜しそうに吾輩を台所へ抛り出した。 かくして吾輩はついにこの家を自分の住家と極める事にし たのである。 吾輩の主人は滅多に吾輩と顔を合せる事がない。 職業は教師だそうだ。 学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る 事がない。 家のものは大変な勉強家だと思っている。 当人も勉強家であるかのごとく見せている。 しかし実際はうちのものがいうよう な勤勉家ではない。 吾輩は時々忍び足に彼の書斎を覗いて見るが、彼はよく昼寝をしている事がある。 時々読みかけてある本の上に涎 をたらしている。 彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帯びて弾力のない不活溌な徴候をあらわしている。 その癖に大飯を食う。 大飯を食っ た後でタカジヤスターゼを飲む。 飲んだ後で書物をひろげる。 二三ページ読むと眠くなる。 涎を本の上へ垂らす。 これが彼の毎夜繰り 返す日課である。 吾輩は猫ながら時々考える事がある。 教師というものは実に楽なものだ。 人間と生れたら教師となるに限る。 こんな に寝ていて勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はないと。 それでも主人に云わせると教師ほどつらいものはないそうで彼は友達が来る度 に何とかかんとか不平を鳴らしている。 吾輩がこの家へ住み込んだ当時は、主人以外のものにははなはだ不人望であった。 どこへ行っても跳ね付けられて相手にしてくれ 手がなかった。 いかに珍重されなかったかは、今日に至るまで名前さえつけてくれないのでも分る。 吾輩は仕方がないから、出来得る 限り吾輩を入れてくれた主人の傍にいる事をつとめた。 朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝の上に乗る。 彼が昼寝をするときは必ず その背中に乗る。 これはあながち主人が好きという訳ではないが別に構い手がなかったからやむを得んのである。 その後いろいろ経験 の上、朝は飯櫃の上、夜は炬燵の上、天気のよい昼は椽側へ寝る事とした。 しかし一番心持の好いのは夜に入ってここのうちの小供の 寝床へもぐり込んでいっしょにねる事である。 この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入って一間へ寝る。 吾輩は いつでも彼等の中間に己れを容るべき余地を見出してどうにか、こうにか割り込むのであるが、運悪く小供の一人が眼を醒ますが最後 大変な事になる。 すると例の神経胃弱性の主人は必ず眼をさまして次の部屋から飛び出してくる。 現にせんだってなどは物指で尻ぺたをひどく叩かれ た。 吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘なものだと断言せざるを得ないようになった。 ことに吾輩が時々同 衾する小供のごときに至っては言語同断である。 自分の勝手な時は人を逆さにしたり、頭へ袋をかぶせたり、抛り出したり、へっつい の中へ押し込んだりする。 しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら家内総がかりで追い廻して迫害を加える。 この間もちょ っと畳で爪を磨いだら細君が非常に怒ってそれから容易に座敷へ入れない。 台所の板の間で他が顫えていても一向平気なものである。 吾輩の尊敬する筋向の白君などは逢う度毎に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。 白君は先日玉のような子猫を四疋産まれ たのである。 ところがそこの家の書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四疋ながら棄てて来たそうだ。 白君は涙を流してその 一部始終を話した上、どうしても我等猫族が親子の愛を完くして美しい家族的生活をするには人間と戦ってこれを剿滅せねばならぬと いわれた。 一々もっともの議論と思う。 また隣りの三毛君などは人間が所有権という事を解していないといって大に憤慨している。 元 来我々同族間では目刺の頭でも鰡の臍でも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなっている。 もし相手がこの規約を守 らなければ腕力に訴えて善いくらいのものだ。 しかるに彼等人間は毫もこの観念がないと見えて我等が見付けた御馳走は必ず彼等のた めに掠奪せらるるのである。 彼等はその強力を頼んで正当に吾人が食い得べきものを奪ってすましている。 白君は軍人の家におり三毛 君は代言の主人を持っている。 吾輩は教師の家に住んでいるだけ、こんな事に関すると両君よりもむしろ楽天である。 ただその日その 日がどうにかこうにか送られればよい。 いくら人間だって、そういつまでも栄える事もあるまい。 まあ気を永く猫の時節を待つがよか ろう。 我儘で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう。 元来この主人は何といって人に勝れて出来る事 もないが、何にでもよく手を出したがる。 俳句をやってほととぎすへ投書をしたり、新体詩を明星へ出したり、間違いだらけの英文を かいたり、時によると弓に凝ったり、謡を習ったり、またあるときはヴァイオリンなどをブーブー鳴らしたりするが、気の毒な事には 、どれもこれも物になっておらん。 その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。 後架の中で謡をうたって、近所で後架先生と渾名をつ けられているにも関せず一向平気なもので、やはりこれは平の宗盛にて候を繰返している。 みんながそら宗盛だと吹き出すくらいであ る。 この主人がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後のある月の月給日に、大きな包みを提げてあわただしく 帰って来た。 何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で今日から謡や俳句をやめて絵をかく決心と見えた。 果して翌日から当分の間というものは毎日毎日書斎で昼寝もしないで絵ばかりかいている。 しかしそのかき上げたものを見ると何をか いたものやら誰にも鑑定がつかない。 当人もあまり甘くないと思ったものか、ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に下 のような話をしているのを聞いた。 「どうも甘くかけないものだね。 人のを見ると何でもないようだが自ら筆をとって見ると今更のようにむずかしく感ずる」これは主 人の述懐である。 なるほど詐りのない処だ。 彼の友は金縁の眼鏡越に主人の顔を見ながら、「そう初めから上手にはかけないさ、第一 室内の想像ばかりで画がかける訳のものではない。 昔し以太利の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。 画をかくなら何で も自然その物を写せ。 天に星辰あり。 地に露華あり。 飛ぶに禽あり。 走るに獣あり。 池に金魚あり。 枯木に寒鴉あり。 自然はこれ一幅 の大活画なりと。 どうだ君も画らしい画をかこうと思うならちと写生をしたら」 「へえアンドレア・デル・サルトがそんな事をいった事があるかい。 ちっとも知らなかった。 なるほどこりゃもっともだ。 実にその 通りだ」と主人は無暗に感心している。 金縁の裏には嘲けるような笑が見えた。 その翌日吾輩は例のごとく椽側に出て心持善く昼寝をしていたら、主人が例になく書斎から出て来て吾輩の後ろで何かしきりにや っている。 ふと眼が覚めて何をしているかと一分ばかり細目に眼をあけて見ると、彼は余念もなくアンドレア・デル・サルトを極め込 んでいる。 吾輩はこの有様を見て覚えず失笑するのを禁じ得なかった。 彼は彼の友に揶揄せられたる結果としてまず手初めに吾輩を写 生しつつあるのである。 吾輩はすでに十分寝た。 欠伸がしたくてたまらない。 しかしせっかく主人が熱心に筆を執っているのを動いて は気の毒だと思って、じっと辛棒し 3 毎月 前 吾輩は猫である。 名前はまだ無い。 どこで生れたかとんと見当がつかぬ。 何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。 吾輩はここ で始めて人間というものを見た。 しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。 この書生というのは 時々我々を捕えて煮て食うという話である。 しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。 ただ彼の掌に 載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。 掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわ ゆる人間というものの見始であろう。 この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。 第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつ るつるしてまるで薬缶だ。 その後猫にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。 のみならず顔の真中があまりに突 起している。 そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。 どうも咽せぽくて実に弱った。 これが人間の飲む煙草というものであ る事はようやくこの頃知った。 この書生の掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。 書生が動くのか自分だけ が動くのか分らないが無暗に眼が廻る。 胸が悪くなる。 到底助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。 それまで は記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。 ふと気が付いて見ると書生はいない。 たくさんおった兄弟が一疋も見えぬ。 肝心の母親さえ姿を隠してしまった。 その上今までの 所とは違って無暗に明るい。 眼を明いていられぬくらいだ。 はてな何でも容子がおかしいと、のそのそ這い出して見ると非常に痛い。 吾輩は藁の上から急に笹原の中へ棄てられたのである。 ようやくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。 吾輩は池の前に坐ってどうしたらよかろうと考えて見た。 別にこれと いう分別も出ない。 しばらくして泣いたら書生がまた迎に来てくれるかと考え付いた。 ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来な い。 そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。 腹が非常に減って来た。 泣きたくても声が出ない。 仕方がない、何でも よいから食物のある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池を左りに廻り始めた。 どうも非常に苦しい。 そこを我慢して無理や りに這って行くとようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。 ここへ這入ったら、どうにかなると思って竹垣の崩れた穴から、とある 邸内にもぐり込んだ。 縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、吾輩はついに路傍に餓死したかも知れんのである。 一樹の蔭とはよく云ったものだ。 この垣根の穴は今日に至るまで吾輩が隣家の三毛を訪問する時の通路になっている。 さて邸へは忍 び込んだもののこれから先どうして善いか分らない。 そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、雨が降って来るという始末でもう 一刻の猶予が出来なくなった。 仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。 今から考えるとその時はすでに 家の内に這入っておったのだ。 ここで吾輩は彼の書生以外の人間を再び見るべき機会に遭遇したのである。 第一に逢ったのがおさんで ある。 これは前の書生より一層乱暴な方で吾輩を見るや否やいきなり頸筋をつかんで表へ抛り出した。 いやこれは駄目だと思ったから 眼をねぶって運を天に任せていた。 しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。 吾輩は再びおさんの隙を見て台所へ這い 上った。 すると間もなくまた投げ出された。 吾輩は投げ出されては這い上り、這い上っては投げ出され、何でも同じ事を四五遍繰り返 したのを記憶している。 その時におさんと云う者はつくづくいやになった。 この間おさんの三馬を偸んでこの返報をしてやってから、 やっと胸の痞が下りた。 吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、この家の主人が騒々しい何だといいながら出て来た。 下女は吾 輩をぶら下げて主人の方へ向けてこの宿なしの小猫がいくら出しても出しても御台所へ上って来て困りますという。 主人は鼻の下の黒 い毛を撚りながら吾輩の顔をしばらく眺めておったが、やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入ってしまった。 主人はあ まり口を聞かぬ人と見えた。 下女は口惜しそうに吾輩を台所へ抛り出した。 かくして吾輩はついにこの家を自分の住家と極める事にし たのである。 吾輩の主人は滅多に吾輩と顔を合せる事がない。 職業は教師だそうだ。 学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る 事がない。 家のものは大変な勉強家だと思っている。 当人も勉強家であるかのごとく見せている。 しかし実際はうちのものがいうよう な勤勉家ではない。 吾輩は時々忍び足に彼の書斎を覗いて見るが、彼はよく昼寝をしている事がある。 時々読みかけてある本の上に涎 をたらしている。 彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帯びて弾力のない不活溌な徴候をあらわしている。 その癖に大飯を食う。 大飯を食っ た後でタカジヤスターゼを飲む。 飲んだ後で書物をひろげる。 二三ページ読むと眠くなる。 涎を本の上へ垂らす。 これが彼の毎夜繰り 返す日課である。 吾輩は猫ながら時々考える事がある。 教師というものは実に楽なものだ。 人間と生れたら教師となるに限る。 こんな に寝ていて勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はないと。 それでも主人に云わせると教師ほどつらいものはないそうで彼は友達が来る度 に何とかかんとか不平を鳴らしている。 吾輩がこの家へ住み込んだ当時は、主人以外のものにははなはだ不人望であった。 どこへ行っても跳ね付けられて相手にしてくれ 手がなかった。 いかに珍重されなかったかは、今日に至るまで名前さえつけてくれないのでも分る。 吾輩は仕方がないから、出来得る 限り吾輩を入れてくれた主人の傍にいる事をつとめた。 朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝の上に乗る。 彼が昼寝をするときは必ず その背中に乗る。 これはあながち主人が好きという訳ではないが別に構い手がなかったからやむを得んのである。 その後いろいろ経験 の上、朝は飯櫃の上、夜は炬燵の上、天気のよい昼は椽側へ寝る事とした。 しかし一番心持の好いのは夜に入ってここのうちの小供の 寝床へもぐり込んでいっしょにねる事である。 この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入って一間へ寝る。 吾輩は いつでも彼等の中間に己れを容るべき余地を見出してどうにか、こうにか割り込むのであるが、運悪く小供の一人が眼を醒ますが最後 大変な事になる。 すると例の神経胃弱性の主人は必ず眼をさまして次の部屋から飛び出してくる。 現にせんだってなどは物指で尻ぺたをひどく叩かれ た。 吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘なものだと断言せざるを得ないようになった。 ことに吾輩が時々同 衾する小供のごときに至っては言語同断である。 自分の勝手な時は人を逆さにしたり、頭へ袋をかぶせたり、抛り出したり、へっつい の中へ押し込んだりする。 しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら家内総がかりで追い廻して迫害を加える。 この間もちょ っと畳で爪を磨いだら細君が非常に怒ってそれから容易に座敷へ入れない。 台所の板の間で他が顫えていても一向平気なものである。 吾輩の尊敬する筋向の白君などは逢う度毎に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。 白君は先日玉のような子猫を四疋産まれ たのである。 ところがそこの家の書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四疋ながら棄てて来たそうだ。 白君は涙を流してその 一部始終を話した上、どうしても我等猫族が親子の愛を完くして美しい家族的生活をするには人間と戦ってこれを剿滅せねばならぬと いわれた。 一々もっともの議論と思う。 また隣りの三毛君などは人間が所有権という事を解していないといって大に憤慨している。 元 来我々同族間では目刺の頭でも鰡の臍でも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなっている。 もし相手がこの規約を守 らなければ腕力に訴えて善いくらいのものだ。 しかるに彼等人間は毫もこの観念がないと見えて我等が見付けた御馳走は必ず彼等のた めに掠奪せらるるのである。 彼等はその強力を頼んで正当に吾人が食い得べきものを奪ってすましている。 白君は軍人の家におり三毛 君は代言の主人を持っている。 吾輩は教師の家に住んでいるだけ、こんな事に関すると両君よりもむしろ楽天である。 ただその日その 日がどうにかこうにか送られればよい。 いくら人間だって、そういつまでも栄える事もあるまい。 まあ気を永く猫の時節を待つがよか ろう。 我儘で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう。 元来この主人は何といって人に勝れて出来る事 もないが、何にでもよく手を出したがる。 俳句をやってほととぎすへ投書をしたり、新体詩を明星へ出したり、間違いだらけの英文を かいたり、時によると弓に凝ったり、謡を習ったり、またあるときはヴァイオリンなどをブーブー鳴らしたりするが、気の毒な事には 、どれもこれも物になっておらん。 その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。 後架の中で謡をうたって、近所で後架先生と渾名をつ けられているにも関せず一向平気なもので、やはりこれは平の宗盛にて候を繰返している。 みんながそら宗盛だと吹き出すくらいであ る。 この主人がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後のある月の月給日に、大きな包みを提げてあわただしく 帰って来た。 何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で今日から謡や俳句をやめて絵をかく決心と見えた。 果して翌日から当分の間というものは毎日毎日書斎で昼寝もしないで絵ばかりかいている。 しかしそのかき上げたものを見ると何をか いたものやら誰にも鑑定がつかない。 当人もあまり甘くないと思ったものか、ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に下 のような話をしているのを聞いた。 「どうも甘くかけないものだね。 人のを見ると何でもないようだが自ら筆をとって見ると今更のようにむずかしく感ずる」これは主 人の述懐である。 なるほど詐りのない処だ。 彼の友は金縁の眼鏡越に主人の顔を見ながら、「そう初めから上手にはかけないさ、第一 室内の想像ばかりで画がかける訳のものではない。 昔し以太利の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。 画をかくなら何で も自然その物を写せ。 天に星辰あり。 地に露華あり。 飛ぶに禽あり。 走るに獣あり。 池に金魚あり。 枯木に寒鴉あり。 自然はこれ一幅 の大活画なりと。 どうだ君も画らしい画をかこうと思うならちと写生をしたら」 「へえアンドレア・デル・サルトがそんな事をいった事があるかい。 ちっとも知らなかった。 なるほどこりゃもっともだ。 実にその 通りだ」と主人は無暗に感心している。 金縁の裏には嘲けるような笑が見えた。 その翌日吾輩は例のごとく椽側に出て心持善く昼寝をしていたら、主人が例になく書斎から出て来て吾輩の後ろで何かしきりにや っている。 ふと眼が覚めて何をしているかと一分ばかり細目に眼をあけて見ると、彼は余念もなくアンドレア・デル・サルトを極め込 んでいる。 吾輩はこの有様を見て覚えず失笑するのを禁じ得なかった。 彼は彼の友に揶揄せられたる結果としてまず手初めに吾輩を写 生しつつあるのである。 吾輩はすでに十分寝た。 欠伸がしたくてたまらない。 しかしせっかく主人が熱心に筆を執っているのを動いて は気の毒だと思って、じっと辛棒しておった。 彼は今吾輩の輪廓をかき上げて顔のあたりを色彩っている。 吾輩は自白する。 吾輩は猫 として決して上乗の出来ではない。 背といい毛並といい顔の造作といいあえて他の猫に勝るとは決して思っておらん。 しかしいくら不 器量の吾輩でも、今吾輩の主人に描き出されつつあるような妙な姿とは、どうして.

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しゅう げーむ ず

最近ではパズドラ実況動画を投稿でしながら、Wiiスポーツやマリオギャラクシーなどの有名なものから全然見たこともないようなゲームまで様々な動画も投稿しているという恐ろしい仕事量です。 年収や年齢、素顔は? 五時間かけて作りました。 見た目100点 愛嬌100点 画力100点 笑顔98点 アイコンこれにしようと思います。 慣れてください。 — しゅう 気になるプロフィールですが、この方に関しては謎に包まれすぎている。 『しゅうゲームズ』• チャンネル登録者数 235,880 (662位)• 動画再生回数 1億7465万9271回 (371位)• 高評価率 96. 8% (1228位)• 動画数 2043本 (370位) YouTubeランキング 2018年12月8日時点 これから考えると 年収は500万円ほどあるのではないかと予想しています。 しかし、これ以外の素顔だったり年齢などの情報が全くありません。 年齢は声質から判断するに20代前半ですかね。 職業も全くの不明ですが かつて、こんなにCPUに親しげな人間がいたでしょうか。 僕は見たことがありません。 飾らない 他のYouTuberは 「登録よろしくお願いします。 」のようなチャンネル登録を促すセリフを最後に持ってくる方が多いと思います。 YouTuberの収入源は動画内の広告によって収入が生まれるので当然再生回数によって左右されますよね。 ですが、しゅうゲームズではそんなことは全くありません。 登録者数がある程度の欲が出てきてもおかしくないと思うのですが、20万人を超えても今まで通りやっていくという宣言をしていました。 謙虚で媚びないというスタイルも好かれる理由の一つだと思われます。 しゅうの口ぐせ・名言集(迷言集) 動画内で頻繁に使われる言葉・フレーズをご紹介しておきます。 こんにちは!! 「僕は一人で溺れている」管理人の"あっしゅ"です。 得意なことは大学を休むこと。 苦手なことは家から出ること。 知識ゼロからブログをはじめました。 漫画や小説、旅行、仮想通貨、グルメ、ブログ運営などいろんなことを発信できたらいいなと思っています。 最近の投稿• カテゴリー• アーカイブ• 最近のコメント• に マットはげ より• に フルカド スイ より• に eiji okumura より• に ブラックペインティング より メタ情報•

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しゅうゲームズのネタ(セリフ)をいくつか教えてください

しゅう げーむ ず

しゅうゲームズのプロフィール 名前 :しゅう 本名 :不明 誕生日:不明 身長 :不明 出身 :不明 事務所:無所属 個人的に、 これほど情報が少ない 実況者さんはめずらしいと感じました! 一般的にYoutuberといわれる人はやはり人気のある 人は顔出ししていることが多いですよね。 顔出しまでしていなくても、 自分の誕生日や出身地を明かしていたり 趣味をさらけ出していることが多いです。 ですがしゅうさんはチャンネル登録者数11万人超え という人気があるにも関わらず、 そういったことをしていないようなんです、、、。 やはり需要はあるようで 動画のコメント欄にて 「質問コーナーしてください」 といったコメントも見受けられました。 しゅうさんのTwitterをさかのぼって 得られた数少ない情報ですが、 しゅうさんは たまにアイドルに関するつぶやきをしていますね。 可愛い女の子が好きなんですね。 今日で1500日になりました。 1500日は4年とちょっとです。 4年とは長いですよね。 そうです。 オリンピックと同じです。 もしパズドラリンピックがあれば僕は4年間練習してきたことになります。 これは普通のオリンピック選手が練習する期間と一緒です。 そう考えるとオリンピック選手はすごいですね。 『4年とは長いですよね。 そうです。 オリンピックと同じです。 もしパズドラリンピックがあれば僕は4年間練習してきたことになります。 これは普通のオリンピック選手が練習する期間と一緒です。 』 と本人が言っている通り、 もしオリンピックの種目に パズドラ部門? があったら出られると思います!(笑) パズドラ実況からしゅうさんを知った方は、 しゅうさんはパズドラ以外のゲームを あまりやらないイメージがあるかもしれませんが、 意外と単発実況を上げているんです。 今日からパズドラと一緒で毎日単発実況あげようとします。 多分毎日は無理です。 できるだけあげる。 明日は単発あげません。 パズドラはあげます。 荒野行動やってとたまに言われますがやりません。 酔って具合わるくなるからです。 スプラトゥーンで酔って吐いた実績があります。 — しゅう shussyussyu 『荒野行動やってとたまに言われますがやりません。 酔って具合わるくなるからです。 スプラトゥーンで酔って吐いた実績があります。 』 と、 FPS系のゲームは酔いやすいので やらないということを宣言しています。 これは個人的に意外でした! ですがしゅうさんのスプラトゥーン実況を見ればわかりますが 酔いやすいというだけでゲームの腕は確かなことがわかります! スポンサードリンク 素顔は公開しているの? 残念ながら しゅうさんの顔出し画像は 見つけることができませんでした。 マスクなどで口元を隠している画像すらも無かったので ネットで顔出しするつもりは今のところないのかもしれません。 実写チャンネルでも手が映るだけで 顔が映らないように徹底しています。 ちなみに手(腕)の感じからは、 太くも無く細くもないといった印象ですね。 何故顔出ししないのか気になります! それは、、、、 — しゅう shussyussyu Twitterでも視聴者からの 「チャンネル10万人記念に顔出ししてほしい」 という声に対し 「それは…」 と言葉を濁していますね。 そういうことじゃないんだよなぁー でもハローフィニッシュじゃなくてよかった。 明日はバレンタイン。 チョコを貰う人もいれば貰わない人もいる。 多分貰わない人も多いいはず。 しかし僕は貰います。 こう書くとお母さんからだろと言われそうですが違います。 残念でしたーーーー ばぁちゃんからで — しゅう shussyussyu Twitterではバレンタインとは無縁アピールをしていますが 本当のところはどうなんでしょうね? 実況者に限らず有名な人って、 ファンに向けてこういうこと言いつつも現実では ちゃっかりもらってるパターンも多いと思います!w 営業非リアアピールみたいな…^^; と思いきや、ホワイトデーにも こんなつぶやきをしています。 写輪眼使いすぎて目が疲れたってくだらなりツイートしようとした セーフ 今日はホワイトデー やべ返し忘れたと思ったけどそもそも貰ってなかったのでセーフ。 一見可哀想な人に見えるけど一周回ってお返しのこと考えなくて勝ち組みと思ったけどこれ以上語ると惨めなのでやめます。 写輪眼使いすぎて目 — しゅう shussyussyu 『今日はホワイトデーやべ返し忘れたと思ったけど そもそも貰ってなかったのでセーフ。 一見可哀想な人に見えるけど一周回ってお返しのこと考えなくて 勝ち組みと思ったけどこれ以上語ると惨めなのでやめます。 』 と、しっかりホワイトデーのことについても報告しているあたり 本当にバレンタインやホワイトデーなどの イベントには無縁だという線が濃厚かもしれませんね… ですがしゅうさんは女性視聴者からも人気があるイメージなので しゅうさんさえよければチョコを贈りたい!という女性は多そうですよね^^ スポンサードリンク 仕事は何をしているの? 毎日かかさず動画投稿をしており 一日多い時で5本もの動画を上げているしゅうさん。 Youtubeを本業としていてもおかしくない投稿頻度ですが、 Youtubeは副業で、 他に本業があるのでしょうか? 調べてみましたが、 職種など明かしている訳でもないようですね。 Twitterでも仕事に関するようなつぶやきは無く、 特に公表するつもりはないようです。 動画の収録や編集などで忙しいのに、 毎日出社していると考えたらかなり忙しいですよね。 在宅のお仕事ということも考えられますね。 Youtuber情報サイト Tuber townによると、 平均年収 277万 だそうです! 今後の伸びしろも考えて、 このまま更に人気が出てYoutube一本で食べていける なんてことも十分ありえますね。 事務所に所属していると、企業案件等に関する問い合わせ先が チャンネル概要等に記載してあったりしますが、 しゅうさんは問い合わせ先が個人のTwitterだということから 事務所には所属していないということが考えられます。 となると、事務所に収益の何パーセントかを持っていかれる ということもないので無所属のメリットは大きいですね。

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